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サンジは舌で、ルフィの舌へとふれる。 ルフィはびくりと肩を揺らして、けれどサンジを抱く腕には力がこもり、唇が強く押し当てられてきたから、ぬるりと舌を絡めた。 ルフィの舌を舐め、唾液に濡らして、ゆっくりと離れる。 「……ぷはーっ。」 サンジが唇を離すと、ルフィは目一杯息を吐いた。 どうやらルフィは、サンジが舌を入れてからずっと、息を止めていたらしい。 「ばーか。鼻とか、唇の端からとか息吸えよ。」 ルフィの物慣れない様子に、何だかサンジは妙にリラックスすることができた。 うなじのあたりがちりちりするような、心地のよい興奮を感じ出してはいるけれど、気持ちを伝えあった嬉しい気持がサンジを高揚させている。 「どうだった。やだったか?」 サンジが聞くと、ルフィはものすごい勢いで、左右に首を振りまくった。 「なんかすごかったぞ!なあ、おれもサンジのべろ舐めたい。」 「いいぞ。それから、口の中も舐めていい。」 ルフィの云い方に色気はないが、元々彼にそんなことは求めていないので、もっとすごいキスをと、サンジも率直にねだる。 「よし、舐める!」 「なら次は、ルフィからしろ。」 ルフィがそう云ってくれたのが嬉しくて、今度はおまえからだと、サンジは薄く唇を開いて、ルフィに顔を寄せた。 「おう。」 ルフィはものすごく真剣な顔をして、慎重に唇の位置を合わせてくる。 ゆっくりと唇が重なるとすぐに、ルフィは舌を伸ばしてきた。 ぎこちない動きが、サンジの歯を舐め、更に奥へと進んでくる。 口蓋や頬の内側を舐められると、全身を覆う甘い震えが大きくなった。 一生懸命にサンジの口内を舐め回すルフィの舌を、邪魔するようにサンジも舐める。 上顎を舐めるルフィの舌の裏を舐めると、抱きしめてくる腕に力が強く籠る。 時々舌の動きが止まって、頬がくすぐったくなるのは、先刻教えた通りに、ルフィが鼻で息をしているからだ。 ちょっと離してもいいんだぞと、そのうちこれも教えてやらなくてはと思いつつ、今はサンジも、わずかの間も唇を離したくなかったので、ルフィとのキスを深く重ね続けた。 すっかり体温が上がった頃、ようやくルフィがキスを止める。 濡れて潤んだルフィの瞳、赤く染まった頬に、サンジは薄く微笑む。 興奮したルフィの様子に、全身がぞくぞくした。 きっと多分初めてだったのだろう濃厚なキスに、サンジはもちろん、ルフィも感じてくれている。 荒い息をつくルフィの唇から、どちらのものともつかない唾液が零れそうになっているのを見て、サンジは顔を寄せて舐め、音を立てて吸い取った。 「サンジ、大好きだー。」 ルフィはサンジをぎゅうと抱きしめて、頬を擦りつけてくる。 そのまま顔中にキスをされて舐められたので、サンジはルフィの髪を撫でながら、時々引っぱって強さを調節させたりした。 また重なってきた口づけは、今度はどちらからともなく、舌を絡ませ合う。 サンジがルフィの舌を吸うと、そういうのもあるのだと知ってルフィも同じことをサンジに返す。 ルフィはとても覚えが良い。 緩く開いたサンジの唇も吸われ、それから、よだれの零れたあごを、ルフィにざらりと舐められた。 湿った顎髭ごと、ルフィはサンジのそこを含み、唇で挟んだまま離れていく。 「ふぁ…っ。」 サンジは緩く引っぱられる感触に、甘ったるい声を上げてしまった。 耳に届いた自分の声に恥ずかしくなったが、高ぶる体は正直だ。 特に、自慰の途中で放り出したままだった自身が熱くて、また形を変え始めているのが判る。 はだけたシャツの合間から、大きくなったサンジのものが、多分ルフィから見えている。 疼くそこをさわりたくなるけれど、自分の手ではなくルフィにしてもらえたら、きっととろけるように気持ちがいいと思った。 なのに。 「あー、サンジ、これ、しまっとこうな。」 微妙に気まずげな声のルフィは、サンジのシャツの裾をかきあわそうとした。 「……何で。」 ルフィだってサンジを好きと云ってくれたのに、やっぱり同性のものは、さわりたくないのだろうかと悲しくなってしまう。 「目の毒だから。我慢できなくなるから、頼む、しまってくれ。」 「………………。」 ルフィは真っ赤になって、サンジのズボンも引っぱり上げようとしている。 「何で?」 サンジは、ルフィが嫌がってサンジのそこを隠そうとしているのではないと判って、それどころか、懸命に欲望を押さえ込もうとしているのが判って、甘えるように聞いた。 何より、ルフィの方だって、ちらりと見ればそこを膨らませているではないか。 「あのな、おれ、キスもしたし、今日は充分満足だから!いきなりって訳にはいかないだろ。」 「……だから、どうして?」 ルフィは告白とキスだけで、今宵を終わらせてしまうつもりらしい。 そんな様子が子供らしくて可愛いが、サンジはルフィより、悪く育ってしまっている。 つまりは、告白とキスだけで、今日は満足です、幸せです。なんていう訳にはいかないのだ。 「そーゆーのは、もっと、デートとかしてからだろ。」 ルフィはルフィで、可愛らしい交際の夢など抱いてくれていたのかもしれないが、そういうのもしてみたいとは思うが、先にサンジの夢を叶えて欲しい。 「ん、次に上陸したら、デートしような。楽しみだな。」 サンジはルフィの胸に、べったりとくっついた。 素肌にベストがルフィのいつもの服装だから、素肌に密着など実に簡単だ。 今までは、すぐにふれてしまうルフィの肌に、胸を切なく痛ませていたが、これからはさわり放題だと思うと、いくらでもくっつきたくてたまらない。 サンジは素早く、自分のシャツのボタンもいくつか外して、自分の肌をルフィに押しつける。 「だから、サン――……。」 まだ色々云おうとするルフィの口を、サンジはキスして塞いだ。 ルフィが言葉を飲んだのを確認してから、ゆっくりと離れ、ルフィの目をまっすぐに見つめたままささやく。 「ルフィが欲しい。」 「…っ。」 ルフィが大きく喉を鳴らす音に、皮膚が心地よく震える。 「……いいんだな、サンジ。」 「ああ。」 ルフィに求められているのが嬉しくて、笑ってしまう。 しっかりとうなずいたサンジを、ルフィはきつく抱きしめた。 そしてまた、唇が重なってくる。 サンジが奥に誘おうとするより先に、ルフィの舌が伸びてきて、深いキスへの期待に体が震えた。 ルフィは丁寧に、サンジの口内を舐め尽くす。 先刻ゆっくりだったのは、多分勝手が判らなくて探りながらだったから。けれど今ゆっくりと舌を動かしているのは、サンジをじっくり味わうためだと判ってしまう。 ルフィのくせに、普段だってメシの味を判って食ってるのかどうか、……いや、あれで実は意外としっかり味わっているのも知ってはいるけれども、それでもやっぱり、ルフィがゆっくり何かを食べているところなんか見たことがない。 なのにルフィは、サンジとのキスを、ゆっくりと深く重ねてくる。 ちりちりするような肌の震えと、背筋を流れ落ち、腰にたまっていく熱が我慢できなくなってくる。 「ん…っ。」 口づけが浅くなり、ルフィはサンジの唇を舐めて、離れた。
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2009/01/29 |
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