2013.01.20.

走  狗
03
MIN



■ 第1章 出来事3

 俺は、其処までを見て一旦映像を止めた。
 時計を見て、時刻を確認すると、22:50だった。
 携帯を取りだし、ダイヤルする。
 電話が繋がり、相手が不機嫌そうに応対し出す。
「あっ、課長…叶です。実は、九州の叔父が亡くなったらしくて…はい、はい…唯一の血縁者ですので、4日程…はい、すいません」
 既に亡くなっている、九州の叔父を再度殺し、俺は休暇を取った。

 これで4日間…、土日を入れると丸々1週間が空いた。
 そして、更に携帯を操作し、別の所に電話する。
「もしもし…日下部か…。近々時間を取れないか…あ、あ…調べて欲しい物が有るんだ…ああ…それじゃぁ、明後日…秋葉の駅で…」
 本庁の専門家に電話して、都合を付け終わった俺は、パソコンのモニターに視線を移す。
 画面には大柄の男が、腕組みしている映像で制止している。
 俺は段々自分の中から、感情が消えて行くのを感じながら、モニターに向かった。
 そして、一時停止ボタンを解除し、画像を再生させる。

 腕組みをしていた大柄の男が動き出し、香織の右手を左手で取り、手錠を掛けた。
 驚く香織を余所に、そのまま左手を掴んで、後ろ手に拘束した。
 鮮やかな手並みは、その行動が慣れている証拠だろう、そのまま後ろに回り手錠を締め上げ、香織の動きを封じる。
 残りの男達は、一人が一本ずつ香織の足を持ち固定する。
 目出し帽の女が動いて、香織の膝の直ぐ下に黒い革製のベルトを嵌め、60pぐらいの棒で繋ぐ。

 香織は、下着を着けた状態で、オープニングでしていた拘束姿になった。
 拘束を終えた4人は、カメラマンの後ろに移動したのだろうか、姿が見えない。
 立った状態の香織は、足をがに股に開いて、手を後ろにやって俺を睨んでいる。
『これで、自慢の逮捕術とやらも使えないわね…いい気味よ…』
 そう言いながら、カメラの女は香織の無防備な腹に、蹴りを入れる。
 ド素人の、足を押しつけるような蹴りだが、がに股に後ろ手錠では避ける事も出来ず、香織は尻餅を付いた。

 そして、香織を囲んだ5人の輪は、その間隔を狭め、香織の直ぐ近くに集まった。
 上から見下ろすアングルで香織を捉えながら、5人は香織の身体にオープニング時に有った青痣を付け始める。
 文字通りの、袋叩きだ。
 転がった香織の身体に、目出し帽の女が近づき
『さあ。邪魔な物は、取り外しましょうね〜』
 ハサミで下着を切り、香織を全裸にすると、目の前で外した下着を細かく切り刻んで行く。
『生意気な奴隷は、許可が出るまで下着を着けちゃいけませ〜ん。見つけたら片っ端からこうしちゃうからね〜』
 楽しそうな声で、香織の下着を切り刻む、目出し帽の女。
『おい…自己紹介どうすんだよ…』
 フレームの外から、大柄な男の声がして、画像が切り替わる。
 ここから、オープニングの自己紹介の下準備が始まったのだろう。
 切り替わった画面は、項垂れた香織を斜め上から映していた。
 香織の姿勢と状態が、オープニングの自己紹介の姿と繋がる。
 そして、この後香織はこの5人に、散々嬲り物にされる。

 香織は、首に黒い首輪をはめられた。
 犬用のではなく、完全にSM用の物で、金具が沢山付いているやつだ。
『何するの、変態止めてー!』
 香織が画面の中で叫ぶ。
『そう…。俺達は変態で頭がおかしいから、何でも出来る。普通のやつだったら、女の子にこんな事はしないだろ』
 そう言うと、足を蹴られた男が香織の髪の毛を引っ張り、仰向けに引き倒し、無防備の乳房をサッカーボールのように蹴る。
『ぎゃーーーっ!いやー!止めてー!お願いそんな所を蹴らないでー!』
 香織の悲鳴と必死で懇願する声。
『じゃぁ、此処だったら良いのか』
 目を叩かれた男が、大きく開かれた股間を蹴り上げる。
『ぎーっ!ひー、嫌…嫌…止めて…酷すぎる…』
 未知の痛みに、香織は涙を流す。
『だから、最初に言っただろ…。俺達は仲良し鬼畜クラブだって…。鬼畜って言葉知らないのか?』
 大柄な男が、香織の顔を正面から踏みつけ、香織の顔の上で片足立ちになる。
『ぐーーーっ』
 口から鼻迄を足の下に置かれているから、香織の口からはくぐもった悲鳴しか出てこない。
『私たちはさー、別にあんたが反抗しても構わないの…。たださー、私たちも気持ちよく遊びたいのよ…。生意気な口…お利口さんじゃ無くない?』
 そう言いながら目だし帽の女が、香織の両の乳首を両手の親指の爪で、握りつぶして引っ張った。
『ぐぅうーーーっ』
 まだ、顔の上に大柄な男が乗っているため、くぐもった声を上げ、足をばたばたとさせる。

 足をバタつかせたため、片足立ちしていた、男がバランスを崩して香織の顔から下りる。
 香織の顔には、クッキリと大柄な男の靴の後が、残っていた。
 大柄な男は香織の顔をグーで、殴った。
『馬鹿野郎!振り落とすんじゃねー』
 と、言いながら。
 パンチは頬に当たり、頬に大きな青タンが出来、皮膚が切れ血がにじんで来た。
『顔はバレるから止めなさいって、言わなかったっけ…』
 カメラの女が、舌打ちしながら大柄な男に注意する。
『ごめん…ついムカついちまってよう…』
 大柄な男が謝る。
(リーダーは、この女か…)
 俺は、驚きを隠せなかった。
『反抗するのは自由って言ったわよね…いつまで持つか楽しみにしても良いわね…でも、忘れないでね。こうなったのは、生意気な態度が原因だって』
 カメラの女が、おびえる表情の香織を正面から捉え、言い聞かせるようにゆっくりと話す。

 香織はガクガクと身体を恐怖に震わせながらも、目にはまだ抵抗の意志をたたえていた。
 カメラの女は、[フン]と鼻で笑い、合図をしたようだ、周りの男達がイソイソとフレームアウトして行く。
 目だし帽の女が、両手にチェーンを持って、振り回しながら香織に近づく。
 おびえる香織に、ヒュンヒュンとチェーンを回して、香織の身体ぎりぎりの地面に叩き付け、[バー]と大きな声で脅かす。
 震え上がる香織の、膝のベルトの外側にチェーンの金具を引っかけ、反対側を首輪の金具に通し、締め上げて途中のチェーンに掛ける。
 香織は膝を思い切り、胸に引き寄せた形で、足を大きく開き固定された。

 その後、口枷をはめられ、口を閉じる事も禁止される。
『用意が出来たわね…じゃぁ今日のお遊びは、達磨さんが転んだね…最後まで残った人が、次の調教のメインよ。さぁ頑張ってねー』
 大柄な男が横に成り、足を蹴られた男がその足下、目を叩かれた男が頭側に立つ。
 香織は胸に足を引きつけた状態で、よちよちと其処まで歩いて行く、後ろから目だし帽の女が、鞭で香織のお尻と背中を叩き追い立てる。
 和式便所でしゃがみながら、微調整をするような動きで、香織は3m程離れた場所まで、鞭に追われて移動する。
 前後から、必死で進む香織を笑いながら、カメラが移動していく。
 やっとの思いでたどり着いた香織は、開いたままの口から涎を垂らし、全身汗だくに成っていた。
『おら!早く乗れよ!』
 横に成った大柄な男が、香織に命令する。
 香織は諦めた表情で胸を預け、そこを支点に男の身体を踏まないように移動し、跨った。
 その格好は、ジャンプスキーの選手のように、バランスを取っている。
『さあ、達磨さんが位置に着いたわね…みんな準備良い?行くわよ。達磨さんが転んだ』
 目だし帽の女が、鞭を指揮者のタクトのように振りながら唱える。
 3人はそれぞれの穴に、チ○ポを突き立て、そのリズムで腰を振る。
『ぐぎーーーひーーーがはぁーごほぉ』
 魂切るような悲鳴を上げ、香織が白目をむく。

 当然だ、オ○ンコとアナルの両方の処女を奪われ、口にはチ○ポが深々と刺さって喉奥を突く。
 香織の拷問はまだまだ続く、2回目の決まり文句が、目だし帽の女の口から発せられる。
『だーるまさんが、こーろんだ…』
 そのリズムに合わせて、三人はチ○ポを出し入れする。
 達磨さんが転んだ、達磨さんが転んだ、激しいリズムで、香織に対する抽出を激しく行わせる、目だし帽の女。
 香織の身体は、なすがままに揺れ、白目をむいている。

 だーるまさんがこーろんだ…何度目かのかけ声の後、ウッと唸ってアナルを犯していた足を蹴られた男が、腰をビクつかせる。
『はーい、1回目の場所交代、チェンジターイム!』
 目だし帽の女が、鞭を頭の上でグルグルと回して、告げる。
 男達は、チ○ポを引き抜き持ち場を変わる。
 アナルを犯していた男は口へ、オ○ンコを犯していた男はアナルへ、口を犯していた男はオ○ンコへそれぞれ場所を変え、穴の入り口で待機する。
 そして、また[だーるまさんがこーろんだ]のかけ声で、抽出を繰り返す。

 どうやら、これは3人のうち誰かが、射精をすると持ち場を換えて、犯し続ける遊びらしい。
 だが、この遊びの終わりは、何時に成るんだ。
 延々と続く達磨遊び、間に入って犯され続ける香織。
 7度目のポジションチェンジで、足を踏まれた男が脱落した。
『もう駄目だ…立たなくなった…ちぇ、失格かぁ〜』
 4度放った、男はへろへろと腰を付く。
『ジョーカー登場!』
 男がへばった後に、目だし帽が下半身丸出しで、人造ペニスを着けて登場した。

 アングルはそのペニスを捉えアップにする。
 それは、双頭のバイブのようで、反対側は目だし帽のオ○ンコに咥えられていた。
『もう…あまり撮らないでよ…お金取るわよ…』
 目だし帽の女は、羞恥心が目覚めたのか、冗談めかせて言った。
 そして、射精の無いジョーカーを交えて、達磨遊びは続いて行く。

 延々40分程続いた達磨遊びも、終演を迎える。
 足を蹴られた男が、香織のオ○ンコに4度目の射精をし
『あーっ、もうチ○ポ痛ーぇ…降参…降参するわ…』
 言いながら香織から離れ、チ○ポを握って振りながら言った。
『ケッ…だらしねーな…俺は後2回は出せるぜ…』
 大柄な男が苦しそうに、やせ我慢をする。
 この男も、香織の中に4回精を放っている。

 放り出された香織は、目だし帽の女に口枷の中をまさぐられている。
『香織ちゃん…。ちゃんとご主人様のザーメン飲まなきゃ駄目でしょ…』
 そう言いながら、床に散らばった精液をすくい上げ、香織の舌に擦り付ける。
 香織の視線は恐怖に濁り、怯えた表情で目出し帽の女を見ていた。
 目出し帽の女は、香織のオ○ンコの中に指を突っ込み、破瓜の血と愛液に混ざったザーメンを掬い出すと
『この香りはねぇ〜。一生に一度の匂いなの…存分に楽しんで…』
 そう言いながら、香織の鼻に塗りたくり、鼻の穴に指を突っ込んで、鼻腔の奥にも塗りたくった。
 たっぷりと掬っては、何度も何度も鼻に塗り込む、目出し帽の女。
 香織の心は、次第に砕かれていく。
 執拗なまでの陵辱に、心が麻痺してゆくのが、目の表情で解る。

 全ての拘束を外された、香織に男達が輪を作って集まる。
『汚れた身体を綺麗に流してあげて…』
 カメラの女が男達に言うと、チ○ポを持って香織に放尿する。
 汚れを小便で洗い落とされた、香織の身体に制服が放り投げられ
『この場所は、ここだから、10分も走れば家に着くわ…但し世界記録並みのスピードで走ってね…はぁはっはぁー』
 高笑いしながら、紙切れを香織に放り投げる。
『今9時半ぐらいだから、急がないとお姉さんが帰ってくるわよ。良い…ばれたら、お姉さんも同じ目に合わすわよ』
 カメラの女の高笑いで、一本目が終わった。
 俺は、この映像を最後まで正気で見れるかが、心底疑問に思えた。
 今でさえ沸き上がる、殺意をどうする事も出来ずにいる。



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