蛸壷 〜海岸の美女〜
田蛇bTack:作
■ 3
“いいわよね”
女の目は語りかけてきた。
俺はつばをごくりとのみこんだ。
それを合図に、女の細い指は俺の衣服にかかり、そのまま下に向かわせた。
跳ね上がる俺の…正直なオレ。
女のその白い指は、黒くごつごつするオレを包み込み、羽でなでるような感覚でゆっくりほぐしにかかった。
こうなるともう声が漏れてしまう。
俺のなさけない顔を女は上目遣いでうれしそうに眺めていた。そして、ゆっくりと、口をあけてきた…。
一瞬だったが、女の口の奥まで見えた。
赤くなめらかな長い舌。ピンク色の喉。
まるで●●●…。
つばたっぷりのそこ。
女は自分の指を使って、オレを誘導した。
…ああぁ……。
女の口は深かった。
吸盤のように吸い付く軟口蓋。
絶え間なく動き、執拗にからみつく舌。
女は恍惚の表情を浮かべていた。
ここで一回、俺は果てた。
ごくり…。
大げさといえばそれまでだが、女は喉をならして、白くにごったねばねばを飲み込んだようだった。
唇についたそれまでいとおしそうに舐めとり、飲み込んだ。
俺の黒い手が女の白く細いももにかかる。
そのままぐいと持ち上げると、そこには蜜をたたえた桃色の薔薇が一輪咲いていた。
俺はそのまま女を寝かせ、その桃色の薔薇に舌を這わせた。
ねっとりとして、しょっぱく、時々苦い。
ふと女の表情を確かめると、ますます頬を赤く染めていた。
つぷ…つぷ。
俺は何度か薔薇に接吻を繰り返したが、とうとう我慢できなくなり、俺はオレを女に差し込んだ。
にゅるり…
あぁ、この感覚…。
懐かしい…。
男子高校出身で、大学でも特に女性と関係をもつことをしていない俺。
セックスは実に8年と少しぶりだった。
あの時の…あの……
……。
ふと俺はすべてのことにつじつまが合うことに気づいた。
女を見ると、燃えるような赤い巻髪を左右に振ってよがっていた。
こいつ……まさか……
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