優等生の秘密
アサト:作

■ 20

「夏美……」
 自らに口づけを続けている夏美の頭をそっと撫でると、ベッドへ仰向けに寝かせた。そして、夏美の胸に手を這わせた。
「ん……っ……!」
 夏美が、身体を強張らせた。貢太は慌てて手を離したが、その手を夏美が掴んだ。
「続けて……」
「わ、分かった……」
 震える手で、再び夏美の胸に触れる。そして、優しく揉む。それほど大きくは無いが、しっかりと、柔らかな感触が指に伝わってくる。そしてその頂は徐々に固くなり、その存在を主張し始めていた。
「夏美、気持ちイイ? 乳首、勃ってきてる……」
「ば、ばか……そんな事言わないでよ……」
 頬を朱に染めて、夏美は貢太から顔を背けた。貢太は夏美の乳首を舌先でつつく様に舐めまわした。
「んっ……あぁっ……!」
 夏美は自らの胸にしゃぶりつく貢太の頭を抱きしめた。貢太は、夏美のその仕草に、感情が高ぶってくるのを感じていた。指を胸から腹部、そしてそのさらに下、茂みの奥の恥丘に触れた。亀裂に少しだけ指を割り入れると、そこはもう既に濡れそぼっていた。
「夏美……すごく、濡れてる……」
「やだ……恥ずかしいから……そんな……」
「見て、いい……?」
 貢太の問いに、夏美は一瞬躊躇ったが、小さく頷き、遠慮がちに少しだけ脚を開いた。貢太は、その足を遠慮なくさらに広げて、夏美の秘部を露わにする。ピンク色の粘膜はぬめぬめと輝いていて、貢太を待ちわびているかのようにかすかに動いていた。貢太は、蜜壺にそっと指を入れた。蜜に濡れた襞が、貢太の指に絡み付いてくる。貢太は、その感触を楽しむかのように、ゆっくりと指を出し入れした。
「あ、ああっ……」
 指の動きを早くすると、ぐちゃぐちゃという卑猥な音が聞こえた。指を二本に増やしてさらに中をかき混ぜる。空いたほうの手で肉芽をぐりぐりと押した。
「あ、ああああっ!!!」
 夏美は悲鳴を上げて、貢太にしがみついた。その身体はがくがくと震えて、貢太の指には先ほどよりもさらに多い蜜が絡み付いて来ていた。
「夏美……入れる、よ?」
「う、ん……」
 貢太は、自身の先端を、夏美にゆっくりと押し当てた。先走りと、夏美の蜜のぬめりで、貢太のものはゆっくりとではあったが、すんなりと夏美の中へ飲み込まれていった。
「っ……!!」
 夏美は眉間にしわを寄せて、貢汰に抱きついてきた。
「痛い?」
「まだ、ちょっと……」
「ゆっくり、するから。」
「……うん。」
 貢太は、夏美の様子を見ながらゆっくりと動き始めた。夏美の口から漏れる声に、徐々に苦痛以外の音色が混ざり始める。昨日は、もっと痛かっただろう……思いながら、貢太は胸の奥が締め付けられるように苦しくなったのを感じていた。
「貢太……貢太ぁ……っ!」
 貢太の名を呼びながら、自身も微かに腰を振る夏美の姿に、貢太は思わず夏美を抱きしめていた。
「夏美、俺……もう……っ……」
「うん……一緒に、イこ?」
 夏美の言葉に、貢太は腰を激しく打ちつけ始めた。ぎりぎりまで引き抜いて、一気に根元まで埋める。初めて感じるその感覚に、貢太は頭の中が真っ白になっていくような、不思議な感覚を覚えていた。
「あ、あああぁあっ!!!!」
「おおおぉっ……!!」
 獣のように唸り声を上げて、貢太は夏美の中に自らの精を吐き出した。夏美は、自らの中に熱いものが注ぎ込まれるのを感じながら、貢太をしっかりと抱きしめた。

 気がつけば、夏美に覆いかぶさったまま、貢太は意識を手放していた。時計を見ると、もう夕方になっていた。
「おはよう。よく寝てたね。」
 夏美の声に、貢太は慌てて身体を起こした。
「ご、ごめん……重くなかった?」
「ちょっと重かったけど、平気。貢太の寝顔見れて、嬉しかったし……」
 そう言って、夏美は貢太の唇にそっとキスをした。そして、優しく微笑んだ。
「ありがとう、貢太。」
 ゆっくりとベッドから立ち上がると、夏美は衣服を身につけた。少し乱れた髪を、手で梳いて貢太を見つめた。その表情は艶っぽく、貢太の欲望に再び火をつけるには十分なものだった。だが、これ以上はきっと、夏美も望んでいないだろう、そう思い、ゆっくりと服を着た。夏美は貢太の乱れた髪を優しく梳いて、にっこりと微笑んだ。
「これで、多分おばさんにもばれないと思うよ。」
「あ、ありがと……」
 貢太は頬を赤らめて、俯いた。身体を重ねたことの気恥ずかしさから、一刻も早く部屋を出ようと考えていて、母親に感づかれるという事を全く考えていなかったのだ。
「じゃあ、俺は帰るから。」
「うん……ねえ、貢太。」
「何だ?」
「もし、私が特進クラスに入れたら、その時はもう一回、ちゃんと私の気持ち伝えていい?」
 そう言って、貢太を見つめる夏美の瞳は微かに潤んでいた。
「ああ。もちろん。」
 夏美を抱き寄せて、貢太はその唇に優しく口付けた。微かに舌を絡ませあいながら、優しく口付けを交わす。その口付けの時間は、とても長く、永遠のようにも感じられた。
「じゃあ、お互い、頑張ろうな。」
「うん。」
 貢太は玄関のドアを開け、去っていった。貢太の姿が見えなくなってから、夏美は静かに涙を流した。

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