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患いの恋4
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「ん、ぅ……は…」
掠れた声を出しながらも、もどかしさに涙が滲む。
なにかが足りない。
心も身体もなにもかも。
「あ、……っ…気持ちいいですが、蓮沼さん……」
感情を誤魔化すように問いかければ、百瀬に快楽を託しきった蓮沼は口角を吊り上げ笑った。
「よかった……」
満ち足りた気分になりながら、できるだけ奥に引き込むように結合部を擦りつけ更に激しく腰を揺らす。
蓮沼の表情が気持ちよさそうに歪む度にぞくぞくと背筋が震え、幸福さに涙が滲む。
その一方で、百瀬は苦しさも感じていた。
蓮沼の好むように動くともどかしくて、届きそうで届かぬ頂きに心臓が破裂しそうに暴れて繋がっている最中にもかかわらず飢えていく。
もっと奥深くまで欲しい。
もっとこじ開けるように開かれたいと思うのに、それは叶うことはない。
せめて感じるように動きたいと暴走しそうになる身体を押さえ込みながら、ひたすらに蓮沼を感じさせることだけに意識を向ける。
ちらちらと掠めるだけの快感に呼吸を乱し、蓮沼の満足が百瀬の満足なのだと身体に力を込めると、内壁で圧迫するように性器を包み込み腰を捻る。
搾り取るかのようなこの動きが蓮沼は好きだ。
そして、百瀬もこれならばいいところに僅かに当たる。
「蓮沼さん……蓮沼さん……」
譫言のように繰り返す言葉の度にどうしようもない恋慕が募る。
(愛してる……蓮沼さん、愛してます)
言えない言葉を狂ったように繰り返すほどに感情が高ぶり、眦が涙に濡れる。
どうしようもないほどにこの男を愛している。
快楽のせいにして、隠した涙の意味を知られてはいけないと思えば思うほどに言いたくなる。
自分でもどう扱って良いかわからぬ恋に唇を噛みしめる。
蓮沼の身体に手をついて腰を振り乱すとようやく明確な快感が身体を走り抜ける。
(あ……気持ちい……もっと、そこ……欲しい)
中に引き込むように痙攣する粘膜を感じながら夢中で腰を振り、あと少しでもどかしさを振り切れると身体が悦楽を得ようと熱を帯びる。
ぱたりぱたりと、動く度に百瀬の身体から滴った先走りが蓮沼の身体の上に淫らに落ちる。
「蓮沼さん……もっと」
「ああ、いい……お前は最高だ」
「え……?」
それまで任せきりだった蓮沼が力強く腰を掴む。
まさかと思ったときには乱暴に突き上げられ内部に熱い感触が弾けていた。
それすらも欲しい場所までは届かず、満たされなさに余計に熱は暴れ出す。
息苦しくて、喉がからからに乾く。
足りない。
もっとと身体が悲鳴をあげていた。
「んっ……」
何度か残った物を出し切るかのように揺すられ動きが止まる。
「蓮沼さん……」
絶望的な気分で恋人を見下ろすと、肩で息をしている蓮沼がちらりと百瀬を見た。
その瞬間に視線を逸らしたのは百瀬だった。
蓮沼は、もはや百瀬から興味を失っていたような、そんな瞳をしていたから。
好きな相手から向けられる冷たい視線になどどうして耐えられるだろう。
「よかったよ、裕也。愛してる」
身体を起こした蓮沼は、言葉だけは優しい。
だが、もうさめていることは明らかだ。
その証拠に、百瀬の身体を離れさせるとすぐに中に入っていたモノを引き抜いてしまった。
それはもう満足したかのように力を失っていた。
百瀬とは正反対に。

      

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