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戯れ少年3
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そして、物のように扱われることがたまらなく心地よかった。
初めて犯されたときの手荒さが忘れられずに、逃がしてもらったくせに気づけば
重坂に声をかけている。
人格など無視して抱いてくれる重坂に百瀬は愉悦を汲み取っている。
百瀬もまた重坂を見ていない。
それなのに、重坂にしかそれは出来ないという矛盾。
そしてもうひとつ。
重坂と接点を持ち始めた香芝がやたらと百瀬の前で重坂の話をするようになった。
百瀬とは違い、精神的にも関わりはじめた香芝と重坂は、
百瀬の知らないところでよく二人で過ごしているようだ。
百瀬と重坂の関係とは全く逆の、肉体関係のない精神面での繋がり。
だからだろうか。
今まで見ることのなかった重坂が香芝の話の中にはいた。
だからといって好意が芽生えるわけではない。
しかし、興味は抱いた。
それは重坂を通してその向こう側に見えている自分自身に向けられている。
「課せられたものを捨てたいと思うことはないのか」
呟くように言葉を落とす。
目を閉じると今でも思い出す光景がある。
幼い自分と、頭を撫でるしわくちゃの手。
遠い日の中で目覚めた感情は今でもここにある。
聞き流されるかと思った問いかけに、重坂は考える間もおかずに答えた。
「生まれた時からあったものだ。否定してなんになる」
「理屈ではなく、否定したくなることはないのか」
「ない」
言い切られ、言葉は続かなかった。
「否定したいのか」
すぐに問い返され言葉に詰まる。
即答は出来かねた。
答えなどない。
重坂に比べれば軽いものだ。
それなのに解決の糸口は見えない。
そして、ついには百瀬は逃げるように実家を出た。
そうなるように仕向けた。
全ては思惑通りなのにそれが理想とは違うことを百瀬は知っていた。
問いかけながらもその実、答えなど求めてはいない重坂に抱えなおされ、
倦怠感に熱を帯びた息を吐く。
視線を開くと逞しい身体が見えた。
同い年なのに薄い百瀬の身体とは全く違う。
少し前までは細い身体が本当に嫌いだった。
だから鍛えたりもしたが、この身体が大きくなることはなかった。
余計に引き締まっただけだ。
肉が極端に薄いせいで筋肉がついた割には軽く細い。
憧れた身体には程遠い。
だがもう今では嫌ではなくなってきている。
投げ出していた手で重坂の引き締まった腹筋を撫でるとどきどきした。
厚い胸板を啄ばむと抑え切れない衝動が身体を貫く。

      

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