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硬くなり、先端を濡らしてさえいるらしいサンジのものが、ゾロの脚の付け根あたりに擦れる。 「あっ、ちょ、ゾロ…っ。」 サンジは腰を引こうとしたが、ゾロはがっしりサンジを押さえ、自分の肌に更に擦り付けさせた。 「余裕ぶってんじゃねえよ。……なあ、コック。」 もっと先のことをして欲しくて、ゾロはサンジを呼んだ。先刻、必死にサンジのものを味わった奥所が、うずいて熱くてどうしようもない。もう一度サンジの上に跨ってしまいたいほどで、けれども、あの時のような悲壮感はもうないから、恥ずかしくてとてももうあんなことはできない。 ゾロはサンジと体を擦り合わせ、胸元で止まっている手の甲を撫で、指を絡めて、下に押しやろうとする。 精一杯の誘いを、サンジは察してくれたようだ。 そろりと下に伸びていく手が、ゾロの脚の間に入っていく。 「えと……、ここ、だよな?」 サンジは遠慮がちに、ゾロの秘奥を撫でた。 欲しくてどうしようもなくなっていた箇所は、ささやかな刺激にさえ過敏に感じて、収縮を始めてしまう。 けれどもサンジは、ふれるかふれないか程度の距離で、円を描くように淡い接触しかしてくれない。 物足りなさのあまり苛立ちさえ感じてしまい、ゾロは潤んでしまう目でサンジを睨もうとしたが、サンジの方が先に、じっとゾロを見つめていた。 その不安そうな表情に、ゾロもつられて不安になってしまう。 「あ、あのさ、……こんなちっちゃいとこに入るものなのか?」 良くない考えが頭の中を駆け巡る寸前、サンジはゾロにそう聞いてきた。 サンジの不安は、極単純なものだったようだ。女でもそこを使わせる者がいると聞くが、サンジはそういう経験はなかったのだろう。 「……慣らせば入る。」 力が抜けて、憮然として答えるゾロに、サンジはまだ心配そうな顔をして、秘奥をくるくると撫でている。 「だ、だよな。先刻、入れさせて貰ったもんな。」 サンジはそう呟いて、そして色々思い出したらしく、真っ赤になった。 ゾロもあれこれを思い出してしまい、一緒に赤くなる。 しかしやはり繊細な動きで撫で続けられ、感じてしまって意識のほとんどがそちらに持っていかれてしまった。 じっとしていられなくて腰が揺れる。体が熱くて、早く欲しくて、もどかしい。サンジの指の一撫でごとに、秘奥がはしたなく収縮する。 「平気だっつってんだろっ。」 焦れて辛くて、思わず苛立った声が出る。 「入口ばっか、撫でてんじゃねえよ…っ。」 訴える声には、しかし幾分涙が混じった。欲情を掻き立てるだけ掻き立てておいて、それ以上をくれないサンジはひどい。 「い、入口……。」 サンジが上擦った声で呟き、ごくりと唾を飲み込む音がした。 何かのスイッチが入ったように、サンジの目の色が変わる。不安の色は失せ、やる気に満ちた雄の顔だ。 それを真正面から見てしまったゾロも、思わず喉を鳴らす。 優しくふれるだけだったサンジの指に、力がこもった。 「入れるよ、ゾロ。」 低くささやいて、サンジの指が、ゾロの中にゆっくりと入ってくる。 サンジが大切にしているコックの手。その長い指が、秘奥を押し開き、じわじわと粘膜を擦って中へと進んできた。 「ふ、はぁ……。」 ゾロは深く息を吐き、そこから力を抜こうとする。 けれども秘肉はようやく入ってきたものに歓喜して、絡みつき、もっと奥まで引き込もうとする動きをみせた。 「ゾロの中、なんか、すげえ……。」 サンジは感極まったように呟き、それからゾロの頬に、ちゅっと唇をふれてきた。 「な、痛くねえ? 大丈夫か?」 サンジはそう聞いてくれるが、ゾロは答えるどころではない。気持ちいいのともどかしいのとで一杯で、サンジの背にしがみつく。 ちらっと、サンジがゾロのものに視線を流したような気がするので、痛がっているのではないのは多分判ってもらえただろう。 サンジは確かめるように、ゾロの中で指を動かす。慎重に引き抜かれ、完全に抜ける寸前で、またゆっくりと奥に入ってくる。 「……適当でいい…っ。」 二往復もされれば、ゾロの我慢も限界だ。ぎゅうぎゅうと秘肉がサンジの指を締め付け、うずく体を持て余してしまう。指も、もちろん感じるけれど、早くサンジのもので満たされたくてたまらなかった。 「だーめ。ちゃんと、全部させな。」 サンジはゾロの耳朶を甘噛してささやく。びくんと体が揺れ、内部がサンジの指を締め付けるけれど、あっさりと指を抜かれてしまった。 飢えてぱくつく秘奥に、サンジの指が二本添えられる。 「ん、あ…っ。」 それが入ってくる時には、ゾロはもう声を押さえられなかった。 「なあ、ゾロの中濡れてるの、……先刻の、おれのだよな……?」 サンジの声も、欲情に甘く掠れている。低くささやく声にも感じて、ゾロの性感が鋭くなる。 「ふぁ…っ。」 ゾロの中で、サンジが指を開いた。 とろり、と、ゾロの奥から、先刻サンジの放ったものが流れ出る。 「あ。出てきちゃった。」 くすりと笑って、サンジは、楽しそうに云った。口調は子供の好奇心に満ちているのに、その声は低く甘く、官能を掘り起こす。 サンジはゾロの中に戻すように指を動かし、外に洩れてきた分は、秘奥へと塗り付けた。 中の粘膜が、サンジの指をぎゅうぎゅうと締め付ける。 大した質量ではないのに、ゾロはたまらなく感じてしまっていて、腰をくねらせてあえいだ。 サンジは何度もキスをしながらも、じーっとゾロを見つめているから、こんなところを見られてしまうのは、どうしようもなく恥ずかしいのに。 なのに、サンジの指が動くたび、優しく唇がふれるたびに、快感が増して、それと同じくらいもどかしさが増して、甘ったれた声が出てしまう。 「コック、…なあ、もう、そんなもんで……。」 「いやいや。もう一本二本入れてから。おれの、なかなか立派だろ?」 そんな粗末なもんくらい簡単に入ると、ゾロはそう悪態をつこうとしたが、一瞬早くサンジに唇を舐められ、また、恥ずかしい記憶を蘇らせてしまった。 だってゾロは、サンジのものに貪りつき、夢中で頬張ったりとかもしてしまっているのである。口と指と、それから、今サンジの指が入っているところでしっかり確認しているのだから、粗末などとは云える筈がない。 「あれ、何照れてんだよ。……かわいーな。」 真っ赤になってしまったゾロに、サンジはますます嬉しそうにキスをしてきた。 ゾロの唇を吸いながら、潜り込ませた指をもう一本増やしてくる。 ひくつきの止まらない秘肉は何度も収縮してサンジの指を締め付け、そのたびにゾロは震えて、サンジの背にしがみついた。 「なあ、中、気持ちいい…? おれの入れたら、もっと感じてくれる、ゾロ?」 どういう言葉責めだと、ゾロは心の中で思うが、実際には大きく体を震わせただけだ。 サンジはゾロの中を指の腹で擦ったり、少し曲げた節で押したり、試しているような探っているような、色々な動かし方をする。 「ん…っ、あ、あっ…。」 軽く抜き差しされながら、外側からも他の指で秘奥を刺激されると、ゾロは声が止まらなくなる。 「コック…、もちょい、奥……の、腹側……。」 「え、はい、……ここ? どこ?」 「……んああっ。」
ゾロが自ら明かした弱点を、サンジは簡単に探り当てた。 「うわ、……かわいー……。なあ、ここ、あれだよな、前立腺って奴だろ。本当にこんなんなるんだなー。」 サンジも知識はあったらしい。へーとかわーとか感嘆しながら、ゾロのそこをぐりぐりと揉み込んだり、ぎゅっと押したり、強く擦ったりしてくる。 「あああっ、んあっ、う…っ、や…、あ、ああっ。」
しかしゾロの方はたまったものではない。教えたのは自分ではあるけれど、そんなに集中して弄られるとは思ってもいなかった。ただ、この後挿入した時にそこを突いてもらえるといいなと、男は初めてのサンジに気持ちのいい場所を教えておきたかっただけなのだ。 サンジが口づけようと顔を寄せてきたが、ゾロはぶんぶん頭を振って拒んだ。 全く堪えられなくなった声を封じて欲しいとは思うけれど、それ以上に限界が迫っている。 ゾロのものはもう腹に付くほど反り返り、先走りを零しながら跳ねてしまっているのだ。 「やめろ…っ、あ、ああっ、も、出ちまう…からっ、やだ、クソコック!」 「いいじゃん、いけよー。ゾロのいき顔、じっくり観察してやんよ?」 「……やだ…っ。」 てめえのでいきてえとか、一緒に、とか。 さすがにそんな言葉は口に出せなかったが、目ですがってしまったのか、サンジには伝わったようだった。 「あ…っ。」 指が抜かれた刺激にもゾロは声をあげてしまったが、ぽわんと赤くなったサンジは、満面の笑顔でゾロに抱きついてくる。 「ああもうすげえ好き。ゾロ大好き。」 サンジは激しく顔を擦りつけてきた。時々顎髭が擦れてむずがゆい。 ゾロはサンジの髪を撫でながら、乱れきった呼吸を少しでも宥めようとした。
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2010/04/21 |
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