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邪恋2
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「忌々しいなぁ。悔しいなぁ。あなただけがシズの愛情を独り占めしてるだなんて。
……せめて、身体だけでも奪っちゃおうかな」
「……ん……ぅ……」
ノアの手が布団の中で動いたのと同時に、眠り姫がやたらと可愛らしい声を漏らした。
繊細な雰囲気に不似合いな獣じみた碧眼が嗤う。
模したところ、本質までは偽れない。
儚さをそのままに、まとう空気が残虐性に傾いていく。
「ああ、なんて可愛いんだろう。ちょっと胸を弄ってあげただけなのに。
こんなことで反応するなら、中にブチ込まれちゃったらどんな顔で泣いて
よがるのかな。嫌なのに感じちゃって、自己嫌悪して、それでも逃げられなくて、
どこもかしこも精液で汚されちゃって……可愛いだろうね。益々好きになっちゃいそう」
「そんな姿を見せてやると思うのか」
こんなやりとりは、もはや何年目になるかわからないものだ。
思えばこの青年は神近に恐れをなさず初めから敢えて礼を欠いていた。
そんなノアは香芝が大学生だった頃に香芝自ら拾ってきた人間だ。
役に立ってくれるはずだから置いてやってくれと香芝本人に願われたから
香芝のそばにおいている。
実際に役には立っているし、香芝のいい相談相手ではあるが、だからといって
なんでも許すわけではない。
無論、ノア自身もそれは弁えていた。
だから、こんな真似は隠れてはしない。
神近の前でだけ、探りながらしているようだ。
普段はじゃれあったとしても、過ぎたことはしない。
そのせいか、神近の前となると反動は凄まじい。
人の持つ狂気に慣れたはずの身ですら、ノアの狂愛は香芝に対する信仰とすら
思えるほど異常にみえた。
「思っていないよ。だから教えて、神近さん。どこまでなら許してくれる?
妙な気を起こしちゃったから興奮が治まらないんだ。可愛いシズに後ろから
無理やり突っ込んで泣かせてあげたい。でも、前から犯して泣き顔を見下ろすのも
いいかなぁ。……本当に羨ましい。あなたはいつも、願うだけでそれが叶えられる」
「これは俺のものだからな。それがこれの存在意義でもある」
「いいなぁ……僕もシズを可愛がりたいのに。ねぇ、シズって磔刑が
似合いそうだと思わない?」
「ん、ぅ……ぁ……」
「それとも磔刑にされたまま火炙りがいいかなぁ」
突拍子もない狂言と共にまた布団の中で手が動く。
じっとりと額に汗を浮かべた香芝が小さな声を零しながら甘えるように手に
頬を摺り寄せてくる。
その瞬間に、香芝に触れすぎるノアへの対応は決まった。
「磔になったシズを思い切り鞭打ってあげたい。この白い肌が紫に染まって、
肉が裂かれるまで……。真っ赤に血塗れになったシズは綺麗だろうね」
うっとりと常軌を逸した愛を囁くノアを見下ろし、香芝から手を離す。
「そんなにしたければ、少しくらいは触らせてやろう。どうせいつもは
じゃれつくくらいしかできていないのだろう?哀れなお前に、少しくらいならば
施しをくれてやろう」
「本当にいいの?シズにもっと触れてもいい?」
弾かれたように見上げてくるノアに頷いてやる。
わかっていた。口ではなんと言おうと、この男は一線を超えられない。
確かな欲望があろうと、純愛故にそれは完遂されることはない。
結局、香芝を傷つけることはできないのだ。
だからこそ、許しをくれてやる。
そうすれば、ノアは香芝の身体に触れるくらいはする。
無論、それはただではない。

      

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