体罰
ドロップアウター:作

■ 17

 先生は、今度はまた背後に回りました。
 パシッ! パシッ! パシッ! パシッ!
「あっ・・・あっ・・・あぐ・・・うぅ・・・!」
 四発続けて、先生は私の左右のふくらはぎを打ちました。
 物差しで打たれる度に、私の体はビクンと上下に動きました。そして、さっき平手打ちをされた時みたいに、乳房も体が動くのに合わせてぶるんと揺れました。
(やだぁ・・・また・・・)
 そのことをまた意識してしまって、余計に恥ずかしさが増してきました。
 太ももを打った後、佐伯先生は私の背後にいたまま、少し膝を曲げました。
 佐伯先生の目線の先を知って、私は顔が熱くなりました。
(やだ・・・先生に・・・おしり・・・見られてる・・・)
 先生はなぜか叩くのをやめて、私のおしりをじっと見ています。
(先生・・・お願い・・・見ないで・・・恥ずかしいよ・・・痛いのは我慢するから・・・!)
 私は泣きながら、心の中で懇願するしかありませんでした。
 先生は、今度は私の願いに応えてくれました。
 間もなく、先生は物差しを振り上げました。
 パチーン! パチーン!
「うぅ・・・あぐ・・・!」
 おしりの皮膚に、じーんとした痛みが残りました。
 でも、一度沸き起こった羞恥心は、なかなか治まってはくれません。
(やだ・・・先生に・・・あたしの体・・・見られてる・・・!)
 部員のみんなに見られているというだけでも、十分に恥ずかしいです。先生が間近で私の体を観察するような仕草をするので、人に全裸を見られているということを、余計に意識してしまうのです。
 胸に少し痛いような感覚を覚えました。
(やだ・・・また・・・!)
 乳房の先端のピンクの部分が、また自己主張を始めたのです。
(やだ・・・大きくなるのが・・・止まらない・・・)
 先生はいつの間にか、私の正面に回ってきていました。
(いや・・・先生・・・!)
 先生はさっきと同じように、すぐには叩こうとしないで、また私の体を観察し始めたのです。
(先生・・・お願い・・・見ないで!)
 乳首が大きくなっているのを見られていると思うと、恥ずかしい気持ちが今まで以上に強くなってきました。
 体中がほてって熱いです。それに、胸がとてもドキドキして、何だか息苦しい感じです。
 しかも・・・これは、できれば自分では認めたくないんですけど・・・股間が、変なのです。
「いやっ!」
 声を上げてしまってから、私はますます恥ずかしくなりました。
 私のアソコは、濡れてきていました。おしっことは違う透明な液体が、ワレメからにじみ出てきていたのです。
 転校する前の学校で、友達がこんなことを言っていたのを思い出しました。
「女の子は、興奮して気持ち良くなると、アソコが濡れてくるんだって・・・」
 友達の「興奮する」という言葉に、私は何だかいやらしい性的な意味合いを感じました。それが今、自分の身に起こっています。それも、十人以上の人が見ている前で・・・。
(いやっ・・・あたし・・・興奮しちゃってるの?)
 私は反射的に、股間を手で隠そうとしました。でも、私を縛っている包帯が、それを許してくれません。
 包帯を二、三回左右に引っ張って、私は諦めました。
 こんなはしたないところを、たくさんの人に見られてしまっている。そう考えるだけで、私は気が狂いそうになりました。
 それでも、何とか大声を上げることだけはこらえました。
 私がいくらか落ち着いたのを見計らったように、先生はまた私を物差しで打つかまえをしました。
(えっ・・・それってまさか・・・!)
 物差しを振り上げた角度が、私の胸に向いているのを瞬間的に悟って、私ははっとしました。
 その瞬間でした。
 パチーン!
「あっ・・・!」
 私の左側の乳房の下の方に、物差しが命中しました。それは、今までで一番の痛さでした。
 背中がぞくっと震えました。
 乳房の下に、赤い線のような跡ができました。
「いやぁ!」
 部員のみんなが悲鳴を上げる声が、頭の奥の方で聞こえました。
 だいぶ頭が混乱していました。それでも、一つだけ分かったことがありました。
(もう一発・・・くる・・・!)
 私が予想した通りでした。
 先生はまた、私の胸に向かって物差しを振り上げたのです。
(怖い!)
 私はその瞬間、目をつむりました。
 パチーン!
 その時、信じられないような激痛が走りました。
「あぐぅ・・・!」
 私は思わず大きな声を上げてしまいました。
 先生が振り下ろした物差しは、何と、右側の乳房の先端、乳首にまともに当たったのです。
 全身がしびれました。本当に、死ぬような痛みを覚えました。
 他のみんなは、今度は悲鳴すら上げませんでした。みんな顔をそむけて、すすり泣いているのが見えました。
「ごめんなさい・・・狙いが外れちゃったわ」
 佐伯先生は、随分と冷淡な口調で言いました。
「さあ・・・痛いのは次で終わりよ・・・最後まで・・・がんばりなさい・・・」
 先生の口から「次で終わり」という言葉を聞いて、私はかなり安堵しました。
「はい!」
 私はこびるような返事までして、先生の顔を見つめました。
 たぶん、私は少しだけ安らかな表情を浮かべていると思います。
(これで・・・終わるんだ・・・この苦しみが・・・全部・・・)
 安心してしまったせいで、また、涙が出てきました。

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