あとがき。

 ラーミアまでたどり着くことはできませんでした。ネクロゴンド&シルバーオーブ&イエローオーブイベント、なんとかかんとか終了です。
 待ってくださっている方には今回も、長々お待たせしてしまい申し訳ありません。悪化する一方の自分の持病を、自分の力ではまるで御しきれませんでした。
 これから自分の体調がどうなるかもまるでわからない状態ですが、せめて自分で書くと決めた作品は、きっちり書き終えられるよう、全力を尽くしたいと思います。

 今回の主なイベントは、シルバーオーブ&イエローオーブ入手イベント。自分イエローオーブの入手フラグがどこにあるのか、というのが未だにきちんとわかっていないところがあるので(シルバーオーブ入手前にいくら商人の街を出たり入ったりしてもイベントが進行しない、という経験を何度かしたことがありまして)、思いきってイエローオーブ入手はシルバーオーブ入手後、ということにしました。話の流れからしてもそちらの方がきれいだったので。
 シルバーオーブに関しては基本、ネクロゴンド侵入からの戦闘イベントとしてしか描きようがないですが、イエローオーブ入手イベントはこれまで商人の街の商人として、あれやこれやと頑張ってくれたオクタビアの最後のイベント。自分は彼女にかなり思い入れがありましたので、自分なりにできる限りの力を込めて書かせていただきました。
 この世界の『人でなし』に向ける強烈な反発心、対抗心。人の力で自分の生き延びる場所を創るという矜持。そこらへんはオクタビアの初登場時から決めていたことなのですが、『オクタビアが街中の人から税を絞り上げて借金をしまくてでも街を大きくし続けようとしたのは、彼女が強烈なトラウマと強迫観念を抱いていたから』とか『セオたちに対する命令権を得ておきながらそれを行使しなかったのは、そもそもその行為の動機が勇者への対抗心によるものだったから』とか『上の世界での商人の街でしか買えない品物は、オクタビアが私費を投じて、近在のミスリル鉱脈を活用し、職人たちに研究させていたもの』という辺りの話は、今回の話を掻き始めてから思いついたことです。
 いや我ながら鈍いなーとは思うんですけど、そうじゃなかったらおかしいだろ、と思えるところに書き始めてからいくつも気づきまして。当初オクタビアが税を絞り上げまくったのは、街の安全のために金を費やしたからだったんですけど(商人の街だから商売ができればどれだけ税を取っても街としてはやっていけるけど安全性が保障されなかったら人がやってこないし居着きもしないから、みたいな理由で)、曲がりなりにも一代で巨大商業都市を築き上げたオクタビアが、商人たちからどれだけ金を巻き上げれば行動を起こされないか、みたいなそこらへんの経済感覚身に着けてないわけないよなー、とか。セオたちへの命令権を得ておきながら行使しないって、考えてみたらおかしいよなー、とか。
 そういうもろもろの気づかなかったことと、もう書いてしまったこととの矛盾点がないよう、話の筋がちゃんと通るよう、あれやこれやといじり倒して、なんとかかんとか今回の話を書き上げた、という感じです。いつもながら拙い手法でお恥ずかしい限りですが、一応かろうじて話が破綻しない程度には体裁を整えられた、かなぁ? というところでしょうか。見苦しい有様を晒して申し訳ありませんが、ご容赦いただけましたら幸いです。

 次回はラーミア、そして竜の女王からバラモスまでの予定です。いよいよ魔王との対戦、できる限り全力で盛り上げていきたいところですが、どうなることやら。我がことながら不安ですが、なんとか来年まで話をもつれさせるようなことがないようにしたいですね。

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