■ 4
「見ないで……見ないで……ふぁあああああああ!」
晴美の膣が痙攣し、内に含んでいるものをきつく締め付ける。
絶頂の瞬間、デジカメのレンズと目が合う。
撮られた。それは今までのような気づかれずに撮られたというものではない。
撮られているという「視線」を自覚する。あのデジカメを通じて自分のはしたない姿が万人に映る。
ドクン、と心臓が跳ね上がった。首を振ってこの現実を否定したかった。
だけど現実は、彼女が思う以上に残酷だった。
「まだ……うごく……だめ……。ああああ!」
晴美への攻めは止まらない。これからが始まりなのだ。
膣と菊座を陵辱する器物の動きは止まることなく、陰核を弄る貞操帯の振動は先ほどよりも増す。
達したばかりで敏感になった晴美は、快楽に負けるように声を上げる。
今の声も、今の姿も撮られてる。快楽に流されながらそれだけは自覚できた。
撮られたくなければドアを開けて逃げればいい。
だけど、熱く燃え滾る下半身が言うことをきいてくれない。
膣内を責めるモノの形が分かるほど、晴美の性器は敏感になっていた。肉襞をめくり回転する。そのたびに膣内は熱くなり愛液で潤っていく。
左手でデジカメから顔を隠しながら、右手で貞操帯を外そうと必死になる。だけどそれはスカートをめくり、自らの太股をデジカメに晒しているのだが、そこまで頭が回らない。
快楽が止まらない。熱く昇りつめながら、心は淫らに落ちてゆく。
「また、またイク……! やだ、やだ、やぁあああああ……!」
オーガニズムが彼女を虚脱させる。
その余韻に浸る間もない。今度は菊座内を前後するモノの動きが激しくなる。
異物感に体をよじり、その痛みが快楽に変わる。
刺激はイク度に強くなり、そしてその度により激しい絶頂を迎える。
そしてそれは真上から絶えず記録されていた。
晴美の絶頂の嬌声を、快楽に震える下半身を。堕ちて行く晴美そのものを。
「ゆるして……。これ……はずし、お願い……!」
懇願はすぐに嬌声に変わる。貞操帯を外そうとする手は、いつしか器物をより深く受け入れようと、押さえこむようになった。
そして七度目の絶頂。
それが晴美の限界だった。体中を痙攣させ、口をパクパクと開きながらよだれを流し、彼女は意識を失う。
意識を失いながら、しかし彼女の体は貞操帯の振動に反応し痙攣するのだった……。
晴美を覚醒に導いたのは、携帯電話の音だった。
トイレで大きく足を開き、スカートを大きくめくっている姿で気を失っていた彼女は、まず自分の格好を元に戻す。
膣内を激しくかき乱され、昇天するほどの痴態を思い出す。
そして今もなお、貞操帯は外れていないのだ。動いてはいないものの異物感は変わらずに晴美の陰部を熱く湿らせる。
下半身からくる微熱に揺れ動かされながら、晴美は自らを現実に引き戻した携帯電話を見る。
メールが一件入っていた。
<さっきはすごかったね、お姉さん。すごく感じてたよ。
最後のほうは、自分で腰まで振ってたしね。^^>
確かに激しく悶え、腰を振っていた。
晴海はそれを思い出し、顔が赤くなる。
<貞操帯のバイブは切っておいたよ。でもスイッチ一つで動き出すからそれを忘れないでね。
それじゃあ三つ目のお願いだよ。貞操帯をつけたまま学校に行ってほしいんだ>
そんなことできない……。首を振り、姿の見えない『ご主人様』に許しを請う。
だけどそれに答える者はない。
メールにはまだ続きがあった。
<ボクは優しいから、貞操帯のカギのありかを教えてあげる。
お姉さんの学校の体育倉庫にあるよ。探せばすぐに見つかる場所に隠してあるんだ>
体育倉庫? 何でそんな場所に?
もしかして……『ご主人様』は学校の生徒……?
でも晴美の知り合いではない。少なくとも『ご主人様』の声は知らない人の声だ。
瞳に光が宿る。
この淫獄から脱出するための蜘蛛の糸を見つけて。
「……行かなくちゃ。学校に」
制服についた精液をトイレットペーパーでふき取ってトイレをでる。
もう通学時間は過ぎているせいか、学校への道は人通りが少ない。
膣内に異物を含んだままの晴美にはそれがありがたかった。
歩くたびに異物がこすれ、乳首が制服に刺激される。
微熱にうなされるように荒くなる呼吸。街中を下着なしで歩く羞恥。
こんな姿を知っている人に見られたら、それだけで心が折れそうになる。
いや、いまでも心は折れそうなのだ。醜態を思い出すだけで。
それでも、学校に向かって足を進める。
そこにこの地獄から逃げ出すための手がかりがあるのだから。
学校にたどり着く。授業中なのだろう。グラウンドに出ている人はなく、校舎も静かだ。
晴美はまっすぐに体育倉庫に向かう。グラウンドの外れにある建物。
普段はカギが閉まっている倉庫の扉に手をかける。
抵抗なく開くドア。晴美はドアを少しだけ開けてから、息を整えた。
『ご主人様』はこの中にカギがあるといった。
それは私を此処に誘いたいからだ。つまり、この中にも何かがある。
罠。分かっていても踏み込まなければいけないのだ。
いざとなったら大声を上げて助けを呼ぼう。
晴美は扉をさらに開け、倉庫の中に入った。
暗闇の中、かび臭い匂いだけが鼻につく。
明かりをつけようとスイッチのほうに手を伸ばし。
その手を誰かに掴まれた。
悲鳴を上げるまもなく引っ張られ、地面に押し倒された。
衝撃で朦朧としている隙に目隠しをされ、両手両足をつかまれ拘束される。
倉庫のドアが閉まっていく。外への唯一の出口が。
あわてて助けを呼ぼうとした口に、布が押し込まれた。
視界を奪われ助けも呼べず拘束された。その事実に気づいたときにはすでに遅かった。
「一丁あがりだ。制服どうする?」
「切っちゃえ。ナイフあるだろう」
刃が晴美の制服を裂いていく。
はだけた胸が空気に晒され、露になる。
貞操帯以外、晴美の体を守るものはない。そしてその貞操帯も、膣と菊座と陰核を攻めはじめる。
「ん……! んんん!」
「ふふふ。すこし振動させただけでそんな声出しちゃって」
この声には覚えがあった。
『ご主人様』の声だ……!
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