売られた姉妹
横尾茂明:作

■ 再びの餌食1

肌寒さで夕紀は辺りが暗くなったことに気が付いた…布団の前で呆けたように座り込んでもう何時間が経ったのだろう…。
時計を見たら6時を回っていた、夕紀は痺れた脚を揉みながら立ち上がる。
性器からトロッと何かがこぼれた…モモを伝うのが分かる、夕紀は思わず屈んで脚を見た…血が混じったあの男の精液だった…。

性器に丸太を詰め込まれた感覚に少しガリ股で歩き、血の付着したシーツを剥がす…布団を急いでたたみ、散らばった下着と服を着込んだ。
(急がなくちゃ…もうじき雅美が帰ってくる時間…)

プラ桶にタオルと石鹸、下着を入れて外に出た、5月といえ夕暮れの空気は夕紀の肌には冷たく感じた。
歩いて3分の銭湯なのに…今日は下腹部に違和感を感じ、どうしてもガリ股になってしまい思うように歩けなかった…膣入り口がチクチク痛み、男の太いペニスがリアルに思い出された。

(あんな恥ずかしい物を入れられるなんて…あぁぁもう私…あの男の女にされたの…)

銭湯の洗い場で性器を丹念に洗った…本当は膣の中に指を入れて汚い物を全部掻き出したい衝動にかられたが…周囲の目が気になり隠れるようにシャワーを股間に当てた。

銭湯では夕紀の裸はいつも誰かに見られていた…おおかたは羨望の目であった。
自分の裸が綺麗だと自負したのは中学に上がった頃だった…母に連れられ裸になると近所のおばさん達が羨望の眼差しで自分を見ているのに気が付いた…最初は恥ずかしかったけれど高校に行くようになってからは自然と誇示するような仕草になっていった。
しかし…きょうは無性に恥ずかしかった、女になったことを見破られそうな気がしたからだ。
夕紀はタオルでオッパイと性器を隠していそいそと脱衣室に逃げた。
脱衣室でタオルで股間を拭くと鮮血が付着した…まだ出血は止まっていなかった…生理ナプキンを当てて外に出ると星が悲しげに瞬いていた…。


三つ違いの妹と卓袱台で遅い夕食をとる…妹は部活であった楽しかったことを得意げに話している。

しかし夕紀には妹の言葉は耳に届いていなかった…出血は先ほど止まったがしきりに膣入り口が痛み、まだ丸太を突き通された感覚に気分は落ち込んでいく。

姉の沈んだ顔に妹の顔も曇る…。
「お姉ちゃん…また借金のこと…考えてるの…」

「………………」

夕紀は箸を止め…妹を見た、そして自然と涙が溢れ妹の顔が歪んでいく…。

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