羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第二章85

この犯人が鈴木の仲間なら知ってて当然である。
「ふふふっ、まぁいいわ。今日は帰ってもいいわよ。ただし、近日中に貴方のHPに今日の事を書きなさい。勿論、写真付きでね。私があげた写真、全部貼るのよ。それぞれにコメントを付けるのを忘れないでね。」
貴子は、ただただ立ち尽くすのみだった。


休み開け、学校にはいつもと変わりのない奈々がそこにいる。
いつもと同じように、貴子と他愛も無い話をしていた。
ただ貴子は、奈々が話す内容を半分以上聞き逃していた。

奈々「ねぇ? 貴子ちゃん、聞いてる?」
貴子「えっ! 何? 聞いてるよ。それで、その後どうしたの?」
急いでその場を誤魔化した。
奈々「何か今日の貴子ちゃん変だよ。」
貴子「そぅ? いつもと一緒だよ。」
奈々「そうかなぁ。何かあったんじゃないの?」
貴子「何も無いよ。奈々ちゃんの方こそ、何かあったんじゃないの、あっ!。。。」
思わず発した自分の言葉にビックリした。
奈々「えっ!? どうして?」
貴子「えっ、えっ、だっ、だって何かいつもより楽しそうだし。。。」
奈々「ふふふっ、分かる〜? 実はね、昨日久し振りに石田君とデートしたの!」
顔を赤くしながら照れくさそうに貴子を見る。
貴子「そうなんだ。楽しかったんだね。」
貴子の頭の中には、昨日の奈々の姿が思い返される。
二人の温度差を感じないまま奈々は、昨日のデートを楽しく語っていた。
貴子は、その日ホームページを更新した。
指示された通り、いや、それ以上にあの時の情景を事細かに綴っていた。

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