暖めてほしい 4 

 指の先、第一関節くらいで一度止めて、サンジは小さくくるくると、ゾロの浅いところを撫でるように動かす。
 更に第二間接まで進め、同じことをもう一度。ゾロの背に手を当て、状態を探りながら、根元まで指を埋めた。
「ゾロ、……痛え?」
 指を止めて訊ねると、ゾロは短く呼吸を繰り返してから、はっきりと首を振った。
 痛がっている様子はなく、それならばサンジもそれ以上はまだ望まない。
 指の腹で中の粘膜を擦りながらゆっくりと引き抜き、指先だけを残して止めて、ローションの容器を傾ける。指にぬめりを絡め、擦る位置を少しずつずらしながら、また指を埋め、引き抜いて、潤いを塗り足した。
 ゆるやかに動くようになるのを待って、二本目の指をそろえて入れる。
 まだ固い肉を優しく撫で解しながら、サンジは噂に聞く箇所を探した。
「……うわあっ!?」 
「いや、それはちょっとさすがに色気ねえよ。」
 ここだ、と思った位置をぐいと押したら、ゾロが奇声をあげた。
 さすがに微妙な声だったので、サンジは思わず苦情を告げる。
「てめ…っ、今、何しやがったっ。……んあっ、ぐわっ、そ、そこやめろ!」
「えーと、ここ、気持ちよくねえ?」
 中の腹側の触感の違うところ、多分ここでビンゴな筈なのだが、ゾロは色っぽい反応を示してくれない。
 しかしよく見れば、頬は真っ赤でほぼ泣き顔で、瞳が不安に揺れているではないか。
 どうやらゾロは、急激に襲った快感に、ついて来れていないようだ。
「おまえ、かわいいなあ……。」
 物慣れない反応が可愛くて、けれど笑ってしまったら怒るだろうから、必死に肩越しに振り向いてくるゾロからさりげなく表情を隠す。
「前もさわってやるな。」
「あ、ま、待て…っ、ん、んっ、ああっ。」
 脇腹の方から手を回して、ゾロのものにふれる。
 状態を確かめようと軽く握った途端、ゾロの中に入れたままの指が、すごい力で締め付けられた。
「おいおい、コックさんの指、折るんじゃねえぞ。」
 サンジは指全体を揺すって、ゾロに指の存在を知らしめる。
 けれども前のものに絡めた指を少しでも動かすとまたぎゅうぎゅうと締め付けてきて、どうやら、快感を我慢すると、力がこもって後ろが締まってしまうようだった。
「あー、おまえ、もっかいいっとく?」
「…んっ、ぅあっ。」
 握ったまま指を一本動かして、ゾロの先端を撫でてみる。
 ゾロのものはもうはち切れそうなほどに膨張していて、サンジの手に強い鼓動を伝えてきた。
 サンジの繊細な指先は、蜜の洩れ出る口がぱくぱくと開閉するのさえ、敏感に感じ取れる。
 秘奥に飲み込ませている指も、ゾロが驚かない程度にそろそろと動かして、感じる筈の場所を撫でた。
「や…っ、やめろ、やめろっ、だめだっ。」
「なんでだよ。気持ちいいだろ?」
「……ま、また、出ちまう…、だから…っ。」
 本気で恥じらっている様子のゾロに、サンジは自分が先に出してしまいそうなくらい興奮してしまった。
「いいよ、おれも我慢限界、一緒にいこっか。おれ、ゾロの脚、借りるからさ。」
 それに、快感を我慢してゾロの体に力が入ってしまっているよりは、達した後の脱力中に、一気に慣らしてしまった方がいいような気がする。
 そしてその間、サンジも待つのは辛そうだったので、もう一度抜いておこうかと思った。
 どうせ、ゾロもサンジも若くて元気なので、まだ何発もいける筈だ。それに、さすがに初めての相手に抜かずの何発だかはどうかと思うので、途中に適度に発散しておきたい。
 サンジはゾロの片脚をまたいで腰を落とし、ふくらはぎに高ぶった自身を擦りつけた。
「んなっ、……何、てめ…っ。」
 ゾロは焦った様子でもがいたが、サンジがゾロのものを揉んでやると、呆気なく快感に負けたようだ。
 サンジは腰を揺らしながら、ゾロのものの先端を指で刺激する。
 きゅうきゅうと締め付けてくる秘奥に含ませた指は、無理をせず行き来させる程度、手首をひねって大きく回しながら、きつい入り口を中心に解す。
「んっ、ふ…ぁ、や…あ、コック…っ。」
 ゾロが腰を、サンジの手に擦り付けるように振り出した。
 して欲しがっているようにしてやりながら、サンジもゾロのふくらはぎに自身を擦り付け、快感を追った。
 直接的な快感よりも、自分の愛撫に乱れていくゾロの刺激的な姿に煽られている。
 サンジはゾロの尻にぴったり身を寄せ、汗だくの背中に、熱い息を吹きかけた。
「ゾロ、好きだよ。すっげえかわい、…んっ、てめえの脚、気持ちいいぜ。なあ、てめえは? いく時は云えよな、すげえよくしてやるからよ、…な、一緒にいこ…。」
 熱っぽくささやきながら、サンジは指先をゾロの先端に突き立て、穴をほじくるように撫でる。
「だ、だまれ…っ、……んんっ、うあっ、…やああっ。」
 ゾロはサンジの言葉を嫌がって恥じらうが、それと同じくらい感じているようなので、サンジはついつい口が止まらなくなる。
「ほら、てめえのもん、すげえでかくなった。こっちもぎゅうぎゅうだぜ、あんま締めつけんなって云ったじゃん。それとももう無理? いく?」
「ちくしょ……、ああっ、も…、いく……。」
 ゾロは耐えきれないというように、激しく全身を震わせた。
 大きくしゃくりあげるような声を洩らすのに合わせて、サンジはゾロのものを扱きあげ、気持ちよくいかせてやった。
 そして自分も、ゾロの太腿の裏から尻にかけてに、白濁をぶちまけた。
「はぁっ、……ああ……。」
 ぐったりとなったゾロは、もう膝の力も抜けたらしく、足が開き、体が沈んでいく。
 サンジがふくらはぎの上に座ってしまっているから、前へと滑っていったのだが、ベッドボードに当たってしまいそうだったので、サンジはあわてて抱き止めた。
 そのまま仰向けにひっくり返しても、ゾロはサンジにされるままだ。
 はあはあと大きく息をつき、力つきたような様子が艶めかしい。
 そう、こんなごつい筋肉男なのに、色っぽくて、しかもかわいく見えるんだよなと、サンジはすっかりゾロに夢中な自分の気持ちをしみじみと再認識してみた。
「コック……。」
 サンジの視線を感じて、手を伸ばしてくるゾロを、抱きしめて口づけた。
 呼吸を妨げない程度に、唇をついばみ、舌を舐める。
 肺活量も体力も、人間離れしている筈の男なのに、サンジとの行為に、消耗した様子を見せるのがたまらない。
 サンジはゾロに口づけながら、秘奥を開かせる愛撫を再会する。
 指とローションを増やしてゾロの中をいじっていると、ソロもサンジの髪を撫でたり、背中をなぞったりしてきた。
 緩くキスを交わしながら、丁寧にゾロのそこを慣らす。
 従順に身を任せてくるゾロがとても可愛くて、それがいかに可愛くてサンジをたまらなくさせるのか、熱く語ってやりたいと思ったが、溶けきった表情のゾロがいくらでもキスを欲しがるので、唇はゾロの唇に捕らわれ、喋る暇がないのがとても残念だった。
 充分にゾロの秘奥が解れると、サンジはゆっくり身を起こした。
 ゾロの腕も、名残惜しそうにしながらも、その中からサンジを離す。
 見上げてくる瞳には緊張の色があったが、サンジが好きだよと微笑むと、噤んだ唇が柔らかくなった。
 サンジのものと、ゾロの中に、更にローションを足す。
 そうしてから、大きく開いたゾロの脚の間に割り込み、濡れ光ったそこに、サンジは自身を押しつけた。
「力、抜いてろな……。」
 うなずくゾロの中に、サンジはゆっくり身を進めた。
 ゾロがサンジの腕を握ってくる。
 たっぷり濡れて滑りがいいから、動きは止めずに奥まで押し入った。
「……だいじょぶ、か。」
「ん。」
 掠れたサンジの問いに、ゾロは短くうなずく。
 そしてまたぎゅっと、背中に腕を回してきた。
 サンジも緩くゾロを抱きしめ、厚い無胸の上に身を預ける。
 どうせ相手はゾロなので、体重をかけることに遠慮はない。
 どきどき鼓動の激しい胸を合わせ、ゾロの頬や耳元に軽く唇をふれさせたりしながら、ゾロがサンジのものになじむのを待つ。
 ゾロが大きく呼吸をして息を整えようとしているので、胸の上に乗っているサンジも上下に揺らされ、ちょっと楽しかった。
 
2010/05/28 






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