体罰
ドロップアウター:作

■ 18

 部屋の中には、声を上げる部員は誰もいません。みんなは、泣き腫らした目をこっちに向けています。重苦しい空気に、みんな押し潰されそうな感じです。
「ハア・・・ハア・・・ハア・・・」
 私は少し息を荒げていました。
 全裸にされて後ろ手に縛られ、全身を物差しで強く打たれました。あまりの恥ずかしさと痛みに私はもうボロボロで、立っているのがやっとでした。
 それでも、私はさっきよりはだいぶ落ち着いていました。先生から、「痛いのは次で終わり」とようやく言われたのです。私は泣きながら、苦痛から解放されることに安堵していました。
 佐伯先生は、静かに口を開きました。
「さあ・・・行くわよ」
「・・・はい」
 胸がドキドキしていましたが、私は素直に返事しました。


 佐伯先生は、今度は私の体の右側に立ちました。そして、物差しを右足の太ももにそっと当てました。
 最後に叩かれるのが足だと分かって、私は少し不安になりました。
 ただでさえ弱々しいほどに細い私の足は、これまで全身にいろいろなダメージを受けたせいで、ますます頼りなくなっています。寒いのと恥ずかしいのとで膝は震えているし、足の裏も畳をしっかりとつかみきれていないような気がします。
 太ももはわりと丈夫なところとはいっても、叩かれてバランスを崩してしまわないか、心配でした。
 でも、先生がそのことにかまってくれるわけはありません。
 先生はゆっくりと、物差しを振り上げました。
(くる・・・!)
 私がそう思った瞬間でした。
 パチーン!
「あっ・・・」
 右の太ももに焼けるような痛みが走りました。叩かれた部分が赤くなっているのが一瞬見えました。
 先生は休む間もなく、また物差しを振り上げました。
 パチーン!
「ぐ・・・」
 先生は、同じところを続けて打ちました
 その時、さっきとは質の違う痛みを感じました。
(あっ・・・)
 見てみると、二発目を打たれた部分が切れていて、傷口から、赤い液がにじみ出ていました。
 血が出ていたのです。
 振り下ろされた物差しの角度が、少し斜めに入ってしまって、切りつけるような感じになってしまったのです。
 でも、血が出ているのを見ても、私はもう何とも思いませんでした。今まで、さんざん痛い思いはしてきたのです。血が出ているか出ていないかくらいで、そんなにうろたえることはありませんでした。
 パチーン! パチーン!
 佐伯先生は続けて、左足の太ももを打ちました。
「うぅ・・・」
 私は小さく声をもらしました。
 弱々しい声でした。もう、痛みで声を上げる力さえ、それほど残っていないのです。
「蓮沼さん」
 不意に先生から声をかけられて、私はビクッとしました。
「は・・・はい」
「足をできるだけ広げなさい」
(えっ・・・)
 思わぬことを言われたので、私は少し戸惑いました。でも言われたとおり、肩幅よりも少し大きく、足を広げました。
 先生の言う通りの格好になることがどういうことなのか、それは、実際にやってみて分かりました。
「い・・・いやぁ・・・」
 その瞬間、私は赤面しました。
 足を広げたことで、ただでさえ露わになっていた下半身が、余計に丸見えになってしまったのです。
(やだぁ・・・恥ずかしい・・・!)
 そんなふうに感じてしまうと、また、股間が濡れてきました。性器の部分から透明な液が少しずつにじみ出ているのが、自分でも分かりました。
 しかも、足を広げたことで、その様子がさっきよりもはっきりとみんなに見えてしまうのです。もちろん、後ろ手に縛られたままなので、隠すこともできません。
 また胸が激しくドキドキしてきて、息苦しいような感じになりました。胃がむかむかして、吐き気もします。

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