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「えと……、入れる、ぞ?」 サンジは一頻りゾロにほおずりとキスをすると、満足した様子でゾロの足を抱えあげた。 ゾロは黙ってうなずき、自分からも更に脚を開く。 どきどきした様子でサンジが体を寄せてくるのにたまらなく期待して、体が震える。 先刻は上から見下ろしていたサンジの表情を、今度は下から見上げる。 あの時は、嬉しいけれど悲しかった。けれど今はただ嬉しいだけだ。 「……ん…っ。」 熱いものが秘奥に擦りつけられ、ぐっと力が込められる。 ゾロのそこはサンジのものを欲しがって、勝手に収縮をし、先端に吸い付こうとしている。 「うわ、……ゾロのここ、やらしー。ひくひくして、おれの、食べようとしてるみたい。すごいかわいい……。」 サンジだって欲情しきった顔をしているくせに、妙に嬉しそうで、すごい笑顔だ。 見られていると思うと、視線にさえ感じてしまって、うずくそこがもっと蠢く。 早くしろ、と、ゾロが焦れて腰を揺すると、ますますサンジの笑みが輝きを増す。 サンジはゾロの脚を抱え直すと、嬉しそうな笑顔のままで、ゆっくり腰を進めてきた。 「んあ……。」 狭いそこを押し開いて、サンジのものがじわじわと進んでくる。 粘膜を擦られ、体も近づく。深く受け入れたくて力を抜いている分、感じて震える体をとどめることができない。 膝やつま先が何度も跳ねる。サンジの背に伸ばした手が、汗で滑りそうだ。 「は…ぁ、ゾロ……。」 サンジもあえいで、ゾロの名を呟いている。 入れながらあえぐなと微かに思うが、サンジも感じてくれていると思うと、胸の奥が熱くなる。 「あー……、ゾロん中、すげえきもちいい……。」 ようやく全部挿入したサンジは、こて、と、ゾロの胸に頭を乗せてきた。
少々重い、が、遠慮なく体重をかけてきている様子なのは悪くない。 はぁはぁと荒い息をつき、大きく呼吸しているサンジの背をゾロは撫でてやる。 ゾロの中で、サンジのものがぴくぴく脈打っているのが伝わってきた。 少しして落ち着いたのか、サンジが頭を上げ、ゾロに唇を重ねてきた。 ゾロも自分から顔を寄せ、それに答える。 互いの唇を舐め合うような、軽くもなく、深すぎない口づけは、今にも衝動の弾けそうな今の自分達にはちょうどいい。 「あー、どうしよう。嬉しい。」 ぐす、と、サンジは鼻をすする。 「泣くな。」 目に涙まで浮かべているので、ゾロはつられそうになりながらも、唇で吸い取ってやった。 濡れてますますきらめく瞳が、幸せそうに細まってゾロを見つめる。 「……好きだ、コック。」 飲み込まれそうになって、ゾロは自然にそう云っていた。 「うん、嬉しい。……なあ、ゾロ。……名前、呼んでよ。」 しかしサンジがそんなことを云ってきたので、ゾロは真っ赤になって、首を振るしかできない。
「先刻呼んでくれてたじゃん。」 記憶にない、とは残念ながら云い逃れられなった。 ゾロはまた思い出してしまい、全身に汗が噴き出してくる。 「おれの名前呼んで、おれのこと好きって云って、おれの上で腰振ってるゾロは、すげえ色っぽくてすげえきれいですげえやらしくて、……すごかった。おれ、呆然としちゃって、夢かと思ってなにもできなかったけど……、夢じゃなくって、本当に嬉しい。」 ゾロはいたたまれなさすぎて憤死しそうだったが、サンジはひたすらに甘やかな笑みを浮かべて、ゆっくりと動き始めた。 熱くて硬いものに、ゆっくりと粘膜を擦られ、ゾロはうめく。 「ん…っ、あ、はぁ…っ。」 背筋が震え、膝が跳ねて、サンジの腰を挟んだ。なだめるように腿をさすられ、力が抜けたところを、またぐっと突き込まれる。 ゾロと一緒に、サンジも、快楽の吐息を零した。 「あー、すげえ、気持ちいい。先刻もよかったけど、今度はもっと気持ちよくなれると思うんだ。な、だってもうお互い片思いじゃないんだもんな。やっぱ、こういうのは好き合ってするのが最高なんだな。好きだよ、ゾロ。おまえがおれのこと好きでいてくれて、とても嬉しい。」 ゾロが真っ赤になって首を降り続けているというのに、サンジは甘ったるい声で長々とささやき続けている。さすがにゾロに対してメロメロはしなくても、延々と口説き続け、しゃべり続けたいのは、どうやら元々の性質らしい。
「なあ、名前、呼んでくれねえの? そんなに真っ赤になっちゃって可愛いけど……、なあ、だめ? サンジって、呼んで?」 サンジは妙に甘ったれた声を出して、ゾロをのぞき込んでくる。 そんな態度をしたって、そんな顔をしたって、可愛いなんて口惜しいから思ってやらないけど。 「なあなあ、だめ?」 懸命につぐんでいる唇に、サンジが唇を当ててくる。そのまま開かせるように力を加えられ、唇の内側や、歯を舐められると、簡単に口は開いてしまった。 だからと云って、呼べとねだられても、口に出せない。今夜一番恥ずかしかったことは何かと聞かれても順番は出せないと思うけれど、もう一度やれと云われて、絶対にできないことの筆頭のような気がする。 「なあ、だめ?」 サンジが突然、しゅんとした声を出したのでゾロは焦った。 焦ったが、さの形に口を開きはしたが、顔がほてって汗が流れて、のども干上がり声が出せない。 悲しませたくないし、こんなことで気持ちを疑われたらと、むしろゾロの方こそが悲しくなりそうなほどなのに。 「……あー……、いいや、やっぱり。うん。いいよ、ゾロ。うん。」 しかしサンジが突然、一人勝手に納得しはじめたので、ゾロはすっかり混乱した。 「……コック?」 「うん。判ったからいいよ。へへ。」 サンジは一人で機嫌よく笑うと、少し強めに、ゾロの奥を突いた。 「どこだっけ。先刻教えて貰ったとこ。」 サンジはしっかりとゾロの腰をつかむと、探るような動きを始める。 どうやら呼ばなくていいことになったらしいが、予告して、そういう動きをされると、期待と羞恥で体がうねる。 けれどもゾロも、サンジのものがいい具合に当たるように、自ら腰を揺すった。色事には慣れているだろうけれど、サンジは男は初めてなのだからと、自分がリードしなくてはと思ったのだ。 「あ…っ。」 「ここ?」 サンジは嬉しそうに、そこを集中して擦りあげてきた。 「そう…だ、……んっ、あ、んんっ。」 ゾロは腰を揺らして、サンジのものを締め付ける。 その分余計にサンジのものの質量を感じ、もっと声をあげてしまう。 「うわ…っ、ゾロ、待って、やば…っ、何これ、すげえっ。」
快感に陶酔しかけたゾロの上では、サンジが何やらあわあわしていた。 「コック?」 「うう、あんま締めんなよ、いっちまう…。あー、何これ、すっげえの、……狭いし、熱いし、ぐにぐにしてて、きゅうきゅう吸いついてきて、……おれ、簡単にいっちまうよう。」 泣きつかれているような、賞賛されているような、しかしどっちみち、ゾロにとっては羞恥を煽られるだけにしかならない。 恥ずかしくて身をすくめると、秘奥にも力が入って、更にサンジのものを締め付けてしまう。 「あ、も…っ、だめだってば、出ちゃう…っ。」 「かまわねえよ。」 けれどもサンジが弱音を吐くと、ゾロにやる気がでるのも事実だ。 サンジが感じてくれているのも嬉しいし、ゾロだってものすごく感じているのだから、サンジが中に出してくれれば、その刺激で一緒に達せそうな気さえする。 「やだよー、そんな情けないの、ゾロに嫌われちゃうよお。」 泣き言を云いながらも、サンジはじっとしていられない様子で、腰を動かしている。 ゆっくり動いてくれているので、ゾロもできるだけそこの力を抜いているが、気持ちよくてひくつき、サンジのものに絡み突いていくような秘肉の動きは、どうにかできるものではない。 「嫌わねえよ。」 ゾロは精一杯サンジに笑いかけて、その頬を撫でた。 サンジの頬もいつの間にか真っ赤で、こめかみのあたりから滴る汗に濡れている。 それを拭い取り、ついでに自分の口からもたれかけていたよだれも拭って、まとめて舐めた。 「うわ…っ、も、たまんねえっ。」 サンジはうわずった声を上げ、がつがつと激しくゾロを突き上げだした。 それでもちゃんと、いいところだと教えた場所を外さないのはさすがだが、ゾロもすぐに、余計なことを考えている余裕は微塵もなくなる。 サンジの背にすがりつき、全身でサンジを感じようとしながら、夢中であえぐだけだ。 「ゾロ、ゾロ、好き、……ゾロもいって、一緒に…っ。」 荒い呼吸の聞き取りにくい声で、サンジが訴えてきた。 ゾロの中のサンジは熱く張りつめ脈打って、今にも弾けそうな勢いだ。 明らかに絶頂を目指す勢いで、ゾロの中を行き来する。 懸命にうなずくゾロのものに、サンジの手が伸びてきた。 「ああっ、んああ…っ。」 濡れそぼったものを握られ、ゾロは悲鳴に近い声をあげる。 全身が跳ね上がり、びくびくと揺れる体の上で、サンジが弾むように動き、同じように声をあげている。 それはいらない、互いの腹の間でこすれているだけでも充分だと、そう訴えたいのに言葉にならない。 「コック…!」 「ああ、ゾロ、ゾロ…っ。」 あともう少しこうしていたかったけれど、急速に高まる快感に耐えきれない。 息が詰まるほど激しく、サンジがゾロを抱きしめる。
同じように、きつくサンジを抱きすくめながら、体の奥にたたきつけられる奔流に、ゾロも快楽を極めていた。
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2010/04/22 |
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