体罰
ドロップアウター:作

■ 12

「ハア・・・ハア・・・ハア・・・」
 十発の平手打ちを頬に受けた私は、膝から床に崩れ落ちて、そのまま座り込んでいました。ずっと体に力を入れていたせいか、さすがに苦しくなって息が荒くなっています。そして、泣かないつもりだったけれど、やっぱり少しだけ涙ぐんでいました。
 もう、恥ずかしいところを隠す力も残っていません。乳房の先端のピンクの部分は、さっきから自己主張をしたままです。それが、先生や他のみんなに見られてしまっていることは分かります。恥ずかしい、とは思っています。でも、今は呼吸を整えるだけで精一杯なのです。
 頭の上から、佐伯先生の声が降ってきました。
「ふふ・・・細い体でよくがんばったじゃない。でも、まだ終わりじゃないのよ。しっかりなさい」
(そうだ・・・まだあるんだ・・・あたし・・・がんばらなきゃ・・・)
 頬に手を当てると、しびれるように痛みました。今は見えないけれど、たぶん少し赤く腫れていると思います。
 私はさっき少し切れてしまった唇をきゅっとかんで、どうにか立ち上がりました。
 私は、すぐに乳房を腕で覆い隠しました。
 佐伯先生は、あきれたような口調で言いました。
「あらあら、まだ恥じらっている余裕もあるの。かわいい顔して、意外としたたかじゃないの」
「次を・・・お願いします」
 私はきっぱりと言いました。
 さすがに、気力が限界に近づいていました。今までは、自分なりに何とか気丈に振る舞うことができたのですが、この先はどうなるか分かりません。
 幼児のように泣きじゃくって、同情を誘うようなことはしたくありません。だから、気力が保てるうちに、早く全てをやり終えて欲しいのです。
「まあ、待ちなさい。あたしだって、あなたを好きで痛めつけてるんじゃないんだから」
 先生の言葉は、私の願いを裏切るものでした。
部員の半分以上は、まだ泣いていました。むしろ、やられている私の方が平静なくらいでした。
 私は胸が痛みました。
(みんな・・・ごめんなさい・・・怖いところを・・・見せてしまって・・・本当に・・・ごめんなさい・・・)
 佐伯先生は、腕組みをして、みんなを睨みつけて言いました。
「やっぱり、この子一人に罪を背負わせるのは無理みたいね。だからあなた達も、少しは罰を受けてもらうわ」
(えっ?)
 私は一瞬、自分の耳を疑いました。
(そんな・・・あれは全部私が悪いって・・・先生そう納得してくれたんじゃ・・・)
 私は、先生の言葉に反論しようと一瞬思いました。でも、口を少し開けただけで、結局何もできませんでした。私はもう、疲れ切っていました。
 また、涙が出てきました。
「うぅ・・・ひっく・・・ひっく・・・」
 私は顔を覆ってすすり泣きました。
(みんな、ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・あたしを・・・あたしを許して・・・)
 佐伯先生は、みんなを威圧するような口調で言いました。
「上半身裸になりなさい。それと、靴下も脱ぎなさい。本当はスカートも脱いでもらうつもりだったけど、蓮沼さんの健気さに免じて、それだけは許してあげる」
 先生の言葉を聞くと、部員のみんなは一斉に衣服を脱ぎ始めました。

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