2013.01.20.

走  狗
02
MIN



■ 第1章 出来事2

 パソコンの映像は、乳房を晒した香織のバストアップ映像から始まる。
 香織の顔は、左の頬が少し腫れて、涙の後が頬に付いている。
 目を伏せ、唇を噛んだ表情は、屈辱に震えていた。
 しかし、香織自体の美貌を余り損なっては居なかった。

 香織は、俺の口から言うのもおかしいが、かなりの美少女だ。
 大きくハッキリとした、少し吊り上がった二重、長い睫の下に黒目がちな瞳。
 すっきりと伸びた鼻梁に、少し厚めの小振りな唇。
 顎のラインもスッキリとして、輪郭は綺麗な卵形だ。
 大きく弓なりに成った、細い眉がキリリとした印象を与えるが、笑うととても穏やかに変わる。
 性格は物怖じしないで、ハッキリと物事を話し、とても明るく快活すぎるきらいがあり、少しお転婆だった。
 正義感が強く曲がった事が大嫌いで、それで良く人と争いに成る事があった。

 眉根を寄せて、顔を苦痛に歪めた後、香織が口を開き出す。
『私の名前は…叶香織。都内にある尽聖高校に通う高校2年生です。スリーサイズは、…ぐうー…』
 また、香織の顔が苦痛に歪み、顔が右下にフレームアウトしかける。
 姿勢が元の位置に戻り、さっきの中断した部分から始まる。
『スリーサイズは、バスト88、ウエスト57、ヒップ88です…ぎぃー…カップはEです』
 途中でまた何かされたのか、苦痛を顔に浮かべ、ボディーサイズを告白し終えた。
『私は、生意気な性格を、矯正されるべく…ここに居られる…ご主人様達の…オ、オモチャに……ぐぁーー』
 画面の端に映った棒で、何をされているかが解った。
 香織は、言葉に詰まると、スタンガンで身体を突かれているようだ。
『ご主人様のオモチャに成る事を誓いました。…何をされても教育の一環です。私を矯正して下さい』
 其処までを言った後、カメラはパーンアウトし香織の全身を映し出す。
 俺は、香織の身体を見て、激しい憎悪と今までこれを知らなかった事に、深い悔恨を抱いた。

 香織の身体は、あちこちに青い打ち身の痕を付け、所々に擦り傷や泥が付いている。
 そして、膝に棒状の拘束具が嵌められ、足を閉じる事も出来ずオ○ンコを晒している。
 手が後ろに回って、動いていない事から、後ろ手に拘束されている事も想像出来た。
 画面は切り替わり、事故で無くなった俺のマンションから、5分程の公園が映し出された。
 周りの暗さから察するに、夜の7時ぐらいだろうか。
 極端に人通りの少ない公園だった。
 香織の学校は、この公園を通ると、10分程近道なのを覚えてる。
 外灯の明かりの下、香織がカメラの前を横切る。
 だが、香織はカメラに気づいた様子すら無い。
 香織の後ろ姿を撮るカメラは、どうやら暗がりに隠れているようだ。
 公園の出口に近づいた香織の行く手を、遮るように黒いワンボックスが走り込んで来た。
 後ろのスライドドアが開くと、面を被った男が二人飛び出した。

 此処で、アングルが変わり車の中からの映像になる。
 香織は、驚いた表情で
『なんですか!あなた達…きゃー』
 叫ぶが、男達の手に持った棒で突かれると、意識を失った。
(こいつら、違法改造のスタンガンを使いやがった)
 地面に倒れた、香織を車に引き摺り込む、画面の隅にカメラを抱えた、小柄な黒い服が走って来るのが見えた。

 車の中で昏倒する、香織の身体をお面の男達が嬲り始める。
 乳房を揉みしだいた男が
『ふぇー、柔らけー。それにスッゲー大きさ!手に余るぜ。ほら』
 そう言いながら、香織の胸をグニグニと力任せに握りまくる。
(おいおい…こいつら、声まで変えてやがる…それに、間違えなく、香織を狙ってた)
 画面は、廃工場に着いたようだ、工場の中から車の扉を撮っている。

 妙に明るい所から察すると、何処かの工場区画で、周りはまだ動いているようだ。
 スライドドアが開いて、両脇を男達に抱えられ香織が降ろされて来た。
 工場の扉を潜る時、香織は急に頭を持ち上げ右の男の足の甲を思いっきり踏み抜き、自由になった右手で左側の男の目を平手で打つ。
 そのままダッシュを決めて、逃げ出した。
 ここから先は、サンプルの映像で知っているが、俺は思わず[良し]と言ってしまった。

 ブラウスを引き裂かれた時に、カメラを持つ奴が
『あんまり手荒にひんむいちゃうと、計画が狂うわよ』
(女言葉?オカマか?いや、明らかに今のは、女の言い回しだった。このグループには、女もいるのか?何だ?何のため…)
 考えたが解らなかった…。
 俺の意識は、香織の苦鳴で、再びパソコンに向けられた。
 巻き戻してみると、追いついた奴が香織に蹴りを入れていた。
『そこら辺で止めろ。油断したお前達が悪いんだろうが…。最初に言ってただろ、気が強いって』
 どうやら、この大柄な男がリーダー格らしい。
『でもピーさん。こいつ無茶苦茶ムカつくっす!まさか最初から目に来るなんて…』
『おい、こら!カメラが回ってる時、名前を呼ぶんじゃねー』
(今、名前にピー音入ってたな。只の素人じゃないのか?)
 もう一人の男は、足を引き摺ってフレームインして来た。
(当たり前か。俺が教えたんだ、それぐらいの威力は有る)
 香織は、地面に蹲り激しく咳き込んでいる。

 しかし、一呼吸付いたのか、カメラに視線を向けると
『あなた達何者?私の兄は警察官よ、こんな事して只で済むと思わないで!』
 凜とした声で、暴行者達に告げた。
『はい、はい、知ってますよ〜。そのお兄さんも、アメリカじゃどうしようも無いもんね〜』
 目を打たれた男が戯けながら言う。
『な、何でそんな事を…』
 香織は、驚きを隠せずに、後ろに下がりながら言った。
『駄目駄目。逃げられないわよ…』
 そう言うと、目出し帽を被った、小柄な黒服が香織の後ろに立ち逃げ道を塞ぐ。
(こいつも、女か…。男3に女2のグループ…。一体こいつら、何のつもりだ)
 しかし、その疑問は次の会話で直ぐに解った。
『俺たち仲良し鬼畜クラブで〜す。叶香織さんは、僕達のオモチャに選ばれました』
 大柄な男が、ドスを効かせ戯けながら威圧する。
『香織ちゃんはね、ただ泣いて許しを請うて、壊れて行けば良いの…貴女の人生を、無茶苦茶にするのが、私の希望』
 カメラを持った女が、嬉しそうに言う。
『えっ…!貴女その声…。ぎぃー』
 香織がカメラの女の正体に気が付き、名前を呼ぼうとしたその時、女はスタンガンを香織に突きつけた。
『良い!カメラが回ってる時に名前を呼んだら、きつーいお仕置きをするからね!解った!』
 声を荒げながら、何度も何度も香織の身体をスタンガンで突き刺す。

 香織は、意味を成さない苦鳴を上げながら、床の上をゴロゴロと転がる。
『ふんっ!香織。このまま、制服のままで転がると、ドロドロになるわよ。まだ綺麗な内に、脱いだ方が良いんじゃない?』
 カメラの女が、香織に服を脱ぐ事を勧めた。
『な、何で!私が、何で服を脱がなきゃいけないのよ!』
 香織が当然のごとく食って掛かる。
 カメラの女は、また香織をスタンガンで突くと
『あら。貴女がこんな目に合ってるのを、あの綺麗なお姉さんが知ったら、警察に通報しちゃうわね』
 カメラの女が当然の事を言う。

 カメラに映っている香織も頷いた。
『それって、私達都合悪いわね〜。じゃぁ、どうしようか?み・ん・な』
 カメラの女の質問に、大柄の男が答える。
『姉ちゃんも一緒にやっちゃえば良いんだよ。そうすりゃ、絶対に俺たちの事、口に出来ないぜ』
 低く薄笑いを浮かべながら、言った。
『香織ちゃんは、それで良いの?お兄さんのお嫁さんを、巻き込んでも構わないなら、脱がなくて良いわ。される事は一緒だから』
 高笑いして香織を、嬲る。

 唇を噛んで睨み付ける、香織をまたスタンガンが襲う。
 悲鳴を上げて転がる香織。
 近づいて来た香織を、足の甲を蹴られた男が蹴る。
 サッカーボールのように、蹴られた香織は反対側に転がる。
 すると、大柄な男の足下に転がり、また蹴り飛ばされる。

 頭をカメラの女に向け、仰向けに倒れた香織の顔を真上からカメラで捉え、靴で踏み付けながら
『ほら、また汚れちゃった。どうする、脱ぐの?脱がないの?』
 グリグリ足を捻りながら、体重を乗せ聞いてくる。
 苦痛に歪む香織の表情を、舐めるようにアップで捉える。
『脱ぐ…脱ぐから…止めて…』
 香織が痛みに屈服して、答えた。

 足をどけ、頭の天辺を爪先で蹴りながら
『最初から言う事を聞けば良いのよ…少しは、優しくして貰えるかもよ…フフフッ』
 頭を抱えた香織に、笑いながら告げるが、こいつらにそんな気がないのは明らかだった。
 香織はモソモソと制服を脱いで行く、脱いだ制服を胸に抱え、下着姿で立つ。
 周りを回りながら、その姿を上から下まで移動する画像が、パソコンのモニターで揺れている。
 そして、悔しげに唇を噛む香織のアップで止まる。

 目出し帽の女に畳んだ制服を奪われ、下着姿を抱きしめて小さく成る香織。
 そんな香織とカメラの間を、ヒラリヒラリと棒状のスタンガンが左右に揺れて行き来する。
『良い?これからルールを教えて上げるね…このルールを守らなかったら、貴女のお姉さんにも参加して貰うからね』
 どうやらカメラの女は、スタンガンをちらつかせ、香織にルールを押しつけるつもりらしい。
『このルールを守れば、多少の反抗はしても構わないわ…その代わりその後の罰も受けて貰うけどね…』
 そう言って一度、スタンガンを香織の乳房に押しつける。
『一つ目は、知り合いの誰にもこれを知られない、言わない、気づかせない。解った?』
 香織は、コクンと頷く。
『二つ目は、私達の呼び出しには、どんな時間でも、どんな所でも、どんな用事があっても絶対に応える事。解った?』
 これにも香織は頷いた。
『三つ目は、カメラが回っている時は、私達の名前は絶対に呼ばない事、そうねご主人様で統一するわね。解った?』
 香織は悔しさに顔をゆがめながら、頷いた。
『さあ、ルールも教えた事だし、これで新しいオモチャが出来たわよ。存分に遊んで上げて…』
 そう言いながら四人が代わる代わる、モニターの右から左へ流れて行く。



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