羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
小早川:作

■ 第三章8

清水は、野外露出を智子にさせたあの日以来、週に一度位のペースで智子とデートをしている。
その度に野外露出をさせた。智子も最初こそ嫌がっていたが、あの公園で体験した露出が忘れられずにいた。
その為か、清水に強引に誘われると断り切れないでいる。
ただ、あの公園の時の様に過激な事はせず、地味に二人で楽しむ程度だった。
下着無しでミニスカートをはき電車に乗るとか、その電車で痴漢ゴッコをするとか、デパートの試着室や男子トイレで裸にさせフェラチオをさせるとか、3日穿かせたパンティを公園で脱がせ浮浪者の巣に投げ込ませたり、夜は、いろんな所で裸にさせ写真を撮る。
公園や海や山や、街角等でも撮影をする。
そんな事を繰り返す内に智子もドキドキ感が快感にかわって楽しむ様になってきていた。

しかし、それでも時折、見つかる事も…。
そんな時は、急いで逃げる。
恐らく個人を特定出来る程バレてはいないだろう。
今日も清水と智子は、露出を楽しんでいた。
ショッピングセンターの屋上駐車場の片隅に車を止めた。
天気も良く気温も高いので皆階下の日陰の駐車場を利用するので、屋上は、さほど人がいない。
壁と車の間で智子は生着替えをする。
Tシャツに7分丈のジーンズ姿から靴以外全てを脱ぐ。
車から清水が服を受け取る。
智子は、足下以外全裸姿。
中腰で両手を使って体を隠す。
駐車場からは、見られる事は無いが隣りの建物からは丸見えだった。
500メートル位離れた向かい側には、オフィスビルが建っている。智子たちがいる5階屋上駐車場と同じ高さのオフィスビルには、沢山の人影が見える。
性別は分かるが顔までは分からない。
もし誰かが振り向けば、今の智子の姿は丸見えのはずだ。
智子は、清水に替えの服をくれるよう頼むがなかなか出してくれない。
挙句の果てには、車のドアがロックされ窓も指2本分だけ残して閉める。
智子は、不安になるがこのまま放置されるとは思っていない。
智子「お願い、服を…。」
清水「すぐに着たら面白くないだろ。もう少し皆にサービスしてやれよ。」
智子「そんなぁ。」
清水「向かいのビルの人に見せびらかしてやれよ。『おーい!』って。」
智子「そんなの無理だよぅ。」
清水「大丈夫だって。見つかっても智子だってバレないよ。それに見られる方のが感じるって言ってたじゃん。」
智子「もぅ! いじわるぅ。」
智子『おーーいっ!』
両手を振って、乳も揺らして、向かいのビルに全裸を晒した。
一人だけこちらをチラッと見た人がいた。
ジーッと見つめ固まっている。

智子もその人に気付いた。慌てて下の壁に身体を隠した。
清水「なに隠れているの? だめじゃん。はい立って、両手を挙げて、体をゆすって大きなおっぱいを見せびらかして。大丈夫、智子だって判らないから。やらないとこのままここに置いて行くよ。」
清水は、車のエンジンをかける。
智子「ちょっと待ってよ、ねぇ、や・やるから、ちょっと待って。お願い、やるからエンジンも止めてよ。」
そういうと立ち上がって助手席の窓を叩く。
清水「早くやって。」
智子は、渋々向のビルに向かって両手を挙げ体を小さく揺すった。それだけでも智子の豊満な胸は左右に揺れ動く。
智子は、恥ずかしくて前を向くことができないでいる。
清水「ちゃんと前を向いて、アピールしないと。どうせならもう一度大声を上げてみな。」
智子は、清水のほうを向いて「声は無理。」と涙目で訴えた。
清水は、仕方がないと指で前を指差す。
智子はゆっくりと前を向いた。
清水「違う違う、もっとギリギリまで前に行って。」
智子は、驚いた顔を清水に向けた。
「さあ、早く!」と言わんばかりに前を指差す。
智子は、ゆっくり前に進む。
恐る恐る前を見ると、こちらに気づいて驚いていた人はもうそこにはいなかった。
ホッとしたものの裸を晒していることには変わりはない。また、誰が気づくか、もしかしたらもう気づかれているかも…
――――大丈夫、私だってばれる筈ないわ――――
智子は、これでもかという位に体を揺すって両手を振って見せた。
清水は、車のクラクションを長押ししながら急発進してその場を離れた。
智子は、驚いてその場にしゃがみこんだが体を隠してくれていた車はもうそこには無い。
両手で隠しながら体を小さくするしかできない。
幸い、周りに人影のようなものはなかった。智子には気づかなかっただけだが…

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