新・売られた少女
横尾茂明:作
■ 相姦の章1
柴田武雄は子供の頃から根っからの不良で高校もまともに行かず少年院の入退院を繰り返していた、親からはとうに見捨てられ、気が付いたときにはヤクザの使い走りをやっていた……しかし武雄は頭は切れた、特に金勘定には長け30才の頃には組の資金運用を任され、40才で経済ヤクザとして扱う額も数百億を超えるまでになっていた、傘下には法外な金融会社を数十社持ち、次期組長とも目されていた。
また武雄は無類の女好きだった……銀座のクラブの超美形な女は武雄の容姿と金に群がり素晴らしい躰を開いた、しかし最近はその女たちとどんなに遊んでも体の芯の焔は消せない渇きにも似た感覚に焦燥すら感じるようになってきていた。
そんなときあの少女を見た(俺がロリコン?)自分でも愕然とした……この俺がロリコンとは……。
しかし屈折した想いは如何ともしがたい……あの少女の無毛の割れ目を想像しただけで……心がとろけるそうになってしまう自分が情けなくもあり……また自分が求めていたものを見つけた歓びも強烈であった。
少女をみたあの日から武雄はどんなに美しい女でも成人女には興味が失せた、ある日借金のかたに14才の少女を差し出され喜んで抱いたものの興ざめした……肌に艶もなく尻には出来物の痕が目立ち陰毛は成人女のそれと変わりなく、舐めても河岸のマグロの如く反応が薄かった……。
あの子がどうしても欲しい……少女なのに気品が匂い立つ……白いブラウスから出た光り輝く腕……少女とは思えぬ形の整った艶のある脚……それは偶然すぎるほど完璧な幼肉……希少の美少女。
車は下町を抜けた、少女はこの車がいま何処を走っているのかもう分からなくなっていた。
突然……武雄が喋り始めた、「お前も……うすうすとは感じているだろうが……お前は園長に売られたんだ、園長には借金がたくさん有ってね……それを私が肩代わりをしたんだよ、それと確かにお前は私の養子にはなったが……世間で言う親子関係とはちと違うんだな」
「中学生にもなったんだから……もう“売られた”の意味から察しはつくだろうが」
「それともう二度とあの学園には帰れないこともな」
「………………」
少女は車に乗り込む前からわかっていたことだったが……男から直に聞くとさすがに震えがきた、口中が渇き目の前が白く濁っていく。
昨夜……美智姉さんが、「聡美を欲しいって言ってた奴……ヤクザだよ、園長の奴そいつから借金をして返せなくなったらしいの、だからあんたを売るって話しになったらしいけど……私絶対許せない!、あした警察にみんなばらしてやる、だから聡美! あしたは園長が何を言おうと絶対に行っちゃだめだよ!」
「美智姉さん……もういいの、私……園長さんには返せないほどの恩が有ります、私がその男のところに行くことで園長さんが助かるならそれで本望です……だからもう言わないで!」
「バカ……あんたは本当にバカだよ、あんた何されるか分かってて行くの?、もう私は知らない! 本当に知らないからね」
少女はこれも自分の運命だと思うことにした、しかし朝……学園を出るとき、「柴田さんは今日から聡美のお父さになるんだよ、だからお父さんの言うことは何でも聞くの、意味分かるよね……だから今日限り学園のことは忘れなさい」と言われた……最後のお別れにこんな言葉を聞くなんて……寄る辺なき身をこの時ほど悲しいと思ったことはなかった。
「聡美……世間体があるから……これからは私のことはお父さんと呼びなさい……」
「お父さん……ですか……」
「そう……お父さんだ、さー言ってごらん」
「お……お父さん…………」聡美は怯えた顔で応える……。
(お父さん……か、クククなんかゾクゾクする響き……だな)
「おー言えたね、聡美は中学1年生になったんだよね……私の知り合いが理事長をしてる私立中学に編入の手続きしておいたよ」
「えっ……あ……ありがとうございます」
「お父さんに御座いますはいらないよ」
「さー家に着く前に銀座によって飯でも食おう……そして素敵な服を沢山買ってやる」
「さてと……聡美にはどんな服が似合うかナー」
口とは裏腹に武雄は少女にどんな下着を着せようかと考えた……大人っぽい下着を幼い少女に着せる……そのアンバランスに心はもうやるせなく燃える……。
武雄は少女を銀座に連れて行き、高級店で中学生に合う可愛い服を買おうとしたが……少女の身長が大き過ぎサイズに合う服がなかった、しかたなく大人用の可愛げな服を選って数着買った、次いで武雄好みの高級な下着と恥ずかしい下着も山ほど買う……店員が少女と下着を交互に見て奇異な取り合わせに首を傾げる……。
瀟洒なお屋敷と呼べる家の前で車が止まる、ガレージのシャッターが自動で開きベンツは滑るように潜る。
「聡美……家に着いたよ、これからはこの家が聡美の家だよ、さー荷物を持ってついてらっしゃい」
「大きなお家……こんな大きなお家にお父さん一人住んでいるの」
「いいや……お手伝いさんがいるんだ」
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