内側の世界
天乃大智:作

■ 第5章 別れ8

「なかなか、威勢が良い―」
小柄な悪鬼―夜叉(やしゃ)が、涎を垂らして言った。
餓鬼が両手で掴んだ、ヴァンパイア・ウーマンの白い両脚を、大きく広げた。
ヴァンパイア・ウーマンのブラウン色の陰毛の生えた股間が、露出した。
その股間の二つの穴に、夜叉はペットボトルを突っ込んだ。
「うーっ」
そのペットボトルには、さっき殺したヴァンパイアの血が、並々と入っている。
ヴァンパイアの血の方が、人間の血よりも、媚薬効果がある。
夜叉が、ペットボトルをギュっと握った。
どす黒い血が押し出され、ヴァンパイア・ウーマンの体内に、一気に注入された。
「あふーん。あはーん。あひーん。あーん」
女は、身を仰け反って、両足をピクピク痙攣させた。
逆立つ髪の顔は、苦痛の表情から、狂喜の顔へと変貌した。
女の官能が、一気に高まったのである。
ヴァンパイアは、吸血する事で快感を得る。
吸血する事が、セックス行為になるのだ。
それを生殖器で行えば、何倍もの快楽となる。
いや、それ以上であろう。
女ヴァンパイアの悶え方は、普通ではなかった。
苦悶の表情を超えた狂気が、その赤い瞳に宿っていた。
ヴァンパイアは、性器から血を吸収すると、狂う。
伝説である。
女ヴァンパイアは、唇から涎を垂らし、恍惚となった。
意識は、突然、別世界に飛んだ様であった。
夜叉は、更に深くペットボトルを差し込むと、中身がなくなるまで、上下にピストンした。
血が、秘孔と肛門に深く奥へと浸透する。
「う、うー」と女ヴァンパイアが、意識を伴わない甘い声を上げる。
淫獣であった。
溢れ出た赤い血が陰毛を濡らし、白い下腹部とヒップを伝い、幾筋もの赤い線となって、丸い大きな白い乳房へと流れ落ちた。
夜叉は、空になったペットボトルを投げ捨てた。
逆さ吊りの女の下半身に、悪鬼の九本の触手が、蛇の様に這いずり回った。
そして、九匹同時にヴァンパイア・ウーマンの秘孔に雪崩れ込んだ。
女陰に六本、肛門に三本である。
股間に蠢(うごめ)く触手―蛇の様である―を差し込まれた、逆さ吊りの女体は、身を悶えた。
凄まじい快感であった。
九匹の蛇が、互いに絡まりあって蠢きながら、のたうった。
静電気の発光が、陰毛を照らす。
「はあーん、あはーん、あんあん、いくいくいく、いっちゃうーっ、あは〜ん、あ〜〜〜」
ヴァンパイア・ウーマンは、身を強張らせて、失神した。
何度も何度も、天を両脚で蹴り上げた。
香ばしいフェロモンの香りが匂う。
九本の触手が、女陰と肛門から飛び出ると、それを追い掛けるかのように大量の熱い液体が、噴水した。
餓鬼は、逆さ吊りの女を床に落とした。
女は、力なく崩れた。
狂った子宮は、なおも潮を噴き上げた。
艶かしい女の裸体が、横たわった。
ヴァンパイア・ウーマンは、絶頂の世界に居る。
快感だけが彼女を支配した。
彼女の肉体は、全身が性感帯と化した。
悪鬼の羅刹(らせつ)は、女の背後から弾力のある乳房を揉んで、赤色をした乳首を指で挟んだ。
指の間で捏ね繰り回した。
乳首の先から、血が垂れる。
羅刹は、女の滑々した素肌に手を這わして、腰まで下げた。
尻の肉を広げる。
羅刹は、男の腕ほどもある巨大な男根をヴァンパイア・ウーマンのアナルに突き立てた。
それが、ずぶり、と沈む。
ヴァンパイアの肛門を犯す。
巨根が、中で亀頭を振り回す。
根元まで差し込んだ。
「あひゃー、ひゃーん、ひーっ」
ヴァンパイア・ウーマンは、絶叫を上げ、体を弓なりに反らした。
羅刹は、女の脇の下に手を入れると、自分の腹に引き付けて仰向けに寝そべった。
そして、女の白い足に足を絡めて、股を大きく開いた。
ヴァンパイア・ウーマンが、羅刹の上で仰向けに大の字で、張り付けられた格好になる。
白いヴァンパイア・ウーマンの腕が宙をまさぐる。
夜叉が、くねくね蠢く男根を構えて、ヴァンパイア・ウーマンのボディに覆い被さった。
女の白い乳房が、押し潰される。
拳を握った腕ほどもある巨大なものを、女の中に深々と沈めた。
女陰の経よりも大きなものが、無理矢理挿入したのである。
女陰が捲れ上がる様に飲み込んだ。
愛液が溢れ出す。
女の口から、悲鳴と涎が飛び出した。
「あ、ああ、あーん、ああああああ」
夜叉と羅刹が、同時に腰を振った。
ぐちゅぐちゅ、ぺちぺち、ずぼずぼ・・・濡れた音が続く。
女の股間が破裂する勢いで突き上げられた。
「ギャアーッ」
女は狂った様にもがき、白目を剥いて失神した。
全身が小刻みに震えている。
ヴァンパイア・ウーマンのブラウン髪は、汗で体に張り付いた。
餓鬼が、血をヴァンパイア・ウーマンの口に注ぎ込む。
「うーん」
ヴァンパイア・ウーマンが、意識を取り戻した。
ゴホゴホと咽(むせ)た。
白い顔が血に染まる。
夜叉と羅刹は、ドンドン速く、激しく腰を振った。
二本の巨大な男根が、凄まじい勢いで出し入れされた。
 ヴァンパイア・ウーマンの小さな股間に、太い節くれ立った木の杭が二本、刺し貫いているのだ。
ヴァンパイアの下腹部の中は、二本の杭に占められているのだろう。
ヴァンパイア・ウーマンの中で、二本の杭が互いに交錯し、擦り合わせる様に犯す。
 夜叉の陽根は、膣内で亀頭をくねくねと振り回し、回転しているのである。
あまりにも大きすぎるペニスの動きは、下腹部の皮膚を持ち上げた。
女の下腹部が、内側から犯されて形を変えているのだ。
男根の動きが見える。
女の臓腑が、犯される。
夜叉は、盛り上がった女の下腹部を両手で押さえた。
グッと押し込んで、自らの陰茎に圧力を掛けた。
「あはー、あー、あー、あー、あー、あーん、ああああん、あ〜〜、あ〜〜」
ヴァンパイア・ウーマンに、意識はなかった。
言葉に意味もない。
体だけが、反応していた。
全身が痙攣している。
女の下になった羅刹の鉤爪が、白いヴァンパイア・ウーマンの乳房に突き刺さる。
豊かな乳房が、血を噴いた。
羅刹の五指が、乳房を握り潰す。
餓鬼が、ヴァンパイア・ウーマンの白い首筋に牙を立てた。
夜叉と羅刹の二本のペニスが、動きを止め、ブルブル振動して、放電した。
二人の悪鬼が、腰を女ヴァンパイアの下半身に強く押し付けて、動きを止める。
ヴァンパイア・ウーマンの体内に大量の精液を、ドクドク噴出したのである。
二人がヴァンパイア・ウーマンの体から離れると、股間の二つの穴から、大量の精液と愛液が、流れ出た。
ヴァンパイア・ウーマンは、動かなくなった。
朽ち果てた様であった。
「欲情した女は美味い―」
餓鬼が、ペロリと舌舐りした。



 僕は、喉の渇きを覚え、コンビニに立ち寄ってくれるように、きよしちゃんに強請った。
眼下に見える高速道路に、小さなパーキングが見えた。
幸いパーキングに人影はない。
「早くしろよ」きよしちゃんである。
「なんか飲む? 」
きよしちゃんは、手を振った。
要らないのである。
 僕はトイレを済ませ、店内を一周して、お目当てのものを手に入れた。
方言の気持ちのいい店員にレジを澄ますと、僕はきよしちゃんの元に戻った。
僕は、きよしちゃんにミネラル・ウオーターのペットボトルを差し出した。
「いやな感じだ・・・」
 僕は首を傾げた。
せっかく気を利かせてやったのに・・・
「いや、水は貰うよ。ありがと・・・」
 僕は、無言で問い掛けた。
どうしたの・・・?
「いやな感じなんだ・・・」
 きよしちゃんは、周囲を見回している。
僕は、サラミ・ソーセージを囓(かじ)った。
「旅は長い、あんまり張り詰めると体に悪いよ」
「それもそうだな・・・」
 僕たちは、再び飛び立った。

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