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愛玩奴隷11
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(まだ……まだ、終わりじゃない……この人はこんなことでは満たされない……)
ぴくりと絨毯の上で指が動く。
主を求めて床を這う指先が靴に触れた。
(起きろ……こんなことで終われない。そんな出来損ないの奴隷なんて、いらない)
まだ力の入らない身体でふらふらと起き上がり、指先で触れた靴にそっと口づける。
出せない声のかわりに、誓いを伝えるために。
(愛しています、ご主人様。あなたのためになら、なんにでも耐えてみせる。
なんにでも変わってみせる。あなたのためだけに……だから、奪って。ご主人様……)
ぴちゃっと舌先で靴を舐めると足が動き、また頭を踏みつけられる。
撫でる様に踏み躙られ、腰がはしたなく揺れた。
もう外野の声など聞こえない。
主だけが香芝の全てになる心地よい瞬間。
「来なさい」
頭が軽くなり、鎖が引かれる。
どこに向かわされているかわからないままに従うと、指先に硬い感触が触れた。
材質は木のようだ。
「乗りなさい」
強く鎖を引かれ、それに乗った瞬間に何かわかった。
「く、ぅ……」
四つん這いについた手の平と足に痛みが走る。
自重に身体が沈むほどに木が皮膚を圧迫した。
恐らく長方形の板。だが、もちろんただの板ではない。
木材の長い辺に対して垂直方向に鋸状の鋭い切り込みが入った、
悪意を持って造られた拷問用の板だ。
また痛みに冷や汗がこみあげる。
乗っているだけで苦痛なのに、鎖を離した神近はあろうことか背中に冷たい
重石を乗せた。
「ぐ、ぁ……うぅ……」
「痛いか?」
柔らかな声になんと答えるべきか悩む。
素直に頷くことが正しいのか、まだ耐えられると意思表示のために否定することが
望まれているのか。
痛みの中必死に考え、そして選ぶ。
ゆっくりと頷くと、あっていたのかどうかはわからないが神近がふっと鼻で笑った。
「良かったな」
短い言葉を最後に神近の気配が遠ざかる。
不安になり痛みに耐える香芝の耳に、空気を切り裂く様に風の鳴く音が聞こえた。
「ひぃっ…ああ、ぁ……ッ」
瞬間襲う皮膚が裂かれるような痛み。
それは臀部に炸裂し、次いで動いたことにより手足に痛みが走る。
痛みが痛みを呼び、頭の中がぐちゃぐちゃに気持ち悪く侵されていく。
また、風が鳴く。
「やぁ…っ……ひ、ぃ……」
何度も何度も臀部を鞭が打つ。
音が派手なだけのバラ鞭などではない、よくしなる一条鞭。
ほんの僅かに振り上げられただけで人の精神を引き裂いていく最悪な拷問具。
ダメージではなく、痛みで人を殺す武器は、苦痛に慣れた香芝でもなんとか
耐えられるものだ。
それも加減されての話で、こんな風に他の責め苦て併せて使われたことなど
滅多にない。皮膚に食い込む木が動く度に身体を苛む。
尻にはゆったりとしたリズムではあるが続けて何度も鞭が振り下ろされる。
「あ、ぁ……ぁ…」
切れ切れな喘ぎとともに開けっ放しの口から唾液が滴る。
それこそ犬のようにだらしなく舌を垂らしながら懸命に呼吸を繰り返す。
挫けそうになる心にまた涙が滲んだ。
(まだ……まだだ……)
頭がガンガンと響くように痛んだ。
(こんなことでは……。俺は、この人の犬だ……。こんなことで許しを乞うレベルの
低い犬を飼っているなんて思わせるわけには、いかない……)
観客がいるのだと唐突に思い出し、振り上げられる痛みという愛情にまた喘ぐ。
嗜虐と被虐という穢れた契りにぞくぞくと身体が震えた。
痛みが愛おしい。快楽が恋しい。
生存本能を犯し、理性などではどうしようもない場所に植え付けられる
トラウマという名の絆。
「あ、ん……ぅ…」
苦痛だけだった悲鳴が甘く歪む。
その瞬間、鞭を打つ手が止まり、板からも下ろされる。
恍惚と息を吐くと、また鎖を引かれた。

      

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