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愛染1
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「雪乃。酒取ってきて」
気怠げな腕がベッドの上に座った雪乃の腰を撫でた。
「酒って……まだ未成年なのに」
「煩い。黙って持ってこいよ。口答えすんな」
腰を引き寄せられ戒めるように腰に噛み付かれる。
痛みに身体を引くと、指が噛んだ場所をつつく。
あの間違いから恐ろしいことにもう3年という月日が経っていた。
間違いは正せないまま、時は流れる。
あの時はまだ中学生だった弟は、高校生となり急激に成長し、
今では大人の男の片鱗を覗かせる。
逞しい血管の浮き出る太い腕がまた腰を引き寄せる。
掛け布団から覗く肩は広く、浮き出た肩甲骨のまわりには雪乃にはない筋肉の
隆起があった。今は隠されているが、胸板も厚く、その身体はまるで野生の獣のように
引き締まっている。
「離してくれないといけないよ。……飲み物だけでいいの?食事は?
バイトから帰ってきてから何も食べていないから何か持ってくる?」
雪乃の問いかけに、つまらないとばかりに腕が離れる。
そのままのっそりと秋久は身体を起こした。
俯くと流れてくる黒く長い前髪をかきあげ、携帯電話を手にする。
出会った頃からそうだったが、成長し、最近は本当に格好良くなったと兄ながらに思う。
特に何か手を加えているわけではない髪は前髪以外は短い。
その前髪も普段は真ん中で分けてワックスで左右に流している。
母親譲りのコシのあるストレートの髪だ。
また落ちてきた髪を面倒臭そうにまたかきあげる。
ゴツゴツとした無骨な太い指。
男らしい弟は雪乃とは何もかもが違う。
血が繋がらない以上似るわけもないが、単純に男として劣等感を感じずには
いられない。
「なにか適当に作れよ」
乱暴な口調には慣れているはずなのにこんな風に冷たくされるとさすがに悲しくなる。
低く命じる声はいつだって雪乃を追い詰める。恐怖だけではない、疚しいものでもだ。
最中に囁く時など掠れていてとてつもなく色っぽい。
色っぽいといえば、その瞳もだ。
面倒臭そうにしていることが多い黒目は、無気力さをたたえながらもどこか獰猛だ。
嵐の前の静けさのような、触れてはいけない暗さがそこにはある。
なにもかもを見透かすように細められた視線に射抜かれると条件反射のように
鼓動が速くなる。
太い眉に、引き結ばれていることの多い唇。
ワイルドとでも呼べばいいのか、弟の秋久は危ない雰囲気を纏う男へと成長した。
出会った頃は174cmの雪乃と大差なかった身長も、今では10cmも伸びて雪乃を
見下ろす。
「わかった。夜だし、軽めにするから」
頷いて立ち上がるとそっと剥き出しの太腿の外側をなぞられる。
「ゃ……」
思わず漏れた声に口を手で覆い驚いて秋久を見ると、その瞳が愉快そうに
見上げてくる。
「そんなまだ足りないって顔すんなよ。やらしいなぁ、雪乃の身体は。
初めて犯した時はあれだけ泣いて嫌がったのに、今では自分から
股開いて腰を振る色狂いだもんなぁ。雪乃。穴広げてみろよ」
「そんなこと……。それに、食事を……」
「口答えはすんなって言っただろうが。もの覚えの悪い奴だな」
舌打ちと同時に、ばちんと尻を叩かれ鋭い悲鳴が漏れた。
怒らせた時の恐怖を思い出し、慌てて羽織っていたシャツの後ろをたくし上げる。
下にはなにもつけていないから、短いシャツでは隠しようがない。
恥ずかしさに涙を滲ませながら、ゆっくりと前屈みになる。
そして、痛いほど視線を意識しながら、シャツから手を離して両手で尻たぶを
左右に開き、先ほどまで秋久を受け入れていた穴を晒して見せた。
ひくひくと収縮しているのがわかって死にたいほどに恥ずかしい。
広げられた淫穴からはたっぷりと中出しされた精液が零れ落ちた。
「この時間だと、あいつらはまだ晩酌中か。雪乃、飯はあっちで作ってこい」
「え…っ」
「材料がなかったとか適当に言えばいいだろ。ついでに、伝言も伝えてこい。
模試の金は14日までに支払えってな」
明らかに今でなくていい伝言にぞっとした。
秋久が勉強に集中したいからと使い始めた離れには、簡易キッチンもあれば、
風呂まである。
簡単なものならば作れるにも関わらず、親が住まう母屋に行けという理由に
未だ尻を押さえたままの指が震えた。
「まさか……このままで…?」
後ろに残滓を飲み込んだまま、母屋に行き、しかもわざわざ親と顔を合わせろと
いうのだろうか。
無理と力なく呟いた雪乃に、秋久が笑った。
「まさか。俺だって鬼じゃない。このままで行けなんて言わない」
ほっとした雪乃の尻を撫で、秋久がくくっと喉奥で笑う。
かたりと小さな音がしたかと思うと、いきなり穴を指でなぞられる。
「…ぁ……なに…?」
「溢れてるから戻してやってんだよ。ザーメン大好きだもんな、変態の雪乃は」
言葉と同時に伝っていた精液が穴にまた戻される。
第一関節分ほで入り込んだ指が小刻みに動き、雪乃はたったそれだけのことで
息を乱してしまう。
嘲笑う秋久が勢いよく指を引き抜いた。
「雪乃、言えよ」
言えないとは言えなかった。
怒らせれば秋久はとんでもないことをしてくる。
殴られるだけで済めばいい方だ。
身に染みた怯えに、今や雪乃は滅多に秋久に逆らうことはない。
羞恥にきつく目を閉じ、雪乃は覚悟を決めると何度言わされても慣れない言葉を
小さく唇にのせる。
「好き……。僕は…上にも下にもいっぱい出されるのが好きな……秋久の、
肉便器です……」
「大人しそうな顔してんのに、とんでもない好きものだな。……さあ、飯作ってこいよ」
指がぐっと差し込まれた。
「あっ…ん、……秋久、なにしてるの。そんな……無理ぃ。いや、許して。
お願いだから。ねぇ…あ、あ……」
抵抗を腕ひとつで封じられ、それはやすやすと雪乃の身体へと侵入してきた。
丸みを帯びた小さな性玩具。
何度も使われたことがあるものだ。
「このまま行かせたりしないって言っただろ?粗相しないようにちゃんと
飯作って話をしてこいよ」
「そんな酷い…。あ…でも……もう寝てたら?その時は帰ってきても……」
一縷の希望すら、許すような男ではなかった。
「自慰しろ」
「え?」
信じられない言葉に思考停止した雪乃に秋久はなんでもないことのように言った。
「寝てたらあいつらの部屋の前で気づかれないように一発抜いてこい。
携帯でちゃんと音をきかせろ。いいな」
起きていて欲しいと心から思った。
逆らえない雪乃は、それをしてしまうのだから。
歪んだ時間の正し方は見えないままだった。

      

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