2010.08.25.

狂  牙
002
MIN



■ 第1章 籠絡2

 ローションを塗った手が、わたくしの乳房をヤワヤワと揉み、掴んで快感を産み出します。
 丁寧に丁寧に、時間を掛けて揉みほぐされた私の乳房は、もう蕩けそうな程、感じ始めました。
 そして、乳房が柔らかくなると、そのお方はおもむろに右乳首の玩具を動かしました。
「あふぉぅ、ひんっ、ひゃ〜〜〜っ」
 わたくしは突然の刺激に驚いて、おかしな声を上げてしまいました。

 そしてその声がまるで合図だったかのように、わたくしの身体に付けられた玩具が、一斉に動き出し始めました。
「ふおぉうお〜〜〜、はう、はぁ〜〜〜ん、あふ、あ〜〜」
 わたくしは初めて感じる刺激に、あられもない声を上げてしまうと
「どうです? 奥様…素敵でしょ?」
 そのお方は悪戯っぽく笑い、わたくしのオ○ンコの中に、ピンク色の玩具を入れて、オ○ンコをかき混ぜ始めます。
「あきゅん、あん、ひ〜〜〜っ、ブルブルする…、わたくしの敏感な所…ブルブルします〜〜〜っ」
 わたくしの言葉に、そのお方は微笑まれますと、オ○ンコの中の玩具を指先で摘み、膣壁前方上部の恥骨の直下に宛がいました。

 その快感には、驚きました。
 お尻の穴がムズムズしたかと思うと、背筋をゾクゾクと快感が走り抜けます。
 子宮がビクビクと震えだし、オ○ンコから信じられない程の愛液が、溢れ出しました。
 そのお方が仰るにはそこは[Gスポット]と呼ばれる場所で、スキーン腺(小前庭腺)という分泌腺があり、女性の前立腺という俗称で呼ばれる場所だそうで御座います。
 わたくしはその部分を刺激され、初めて[潮吹き]と言うのを経験致しました。
 それは、快感が突き抜けると言う表現が、ピタリと当てはまる物で、本当に気持ちの良い物でした。

 わたくしが絶頂の余韻に浸っていると、そのお方はわたくしの顔を覗き込み
「如何です奥様? お気に召されましたか…」
 わたくしに問い掛けられました。
 息も絶え絶えで、[はい]と返事を返すと、そのお方はあの妖しい微笑みを浮かべ
「でわ、心ゆくまでお楽しみ下さい」
 そう仰って、何度も何度もわたくしに[潮吹き]を感じさせて下さいました。

 わたくしの意識は、5回目の潮吹きで完全に頭から無く成り、身体だけが何度も反応しました。
 朦朧とする意識の中で、そのお方が囁く言葉を心に刻み込みます。
「何も考えず感じ、何も考えず身を委ね、私に従いなさい。そうすれば、もっと気持ち良くなれます…」
 そのお方の言葉は、とても甘美で、わたくしの心に染みこんで行きます。
 わたくしは、心の奥底に染みこんで行く、そのお方の言葉に従う事を決めました。
 もう、わたくしはこの快感を手放す事など、出来無く成ってしまったのです。

 何度か潮吹きを体験して、快感を覚えたわたくしに、そのお方は新しい快感を教えて下さいました。
 それは、お尻の穴です。
 初めはいつもの通りわたくしは抵抗しましたが、そのお方が仰られて、わたくしが虜に成らなかった物など一つも無いと言う事実を突きつけられ、わたくしは従いました。
 その時も、実はそのお方のお言葉[何も考えず感じ、何も考えず身を委ね、私に従いなさい。そうすれば、もっと気持ち良くなれます]が心の中で響いていたのですが、わたくしは今までの常識から、抵抗したので御座います。
 結果はいつもの通りで御座いました。

 わたくしはお尻の穴を嬲られ、何度も何度も絶頂を極めました。
 その絶頂はオ○ンコで感じるような絶頂では無く、いつまでも、いつまでも終わり無く続くような絶頂で御座います。
 獣のような声を上げ、お尻の穴の絶頂を貪りました。
 そして、そのお方は今まで覚えた4つの絶頂を組み合わせて、わたくしを快楽の奥底に引き込まれます。
 わたくしは快楽の海に溺れ、それこそ息も出来ない程、絶頂を感じました。
 マッサージの絶頂、オ○ンコの絶頂、Gスポットの絶頂、そしてお尻の穴の絶頂。
 息も絶え絶えで、そのお方のベッドに突っ伏します。

 何も考えられないわたくしの頭の中で、そのお方の言葉だけが、呪文のように響いていました。
(そう、何も考えなくて良い…、わたくしの考えなど、一つも正解なんか無かったんだから…。わたくしは従うだけで良いのよ…)
 頭に甘美な考え方が芽生え、わたくしはその考えを育てて行きました。
 その考えを育てて行くと、人の目や考えなど些末な事と思えるように成りました。
 すると、心がフッと軽くなり、全てが明るく見えるように成りました。
 [わたくしには、のめり込む世界が有る]その思いの、何と素晴らしい事でしょう。
 わたくしの中では、そのお方の与えて下さる快楽が、全てと成りました。

 わたくしがそう思うようになった事も、そのお方には十分理解出来たようで、そのお方はわたくしの本質を教えて下さいました。
 わたくしは父親が旧家の出で、それなりの資産を持った家庭の、一人娘として育ちました。
 父親が厳格だったため、中学校時代から女子短大の付属校に通いました。
 短大を出て直ぐに夫を紹介され有無を言わさず、結婚したため性的知識のないまま過ごして参りました。
 勿論、子を産むためのSEX等は、知っておりましたが、快楽のための知識は、ほぼ皆無で御座いました。
 異性に身体を任せたのも、夫が初めてで御座います。
 それ故、わたくし自身がどう言う事が好きなのか、今まで一度も考えた事は有りませんでした。
 そのお方は、それをわたくしに教えて下さいました。

 あれはそのお方がお越しに成って、一ヶ月と少し過ぎた当たりで御座います。
 そのお方の部屋に、いつものように参りますと、ベッドの脇に大きな姿見が置かれておりました。
 いつもは部屋の隅に置かれている筈の物が、何故ベッドの横に有るのか不思議でしたが、その理由は直ぐに分かりました。
「今日は奥様の性癖を教えてご覧に入れます。ご自身の性癖を知るのと知ら無いのでは、感じ方がまるで違いますから」
 そのお方が妖しい笑いを浮かべ、説明して下さったからです。
 この頃には、わたくしもだいぶ理解しており、そのお方がこの笑いをお浮かべに成る時は、必ずわたくしは狂う程の快感に浸されるのです。

 その日はわたくしが全裸に成りますと、そのお方がわたくしを後ろから抱きすくめ、鏡にわたくしの身体を映します。
 わたくしの身体は、この頃から不思議な事に、30代前半いえ20代と言っても良い程の、艶と張りを湛えておりました。
 その上連日の激しい絶頂で、わたくしの脂肪は燃焼してしまったのか、緩んでいたお腹や下腹部、お尻や太股の辺りの贅肉もスッキリと落ちておりました。
 お風呂に入って自分の身体を見て、自己陶酔に浸れる程、わたくしの身体は変わっていたのです。

 その身体を後ろからソッと抱きしめ、そのお方はボソリと私の耳元に呟きます。
「綺麗な身体…、そして、いやらしい身体…」
 わたくしはその呟きを聞いただけで、自分の身体が官能に対して、準備を始めているのを感じました。
 オ○ンコがパックリと開き、奥底から愛液がドロリと流れ出て来たのです。
 そのお方はわたくしのオ○ンコに人差し指、中指、薬指の3本を宛がうと、人差し指と薬指でオ○ンコを開き、中指でかき混ぜました。
 クチュクチュと音を立てて、その方の指の動きで愛液が白く粘り気を帯びて行きます。

 わたくしが恥ずかしさの余り顔を背けると
「奥様、駄目ですよ。今日はちゃんと見るために、鏡を用意したんですから」
 そのお方は私を叱りながら、激しく中指を動かします。
「あ、ああぁ〜…、駄目です…許して下さい〜…」
 わたくしが感じながらも、懇願しますが、そのお方は絶対に許して下さりません。
 そのお方の中指は、わたくしのオ○ンコの奥に入り込み、中を掻き回し始め
「ここをこんなにして、何が許して下さいです? ちゃんと鏡で確認して下さい」
 そのお方は、わたくしを追い詰めて行きます。
 身体を一つビクリと大きく跳ねさせて、抗う事も出来ずそのお方の言葉通り、鏡に視線を向けました。

 鏡に映ったわたくしの姿は、浅ましくいやらしい物でした。
 そのお方のベッドの縁に腰を掛け、両足を抱え込みながら大きく開いたまま、身体を預けて背後に倒れ掛かっているせいで、オ○ンコもお尻の穴も鏡に綺麗に映っています。
 そのお方がオ○ンコから指を引き抜くと、わたくしの愛液が糸を引いてそのお方の指に絡み付いているのも、全部確認出来ました。
 そのお方はマジマジとわたくしの愛液で濡れ光る指を見詰め、クスリとお笑いに成るとその手をわたくしの口元に差し出し
「どんな風に鏡に映っています?」
 耳元に顔を寄せ妖しく微笑みながら、問い掛けました。

 もう駄目でした。
 わたくしはその時点で何一つ考える事を止め、そのお方の思いのまま行動を始めます。
 わたくしは口を大きく開けて、差し出された指先に舌を這わせ、自分のオ○ンコやお尻の穴がどう成っているのか、問われるままに答えました。
「オ○ンコ…パックリひらいて、愛液が…ドロドロと粘着いて…います…。お尻の穴…、気持ち良くて…ヒクヒクしています…」
 自分の愛液で汚れた、そのお方の指を舐めながら告白すると、身体の奥底がカッと熱く成り、またわたくしのオ○ンコがビクビクと震え愛液を吐き出します。

 そのお方はわたくしのその様を見て、妖しい笑いを強めながら
「奥様の身体と心は、こう言う事をされるのが好きなんです。恥ずかしい事をしながら、それを口にしたり、目にしたり、感じたりすると身体が反応して、こうやって辱められたり、嬲られたりすると心が蕩けるんです。奥様はそう言う性癖なんです」
 耳元に優しく囁き、わたくしの性癖を教えて下さいました。
 それが無駄な事だと解っておりますが、勿論この日も、いつものようにわたくしは否定しました。
 ですが、それもその方の手により、いつものように実践され、証明されてしまい、事実として認めるしか有りませんでした。
 この日から、[恥ずかしい事をして、侮辱されると感じる性癖]と言う、わたくしの本質を見せられ、それを受け入れて行く日々が始まりました。

 お買い物に行く時は、下着を一切着けず露出度の高いお洋服を着て出掛けます。
 最初の頃はわたくしの持ち物を着て出掛けましたが、それも数日で終わり、そのお方が用意した物を着て行く事に成りました。
 まだ、春先だと言うのに、胸元と肩口が大きく開いたタンクトップに、股下10pも無いミニスカートを身に付けご近所のスーパーに買い物に行かされます。
 タンクトップは少し大きめの物で、お洋服の中でわたくしの身体が遊び、気を抜くと大きく開いた胸元や肩口からわたくしの乳房が丸見えになります。

 ですが、それはまだマシで問題はスカートでした。
 ミニスカートはティアードミニと呼ばれる物で、裾が拡がりやすい物です。
 その上そのお方が用意した物は、総丈が40p程のマイクロミニで御座います。
 上体を前に倒しただけで、スカートの裾が持ち上がりお尻の下が見えてしまい、完全に身体を倒すと、お尻は立って居る人にも見えてしまいます。

 わたくしは夫の手前、流石に[この格好で買い物に行くのは、許して下さい]と泣いて縋り付きました。
 するとそのお方はニッコリと微笑み
「はい、私も奥様の素性が知られるのは、本意では有りません。ですからこれをお付け下さい」
 そう仰って、茶髪のウィッグとサングラスを与えて下さいました。
 そして、耳の中に押し込む無線機を手渡されて、わたくしは準備を終えます。
 鏡に映るわたくしは、わたくし自身が見ても、わたくしでは有りませんでした。
 唯一許された真っ赤なルージュが、わたくしを[身体でお金を稼ぐ]女性のように見せています。

 準備を終えたわたくしは、そのお方の指示通りに動く操り人形です。
 そのお方は、わたくしから少し離れた所でわたくしを見張り、周りの反応を窺いながら、耳に嵌めた無線機でわたくしに指示を出します。
 わたくしはそのお方の指示通り、通路を歩き、商品を選び、買い物を始めます。
 立って居る男性の横でしゃがみ込み、タンクトップの前にわざと隙間を作って、胸元から乳房を披露したり、わざと高い所の物を取って、肩口から見せたりして買い物を続けます。
 足を伸ばし腰を曲げて、買い物かごを片手に商品に手を伸ばしますと、わたくしのお尻や乳房は低い位置にいる方に、丸見えに成ってしまいます。

 商品を落とされた方のお手伝いを片膝立ちでした時は、顔から火が出るかと思いました。
 わたくしの真正面でしゃがみ込んだ男性の顔が、驚きで固まり、食い入るようにわたくしの股間を見ていたからです。
 そんな時もわたくしは見て下さった方に、ニッコリと微笑み会釈をしてその場を離れ、次の指示に従うのです。
 恥ずかしくて、情けなくてわたくしは消え入りそうでしたが、そんな気持ちで家に帰り、そのお方に身体を預けますと、わたくしの身体はいつも以上に激しく反応します。
 そのお方の質問に答えながら、自分が如何に恥ずかしい事が好きか、自分の身体がどれ程いやらしいか、大声で叫びながら絶頂を迎え、潮を噴き上げます。

 そのお方は、その他にもわたくしの知らない快楽をドンドンわたくしに教えて下さり、わたくしを開発して下さりました。
 誰かに見られながらするオナニーや、絶頂を我慢して解き放つ快感。
 オシッコの穴を擦られる快感や自由を奪ったSEXも教わりました。
 そして、快感には際限が無く、ドンドン高まる事も教わりました。
 わたくしはそのお方と過ごす時間が何よりも大切に成りました。

 そんなある日、そのお方がわたくしに仰いました。
「ここから先は、もう終わりです…。この関係も終わりにしましょう…」
 突然のお言葉に、わたくしの目の前は真っ暗に成りました。
 わたくしの身体から、一瞬で力が抜け、わたくしは何も考えられ無くなり呆然としました。
 あの、深い喪失感は今思い出しても全身に震えが来ます。



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