■ 02
あまりに大きいJカップおっぱいは制服を張り裂こうとばかりにシャツを押し上げ、さらに制服のボタンは三つも閉まらず、そこからは深すぎる谷間がしっかり見えていた。
細くしっかりくびれたウエストから上へ上り、急激なカーブを描いて盛り上がるおっぱい。
それは17歳の美少女が晒すには恥ずかしすぎるセクシーな姿だった。
桜怜は暑いのを耐えてコートを着てきた。少しでも大きさをごまかしたい。
しかしそれも長くは続かないだろう。
「あ……暑い……」
桜怜の首から汗が滴る。
カラダ中が汗にまみれているのが分かる。
「んっ……キモチわるい……」
谷間も汗にまみれていた。
桜怜はふいに窓から校庭を見た。
男子、男子、男子。
「いやぁ……! やっぱり……」
桜怜が転校してきたのは、今年度から男女共学となった元男子校だった。
とは言っても、共学になったのは今年からなので、女子生徒は一年生しかいない。
すなわち、桜怜はこれから二年生唯一の女子となるのだ。
女子用の設備もままならない中で桜怜は一人。
「どうなるの……?」
桜怜は不安でたまらなかった。
コンコン、
ドアがノックされる。
「小川、待たせたな、教室に行こう」
担任の教師が来た。
「はい……」
桜怜は後に続いて応接室を出る。
「ここだ、小川」
二階の教室前で担任が言う。
担任が先に教室に入り、
「今日はみんなに転入生を紹介する」
生徒たちにどよめきが起こる。
どよめきの中に、女の声は無い。
担任が桜怜を手招きする。
(行かなくちゃ……もうどうにもならないもの……)
覚悟を決め、桜怜は教室の中に入る。
生徒のどよめきがより強くなった。
「お……女の子!」
「すげ……女子だぜ!」
「てか可愛い! 最高じゃん!」
「こりゃ可愛いな……! やった!」
「でも何でコート着てんだ?」
生徒が口々に言う。
「小川……桜怜です。よろしく……お願いします」
桜怜がぎこちなく挨拶をする。
「じゃあ小川はそこの席に座れ。皆仲良くするように」
担任が言う。生徒たちが歓喜に満ちた声で返事をする。
桜怜が指定された席へ向かう。
「小川、こんな時期にコートの着用は禁止だ」
とうとう言われた一言。
(いや……)
桜怜は思う。しかし、脱ぐしかない。
「はい……脱ぎます……」
じぃ………
ゆっくりとファスナーを降ろしていく。
ぷつっ……
すべて降ろし終わる。
桜怜を見つめていたすべての男子の目が驚愕に満ちている。
「いやっ……」
桜怜はすぐさま椅子に座る。
大きさがあらわになった胸が大きく弾んだ。
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