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「そんな色っぽく誘われたら、断れねえなあ。」 でもその前にと、サンジはローションの容器に手を伸ばした。 「足しとこうね。」 何となく恥ずかしくなって、ゾロは敷布の上に組んだ腕に、顔を埋めて待つ。 サンジは片手の指で穴を開き、もう一方の手でローションを流し込んできた。 たっぷりと濡らされた中に、今度はいきなり三本の指が入れられるが、ゾロの秘肉はきゅうきゅうと指を食いしめ、けれどもやはり足りないと、腰が勝手にくねって揺れた。 「ゾロの中、すげえ熱い。ほら、こんなに柔らかくなってる。おれの指に絡みついてくるよ。ねえ、聞いてる?」 ゾロはぶんぶんと首を振って、聞いてないと訴える。 サンジは声をあげて笑って、ゾロの脚を開かせた。 「……あ…。」 あっさりと抜かれてしまう指を、腰が追いかけてしまう。 ローションのついた手で腿を捕まれ、ぬめっとした感触に、ゾロはまた身震いした。 膝を立て、掲げた尻の間に、サンジは彼のものを擦り付けてきた。 「今度は、ゆっくりするからね……。」 ささやいて、ずぶずぶとそれを埋め込んでくる。 「んんっ、……ああ、コック……。」 ゾロのそこは、サンジの云うとおりに柔らかく熟し、埋め尽くしてくる熱い肉を、ただ気持ちいいとばかり感じた。 少しくらい苦しくても、ゾロはもうこの大きさと深さがすっかり気に入ってしまった。 サンジの熱に満たされ、ゾロは拡張感と圧迫感に早くなれようとして、何度も深呼吸をする。 なのにサンジがさわさわと、尻やら腰やら腿の横やらを撫でてくるので、ゾロはどうにも落ち着けない。 「ふぁ…っ。」 ぞくぞくと肌が震えるたびに、みっちりとサンジの熱を食いしめた秘奥がひくひくと動いてしまう。 サンジがそこを見ているのではないかと思うと、どうにもいたたまれないような気持ちになるが、ゾロはサンジが今どんな表情をしているのか知りたかった。 懸命に顔を上げ、閉じてしまいそうな目を開けて、前に置かれた鏡を見る。 そこには、ゾロとサンジの姿が映っていた。 ゾロは自分の姿はそっちのけで、必死にサンジに目をこらす。 少しうつむいたサンジは、やはり、ゾロと繋がったそこを見ているのかもしれない。 でも、そんなところを見ているとは思えないような、何か綺麗な花でも見ているような顔をしている。 ゾロが半ばぼうっとしてサンジにみとれていると、サンジもゾロの視線に気がついたようだった。 「ゾロ……、も、へいき?」 鏡越しに笑いかけてくるサンジに、ゾロは小さくうなずく。 サンジはゾロの腰をつかむと、ゆっくりとした抽挿を始めた。 硬い肉がゾロの中を丁寧に擦り、つつき、引き抜かれては埋めつくされる。 ゾロはひたすら、サンジの顔を眺めていた。 頬を染めて目を潤ませて気持ちよさそうな顔をして、眉を寄せたり唇を噛んだり、快感に変化する表情を見るのがとても嬉しい。 サンジのものに中を擦られているうちに、ゾロもぼんやりと気持ちよくなってくる。 「ん、は……ぁ。」 無意識に詰めてしまう息を吐くと、小さく声が混じった。 それを聞き止めたらしいサンジがちらりと笑うのを、ゾロはじっと見ていた。 「ゾロ、だいすき。」 「……おれも。」 ゾロは答えて、片手を後ろに伸ばし、しっかりと自分の腰をつかんでいるサンジの手を指で撫でる。 前のものにも刺激が欲しくなってきていたゾロは、サンジの手を引こうとした。 「ちょっと待って、……その前に、ね。」 しかしサンジは何やら判らないことを云ってはぐらかそうとする。 なのでゾロも構わず、もう一度サンジの手を引っ張ろうとしたのだったが。 「……っ!」 サンジのものが突き入れられた瞬間、強い衝動が身の内を駆け抜け、ゾロは声もなくのけぞった。 「やった、当たりー。」 サンジの誇らしげな、喜びに満ちた声が聞こえたが、ゾロはその表情を見ている余裕はなかった。 「やっ、あ、コック、あっ、あ、やあ…っ、そこは…。」 サンジは続け様に、ゾロのそこばかりを擦り、突きあげてくる。 ゾロはぶんぶんと首を振り、敷布を握りしめたが、それで逃せるような快感ではなかった。 「先刻もしてやったろ、ここ。ゾロのイイとこだよ。……へへっ、おれもすごくいい。ゾロの中、うねっておれのに吸いついてくるみたい。すっごい、奥まで引き込まれそう。」 サンジはそんなことを云いながら、ぐいぐいと腰を押しつけてくる。 「んんっ、……あ、は、ああっ。」 急速に前のものに熱が集まり、激しく脈打って張り裂けそうだ。 「コック…っ、さわれ、なあっ。」 ゾロは必死に、サンジの手を引いた。 「何で? こっち、気持ちいいだろ。」 「あああっ。」 サンジは意地悪く、ゾロの手を握ってひっぱり返しながら、中の、ゾロがおかしくなってしまう場所ばかりを集中して擦ってくる。 指の方が器用に動いていたかもしれないが、精神的な興奮は、サンジのものに擦られている方が強い。 中を擦るものの質量が、サンジの快感をも伝えてくる。 「い、いいから、…っ、だからだろっ。」 ゾロは半泣きになって叫んだ。 そこをつつかれるのが気持ちよすぎるから、どうしようもなく感じてしまって、熱の集まるそこを扱いて欲しくなるのではないか。 判ってくれないサンジに、ゾロは焦れるあまりに苛立ちさえ感じる。 強引に手をひっぱり、どうにかゾロはサンジに自身へふれさせることに成功したが、ゾロが手を離すとサンジもすぐに手を離そうとするし、ゾロが手を重ねて動かしてやらないと、サンジは何にもしてくれない。 「コック!」 「あはは、ごめんごめん。あんまりゾロが可愛いので見入ってました。」 「くそ…っ、怠けんなっ。」 「えー、怠けてないよう。」 ころころと笑うサンジの手が、ようやく意志を持ってゾロのものを握った。 「んあ…っ。」 優しく撫でられ、力が抜けたゾロは敷布に突っ伏す。 やっぱりサンジにしてもらうのが、一番気持ちがいい。 先端に指を滑らせたり、くびれを軽く揉まれたりするだけで、ゾロのものはどんどん蜜を滴らせる。 中のいいところもサンジのものに擦られ続け、ゾロはもう鏡を見ることもできないまま、快感に没頭していた。 「ああっ、コック、あ、いいっ、いい……、んっ、あ、ああ……。」 前後から与えられる快楽に、全身がしびれるように熱くなり、放とうとして力がこもる。 しかしその寸前に、サンジの手が素早く、ゾロのものの根元を締め付けた。 「ひ…っ。」 達することを阻まれ、放出しようとした快感が逆流してくる。 「や…っ、やだ、いやだ、コック…っ。」 ゾロはがくがくと腰を揺らし、必死にサンジを振り返ろうとした。 汗だくの背中をサンジに押さえつけられ、ゾロは足先をばたばた動かして抗議する。 こんな寸前で絶頂を妨げられたことなどなく、ゾロは達せない苦しさに涙を零した。 「あれ、ゾロ、泣いちゃったー?」 背中にべったりと乗ってくるサンジは、とても楽しそうだ。 ずるりと中でサンジのものが動き、ゾロは激しく身震いする。 「でも、まだ、だーめ。」 「……うう…っ。」 サンジはゾロのうなじに吸い付き、何度もそこを甘噛した。 歯の感触を感じるたびに、ゾロは全身をひきつらせ、収縮する秘奥がサンジのものを締め付ける。 するとサンジは腰を揺すって、ゾロの耳の後ろに唇を寄せてくるのだった。 「おまえの中、すごいことになってるぜ。とろとろになって、ずっとひくひくしてる。クソ気持ちいい。」 甘ったれた口調ではなく、普段通りの口の悪いささやきに、耳朶を吸ってちゅぱっと音を鳴らすおまけ付きだ。 「うあ…っ、あ、ああっ、や、やだ、もう…っ。」 ゾロはもう訳が判らなくなるほど感じてしまって、必死に前に腕を付き、体を前に押し出した。 ぬるりとサンジのものが半分くらい抜け、ゾロは腰を後ろに突き出す。そうするとサンジのものが奥まで入って、ゾロはまた体を前にと進めた。 そうしながら腰を揺らすが、先刻の場所に、サンジのものがうまく当てられない。 もどかしさでいっぱいになったゾロは、ついに耐えかねてすすり泣きを洩らした。 「ああもう、ゾロってば最高。すげえ愛してる。」 顔を敷布に擦りつけるゾロの腰に、サンジの両腕が巻き付いた。 切羽詰まった体が期待に震える。 しかしサンジの手はゾロの感じるところにはふれず、そのかわりに、いきなり体を引き起こされた。 「うああっ。」 深く繋がったまま、抱き起こされたゾロの体は、サンジの膝の上に着地する。 自重で更に深くサンジのものを飲み込み、ゾロは泣きながら身悶えた。 「ゾロ。前見て。」 肩の後ろでサンジの声がして、ゾロは必死に目をあける。 鏡には、サンジの上に座らされ、淫らに脚を開ききり、快感に溺れた顔をしたゾロが映っていた。
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2010/11/20 |
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