体罰
ドロップアウター:作
■ 20
しばらくうつむいていたのですが、私はふと思って言いました。
「あの・・・どうして・・・そ・・・そんなこと言うんですか?」
先生は無言のまま、私の質問には答えてくれません。
やがて、先生は静かに口を開きました。
「あのね・・・今日のことで、あなたはとても辛い思いをしたと思うわ・・・でもね、辛かったのはあなただけじゃないってこと、あなたなら分かるわね?」
先生のこの言葉に、私は胸がずきんと痛みました。
「・・・はい」
「あなたが苦しんでいる姿を見続けたみんなも、あなたほどではないかもしれないけど、辛かったはずよ」
「・・・はい、分かっています」
私が体罰を受けるのを見て、悲鳴を上げ泣いていたみんなの顔が、私の頭の中に浮かんでいました。特に私と同じ一年生の子は、先輩達以上にショックを受けていたように思えました。
今でも、一年生の中にはまだ泣きやんでいない子もまだ何人かいました。
私がみんなのショックを和らげてあげたい、そんなふうに思いました。私に、何かできることがあるのなら。
「あの・・・」
私は言いました。
「あたしは・・・どうすれば・・・いいのでしょうか?」
声が少し震えました。
まだ後ろ手に縛られた状態で、恥ずかしいところを見られてしまっています。恥ずかしさに、なかなか慣れることができません。
「そうね・・・」
先生は答えました。
「あなたが・・・罰を受けた時の苦しそうな顔で、帰らなければいいと思うわ。もう少し・・・癒された顔になってもらえれば・・・」
私はうつむいてしまいました。
(そんなこと・・・できるわけないじゃない・・・)
全裸を見られている恥ずかしさだけじゃありません。私の体には、物差しで叩かれた跡がいくつも残っていて、体中がひりひりと痛むのです。さっき太ももを打たれて切れた場所も、まだ完全にふさがってなくて水っぽい感じでした。
心にも、体にも、痛みはまだ残っているのです。そんな状態で、癒された顔をするなんてできるわけありません。
でも、私はふと思い直しました。
(このままじゃ・・・みんなに悪いよね・・・)
私が忘れ物さえしなければ、今頃は、普段の活動ができていたはずです。そのことだけでも、私はみんなに大きな迷惑をかけてしまっているのです。その上に、怖い光景を見せてしまって、辛い思いをさせてしまいました。
だから、そのことの責任を取りたいという気持ちも、私の中にはありました。
「ごめんなさい・・・」
私は自然と声を発していました。
「何がごめんなさいなの?」
「分からないんです・・・どうやって・・・癒された顔・・・普通の顔になればいいのか・・・」
今度は、先生がうつむいてしまいました。
先生はしばらく無言でした。でも、やがて口を開きました。
「方法は、一つあるわね・・・」
「それは何ですか?」
私はすぐに飛びつきました。
先生は、なぜか一瞬微笑んで、そして言いました。
「あなた・・・今・・・乳房とかアソコ・・・変な感じでしょう?」
(えっ・・・)
「だから・・・その変な感じをすっきりさせちゃえば・・・癒された顔っていうか・・・普通の顔に戻れるんじゃないかしら・・・」
先生が「乳房とかアソコ」という言葉を聞いて、私はそれだけで赤面してしまいました。でも、その部分が変な感じなのをすっきりさせるというのがどういうことなのか、私はすぐに理解することはできませんでした。
(どういうことなのかな・・・胸とアソコをすっきりさせるって・・・マッサージするとか・・・?)
私は頭の中で、股間に手を持っていく動作を想像してみました。
その時、私はようやく先生の言葉の意味が理解できたのです。
私は、自分でも顔が真っ赤になるのが分かりました。
「無理です・・・」
私はそう言わずにはいられませんでした。
「どうして?」
先生は私の顔をのぞき込むようにして言いました。
「先生・・・それって・・・お・・・オナニーのこと・・・でしょう?」
先生は、また微笑んで、こっくりとうなずきました。
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