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全身が流れ出すかのような射精に、ゾロは虚脱してしまって、しばらく身動きができなかった。 しかしそれはあくまでも主観で、宙に浮いた尻や、サンジに担ぎあげられた両脚の先が、無自覚な反応でびくびくと跳ねあがる。 最後の一滴までサンジに吸いだされたゾロのものは、本人と同じようにぐったりとはしてしたものの、深すぎた快楽の余韻に萎え切ってはいなかった。 意識はあるが思考ができない、そんな状態でも、ゾロはサンジの顔を探す。 「ゾロ、すげえ可愛かった。目茶苦茶色っぽかった……。」 それに気付いたのだろう、サンジは息せき切った様子でゾロに話しかけてきた。 サンジが何を云っているのか、あまりよく聞き取れてはいなかったが、きっとサンジは今ものすごく可愛い顔をしているだろうから、ゾロはそれがとても見たくて、一生懸命目を凝らす。 けれどもサンジの方から顔を寄せてきてくれたので、脚を抱えあげられたままの体が折り曲げられて、ただでさえ整わないままの息が一瞬詰まったのも、ゾロにはどうでもよかった。 頬を上気させ、うっとりと瞳を輝かせ、幸せそうな笑顔のサンジがどんどん近付いてきて、ちゅうう、と唇を押し付けられる。 ますますゾロの呼吸は困難になったが、至近距離のサンジのまつげの長さに見惚れて、どっちみち息を詰めることになるのは変わらない筈だった。 ぎゅうぎゅうと唇を擦りつけるだけの、サンジにしては拙いキスで、でも一生懸命さだけは伝わってきて、少しずつ落ち着いてきていた筈のゾロの心臓がまた加速する。 「……はあっ。」 口を離して、サンジが大きく吐き出した息がゾロにかかる。 そんな些細な刺激にも冷めない肌を震わせるゾロを残し、サンジはまた、持ち上げた脚の間に戻った。 「ね、ゾロ、……ここ、い?」 脚の間のもっと奥、ゾロがサンジを受け入れることを望んだ箇所に強い視線を感じ、ゾロは背筋を震わせたが、それが、羞恥なのか快感なのかは定かではなかった。 ゾロは強くうなずく。 サンジが何かごそごそしているのは、あの、事前に見ていたローションの瓶を引き寄せているからだろう。 ゾロの脚がサンジの腕にかけられているせいで、尻の下の方でしていることは見えなかったが、サンジの横顔が見えればゾロには問題はない。 しかしサンジの方から見ると、自分はかなりあられない感じで変な箇所を見せつけているのではないかと、今更ながらにゾロが羞恥を感じ、赤くなっていると、サンジの手がそっと内腿にふれてきた。 「ゾロ。好きだよ。」 「おれも。」 とても優しい、真剣な微笑みを向けられて、ゾロの顔はますます赤くなる。 ゾロの脚はサンジの腕にかけられたまま、両手が双臀にかけられ、そっと割りひらかれた。 さらに露出させられた箇所をじっと見つめられて、まだふれられる前から、そこがじんじんしてくるような気がする。 たまらずに息を詰め、肌を震わせるゾロの秘奥が、勝手に、小さくひくついた。 「うわぁ……。」 それを見ていたのだろうサンジの嬉しそうな歓声に、ゾロの前のものにも大きなうずきがくる。 前も後ろも大変なことになってきているゾロは、次第に焦れて苛立ちを感じてきたが、それを口にするよりも早く、サンジがゾロの脚の間に顔を伏せてきた。 「うぎゃあっ!」 とんでもない箇所をぺろりと舐められ、ゾロは奇声をあげてしまった。 「……ゾロ、おれ、おまえのことを心から愛しているけど、それはさすがに色気がないと思うんだ……。」 サンジはがっかりしたようだが、ゾロだってそれどころではない。 思わず脚をじたばたさせて、かかとでサンジの背をたたく。 「いてえって、ゾロ。」 「うるせえ、塗るもん買ったんだろ、高かったんだろ! みみっちいことしねえでさっさと塗りたくりやがれ、けちけちすんな!」 ゾロは羞恥と動揺のあまり、罵声混じりにサンジに怒鳴った。 「違うよー、何それひでえー。」 しかしサンジにはサンジの言い分があるようである。 「ローションは後でたっぷり使うもん! 今はただ、舐めたかったから舐めたの!」 「舐めたがんな、そんなとこ!」 「舐めたいもん! ゾロのかわいいとこだもん! 俺のビッグマグナムをこんなちっちゃなとこが健気に受け入れてくれるんだなあって思ったら、感動していとおしくなっちゃったんだもん!」 サンジがあんまりおばかなことを、堂々と一生懸命叫ぶから、ゾロはなんだか気が抜けてきた。 「……おまえ、馬鹿だろう……。」 「馬鹿じゃないもんー。」 ゾロが落ち着いたのが判ったのか、サンジも甘ったれた声を出す。 「ね、いっぱい気持ちよくしてあげるから。おれの好きにさせて。」 サンジはますますとんでもないことに、立ち上がってきたゾロのものを手に取り、そこに頬を擦りつけてきた。 サンジの白いなめらかな肌と、ゾロのものの綺麗とは全くいえないような色のものの差に、ゾロは視覚的にも興奮し、自身を大きくしてしまう。 そんないかがわしいことをしていながら、サンジの表情が、大変に可愛らしすぎるのがいけないのだ。 「……好きにしやがれ……。」 「うん! する!」 ぱあっと目を輝かせたサンジは、わーいとか何か呟きながら、ゾロの尻を割り、顔を寄せてきた。 緩く開いた唇から覗く舌が、唾液をたっぷりと乗せて、ゾロの秘奥へとふれる。 「ん…っ。」 今度は覚悟していたものの、ぬめっとふれる舌にゾロは背筋だけでなく、内腿や下腹部まで広範囲に震わせることになった。 唇へのキスと変わらないくらい熱心に、サンジはゾロのそこを舐め、唇を擦りつけてくる。 そしてゾロのそこも、サンジの指や舌がふれるたびにすぼまり、ゆるまり、ひくついて収縮を繰り返して、感じていることを示してしまうのだった。 「ん…っ、ん、は、あ、コック……。」 落ち着かなくなるような快感に、ゾロは懸命に敷布を握りしめて耐える。 サンジの顔が深く伏せられてしまって、金色にきらめく髪しか見えないのが残念だった。 吸われたり、唇で擦られているうちに、次第にやわらかくなってきたそこに、サンジが舌を突き立ててきた。 「あ、や、やめ……っ。」 中に押し入ってくる舌に、ゾロはびくびく震える体を強ばらせてしまう。 表面だけを弄られるのとも違う快感に、ゾロの呼吸が浅く早くなる。 サンジの指が周囲から秘奥を引っ張って広げ、浅いところで舌がちろちろと動いた。 「んっ、ん、ああ…っ。」 腰を中心に震えが激しくなり、ゾロのものに急速に熱がたまる。 濡れた舌が秘奥で抜き差しされる感覚を追い払いたくて、ゾロの手が無意識に自身に伸びて扱こうと動いたが、サンジの手に優しく指を取られた。 「ゾロ、だーめ。がまん。」 甘ったるくささやく声は咎めるというよりも喜びに満ちている。 愛情のこもった笑顔で見つめられ、ゾロはいたたまれないような気分になったが、サンジはぎゅっとゾロの指を握り、敷布に下ろさせただけだった。 「ローション、使うね。」 とりあえずそれを区切りに、サンジは次の行動にでてくれるようだ。 ゾロは幾分ほっとしてうなずいたが、ぬるつく液体を塗り付けられ、更に増す快感にあえがされることになった。 ものすごくなめらかに動くようになった指が、ローションを秘奥に馴染ませるかのように、くるくると撫でる。 「んあっ、は、あ、ああ……。」 ひくついて止まらない穴を撫でたりつついたり、かと思うとまた撫でたりして、サンジの指はひどくゾロを惑乱させた。 先刻舌を入れたのよりもっと浅いところまでしか指先を含ませなかったりとかして、もしかしてこれは意地の悪いことをされているのかもしれない。 それでもどんどん熱を増し、サンジに弄られているところが過敏になっていくのは明らかで、ゾロは軽く脚を揺すって抗議するくらいのことしかできなかった。 「コック、指、もっと奥……。」 「欲しいの、ゾロ?」 「わかんね、けど……、中、うずく…。」 我慢できなくて訴えると、サンジは綺麗な笑みを浮かべる。サンジもゾロに欲情し、興奮してくれているのが判るのに、それでも尚、ゾロがたまらなくときめくような表情ばかりだ。 サンジが喜ぶ、それを免罪符に、ゾロは欲求を訴える。 「もう、浅いとこは痛くねえ?」 「全然、最初から痛くなんかねえから、だから、早く……。」 サンジの愛撫は優しくて、たぶんきっととても巧みだ。元々ゾロが望んだ立場だし、とても頑丈なゾロだから、こんなに丁寧にしてくれなくていいのに、それでもサンジは、とろけるような甘ったるい愛撫をやめないのだ。 体は焦れて苦しいけれど、心が、とてもとても満たされる。 サンジは片手にローションを垂らし、秘奥のふちを引っ張って開いて、少しぬるくした液体を流し込んできた。 「んっ……。」 指にもたっぷりと塗り付け、ゆっくり、中に沈めてくる。 ゾロは懸命に力を抜いたが、秘奥と、その中が勝手にひくつき、サンジの指を締め付けてしまうのはどうしようもなかった。
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2010/11/02 |
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