売られた姉妹
横尾茂明:作

■ 性奴隷5

夕紀は土曜の夕方に…店長に明日で辞めますと伝えた。
店長は辞める理由をしつこく聞いたが…夕紀は項垂れるばかりだった。

大学生でバイトに来ている孝も…店長に聞いて理由を問い質してきた。
「夕紀ちゃん、俺に出来ることが有ったら何でも相談してくれよ」
孝が自分に好意以上のものを持ってることは以前から分かっていた…。
だから孝に何度も相談しようかと思ったが…その都度…オジサンの男根が脳裏をかすめた。
(私…もう以前のキレイな体じゃない…あんな恥ずかしいことされたなんて孝さんに言ったら…もう見向きもされなくなる…)

「孝さん…いろいろとお世話になりました、ごめんなさい…」

孝はまだ何か言いたさそうに夕紀を見つめるが…夕紀は快活を装って倉庫に逃げた…。
涙が次々に溢れ…自分の境遇を嘆いているのか密かに想っていた大好きな孝と別れるのが辛いのか…この溢れる悲しみの意味は少女には分からなかった。

最後の日曜…孝が出てきていないことを怪訝に思い店長に聞いてみた。
「あっ、孝は昨日の夜…急に辞めたよ、もうここに来る意味がないってね…」
「孝…泣いてたけど…二人になにか有ったの?」
「しかし困ったヨー、二人そろって急に辞めるなんて、夕紀ちゃん…何とか考え直してもらえないかなー」

「ごめんなさい…店長…」

孝が自分をそんなに好いててくれたなんて…気付かなかった、夕紀は溢れる涙が止められず…倉庫で泣き崩れた。

「…孝さん…ごめんなさい、私の体がキレイだったら今すぐあなたの所に跳んでいき…抱いてもらうのに…あぁぁごめんなさい孝さん…私も…好きだったの…」


月曜の朝…雅美を送り出してから台所を片付け、たまった洗濯をして崩れそうなベランダに干した。

時計は10時を回っている…(オジサンお昼過ぎに来るって言ってた…)
テレビを見ているが…全く目に映らない、先ほどから孝の事ばかり考えていた…。

(孝さんもオジサンと同じ性器が有るなんて信じられない…)
(孝さんもあれと同じにいやらしくて醜いもの持ってるなんて…)
(でも孝さんのものなら…お口に入れても…ヤダ…私ったら…何考えてるの)

お昼になった…夕紀は布団を引いてから裸になり、タオルをお湯に濡らし体を拭いた…特に性器とお尻は念入りに拭いた。
そして買ったばかりの大人っぽい下着を着け、前髪をお下げにし三つ編みにして後ろで束ね、綺麗な襟足を強調した。

中学の頃に来ていたチェックのミニのワンピーを着て鏡に映してみた…そこには可憐な少女が映っていた。
(私…何しているの…オジサンに子供ぽく見られたいの? …)
(オジサン…子供が好きな変な人だから…可愛くしたら虐めないかもしれない…)

夕紀は取り留めのないことを考え…途方に暮れる…痛く恥ずかしい行為は着実に訪れるのに…可愛すれば優しく扱って貰えるかもしれない、そんな一縷の望みにすがる自分を哀れんだ。

しかし次第に恐怖で心臓の鼓動が高鳴る。
(膣が治ったばかりなのに…またあんな太い物を入れられたら…)
(本当に慣れることってあるの…)

その時ドアを叩く音がした…(オジサンだ!)夕紀は飛び上がるほど驚いた。
夕紀は恐る恐る玄関に行きドアを開ける…。

「夕紀ちゃんち…ここだったんだね」
「俺…どうしても夕紀ちゃんに逢いたくて…ごめん来ちゃったよ…」

玄関には孝が立っていた…来るはずもない孝が…夕紀は頬を赤らめドギマギする…。
「夕紀ちゃん時間ない? …外に出て何か食べない」

夕紀は我に返った…もうすぐオジサンの来る頃…こんなとこ見られたらどんな折檻されるのか、また孝にオジサンのことは絶対知られたくなかった。

「孝さんごめんなさい…もうすぐお客さんがみえるの…だから返って下さい、もうここには来ないで…ごめんなさい」

訴える孝の目を見ながら…項垂れて夕紀はドアを無慈悲に閉めた…。

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