体罰
ドロップアウター:作

■ 21

(そんな・・・いくらなんでも・・・こんなところで・・・オナニー・・・するなんて・・・)
 私は、佐伯先生の顔を見ないようにして、うつむいていました。
 私にはもう、先生のことが分かりません。
 生徒を裸にして体罰を与えるのも、私はずっと、本人を反省させるため、部内の秩序を保つためだと思っていました。こんな罰を与えられることに私は納得はしているわけではありません。でも、これも一つのやり方なのかな、とそれなりに受け入れていました。
 でも、体罰が終わりに差しかかった頃から、先生はずっとおかしいです。私の体をなめるようにジロジロ見たり、気にしている私の体の発達具合のことをみんなの前で言ったり、挙げ句の果てには、ここでオナニーしろ、なんて・・・。
 これじゃあ、すごく質の悪いイジメと、何も変わらないじゃないですか。それとも、こうやって理不尽な辱めを受けさせることも、茶道部では罰のうちだとでもいうのでしょうか。
「ふふ・・・蓮沼さんの口からオナニーなんて言葉が飛び出してくるとは思わなかったけどね」
 私は、さっき自分が口にした言葉を思い出して恥ずかしくなりました。唇をきゅっとかみしめました。自分が本当にみじめに思えて、すごく悔しいです。
「そんなこと・・・できません」
 私はきっぱりと言いました。それが、私にできるせめてもの抵抗でした。
 先生は口元に笑みを浮かべました。
「蓮沼さん・・・オナニーしたことないのね?」
 私にはもう、何も言葉を返すことができませんでした。
 正直に言うと、私も一度だけ、オナニーをしてみたことがあります。
 あれは転校する直前の夏休み、お風呂に入っている時のことでした。その時、私はふと、友達から女の子もオナニーをすることができる、というふうに聞かされたことを思い出したのです。
 オナニーという言葉はそれ以前にも知っていました。でもそれまでは、オナニーは男の子だけがするものだとずっと思っていたのです。
 最初は、股間をワレメに沿ってゆっくりとなでていました。すると、透明な液がにじみ出てきたので、私はびっくりしました。
 その時、私は急に罪悪感を覚えました。これはいけないことなんだ、そんなふうに思いました。だからこの行為は、その時点でやめました。
「・・・まあ、いいわ」
 佐伯先生は言いました。
「そうね・・・まだ中学一年生だもんね・・・そういうのはちょっと早すぎるかな」
 先生は、私の沈黙を勝手に肯定と受け取ったみたいです。私はほっとしました。
 でも、次の瞬間でした。
 先生は急に、私と肌が触れ合うくらいの距離に近づいたのです。
(えっ・・・何?)
 私はびっくりして、先生の顔を見つめました。
 佐伯先生は、なぜかにこっと微笑んで言いました。
「怖がらなくてもいいのよ・・・」
 顔がこわばってしまうのが、自分でも分かりました。
(やだ・・・先生・・・怖いよ・・・)
「ただ・・・マッサージしてもらうって思えばいいんだから・・・」
(何を・・・するつもりなの・・・?)
 その時でした。
 先生は、何と、右手で私の左の乳房をつかんだのです。
「あっ・・・」
 私は思わず声を上げてしまいました。
 先生は無言のまま、私の乳房をゆっくりと揉み始めました。
(いや・・・先生・・・やめて・・・)
 声を上げて叫びたかったけれど、何かに圧迫されたような感じで息苦しくて、声を出すことができません。
 先生は、本当にマッサージをするように、私の乳房を揉み続けました。先生の指の動きに合わせて、乳房が縮んだり、膨らんだりするのが見えました。
 そして、先生が揉み始めてからすぐに、私の乳首がまた、大きくなり始めたのです。
「いやっ・・・」
 私は思わず声を上げました。
 先端のピンクの部分は、まるで乳房全体を上に引っぱるように隆起していました。なんだか少し痛むような感じがしました。でも、先生の手の動きは、その痛みを和らげるようで、認めたくないけれど、気持ちがいいような気がしました。私は本能的に、手首の包帯を外そうと両手をしきりに動かしていました。でも、何度やってみても、包帯は外れる気配がありません。
「あ・・・」
 そのうち、私の一番恥ずかしいところにも、変化が起こってきました。
(いや・・・アソコが・・・)
 股間から、透明な液がにじみ出てくるのが分かりました。それが、私にはすごくいやらしく感じられました。
 今は正座のような姿勢で座っているので、液でふくらはぎの辺りが濡れてしまいました。
 不意に、佐伯先生は私の乳房を揉むのをやめました。
 私は束の間、ほっとしました。

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