2007.11.29.

獣欲の生贄
03
フェラ男優



■ 復讐1

次の日、やはり迎えの車は来ていた、授業中何度も夢であったらいいと願ったが、校門を出るとすぐに黒いスーツの男が車に乗るようにと言ってきた、昨日とは違う男だった。
車の中で菜実は男に小さな錠剤を二錠渡され飲むように命じられた。 最初は睡眠薬でも飲まされて辱めを受けるのだろうかと思ったが一向に眠くなる気配はなかった。 それどころかだんだんと身体が熱く火照ってくるようなきがした、菜実は風邪で熱っぽいのかなと不思議に思っていると、車は目的地に着いたようだった。
着いた場所は新しい駅ビルで菜実も知っている私鉄駅だった、都心に近く利用客も多い、今日もこれから夕方のラッシュを迎えようとしている。

内装を建築中の新たな駅ビルは4階建てで二階が駅になっている。 社長は4階にできる予定の小さなネットシアターの下見に来ているとのことだった。
昔でいう映画館なのだが、100席ほどの広さでスクリーンにはインターネットで配信される映画が上映される。 すでに席はできてスクリーンもできているようだった、昔の映画館ほど大きなものではないが、席がスクリーンと近いせいもあって視界いっぱいに画面が飛び込んできそうだった。

坂井敏一社長はその最前列の中央に座っているようだった、館内には他に誰もいないような気配だった。 菜実は連れてこられた男に促されて社長のもとへ歩いていった。
「やあ、よく来たね。 どうだいこのシアターはこんな大画面で映画を楽しむのもいいもんだよ、菜実ちゃんは映画は好きかい?」
無邪気に笑いながら楽しそうに訊いてくる、まるで自分と映画でも観るようなつもりなのだろうか……そんなはずはない、昨日あれだけの辱めを受けて菜実はこの男を信じることができなかった。
「今日はこのスクリーンの試写会さ、まだ内装が出来てないんだけど君が最初のお客さんだ。 ほら、そこなんかまだ床が透けているだろう……」
社長に言われて菜実はぎょっとした。 なんと二人の周りの床が剥がされ下の階の様子が見えるのだ。

「えっ! うそっ……」
菜実はうろたえたが床には充分な強度があるようだった。
「ふふ、大丈夫。 強化樹脂でできているから、鉄板より丈夫なんだよ、これも演出のつもりだったんだがここに居る人はともかく下に居る人は上を見てあまり気分のいいものじゃないと言うんで直すことにしたんだ」
当然だろうと菜実は思ったここに居ても気分のいいものじゃない、下階のショッピングモールを大勢の人が通りいつこちらを見るかとどきどきする。
(この人……おかしいんじゃないかしら、こんな趣味ありえない……)
「ああ、でも下からはこっちは見えないようになっているんだ。 マジックミラーと言う感じかな、特殊な液晶パネルが仕込んであってね、下からは天井に広告の映像が流れるような仕掛けになっているんだ、面白いだろ」
恥ずかしいやら、落ち着かないやら、こんな状況で映画を楽しむ人の気が知れなかった。 菜実は幾分あきれ顔で坂井社長の自慢げな説明を聞いていた。

「さて、そろそろ始まるぞ」
坂井は少し照れくさそうに言うのだった。
坂井社長の視線につられて、菜実もスクリーンに浮かび上がる映像に目を向けた。
自社のネット配信サービスのCMが流れ、しばらくして古びた感じのする映画配給会社の名前が大きくスクリーンに映る。
画像が少し悪いのは、やはり新しい作品ではないことを物語っていた。
「これはね……」
坂井がスクリーンを見つめながら話し始める。
「今から二十八年くらい前の純愛ラブストーリーなんだ」
「二十八年……ですか」
十六歳の菜実には、観たことはもちろん、題名さえ知らない映画だった。
「そう、僕が大学生で菜実ちゃんのお母さんも大学に入ったばかりの頃、流行った映画なんだ……」
そう言って、坂井は話の間をおいた。
(ママが大学生になった頃……、まさか、ママと一緒に、この映画を?)
菜実はハッと気づいたように、坂井の顔を見た。
「ふふ、そうなんだ。 その頃、僕は菜実のママと知り合った」
坂井の表情は、気味悪いほど愛しげにスクリーンを眺めている。
「母と……、お付き合い、していたんですか?」
菜実は恐る恐る、訊いてみた。
坂井はボーッと映画に見入っている。
「あっ、ああ。 ごめん、あまり映画が懐かしかったものだから、少し昔のことを思い出していた……」
「そう、知り合ってすぐに、二人は互いに惹かれあった、いつでも、どこでも、何をするにも一緒だったな……」
至福の想い出のように、坂井は言った。
「そして、同期のきみのお父さんとも、同じ研究室、親友だった……」
そこまで言って、坂井の表情が曇る……。
スクリーンには主演の二人が初めてキスを交わすシーンが流れていく……。
(パパがこの人から、ママを奪った……)
菜実はこれ以上、坂井に訊けなかった。
 
「菜実……」
呼び捨てだった、声のトーンが低い。
「この映画、二人は結婚というありきたりなハッピーエンドで終わるんだ……。 でも、その頃の俺と真菜実には最高のストーリーだった」
坂井は菜実の母の名前を初めて言った。 菜実は母の真菜実の二字を貰ったものなのだ。
「そして、この映画を観た後……、二人は初めて、結ばれた……」
坂井の声が微かに震えている。 菜実は息を呑んだ。

「そして、将来を誓いあった……」
「……」
菜実は坂井の顔色を伺いながら、何も言えずにいた。
坂井はただ、じっとスクリーンを見つめている。
「くくっ、おかしい、だろ? 高校生の菜実が聞いたって、まるで、幼稚園のおままごとさ」
坂井は苦笑した。
「そんな、こと……」
「ははっ!」
急に高笑いして、坂井は狂気の眼光を見せる。
(いや、お願い、おかしくならないで……)
菜実は坂井の視線から逃れるように、俯いた。
「菜実!」
「……は、はい」
弱々しく返事を返す。
「話はここまでだ。 わかっただろう、この間も言ったように、お前がここに居る理由が」
きびしい父親か兄貴でもいたらこんな叱られかたをするのだろうか、菜実は坂井の口調がそんな風に聞こえた。
「許してください……」
「何っ、まだ、何も言ってないぞ」
「……」
深くうつむく菜実。
「ふっ、菜実はキスの経験ぐらいは、あるのかな? 高校生だし、美人だから恋人もいるのかもしれないなあ……」
怯える様子の菜実に、坂井は少し声を和らげた。
「あの……、私、全然、男の人とか、知らないんです……」
言葉尻を濁す。
「菜実はもうすぐ十七歳になろうっていうのに、キスもしたことありません、……とか?」
「……」
「じゃあ、ちょっと手加減しよう」
「……」
「確か……、最初に会ったときに、見ただろう。 あの女の人のように、お口でしゃぶりすることから、始めよう」
「……!」
(そんな、どこが手加減なの? そんなこと……)
菜実は目を丸くして、首を振った。
「菜実。 こんなことが無理なようなら、パパもあっけなく倒産だな。 もう少し物分りのいい親孝行な子だと思っていたけど、見込み違いか……」
坂井はあきれたように椅子に反り返った。
「ああっ、でも……。 そんなこと、したこと、なくて……」
「そうだろうな、キスの経験もない女の子が、フェラチオはしたことありますなんて、普通、ないだろうな」
坂井はこともなげに言った。
「……」
「だから、言ってるんだ。 パパの代わりに苦しみが耐えられないなら、別に、帰ってもかまわない、家まで送らせよう」
「……」
菜実の目頭に熱いものが込み上げる、思わず両手で顔を覆って、返事をする。

「わかり……まし……た」
(パパ……、許してね、菜実が助けてあげるから)
「おいおい、何も泣くことじゃない、菜実ちゃんの年頃なら、
皆、知っていてもおかしくないし、少し大人の勉強をするとおもえばいいんだ」
坂井はおおげさに菜実に顔を近づけて慰めのような言葉をかけた。
「ただし、僕が満足するまで、指示に従ってもらうけどね」
優しく菜実の頭を撫でる。
「約束しよう、菜実の生活や周りの人達の生活を壊すようなことは絶対にしない、そして、菜実が僕の指示に従っている間は、菜実のパパの会社の仕事は順調に成功する……」
しばらくして菜実の頭がコクリと頷く。
「いい子だ、パパに親孝行のチャンスじゃないか」
(パパの会社を潰そうとしておいて……)
菜実は反感の思いで唇を噛んだ。
しかし、すぐに、坂井がズボンのベルトを緩めている所作が目に入り、過酷な現実を思い知らされるのだった。
菜実の隣で坂井はベルトを外し、ファスナーを下げた。
開いた隙間から、薄いブルーのぴっちりとした小さめのブリーフが見える。
坂井が大きくズボンの前を開くと、お腹の方に向かって収まっている性器の形が、くっきりと菜実の目にも明らかにわかった。
「さあ、ここからは菜実がするんだ。 ただし、ズボンはこのまま下げない方がいい、せっかくの眺めが楽しめないからね」


そう、二人の周辺の床は透けていて、下階の様子が見えるのだ。 それは、夕方を迎え、駅ビルらしい人の賑わいを呈していた。

「……、私、どうすれば……、いいんですか?」
菜実はうつむきながら、ぽつりと聞いた。
「そうか、そうだな、まずは手で下着の上から愛撫するんだ」
「あい……ぶ?」
「うーん、愛に撫でるって書いて愛撫。 だから、愛おしいように撫でるっていうことかな」
「は、はい……」
菜実は身体を左に捩り、そっと手を伸ばして、大きく盛り上がった股間の膨らみに右手を置いた。
薄い生地の下着からは、坂井の熱い肉棒の体温と形がよく判る。 菜実はすうっと陰茎に沿って袋から先端まで擦っていった。
「そうだ、まだ柔らかいだろう。 これが硬く大きくなるように愛撫するんだ」
(あ、熱い。 男の人のモノを触ってる……)
菜実が初めて触れる男の身体かもしれなかった、それが、よりによって男性器になるとは、菜実は自分の運命を嘆いた。
こんなことなら……、とオクテだったことを悔やんでも悔やみきれない。
「じゃあ、脱ぐぞ。 こんどは握って、おしゃぶりするんだ」
そう言いながら、坂井は腰を浮かしブリーフを腿まで下げる。
普通よりも大きいペニスがだらりと菜実の目の前に現れる。
菜実には当然判らなかったが、坂井のそれは、AV男優なみに形も大きさも、逞しいものだった
恐る恐る、菜実の右手が坂井の肉茎を握る……。
しばらくは握ったまま軽く上下に動かすように愛撫を施していたが、坂井の促すような強い視線に、菜実はゆっくりと、その先端に顔を近づけていった。
「……」
菜実はさっき、初めて間近で成人の男性器を見せられた瞬間、身体にビクリと電流のようなものが走るのを感じていた。
そしてまた、シャワーも浴びていない、生々しい男の性器の臭いを嗅ぎ、ゾクリとする感覚を覚えた。
それは決して好ましい匂いではなく、汗と体臭とアンモニアとスルメのような臭いだったが、それが牝を誘うフェロモンのように、鼻腔から菜実の脳芯を幻惑させたのだ。
要はHな気分になってしまったのである。
初めての男性経験だったが、菜実の肉体はもう十分に女として発育し、男を求めることを身体が要求しているのだった。
(どうして……、薬のせい?)
菜実はここへ連れてこられるときに飲まされた、錠剤のことを思い出した。 それは実際、坂井の命令に従順にさせるための鎮静剤であり、本来なら思考と五感が鈍くなるはずのものなのだが……。
(Hになる、薬だったんだ……)
菜実はそれが自分の淫乱な体質のせいなどとは、まだ知る由もない。

「そのまま口の中に……、先端を咥え込むんだ」
菜実は指示どおり、坂井のペニスを口に入れ、亀頭の膨らみの所で唇を窄めた、唇を締めた途端に口腔内で舌が亀頭の裏側にピタリと吸い付いた。
「う、んん……」
口に含んだことでまた強烈な性器の臭いが鼻についた。
そして、菜実の口腔内でムクムクと肉棒の先端は、硬く膨らんでいくのだった。



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