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邪恋3
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「店をいくつか用意しろ。お前は静貴の補佐に回れ。あちらが動く前に形をつくる」
言葉にノアが静かに瞬いた。
「始めるの?」
「今はまだ様子見だ。……ご褒美の前払いが欲しくはないか?」
ノアの碧眼が穏やかに眠る香芝を映す。
その瞳に狂気が満ちるのに時間はいらなかった。
「酷い人だ。シズがあなたを好きだっていう気持ちにつけ込んで利用するの?
身体を売らせるの?」
「利用する。どんなことであろうとこれは俺の願いを叶え続ける。俺のためだけに
生きる。それが静貴の唯一の望みだからだ」
だが、誰にでもくれてやるわけでも、身売りさせるわけではない。
ノアは中身は物騒でも香芝のことは確実に守る。
香芝を大事にするが故に、神近にまで従う心酔ぶりだ。
触らせたところ害はない。
そして、なにより信頼しているノアに組み敷かれて動揺する香芝を見てみたかった。
縋る瞳を思い出すだけで嗜虐心が腹の奥底で蠢いた。
「それなら、遠慮なく……」
それはノアも同じなのだろう。
容姿に似合わない加虐の愛を持つノアは欲望に極めて忠実だ。
ベッドに乗り上げたノアが香芝の頬を撫でて微笑む。
「可愛い可愛いシズ。今だけは僕のために泣いて。愛してるから……あなたを
感じさせて。僕のスリーピングビューティ」
わけのわからないことを囁いたノアを見れば、からかうように瞳が煌めいた。
「知らない?文学賞作家の作品なんだけど」
「眠れる美女か」
「映画もあったよね。丁度こんな風に薬を飲んで、そうして毎夜短い死を迎え、
その間自分の身に起こることを知らずにいる。本番以外なら触ろうが
何をしようが構わないってところもそっくりだね」
ノアの手が布団を剥いだ。
なまじ黒いシーツの上に寝ているだけに肌の白さが際立つ。
身につけているのは下着だけだ。
こんな姿で香芝が寝ることは滅多にないため、脱がせたと考えた方が妥当だろう。
外気に触れたせいか香芝が僅かに眉を寄せた。

      

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