体罰
ドロップアウター:作

■ 13

「いや・・・」
 私は小さく声を上げました。
 でも、私にはもう、どうすることもできませんでした。
「早苗ちゃん・・・」
 その時、堀江先輩が私に話しかけてきました。
 私はしゃくり上げるのが止められないまま、先輩の方を見ました。
「もう、十分だよ」
 先輩は、そう言ってかすかに微笑みました。
「早苗ちゃんの気持ちはよく分かったよ。えらかったね。こんな辛い罰、一年生なのに我慢してちゃんと受けて・・・」
 私は大きくかぶりを振りました。
(そんな・・・私が悪いから当然です・・・)
 でも、声がどうしても出てきません。
 先輩はすでにブレザーを脱いでいて、ブラウスのボタンを外しながら言いました。
「でも、いくら原因が早苗ちゃんにあるからって、一人で背負い込ませることはやっぱりできないよ・・・あたし達だって見てられないよ・・・だからお願い、私達にも少しは背負わせて」
 そう言い終わった時には、先輩は脱衣を終えていました。
 堀江先輩の乳房はけっこう大きくて、それにきれいで、何だかお母さんみたいでした。
 先輩は裸になると、私の頭をポンポンと叩いて、自分の席に戻りました。
 そのうち、全員が脱衣を終えて、それぞれの席に戻りました。
 私は、少し痛んでいる唇をきゅっとかみ締めました。振り返ると、佐伯先生がまた私を怖い目で睨んでいます。
 体罰が再開されるということを、私は悟りました。
 静まり返った部屋の中で、佐伯先生の声だけが静かに響きました。
「それでは蓮沼さん・・・残りの・・・全員の肩代わりの分の罰を受けてもらうわ」
 先生は、「肩代わり」という言葉を強調していいました。部員のみんなはその言葉を聞いて、いたたまれないような表情になってしまいました。
 部員は全員、裸です。私とみんなとの違いは、スカートをはいているかいないかだけです。みんな、恥ずかしがっているようです。特に私と同じ一年生の部員は、顔を真っ赤にしてうつむいていました。
(みんな・・・あたしのせいで迷惑かけて・・・本当にごめんなさい・・・でも・・・ありがとう・・・)
 私のせいでみんなに恥ずかしい思いをさせてしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 ただ正直、羞恥心はだいぶ和らぎました。さっきは私一人だけが裸でとても心細かったけれど、今はみんな一緒です。私だけパンツも見られているという違いはあるけれど、それでも、何だか気が楽になったような気がします。
 体の方は、頬の痛さと全身に刺さるような寒さで、あまり良い状態ではありません。でも、「苦しみももうすぐ終わる、それまで頑張ろう」という気持ちに、自然となることができました。
(大丈夫・・・今なら何でも耐えられる・・・耐えられる・・・)
 私は、何度も自分にそう言い聞かせました。
「では・・・始めますよ」
 佐伯先生は、淡々とした口調で言いました。
 私はまた両腕を体の横に下ろして先生の言葉を聞いていました。さっき緊張が少し抜けたせいか、胸は幸いにも普通の状態に戻っていました。先端のピンクの部分がさっきよりも小さくなっているのを見て、私は少しほっとしました。

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