隣の娘
トッポ:作

■ 6

「なぁ裸で取りに行けば?」
「でも鍵開けてる時どうしよう……。」
「こういうのはどう?」
「どんなの?」
「行きは服のままで帰り裸とか?」
「俺しめてやる。」
「それ、いいかも♪」

1時半頃僕と晴香は家を出た。
暑さのせいか人通りはない。
行きは問題ない。
僕の家の玄関は開いたまま。
僕に鍵を預け晴香は家に入る。

僕は外にいた。
晴香が家から出てきた。
素っ裸だ。
「はぁはぁはぁ…。」
ゆっくり歩き僕の家に入る。
見届けてから鍵を締め戻る。

晴香は居間に倒れていた。

「晴香、大丈夫か?」
「たけちゃん…アタシ変になっちゃった…。」
「とにかくフロはいろう…な?」
「うん…。」
僕は晴香をお姫様ダッコしてフロに向かう。
晴香をフロのイスに座らせ僕も手早く脱ぎフロに降りる。
晴香の全身を洗う。
晴香にも洗ってもらう。

居間で麦茶を飲みながら話した。
「アタシ頭ぼーっとして変だったよ…。」
「気持ちよかった?」
「うん♪」

夏休みになった。
晴香は朝から僕の家に来る。
格好はタンクトップのみ。
しかも超短い。
立った状態でギリギリアソコが隠れる。
つまり動いたら丸見え。
「晴香? これで寝てるの?」
「違うよ!」
「じゃ何着てる?」
「な〜んにも着ないよ♪だって暑いじゃん、なんで着なきゃいけないの? それより知ってる?」
「なに?」
「花火♪」
「ああ知ってるよ!」
「ねぇ行かない? 一緒に? アタシの浴衣姿見たくない?」
晴香の浴衣もいいと思った。
「うん、行こう!」
「やったーねぇたけちゃんも浴衣にしてねアタシとお揃いで!」

当日。
晴香の家に行くと晴香の母さんが、
「いつも迷惑かけてすいません…。」
と封筒くれた。
断ったが聞いてくれない。
「おまたせ〜……。」
と晴香が降りてきた。
紺地に花模様。
髪をまとめちょっと化粧までしている。
見違えるほど女っぽい。
「……。」
僕がみつめていると、
「なぁに?」
「い、いや…。」
「ママ行ってきま〜す。」
「毅さんお願いね!」
「はい…。」
僕は歩きながら、
「きれいだな……。」
「見なおしちゃった?」
「ああ…。」
晴香が急に立ち止まり、
「じゃ彼女にしてくれる?」
「するよ!」
「キスして!」
初めて舌を入れる。
「ん…。」
晴香も返してくる。
ここは露地をちょっと入った所。
口紅を直し、
「行こ♪」
と微笑む。
可愛い。

僕達は電車に乗った。
電車は満員だった。
あのデパートのある駅で降りた。

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