2002.08.18.

After school
02
犁香



■ 第一話

星の数ほどいる部員の中で私達の本性を知るものはそういない。
そしてそれは決して外部に漏らしてはならない……
裏切るような行為をした者は、追放される。
この部から、この学校から、この町から……。
そこらの体育会系の部とは比べ物にならないほどの練習量。
倒れそうなくらいの忙しさになれた頃、あたしの目には女しか映らなくなっていた。

いつしかグループが出来て、気に入らない後輩を捕まえてはまわすようになった。
嫌がる女を半ばレイプのような形で犯す。
諦めかけた女に私達はさまざまな台詞を教え込む。
たくさんある部活の中で、女のドロドロした部分が大きく見えてしまう吹奏楽部では特に……先輩の言葉は重い。約束を破る女はいない。
「私は皆様の玩具です………。」
泣きそうな目でそう言っているうちが華。叫びながら犯されていた女も次第に快楽に溺れてくる。羞恥心を忘れた変態に興味は無い。
私達の目的は、調教ではない。
「そろそろ探すか?」
あたしの呼びかけに全員が頷き、そしてその中の一人がこう言った。
「もう次の女は見つけたよ。ホラ、あの娘(こ)。」
そう言って指差された先に、藤堂凛音がいた。本当に飲み込みがよく、頭の回転も速いあの子はもう逃れられないことを理解したらしく毎回泣きそうになりながら次々と私達から辱めを受けていく。
そして、いつまでも羞恥心を忘れなかった。
厳しい縦社会の中で、あの子は感心してしまうほどによく耐えていた。抵抗はするが、止めて欲しいとは決して言わない。
かといって、求める訳でもない。
おそらく凛音が出した答えはこれだろう。
”現状維持”
幾度となく不定期に繰り返される痴態に、いつも何を思っていたのだろう。
とても強い子だと、私は感じていた。なぜなら、いつでも忠実だったから。
「ホラ、もっと足を広げて。そう、いいわね………。」
素直に言うことを聞いてくれるほうがこちらとしてもやりやすい。
彼女は、私達が求めても無抵抗だ。
一見、お互いに求め合っているようにも見えるかもしれないが決してそうはならない。

いつものように凛音を呼び出し、その行為を始めようとする。
胸当てのボタンを外し、裾のチャックを開ける。すると、中から二つの白桃が見えてくる。
まだ弄られ始めたばかりの頃は、Tシャツもしくはインナー姿にされた時点でこれから始まる恐怖に慄き、泣き叫び、否定の言葉を浴びせて来る。
しかし、凛音は違った。
声も出さずに、大粒の涙をこぼした。私の目を真っ直ぐに見据えて。
対して気にも留めないフリをしてシャツをめくり、ブラのホックに手をかける。
すると、まだ自己主張をしていない胸が弾けるようにして飛び出してくる。
そこに、なおもまだケンカ越しに睨み付ける凛音がいた。
それは”女”そのものだった。
その可愛らしい発育中の胸の飾りにそっと手を触れる。
一瞬ピクっと反応を示したが、それっきりで何も言わない。
しかし、体は嘘をつくことが出来ない。
確かに凛音は感じている。声を出すこともしない。私の手を振り払おうともしない。

ただ、静かに泣いていた。

私は、気付きもしなかった。このとき、心の奥に微かに沸き起こった感情に………。



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