2007.01.07.

羞恥ゲーム
〜自分の保全と欲望と〜
02
小早川



■ 第一章2

★ カード

二日後の木曜日の放課後、例の8人が屋上に集合していた。
早紀「麻衣、美香、美紀、首尾はどう?」
麻衣「はい、顔があまりはっきり写ってないですけど、本人と特定出来る物が写ってますし… これではダメでしょうか?」
麻衣は、早紀に数枚の写真を渡した。そして、本人の物である証拠を説明し始めた。美穂も典子も晴美、恵美もその写真を覗き見てビックリした声を出す。
美穂「何これ!? どうやって撮ったのよ!?」
麻衣は、美穂にこの写真をどうやって撮ったか説明した。
体育の時間、教室を空にした隙に、貴子がいつも持ってきている水筒の中に下剤を入れ、体育が終わって貴子が水筒を飲むのを確認する。次の授業が終わったら、急いでトイレに入りカメラが仕掛けていない個室を使用中にして、貴子がカメラの仕掛けてある個室に誘導する。そして、カメラで動画を撮影する。計算通りに事が運んだ。
カメラには、映像だけでなく、音声も入っていた。麻衣は、そのカメラを早紀に渡して映像も確認してもらう。
早紀「麻衣、よくやった! バッチリよ。美穂、これで智子を操るカードが出来たわよ♪ でも、その前にこの子で遊ぼうかな♪♪」
美穂「早紀、あんた凄いこと思いつくね。あんたが見方でよかったよ。で、これからどうするのさ?」
早紀「とりあえず、この貴子をいたぶって、我々の奴隷にしちゃうの♪ 智子はその後で、じっくり料理してあげるから、楽しみにしていなさ〜い♪」
美穂「はぁ。。。早紀、あんたすごく楽しそうだね」


★ ゲーム 1

金曜日、早朝、貴子はいつも通りの時間に学校に着いた。靴を履き替えようと下駄箱を開けると真っ白い封筒があった。貴子は、(ラブレター!? まさか!)と思いながらも、他の人の目を気にしながら急いでポケットにしまい教室に向かった。内心ちょっとウキウキした気持ちだったので、知らず知らずに笑顔がこぼれていた。その姿を、遠くから見ている者がいた。覗いていた者もまた、笑顔がこぼれていた。
貴子は、教室にカバンを置くと急いでトイレに駆け込み個室の鍵を掛けた。一人ニコニコしながらポケットから封筒を出して、中の手紙を読んでいく。


貴子さんへ

貴子さんはとても可愛い顔をしているのに、とても大胆な事するんですね。
今週の水曜日、三時間目後の休憩時間、貴子さんはトイレに行きましたよね。
あなたは、周りを気にもせず、大きな音を立てて用を足しましたね。
見ている私の方が恥ずかしかったです。


貴子は、笑顔が一変し、強張った顔になった。
―― 誰が、いったい。。。見ている私の方がって、見られたの?? ――
―― なんなのよう〜、誰よ、こんなイタズラするの!? ――
それからの貴子は、午前中元気の無いまま授業を受けていた。お昼休みになって、弁当もあまり手を付けずに落ち込んでいると、友達が心配になって声を掛けてきてくれたりするが「大丈夫、元気だよ」と作り笑顔で答えていた。そんな時、貴子の携帯にメールの着信音がなった。学校にいる時は、よほどの事がない限りメールは来ない。
貴子は、メールをチェックした。知らないアドレスだった。迷惑メールかと思ったが、タイトルに「貴子さんへ」と書かれていた。嫌な予感がしたが、メールを開けてみた。

お手紙見てもらえましたか? お手紙の内容にお心当たりがありましたら、今から体育館横の更衣室に来てください。
待ってま〜す。

―― どうして私のアドレス知ってるのよ。いったい誰よ、こんな事するのは… ――
貴子は、こんな人をバカにしたメールに従うつもりはなかったが、誰がこんな悪質な悪戯をしているのか、知りたいと云う気持ちの方が強く、体育館まで行くことにした。
貴子「ちょっとトイレに行ってくる」
友達にそう告げると席を立って教室を出た。
教室のある棟はA棟と呼ばれている。その北側にある棟は、B棟と呼ばれていて、美術室や音楽室・視聴覚教室など科目別の教室が入っている。その棟の北側に体育館と更衣室、体育教官室がある。
体育館につながる渡り廊下まで来ると、ドキドキしてきている。更衣室の前まで来た。貴子は、辺りを見渡し誰もいないことを確認すると、更衣室の扉に耳を当て中の様子を窺った。中からは、何も聞こえてこない。
―― 誰もいないの? ――
扉を数センチ開けて中を覗いてみた。
―― 誰もいないじゃん。 ――
貴子は、更衣室に入った。そこは、いつもと変わらない景色だった。ただ、いつもと違う所は、南側の窓からB棟がよく見えていた。普段、更衣室として使用しているため窓にはカーテンが閉まっているが、使われていない時はカーテンが開けられている。
貴子が帰ろうとしたその時、また携帯にメールが来た。


貴子さんへ

やっぱり来てくれましたね。来るって信じていましたよ。
だって、来なかったら大変な事になっていましたから。
掃除ロッカーを開けてみて下さい。きっと、楽しい物が見つかりますよ♪


貴子は、イラッとした気持ちで、掃除ロッカーを開けてみた。そこには、普通に掃除用具が入っている。
―― 何もないじゃない! ――
扉を閉めようとした時、その扉の内側にA4サイズに引き伸ばされた写真があった。そう、その写真とは、トイレで用を足している貴子の写真だった。一瞬、何が写っているのか分からなかったが、よく見ると段々分かってくる。写真に写っている顔は、ハッキリしていないが、貴子本人が見ればこの写真が自分を写したものだと分かるポイントが幾つかある。例えば、自分らしく可愛くアレンジした制服であったり、ポケットから飛び出している携帯のストラップ、この写真を撮られたであろう水曜日に履いていたパンティだったり…
貴子は、頭の中が真っ白になって何がなんだか分からなくなっている。
―― なに?なに?? なんで? なんでこんな写真があるの??? ――
急いで写真を剥がし、ビリビリに破く。
また、メールの着信音が鳴った。


貴子へ

どう?素敵な写真でしょ♪
あまりにも素敵な写真だったから、この学校に同じのが後3枚貼ってあるんだよ。もう誰かが見つけたかもしれないねっ♪


貴子は、ショックでその場にヘタリ込んでしまった。誰かがその写真を見ても、貴子だと分かるとは限らない。でも、色々詮索していくうちにきっとバレルだろう。こんな写真を誰かに見られてしまったら、もう学校には来られない。生きて行けない。今の貴子には、どうすればいいのか放心状態である。その時、携帯から着信のメロディーが流れてきた。非通知だ。破いた写真をポケットに仕舞い、貴子は電話に出た。
貴子「もしもし?」
電話「 ……… 」
貴子「誰なんですか?なんで私にこんな事するんですか?」
電話「………、そんな所に座ってゆっくりしてていいの? 皆に見てもらいたいんだ♪」
貴子「はっ!  何処に貼ったんです? 教えてください!」
電話「何その態度! あんたさぁ、自分の置かれている立場分かってるの?」
貴子「うっ、教えてください。お願いします。」
電話「教えてあげようかと思ったけど、止めとくわ。自分で探しなさい。じゃあね」
電話が、切れてしまった。こちらからは、電話をかける事が出来ない。貴子は、呆然として体が動かない。
―― 何とか連絡を取らないと。。。そうだ、メールなら… ――
さっきの電話の相手にメールで、お詫びと写真のある場所を教えてくれるようお願いをした。
1分が経ち2分が経ち3分経った時、着信音のメロディーが流れてきた。慌てて電話を取る。
貴子「もしもし?」
電話「 ……… 」
貴子「すいませんでした。写真のある場所を教えてください。お願いします」
電話「 ……… 」
貴子「お願いします」
電話「仕方がないね。教えてあげるよ。でも、ただじゃ教えられないなぁ」
貴子「どうすればいいんですか?お金ですか?幾ら払えば…」
電話「じゃあ、ゲームをしよう。窓にハンガーがあるでしょう。今から10分以内にそのハンガーにあんたの今、付けているブラとパンティーを吊るしなさい。そしたらヒントをあげるわ。もし10分以内に出来なかったらゲームオーバー。自分で探しなさい」
貴子「 そんな… 」
電話「そうそう、さっき偉そうな態度取ってたから、罰ゲームとしてカーテンを閉めずに窓に向かって脱ぎなさいね♪」
貴子「許してください。ほかの事なら何でもしますので。お願いします」
電話「 ……… 」
貴子「お願いします。    お願いします」
電話「 ……… 」
電話「もう1分経ったけど間に合うの? それとも皆に見てもらいたいのかな?」
全くお願いを聞き入れる気はないらしい。挙句に電話も切れてしまった。
どうしたらいいのか、パニック状態の貴子。
―― どうしよう、どうしよう、、でも、やらないと… でも…… ――
貴子は、窓からB棟を見渡した。人影は見えない。
―― 絶対何処かで見ているはず! 何処? 何処に居るのよ?! ――
何処にも見当たらない。このままでは、写真が誰かに見つかってしまう。それだけは防がなくてはいけない。貴子は、脱ぐ事を決意した。そうとなれば、時間が気になる。携帯の時計を見ると5分が過ぎていた。急がないとタイムオーバーになってしまう。貴子は、もう一度窓の外に人影がないのを確かめると上着の裾から手を入れブラを外し始めた。しかし、窓に向かって脱ぐ事は出来なかった。窓枠ギリギリの所で、窓に対して横向きに脱ぎ始めた。腕を上着の中に入れ肩紐を左右とも外し裾からブラを出した。横にある机に置き、続いてスカートの中に手を入れた。少し躊躇ったが、ここまできて後戻りは出来ない。スカートの裾から白いパンティが見えてくる。貴子は、急いで足を抜くと手の中で小さく丸めてブラの下に置いた。携帯の時計を見た。残り1分半を切っていた。貴子は、ここでまた迷ってしまった。
―― 「ハンガーに掛けろ」って云ってたけど、出来るわけないじゃない。 ――
考えている内に1分を切ってしまった。貴子は、更に覚悟を決め、ハンガーにパンティを掛けた。パンティを隠すようにブラを掛けてカーテンのサッシに吊るした。
貴子の携帯が鳴った。貴子は、慌てて電話に出る。
貴子「もしもし…」
電話「時間ギリギリね。」
貴子「言われた通りにしました。写真のある場所を教えてください。」
電話「 ……。 でも、約束通りでは無いわよね。確か窓に向かって脱ぎなさいって云ったはずよね。という事で、残念でした。ゲームオーバーよ。」
貴子「そんな!! すいませんでした。お願いします。写真の場所を教えてください。お願いします!」
電話「あんたさぁ、私との約束も守れないでさぁ、ちょっとムシが良すぎないと思わないの?」
貴子「すいませんでした。言うこと聞きますので、写真の場所を……」
―― こんな事している内に誰かに見つかっちゃう。早く何とか聞き出さないと ――
電話「まぁ、下着を脱いだ覚悟は認めてあげる。ということで、写真のある場所のヒントをあげるわ。」



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