2009.05.10.

夢  魔
03
MIN



■ 第1章 淫夢3

 化学の授業を受ける美紀と沙希は、中年教師の顔をほんのり紅潮させながら、見詰めている。
 そんな中、一人の男子学生が、手を挙げて質問をする。
 その男子生徒の質問は、かなり専門的な質問のようで有り、化学教師は鼻白んだ。
 高校の教師レベルで答えられる質問ではなく、研究者にする程の質問をした生徒に
「おいおい…柳井…勘弁しろよ。お前が頭良いのは知ってるが、今の質問は今日の実験に関係ないだろ…。後で準備室に来い、資料を見せてやるから…」
 柳井と呼ばれた細身の生徒は、メガネを右手の中指で直しながら
「じゃあ、部活の時に拝見します…」
 そう言って席に着く。

(もう…何よあいつ…先生に恥をかかせるなんて…嫌味なんだから…ちょっと頭が良いからって…腹が立つ…)
 沙希は猛烈に、教師に恥をかかせた生徒に、腹を立て
(柳井君って…恐い…暴力的じゃないけど…何か…)
 美紀は柳井を盗み見て、身体を悪寒で震わせる。
 どちらも、差異は有れこの男子生徒に、嫌悪感を抱いていた。
 それは、本能的な恐怖感から、来る物だったのかもしれない。

 男子生徒の名前は柳井稔(やない みのる)、男子生徒1期生の中でも、ずば抜けて優秀な生徒で、只でさえ成績優秀な者が揃った、この学校の男子の中で、常にトップを走っている。
 身長は182pと長身で、スラリと細い身体は、およそ運動には縁のない華奢な体型だが、それを補って余りある頭脳を備えていた。
 メガネの奥の瞳は、細く切れ長で、酷薄そうな薄い唇は、授業の質問をする時か、答えを返す時だけ開かれる。
 常に何かの本を読み、他人との接触を避けている。
 だが、不思議な事に、女生徒には人気が高い様である。

 化学の授業が終わって、教室を移動している時柳井が廊下で、他の男子生徒とぶつかる。
 柳井がぶつかった相手は、この学校の問題児、竹内伸也(たけうち しんや)だった。
 柳井はぶつかった拍子に手に持っていた、本を取り落とし、それが美紀の前に転がって来た。
 竹内は柳井を怒鳴り付け、襟首を掴む。
「てめー何処見てんだ〜っ! この野郎フラフラ歩くんじゃねぇーっ!」
 騒ぎを、聞きつけ教師が出てくると
「こ、こら…ダメじゃないか竹内君…廊下で騒いじゃ…いけないと…教わってないか…」
 教師は竹内に対して、汗を拭きながら注意する。

 その原因は、この竹内伸也が、3年前就任した理事長の息子だったためだ。
 理事長はこの息子を入れる為に、学校を共学にしたという噂がある程、過保護に育てている。
 その為、学校内での竹内の横暴は、目に余る物が有り、特に一般性徒や教師には恐怖の対象でしかない。
「放してくれないか…いかに君でも、僕に手を挙げる事は出来ないだろ…僕はここに、来たくて来ている訳じゃないんだ…そこを忘れないでくれ…」
 落ち着いた声で、柳井は竹内の手にソッと手を重ねる。
 竹内は苦虫を噛み潰したような表情をし、その手を放す。

 柳井はこの学校の特別奨学生で、理事長自らがスカウトした生徒だった。
 この他に特別奨学生は、2人いてそれぞれの分野で、この学校の名前を広げている。
 そんな事情で、竹内も柳井には手を出せずにいた。
 竹内は踵を返すと、野次馬を追い払い廊下の向こうに消えていった。
 柳井は学生服の埃を払い、自分の取り落とした本を探し始める。

 美紀は自分の手に持った本を差し出し
「はい…これでしょ…」
 ぶっきらぼうに柳井に告げた。
 柳井は本を受け取ると、ぺこりと頭を下げ何事も無かったように、踵を返して廊下を歩き出す。
 その後ろ姿を見詰める美紀は、柳井にどうしても聞きたい事が出来てしまった。
 それは、柳井が取り落とした本の題名を、見てしまったからだ。
 柳井の取り落とした本には[脳の科学−生物における夢の役割−]と書かれていた。

 その頃保健室で眠る弥生の身体は、ピンク色に紅潮し淫夢の真っ最中だった。
 はあはあと荒い息を吐きながら、身体をくねらせ全身をまさぐっている。
 すると、また時計のアラームが鳴り響く。
 その音を聞いた弥生は、動きを止めユックリと瞼を開き、意識を覚醒させる。
 頬を赤らめ、衣服を整える弥生は、有る事に気が付く。
 乳房を服の上から触り、慌てて股間に手を当てる。

(な、無い…どういう事…下着が…無く成ってる…)
 弥生は驚いて、パニックを起こし掛けたが、シーツをどけて更に固まった。
(な、なんで…ここに…これが、有るの…これは…夢…夢の続きなの…)
 シーツの下には、夢の中で何時も付けている、アナルバイブ付きの革製Tバックショーツと、リモコンが落ちていた。
 そして、自分の首に違和感を感じ、手を首に持って行くと、そこには夢で付けている、首輪がしっかりと嵌っていた。
(う…嘘…こんなの…有り得ない…。こんな事…そ、そう…これは…夢…夢なのよ…現実に有るはず無い…)
 弥生はベッドから立ち上がると、革のTバックショーツを持ち、直ぐさま足を通し始めた。
(夢なんだから…これを付けてオナニーしなきゃ…大切な方が…お越しになるわ…それまでに電池を使い切らなきゃ…)
 弥生はアナルバイブを、飲み込ませるとリモコンのスイッチを入れ、椅子に腰掛け足を大きく広げ、オ○ンコをかき回し始める。

 弥生は椅子の上で何度も何度も、絶頂を迎え愛液を溢れさせる。
(いいの…いいの〜っ…アナルもオ○ンコも…さいこうです〜ぅ…ああぁぁ〜っ…はやく…はやくきて…ください…リードを…つけて…やよいを…おもちゃにして…ください…あふぅ〜ん…)
 弥生は夢と現実が判別出来ないで、日中の保健室でオナニーに耽る。
 そしてその一部始終が、ビデオに収められている事に、気づいていなかった。
 弥生の身体が大きく絶頂を迎え、身体を震わせる。
 すると、弥生の身体から力がすっと抜け、椅子の上にグッタリと身体を預け、眠りについた。
 弥生の淫夢は今、現実に溢れ始めた。

 弥生が椅子の上で眼を覚ますと、辺りをユックリ見回し始め、頭を2・3度振る。
 ハッとした表情で、自分の身体をまさぐると、下着を確認する。
「あ、あれ? ちゃんと着けてる…さっきは無かったのに…。く、首輪は…無い…夢…だったの…」
 弥生は自分の股間に目を向けると、そこには椅子のクッションがビショビショに成る程、愛液が溢れていた。
 真っ赤になってスカートのお尻を触ると、そこに咥え込んでいた物も無く成っていて、スカートのお尻はずぶ濡れだった。
 弥生は大きく溜息を吐いて、肩を落とす。
(やだ…私の身体…どうしちゃたんだろ…。こんな事ばかりじゃ…おかしく成っちゃう…)
 弥生は自分の身体の異変に、真剣に憂いを感じ始めた。

(このまま、ここに居たらおかしくなりそうだわ…。今日は早退しましょ…)
 そう考えながら、荷物をまとめて立ち上がり、扉を開こうとするが開かない。
 良く見ると内鍵が下りていて、扉が開かなく成っている。
 弥生は保健室をぐるりと見渡し、その異変に気づく。
(ど、どうして…来て直ぐにカーテンは開けた筈…。窓も鍵が掛かってる…空気の入れ換えで、開けた筈なのに…)
 弥生は保健室が外部から一切遮断されていた事に、初めて気づき急いで扉を開けた。
 すると廊下には、[養護員不在]の看板が立っていた。

 愕然とした表情で、弥生は暫く固まる。
 そこに初老の用務員が通りかかり、弥生に話しかける。
「おや、上郷先生具合は良くなったんですか? 医者の不養生は感心しませんな…」
 ニコニコと穏やかな笑みを浮かべて、冗談めかして言った。
(え? ど、どういう事? 具合が悪く成ったって…私が? それって…)
 弥生の頭の中は、混乱に混乱を重ねた。
「上郷先生…大丈夫ですか? 朝も具合が悪そうな声でしたが、今も顔色悪いですよ…」
 初老の用務員は、弥生を心配し顔をのぞき込む。

「え、え、ええっ…大丈夫です…大丈夫…。あ、あの〜…私いつ電話しました…」
 弥生は引きつった笑いを浮かべると、初老の用務員に問いかける。
「はあ…朝のロングホームが始まる前ぐらいですかな…」
 用務員は訝しみながら、記憶を探って答えた。
(嘘…それじゃ…私…ここから電話して…休むって言ったの…。どうして…全く記憶にないわ…)
 弥生はあまりの事に、ボー然としている。

「ところで、上郷先生…あの〜、湿布を分けて貰えませんかの…」
 弥生はこの初老の用務員に、たまに期限が切れかけた、湿布薬を譲っていた。
 弥生は我に返り
「あ、有ります…取ってますよ…」
 引きつった笑顔を向け、薬棚から湿布を取って手渡した。
 用務員は嬉しそうに受け取ると、世間話を始める。

「最近の子供は、躾が成っちゃいないんですねぇ〜。今日も朝から大変だったんですよ…」
 初老の用務員は、眉間にしわを寄せ愚痴り始める。
 弥生はいつもはそれに、気の無い相槌を打つが、今日は思わず聞き入ってしまった。
「3階の選択教室の突き当たりに、消火栓が有るでしょ、そこに小便をして行った子供が居るんですよ。それだけじゃなく、屋上の北側の端と運動場の樹の下に、ウンコまで落ちてる始末…。あ、ああこの部屋からだと、よく見えますよ」
 そう言って用務員は窓まで歩き、カーテンを開けると正面に見える樹を指さし
「あの樹の下に、こーんな大きなウンコが、落ちてたんです」
 弥生に振り返り30p程手を広げて、弥生に大きさを教えた。

 弥生の顔は途端に、大きく引きつった。
(あ、あの樹は…私の…おトイレ…3階の消火栓も…屋上の北の端も…全部、夢の中の…私のおトイレだわ…)
 弥生の顔が蒼白に変わり出すと、それに気づいた用務員は
「本当に大丈夫ですか…、私教頭に話しておきましょうか?」
 弥生を心配そうに見詰め、言葉を掛ける。
「い、いえ…大丈夫です…。何でもありませんから…少し、椅子に掛けて休みますわ…」
 そう言って、弥生は用務員を保健室から出すと、椅子に座って頭を抱える。

(待って…私は…今日…いつ出勤して来た…。どうやって…出勤したの…。分からない…記憶が…無いわ…)
 弥生は昨日の夢を思い出す。
(昨日の夢は、いつものようにオナニーをしていたわ…それから…ご奉仕して…お散歩して…樹の下でおトイレ…2階に上がって…マーキング…屋上でお浣腸されて、おトイレでウンコした後…アナルを犯してもらった…)
 弥生の夢はそのまま、現実世界にその痕跡を残していた。
 突然弥生は立ち上がり、職員用の女子トイレに飛び込んで、個室の鍵を掛ける。
 ショーツを降ろすと便座にしゃがみ込んで、お尻に力を入れた。

(で、出ない…ううん…お腹に何も無い感じだわ…昨日まで4日間お通じ無かったから…こんな事有り得ない…)
 弥生は愕然とした表情で、トイレの個室で項垂れる。
 ウォシュレットを使い、アナルに水流を当てると、それを拭う。
 気怠い表情で、立ち上がると弥生は、家に帰る決心をした。
 トイレを出ると、弥生は職員室へ向かい、教頭に早退を申し出て、身支度を調え家路に付いた。

 弥生の家は、学校から5分程の場所にあり、直ぐに家に帰り着く。
 古い日本家屋で、塀の高い昔ながらの造りの家で、何度か手を入れ、中身は今風に改造している。
 弥生は混乱したまま、家の中に入ると、直ぐに自室へ向かう。
 愛液で汚れた服と下着を脱ぎ捨て、部屋着に着替えると、記憶を探り出す。
 しかし、一向に記憶は戻って来なかった。
 溜息を大きく吐いて、ベッドに寝転がる。
 すると、どこからとも無く、アラーム音が鳴り、弥生を眠りの世界に引きずり込んで行った。



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