「ああっ、や…ぁあっ、コック、コック…っ。」 サンジに体を揺すられるたび、ゾロは甘ったるい声をあげて、サンジのものを締め付ける。 そのたびにサンジも、荒い呼吸に乱れた声を混ぜずにはいられなかった。 「ゾロっ、ゾロ…っ、好きだよ、……んっ、いい…っ。」 信じられないくらい気持ちよくて、サンジは一瞬たりとも腰を止めることができない。 ゾロももっと奥へと望むように、腰をせり上げ、サンジに尻を押し付けてくるから、肌がぶつかりあうたびに、湿った音が鳴った。 「コック…!」 ゾロの手が、サンジの手を強く引く。 その必死さに、ゾロが前にふれて欲しがっているのが判ったが、しかしサンジには手を添えてやる余裕がない。 それに、まだゾロは、前にふれられずに達したことはなかったけれど、今のこの感じ入る様に、きっと今ならばという期待が込みあげる。 「やあっ、……あ、コックっ。」 もっと乱れ、もっと感じるゾロが見たくて、サンジはゾロの手を握り返し、床に押さえつけた。 手のひらを合わせ、互い違いに指を重ねて握り込む。 ゾロは抗議するように口を開いたが、出てくる声は切ないあえぎだけだ。手を握り返され、もっとと求めるように、ゾロの脚がサンジの腰に絡みつく。 ゾロの中がうねって吸いついてくるところを、幾度も擦りあげてサンジは快感を追いかける。 「ああっ、ゾロ……、いい、も、だめ…っ。」 気持ちよくて、腰が抜けそうで、それでも抽挿をやめられない。そんな状態になりながら、サンジは限界を訴えた。 「ちくしょ…、早く、だせっ……。」 ずいぶん耐えていたらしいゾロは、言葉では悪態をつくけれど、声の響きも表情も、サンジに甘えているようにしか見えない。 全身に快感が張りつめさせて、背を反らしたり、脚を跳ね上げたりさせながら、何度も大きく震えている。 「何それ、かわいー……、中に、出して欲しいの…?」 そういえば、性処理という名目の時でさえ、ゾロは中に出すなとは云わなかった。 だからサンジも遠慮せずにそうしていたのだけれど、ゾロが望んでくれていたなら嬉しいなと、頭の隅で思う。 「当たり前だろっ、……さっさとしろ、も、焦らすな、…いきてえ…っ。」 サンジの思考をゾロが知る筈などないのに、妄想以上に情熱的な可愛い気持ちをくれる。 「うん…っ、出すよ、ゾロ……、ゾロも、いって…。」 サンジはゾロを抱きすくめ、とろけて熟したような秘肉を存分に突き上げる。。 ゾロの感じる箇所を執拗に擦りあげ、感じたゾロがサンジのものを締めつけてくるのにうめきながらも、まとわりつく肉の収縮を振り切り、抽挿を続ける。 「ああっ、…んっ、あ、いい…っ、コック、ああっ。」 ゾロの腕も、内部も、ぴったりとサンジにくっついて、強烈に絡み付けてくる。 激しく跳ね上がろうとするゾロの体を、サンジはしっかりと抱きしめ、腕の中にその衝動を閉じこめる。 「ああっ、ゾロ…!」 「……んんんっ、……あ、は…あああっ。」 サンジが放つ、その刺激が最後の追い上げになったのか、ゾロも大きな声を上げて達する。 耳元で響く声が腰の奥まで甘く響き、サンジはもう一度快楽を吹き上げた。 「……重い。」 ぺちぺちと汗みずくの背中をたたかれ、サンジは手をついて、少しだけ体を支えた。 すべてを吐き出したかのような快楽の深さに、サンジは余力をなくして、ゾロと身を繋げたまま、厚い胸の上に倒れ伏していたのだった。 まだ呼吸も動機もおさまらない。それはサンジだけではなかったので、笑顔になったサンジは、赤いままのゾロの頬を撫でた。 「すげえよかった。大好きゾロ。いまだかつてない快感でした。マジで腰が蕩けるかと思った。おれ、こんなに気持ちよくいったの初めて。」 頬を撫でながらゆっくり話すと、ゾロはひどく満足そうだ。 きっとゾロもそう思ってくれているのだろう。サンジの言葉にとても嬉しそうに見えたので、もっと色々云って、ゾロを喜ばせてやりたくなる。 そしてサンジはこういう時に、言葉が余るほどの男だ。 ゾロと肌をふれあわせるのがとても気持ちよかったこと、ゾロがますます愛しくなったこと、ゾロの気持ちも伝わってきたことを、サンジは一生懸命に語る。 「やっぱ、両想いって最高だよな。愛し合う同士でやるのって、こんなに気持ちいいんだな。体もだし、心もすっげー満ち足りた感じ。最高だった。」 笑顔で話をまとめたサンジに、それまで一途な瞳を向けて聞いていてくれたゾロは、何故か突然にやりと笑った。 「感謝しろよ。おれのおかげだからな。」 ……そうだっけ? と、サンジが一瞬本気で悩んでしまったような、悪い笑顔だ。 先刻までは快感に翻弄されてたり、サンジが好きでたまらない様子が前面にでていたりで、いじらしく可愛らしかった筈なのだが。 「それもこれも、おれがてめえに惚れて、落としてやったからだろうが。」 「……あーはいはい。ありがとうございます。」 なんか違う。絶対どこかが違う。と思いながらも、サンジはゾロに逆らう気にはならなかったので、おざなりにではあるがそう云ってやった。 ゾロはますます満足そうである。 「判ればいい。いいか、おれは、本気でてめえに惚れてんだからな。だからこれからは、おれを大事にしろよ。」 それは云われなくてもするつもりではあるけれども。 何かおかしいぞと思いながらも、偉そうに胸を張っているゾロがやっぱり可愛いと思ってしまうあたり、サンジもいつの間にかとてもだめになっていたようだった。 それに、何はさておき。ゾロがサンジをとてもとても一生懸命に愛していてくれることだけは、とにかく確かなようだし。 「しますします。……ところでおれまた勃ってきてるんだけど、もう一回してもいいかなあ。」 「……足りなかったのか。」 「そうでもないけど、ゾロへの愛が形に表れてきちゃったみたい。ほら、おれって正直者だからさ!」 とりあえず下手に出てやりながら、二回目をおねだりする。 中に埋め込んだままのサンジのものが、またゾロの内襞を押し広げだしているのを、ゾロも明確に感じているだろう。 その部分に意識がいったのか、ゾロはぷるっと震えて、切なげに眉を寄せた。 そんな顔を目の前でされたら、サンジのものの拡大が、更に進むというものだ。 ゾロは頬を赤く染め、サンジを包み込んだ秘肉が緩やかにうごめきだす。もじつく腰付きが艶めかしい。 「よし、判った。やれ。」 しかし許可の言葉はやはり、不必要に偉そうである。 偉そうな態度と純情めいたところがぐちゃぐちゃに入り組んで、けれどもそういう訳の判らないところも、サンジはもういとしいと思ってしまっているのでだめなのだろう。 どうしてここまでゾロが勝ち誇っているのか、サンジには理解できない。 おかしいな、普通は恋って、先に惚れた方の負けなんだけどな、と思いつつ。 「大好きだよ、ゾロ。」 「お、おう。おれも好きだぞ。」 嬉しくてたまらないという顔をして、はにかんで笑うゾロがとてもとても可愛かったので、サンジは、両想いで幸せだからいいやと、そう結論したのだった。
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