2010.08.29.

狂  牙
003
MIN



■ 第1章 籠絡3

 そんなわたくしにそのお方は、そっと仰いました。
「ここから先は、旦那様に私との関係が知られる可能性が大きく成ります。ですから、今の関係を終わらせる必要が有るんです」
 そう仰ったそのお方は、へたり込んだわたくしの前に、ゆっくりしゃがみ込んで、わたくしの顔を正面から覗き込むと
「二つの道から選んで下さい」
 わたくしの目の前に、人差し指と中指を立て仰いました。

 わたくしがコクリと頷き承諾すると、スッと中指を曲げ
「一つは、私との関係を全く無くして止めてしまう」
 そう仰い、ジッとわたくしの目を覗き込まれました。
 わたくしは無意識に、ゆっくりと首を左右に振っておりました。
 身体がガクガクと震え、涙が溢れ出しました。

 そのお方は優雅に頷くと、ゆっくり手をわたくしの頬に添え
「もう一つは、私の言葉に絶対に逆らわない事。どんな事にも、無条件に従い、更に深く強い快楽を求める道」
 優しくわたくしに仰いました。
 わたくしはそのお言葉を聞き、一も二も無くそのお方のお言葉に従う道を選びました。
 するとそのお方は、スッと立ち上がり
「今からお前は、私の奴隷。奴隷は人間では無い。これからは私を常に敬い、奉仕しなさい。」
 わたくしに一番最初の命令を下さいました。

 わたくしは直ぐには、意味が解らず、対応が遅れてしまいました。
 そんなわたくしに、そのお方は厳しい声で
「正座しなさい。そして、額を床に擦り付けなさい。それが、奴隷の基本姿勢! これからは、指示された時以外は、その格好をしなさい」
 わたくしに躾て下さいました。

 そのお方はわたくしの頭を足先でコツンとつつかれると、額と床の間に足を差し込み
「舐めなさい」
 静かな声でお命じに成られました。
 わたくしは夢中で足に舌を這わせ、舐め始めました。
「これから、みっちりと礼儀を身に付けて差し上げます」
 そのお方が舌を這わせるわたくしに、静かに宣言されました。
 わたくしの奴隷生活の始まりです。
 それは、そのお方が、わたくしの家で生活するように成って、2ヶ月を迎える少し前の事でした。


−第2節,息子:啓一−

 僕がその人に初めて会ったのは、大学のサークルの合宿から帰って来た時です。
 父さんに新しい家政婦として、紹介されたのが初めてでした。
 僕はその女性の美しさに、思わず息を呑み見とれてしまいました。
 父さんの紹介の後、優雅にお辞儀をして、鈴を転がすような涼やかな事で
「黒川由梨(くろかわ ゆり)と申します。どうか、宜しくお願いします」
 名前を告げて挨拶した。

 初めて目にする可憐さと儚さ、そして時折覗くゾクリとするような大人の色気。
 僕よりも6歳年上の25歳と告げた由梨さんは、実年齢よりも2〜3歳若く見えた。
 僕は由梨さんを見て、一目で恋に落ちた。
 その日以来、それまで殆ど寝るためだけに帰って居た家にも、講義が終わると真っ直ぐ帰り、由梨さんの仕事の合間にお茶を飲みながら、談笑するのが僕の楽しみに成った。

 由梨さんは朝夕の食事は勿論、僕と妹に弁当も作ってくれ、僕はいつも由梨さんの作る食事を食べた。
 朝、大学に出掛ける時は、玄関まで見送りに来て優しく微笑み、その日の帰宅時間を聞いて、手を振って送り出してくれる。
 僕はそんな由梨さんの細かな仕草や、くるくると変わる表情が、愛しくてどんどん好きに成って行った。
 僕の気持ちは、日増しに強く成り、その気持ちに比例して、由梨さんが欲しくて堪らなく成って行った。
 だけど、年下の僕の事なんか、あの美しい由梨さんが相手にする筈が無かった。
 僕は日増しに強く成る思いと、フラれた後の気まずさに挟まれ、悩み抜いた。

 そこで、有る結論を出す。
 由梨さんに会話の中で、それと無く由梨さんが僕をどう思って居るか、問い掛ける事にした。
 僕は由梨さんとの会話に、それと無く好みの男性や恋愛対象の年齢の話しを混ぜ、問い掛けた。
 だけど、由梨さんはある程度迄は答えても、肝心な部分は、はぐらかして答え無い。
 僕は悶々とする身体を、由梨さんをオカズにして、鎮めるように成った。
 僕のチ○ポは由梨さんを思うと、直ぐに元気に成り、1日に驚く程の回数を自分で鎮めた。
 僕はおかけで家に居る時は、寝ているか、食事をしているか、由梨さんと話しているか、自分で鎮めているかのどれかに成った。

 そんなある日、僕はいつものように由梨さんを思いながら自分を鎮めていた。
 いつものようにティッシュを準備し、フィニッシュに向けて、妄想を掻き立てる。
 そしていつものように、フィニッシュと同時に由梨さんの名前を呼んだ。
 だけど、そこから先は、いつもと違っていた。
「は〜い、啓一さん呼びました〜」
 由梨さんが返事をして、ドアノブか回った。
[や、やばい! 鍵を掛け忘れてる!]
 僕は顔面が真っ青に成った。

 余りの事に僕の身体は固まり、由梨さんが扉を開けて中に入って来る。
 そこから先は、スローモーションのように見えた。
 微笑みながら入って来た由梨さんの顔が、僕の姿を見付け、僕の格好を理解すると驚きに染まり、両手で口を押さえ、顔を真っ赤にすると
「ごめんなさい!」
 一言謝って背中を向けて出て行った。

 バタンと扉の閉まる音が、妙に大きく聞こえた。
 僕の頭の中には[見られた]と言う言葉が木霊していた。
 完全に全部見られてしまった。
 何故なら、僕の身体の正面は、扉の方を向いて居たからだ。
 僕はそのままの姿で暫く放心し、もぞもぞと起き上がると、下着とジーンズを上げ、ベッドに身体を投げ出した。
 (一番見られたくない事を、一番見られたくない人に見られた。もう、終わりだ。これから、どんな顔をして、由梨さんに会おう)
 僕はベッドに倒れ込んだまま、ずっと考えていた。

 すると誰かが、扉をノックした。
 僕はその時、誰にも会いたく無くて、その音を無視した。
 だけど、暫くして、また誰かが扉を叩く。
 僕は横に転がり、扉に背中を向け頭を両手で抱え、その音も無視した。
 暫くすると3度目のノックが有った。
 僕はそのしつこさに腹が立ち、扉に向かうとノブを回しながら
「しつこいな! 僕は眠りたいんだ!」
 相手を確認せずに怒鳴った。

 僕は怒鳴った相手を見た時、驚いて固まってしまった。
 開け放った扉の向こうには、由梨さんが首をすくめて立っていた。
 由梨さんは、固く目を閉じ、肩を震わせながら
「ご、ごめんなさい…。でも…、どうしても謝りたくて…」
 僕に言った。
 その弱々しげな由梨さんを見て、僕の中で何かが弾けた。

 僕の手は由梨さんの手を握り、由梨さんを力任せに部屋に引き込み、扉を閉めて鍵を掛けた。
 由梨さんは驚いた顔で、僕を震えながら見詰めていた。
 僕はその震える由梨さんに伸し掛かり、由梨さんを押さえ付けた。
 由梨さんは僕の下でもがきながら
「や、止めて…、啓一さん…。お願い…こんな事しないで…」
 必死に僕に懇願した。
「うるさい! 由梨さんが悪いんだ! あんな事…。黙って、僕の部屋に入って、あんな事をしている僕を見た、由梨さんが悪いんだ!」
 僕が由梨さんを押さえ込んで怒鳴ると、由梨さんの抵抗が緩む。

 僕はそのまま、由梨さんの唇を奪い、由梨さんの胸を揉む。
 すると由梨さんの抵抗が、強く成った。
 僕はその時何故か無性に腹が立って、唇を放すと由梨さんの頬をぶった。
 パチンと由梨さんの頬が鳴り、由梨さんは驚きの表情を浮かべる。
 僕はぶった手をそのまま由梨さんの下半身に伸し、スカートの中に手を入れた。
 由梨さんの抵抗が、もの凄く激しく成ったが、僕は構わず由梨さんのパンティの中に手を差し込んだ。
 由梨さんの身体が、僕の下でビクンと大きく震え、身体を固くする。
 僕はそのまま手を伸ばして、由梨さんの秘所へ指を進めた。

 そこで僕の手は、思わぬ感触に触れた。
 それは有るべき物が無い下腹部と、ヌルリとした感触だった。
 僕は驚いて、思わず由梨さんの顔を見た。
 由梨さんは完全に抵抗を止めて、悲しそうな表情で涙を流し、項垂れていた。
 僕の部屋には、由梨さんのすすり泣く声が響いていた。

 僕は今の状況を必死に考えた。
(今、由梨さんのオ○ンコ濡れてた…。そ、それに…毛が…オ○ンコの毛の感触が、まるで無かった…。な、何で…。ま、まさか由梨さん…そう言う人…)
 僕の頭の中に、有る言葉が浮き上がる。
 僕は由梨さんの身体の上からどいて、由梨さんを解放した。
 由梨さんはそれでも、倒れた姿勢のまま、動かなかった。

 僕はジッと立ったまま、由梨さんを見下ろし、ゴクリと唾を飲み込み。
「そうか…、そう言う人だったのか…。」
 由梨さんのすすり泣きの声がピタリと止まり、由梨さんの肩がビクリと跳ねた。
 僕は由梨さんのその反応に、確信した。
 由梨さんは[マゾ]だったと。
 僕はそう確信した瞬間、不思議と凄く落ち着いて来て、気持ちに余裕が出来、由梨さんを酷くいじめたく成った。

 僕は項垂れる由梨さんを見下ろし
「僕のオナニー見たんだ。由梨さんのオナニーも見せてよ」
 由梨さんに命令した。
 由梨さんの肩が再びビクリと震え、小さく首を左右に振って
「許して下さい…」
 か細い声で許しを求めて来た。
 その声を聞いて、何故だか僕の背中はゾクゾクとして、興奮した。

 僕は項垂れる由梨さんの髪の毛を掴み、乱暴に引き上げると、由梨さんの顔を覗き込み
「聞こえ無かった?」
 由梨さんに問い掛けた。
 由梨さんの目に怯えが浮かび、手が一瞬動くが躊躇って、止まった。
 僕は由梨さんの頬を空いた方の手の平で打つ。

 パチンと由梨さんの頬が鳴り、由梨さんの眉根に深いシワが寄る。
「気持ち良いの? 由梨さん…」
 僕が問い掛けると、由梨さんは力無く、首を左右に振る。
「嘘…。気持ち良いんでしょう」
 ペシンと僕は今度は手の甲で由梨さんの反対側の頬を打った。
 由梨さんの頬が少し、赤く成る。

 由梨さんの肩がビクリと震え、また眉根に深いシワが寄った。
 そして視線を合わせないで、また同じ反応で首を振る。
 僕はまた、手のひらで叩いて問い掛け、手の甲で叩いて問いなおす。
 何度か繰り返しても認め無い由梨さんに、僕は少し飽きて
「強情だな…由梨さん。解ったよ、由梨さんが言ってる事を信じるよ…。由梨さんは、こんな事で気持ち良く成らないって信じて上げる」
 髪の毛を放して、由梨さんに言った。

 由梨さんは驚いたように顔を上げ、僕を見詰めた。
「でも、嘘だったら許さないからね…」
 僕はそう言いながら、左手で由梨さんの足を掴んで、右手をスカートの中に差し込んだ。
 由梨さんは驚いて、僕の手を止めようとしたけど、その時には僕の手は、パンティの上から由梨さんのオ○ンコを撫でて居た。
「ねぇ、何で気持ち良く無いのに、パンティ濡れてるの? 僕に嘘を吐いたんだね…」
 由梨さんはスカートを押さえ、俯きながら肩を震わせ、バッと顔を上げると
「濡れて…ません…」
 涙の浮いた目で、僕に弱々しく抗議した。

 僕は笑いを浮かべて、由梨さんの抗議に頷き
「ふ〜ん…また、嘘を吐くんだ…」
 由梨さんに静かに言った。
 怯える由梨さんを見下ろし
「手を後ろに組んで」
 静かに命令した。
 由梨さんはスカートから手を放し、従おうとしたけど、また途中で躊躇った。
「組め!」
 僕が大きな声で鋭く命令すると、ビクッと肩を跳ね上げ、急いで手を組んだ。

 僕は由梨さんの前にしゃがみ込んで、スカートの端を持ってゆっくり持ち上げた。
 由梨さんは固く目を閉じ、震えている。
 由梨さんのスカートが捲れ上がり、白い飾り気の無いパンティが僕の目に晒された。
 だけど肝心の部分は、由梨さんが太ももを閉ざしているから、ちゃんと見え無い。
「広げろ!」
 大きな強い声で命令しながら、僕は空いている手のひらを由梨さんの白い太ももに振り下ろした。
 パシィーンと良い音が鳴って、由梨さんの太ももに僕の手の跡が真っ赤に残る。
「ひゃぃん」
 由梨さんが小さい悲鳴を上げ、両方の太ももが跳ね上がって、由梨さんの股間が丸見えに成る。

 僕は由梨さんの股間を見て意地悪く笑いながら
「由梨さんって、嘘吐きなんだ…。パンティーが透けるぐらい、びしょびしょじゃない…」
 由梨さんの顔を覗き込み僕が言うと、由梨さんは顔を真っ赤にしながら、下唇を噛んで泣きそうな顔をした。
「僕は許さないって言ったよね? だけど、由梨さんは嘘を吐いた…。これって、許さなくて良いって事だよね…」
 僕が質問すると由梨さんは、泣きそうな顔のまま俯く。
 僕は由梨さんの髪の毛を掴んで、顔を上げさせると
「全部脱いで、オナニーしろ」
 低い声で命令した。



▲ BACKNEXT ▼



この小説は、完全なフィクションであり、実在の人物、
団体等と何の関係もありません。
この小説へのご意見、感想をお寄せください。
感想メールはcopyright下のアドレスまで


NEXTBACK TO NOVELS INDEX


18's Summer : 官能小説、恥辱小説とイラストの部屋