この作品には男同士の性行為を描写した部分が存在します。
なので十八歳未満の方は(十八歳以上でも高校生の方も)閲覧を禁じさせていただきます(うっかり迷い込んでしまった男と男の性行為を描写した小説が好きではないという方も非閲覧を推奨します)。



グラッド兄貴とライのらぶらぶ生活・その3
 トレイユ駐在武官グラッドと、忘れじの面影亭主人ライは、当然のように恋人関係を満喫中だった。周囲から微妙に鬱陶しげな目で見られながらも、まだまだらぶらぶ蜜月の真っ最中である。
 今まで同様朝も昼も欠かさずグラッドはライに会いに行くし、夜は夜でしっぽりやることをやりまくっている。だんだんことに及ぶ頻度が増えてきているような気がしつつも、新婚(的な)生活の幸福にどっぷり浸かっている(少なくともグラッドの)頭にはそれも当然なことのように思えていた。
 仕事をしっかりやるのはむろん当然だが、もう二人が一緒にいることができる時間は残り少ないのだから、と夜の生活の方についつい精力を傾けてしまうのは仕方がない。試験勉強もあるので正直体力的にも厳しいものはあるのだが、それでもライとベッドを共にする快感はなにものにも替えがたかった。
 そんな幸せとしか言いようのない生活ではあったのだが。
 グラッドには、ひとつ、ちょっと人には相談できない悩みがあった。

「はい、終わり。一応お薬出しておくから寝る前に飲んでね。中を掃除したから大丈夫だとは思うけど」
「はい……どうもありがとうございます」
「でもねぇ、いくら治したって肛門で性交してたらどうしたって根本的な解決にはならないんだよ? 治療費だってタダじゃないんだから、もう少し考えなさいよ。駐在さんももう大人なんだからさ。我慢するぐらいできるでしょ?」
「はい……」
「今度来たらあの蒼の派閥の召喚師さんに治療してもらうことにするからね。はいお疲れさまでしたー」
「それだけは勘弁してください……」
 医院を出て、はぁ、と小さくため息をつき歩き出す。本当に、なんとかしなくちゃならない。しなくちゃならないのは、わかっているんだが。
 なにをかというと、話は単純。グラッドは、尿道炎に悩まされていたのだ。
 最初はちょっと小便をする時にあそこが痛いような気がして見回りのついでに見てもらっただけだった。が、そこで医者の先生に尿道炎だと宣告され。こっそり耳元で聞かれてしまったのだ。
「あの忘れじの面影亭の男の子と、内縁の夫婦になったんだってね?」
「はい、まぁ……」
 我ながら色ボケた顔で(男同士という後ろめたさもすっかり忘れ)照れ照れと笑ったグラッドを、医者の先生は厳しい目で睨みつけた。
「それで、夜の生活のことなんだけど。……肛門性交は、してるのかい?」
「……はぁ!?」
「下世話な好奇心で聞くんじゃないよ。わかってるのかい? 肛門性交はね、やればやるほど尿道炎になりやすいんだよ」
「え……ええぇぇ!?」
 そこでグラッドはようやく後孔に性器を挿入することが性病の温床ともなる行為であると知ったのだ。
 はぁ、とグラッドは夕陽を見つめため息をつく。幸いトレイユの住民の健康をほぼ一手に引き受ける医院の先生は、テイラーが提供してくれたという機界の治療具を持っており、適切な投薬の力もあって初期の尿道炎ならばあっという間に治療してくれたのだが。当然あっという間に治すにはそれなりのお値段がするわけで。
 実際グラッドの財布はだいぶ厳しいことになってきた。試験のための金は給金から直接積み立ててあるからその点では困りはしないが、生活費がごりごり削られていくのはどうにもならない。
 毎食ライのところでご馳走になっているから食費の心配はいらないとはいえ、ライに世話になりっぱなしというのも情けないし、それ以外の生活必需品もやはり必要だ。ライがほしいものを見つけた時に、恋人として軽く買ってやれる程度の貯金もほしい。
 だから、ライと後ろでするのは控えるべきだ、とわかってはいるのだが。
「……やめたくねぇ〜………」
 深々と息をついて心底からの言葉を吐き出す。そうなのだ、やめたくないのだ。だってライ可愛いし。後孔めっちゃ締まりがいいしぐにぐにとグラッドを愛撫してくれるし。ライの体の中に出してチューしたり耳舐めたりしながらぐったりした体でいちゃつくのめっちゃ幸せだし。
 ああ、どうすればいいんだ、俺。性病なんて持ってたら上級科試験に落とされる可能性だってあるし、第一いい加減俺も普通に気にしないで小便ができるようになりたいのに。でもでもやっぱりライと後ろでできないなんて耐えられない。あと数ヶ月の蜜月を思う存分堪能しておきたいのだ。
 どうすればいいんだろう。
「……男同士って、難しいんだな……」
 思ってもみなかったところで男同士の恋人というものに立ち塞がる壁を感じ、深くグラッドはため息をついた。

 そんなことを考えている間にも夜は来て、グラッドはいそいそとライのいる忘れじの面影亭に向かうわけで。
「よう、ライ!」
「あ、兄貴!」
 ぱっとライの端正な顔が輝くのを見て、グラッドはああ可愛いなぁ〜とでれでれする。意地っ張りなライは二人っきりの時、相当気分が盛り上がってからでないと自分に甘えてきてはくれないのだが、グラッド的にはこの会った瞬間の表情の輝きだけでもライが自分に惚れてるんだなぁ〜と実感できて幸せだったりするのだ。
「腹減ってるか? 今最後のお客さんが帰ったところなんだ、食いたいもんなんでも作ってやるぜ?」
「はは、そうだな、それじゃちょっと豪勢に野生ステーキ丼でも……あ、ライ、夕飯食ったか?」
「え? まだだけど」
「じゃあ一緒に食おう。ここのところ一緒に飯食えなかっただろ?」
 にっと笑顔で言うとライは少し頬を赤らめて、「いいけど……」とうなずいてくれた。ああ本当にこういう風にいつまでも初々しいライは本当に可愛いなぁ、とでれでれしながら、グラッドはキッチンに向かうライの後姿を視姦した。自分のために料理をてきぱきと作ってくれる恋人の後姿、しかも生足というのは男として非常に心震わされるものがある。
「おまちどう!」
「おーっ、うまそう! いっただっきまーす!」
「……どうだ?」
「うん、うまいよ。ライの作る飯はいつも最高にうまいけどな」
「そっか、よかった……」
「ん? 深いため息だな。もしかして俺相手に料理作るのに緊張してたりするのか?」
「誰かに料理を作る時はいつだってちょっとは緊張するさ。うまいって言ってもらいたいしな。……まぁ、そりゃ、兄貴だから、俺にできるめいっぱいうまい飯食わせてやりたいとかは、思う、けどよ……」
「………(可愛い奴めっ!)。あ、ライ」
「え?」
「(ちょい、と口元の食べかすを親指で取り)ついてるぞ」
「あ、わり……」
「ん……(そのまま唇をそっとなぞり、自分の唇に触れさせぺろりと舐める)」
「……っ! 兄貴、なにしてんだよっ!」
「え? いや、まぁ。あはは。間接キス?」
「な、んな、なんで、急に、そんな」
「まぁ……一度やってみたかったんだよ。あと、お前の唇がつやつやしてて、キスしたいなーって思ったんだけどさすがにここではまずいかなーって一応自重してみた」
「(顔真っ赤)………っ………バカ」
「あはは……悪い(ちょっと顔赤)」
 こんな調子でリュームの冷たい視線を浴びながら食事の間中えんえんといちゃついて。ライがキッチンの後片付けと明日の仕込をするのを眺め。
 誰もいなくなった食堂で、二人向き合いそっと抱きあった。
「ん……む、ぅ」
 ついばむようなキスを何度か落とし、唇で唇を挟んで甘噛みする。右手でライの腰を抱き寄せつつ、左手はライの右手と指を絡めてこちゃこちゃと愛撫してみたり。そんな風にライに触れるたびに、ライはびくん、と体を震わせかすかに声を漏らす。
 必死に声を我慢してるのが可愛いなぁ〜、とでれでれしながら必死に顔を引き締めてキスを続けた。舌でれろりと唇を舐め、それから舌を差し込みつんつんとライの舌をつつき、ちゅっちゅと吸ってれろれろと口内を舐めながら股の間に足を割り込ませてお互いの股間をぐりぐりと擦り付けてやると、ライはもうめろめろで「んん……う、はぁ……」とかぽうっとした顔で喘いでくれる。
 あーもー可愛いっ! 今すぐ押し倒して突っ込みたいっ! と思いつつもライはベッド以外でするのは絶対嫌、というわりと固い頭の持ち主なので燃え上がる情欲を我慢しながら抱き上げて――
 その時はっと、医院の先生の言っていたことを思い出して動きが止まった。
「………? 兄貴?」
 ぽやんとした顔でこちらを見上げるライは最高に可愛くて下半身はいざ行かん寝室! と喚いているのだけれども、頭に残っていた理性が今月給料日まで何日か、今財布にどれだけ残っているかということを冷たく告げてくる。
 ううっ、ヤりたいのに、今すぐ押し倒したいのに〜! と思いながらも一度現実を思い出してしまったら根本的なところで小市民なグラッドは思いきれなくなった。うううこんな時にこんなこと言い出す俺って、と思いつつもグラッドは深々とため息をついて怪訝そうなライに言う。
「ライ。実は、俺……」

 話を聞きながら少しずつ理性を取り戻してきたライは、グラッドが話し終わると顔をしかめて言った。
「それってつまりどーいうことだよ」
「どーいうことって……」
「兄貴は、もう俺と、その……(顔を赤くして、しかめっ面で)したく、ないのかよ」
「まさかっ!」
 勢いよく首を振るとライは少しほっとした顔をして、それからまた顔をしかめて聞く。
「お医者さんはなんて?」
「その……後ろでするのは控えるようにって。挿入しないようにしないと解決にはならないよって……」
「…………」
 ライは顔をしかめたままややうつむき加減にこちらを見ている。見えるのは下半身だけだろうとは思うのだが。
 どういう反応をするか、正直グラッドは読めなかった。ライは基本的にカッとなりやすいところはあるものの理性が勝った思考をする。よっぽど衝撃を受けて冷静になれないというのならともかく(響界種だということを知って仲間と一緒にいられないのではと思った時のように)、一見勢い任せのように見えるが(事実勢い任せなところもあるが)実は勝算があると思うから(無意識下での思考の時もあるが)突っ走れるのだ。
 なので「駄目ならしょーがないだろ」とあっさり受け容れる可能性もあるし(そう言われたらグラッドは泣いてしまうかもしれない)、「俺が治療費出そうか?」と言ってくれる可能性もある(いや無理かな……ライ病気とか嫌いだもんな……と思いつつも諦め切れないグラッドであった)。ライなりにちゃんと考えてくれることは確かだろうと思うのだが。
 しばしの沈黙ののち、ライはうつむき加減のまま言った。
「あのさ」
「うん……」
「他に方法、ないのか?」
「え?」
「なんていうか……俺が尻の中を、ちゃんと洗っておくとか、消毒するとかさ、そういうので、今までどおりにできねーかな」
「……ライ」
 思わずまじまじと見つめると、ライは耳まで赤くしながらぎっとグラッドを睨み、夜なので少し抑え目に怒鳴った。
「俺だって! 兄貴と、するのは、その、好き、なんだよ。ちゃんとできないの、嫌なんだよ。悪いかよっ」
「いや、その、なんというか」
 グラッドはちょっとしどろもどろになったが、今は欲望と感情を抑える意味などないと気付き、ぐいっとライを抱き寄せて耳元に囁いた。
「すごく、嬉しい」
 掛け値なしの本音の言葉。ライは「っ………」とわずかに息を詰めてから、くりくりとグラッドの胸に頭をこすりつけてきてくれた。

 それからしばらく耳元にキスしたり耳たぶを噛んだり舐めたり吸ったりまたキスしたりといちゃいちゃしたりもしたが、それが済んだら現実に向き合わなくてはならない。二人は顔をつき合わせて相談した。
「お医者さんはなんか教えてくれなかったのか?」
「うーん、避妊具とか使えば予防にはなる、って言ってたけど」
「避妊具ってなんだよ?」
「えーと、まぁあれだな、男女の交わりで子供ができないように、アレに精液が飛び散らないようかける絹とかでできた覆いというか……」
 グラッドがもにょもにょと説明すると、ライはぴんとこないのか眉をひそめながら首を傾げた。
「よくわかんねーけどそれで予防ができるなら、使ってみるか?」
「う、うん……」
 グラッドはまたもにょもにょと口をうごめかせる。ライがまた首を傾げた。
「駄目なのか?」
「駄目、じゃないんだけどな」
 できるなら避けたかったりするのだ。だってやっぱり生の方がいいから。中出しするの好きだし、それにライのあの内壁の絶妙な感触はやはり生でしか味わえなごにょごにょ。
「駄目じゃないんならやってみようぜ」
「うー……あー……」
 純真な瞳で見つめてくるライから微妙に目を背けながら、グラッドは必死に考えた。このままでは避妊具を使う方向で決着してしまう。どうしようもなくなったらそれに頼るのも仕方がないが、その前になんとか避けるための試行錯誤を――
 はっとしてグラッドはがしっとライの腕をつかんだ。ライが驚いた目でこちらを見るのに勢いよく言う。
「その前に、試してみたいことがあるんだが、いいか!?」
「え、いい、けど?」
 きょとんとした顔でうなずくライに、グラッドはこっそりガッツポーズした。

「……本当に、それ、やんの?」
「ああ。こうして腸内を洗浄しておけば大丈夫なはずだ!」
 グラッドは力強くうなずく。現在二人がいるのはライの家のトイレだった。グラッドの右手にはイチジク型の浣腸器、ライは下半身のズボンをずり下ろしてわずかに顔を赤くしながらグラッドを見上げている。
 要するに、グラッドは性交前にライに浣腸をすることで尿道炎が防げないかやってみようとしているわけだ。
 幸いライの家のトイレには脱臭用の薬草が置いてあるため匂いはかすかにしかしない。浣腸の具合を確かめてみるには絶好の機会だというわけだ。グラッドとしてはライの可愛い恥じらいの表情と局部を隠そうとする仕草にムラムラするものはあったが、自分で浣腸を試させてくれと言ったのだから今は浣腸に集中するべきだとライの下半身を見つめた。
「あんま、見んなよ……」
「見なきゃ浣腸できないだろ。ライ、トイレの上にしゃがんで」
「しゃがむって……」
「浣腸しやすいように。尻の孔をこっちに向けてくれないか?」
「……うーっ」
 ライは恥ずかしそうに唸りながらも、素直にトイレの腰掛の上にしゃがんでグラッドに尻を向けた。あー突っ込みたいなー恋人がこっちにどうぞ挿れてくださいって感じに尻向けてくれるんだもんなー、と思いはしたがいやいや今はあくまで実験みたいなもんなんだから、とそっとライの腰を支える。
「ちょっとそのままな……うーん、浣腸ったって乾いた孔にいきなり挿れたら痛いよな。ちょっと馴らすか」
「え、あに」
「力抜いてろー」
 グラッドはいつも通りにたっぷりと指に潤滑油をつけ(潤滑油は基本的にいつでも持ち歩いていたりする)、にゅるにゅるぬるぬると後孔に塗りつけた。まずは入り口にたっぷり塗ってぬるぬるにして、それから指を一本だけ挿入。もちろんこの指にもたっぷり潤滑油は塗りつけてある。
 それから何度も潤滑油を塗り直しつつ、後孔がぐちゃぐちゃになるまで小刻みに入り口と中を愛撫しながら後孔全部に潤滑油を塗りつける。この一ヵ月半でだいぶほころんだライの後孔は、ちょっと気合を入れて馴らしただけで二本、三本と指をあっさり咥え込んだ。
「う、っく、ふ」
「? どうした、痛いのか、ラ」
 ライがなんだか苦しそうに見えて声をかけそうになって、からグラッドははっとした。ライの股間のまだ幼い陽物が、上を向き始めている。
「……あー」
「っ! 見てないで、早くやれよ!」
「あー、感じやすいのはいいことだと思うぞ? 少なくとも俺は嬉しいし」
「うるせぇ兄貴の馬鹿そーいう問題じゃねーだろっ!」
 顔を真っ赤にしながら小声で怒鳴るライに苦笑する。嬉しいのは本当なんだけどな。だってこんな風に後孔で乱れちゃうのは、俺が後孔の気持ちよさをお前に教え込んだ結果なんだから。だよな?
 と言ってやりたい気持ちもあったが、そこは照れ屋な年下の恋人の心情をおもんばかって言わないでおく。
「じゃあ、浣腸挿れるぞ?」
「……うん」
 つぷっ。
 浣腸器の先端をライに挿入し、中心を押して中の薬液をずぶずぶっと注入する。ライが「うあ……」と気持ちいいのか悪いのかわからない声を上げた。
「ちょっとの間我慢しろよ。腸の中にあるのが全部出るようにな」
「うぅ」
「……もう出そうか?」
「うん……気持ち悪ぃ……」
「強力らしいからな、この浣腸。でももーちょっと我慢してくれ。きゅっと尻の穴を引き締めてな」
「……なんか、兄貴……楽しそう、じゃねぇ……?」
「え? そうか?」
 言われて自分の心中を顧みて、初めて気付いた。言われてみれば、これは性交前の準備段階にすぎないのにちょっと妙に楽しい。
 だってライが羞恥と苦しさに涙を浮かべながら必死に耐えているのだ。いつでも性交可能なくらい後孔を広げて。別に恋人を苛めるのが好きというわけではないが、恋人の可愛い姿を見て楽しくなってしまうのは当然のことだと思う。
「まぁいいじゃないか、何事も楽しい方がさ」
「そーいう、もんじゃ、ねーだろ……っ」
 ぐりゅううううっ、とライの腹が鳴った。薬液が今ライの腸を思いきり活発に動かしているのだろう。ライが顔を歪めて歯を食いしばる。グラッドは本気で楽しくなりながら必死に堪えるライの腹を後ろから撫でた。
「もーちょっと、頑張って堪えてくれ。できるだけ我慢してくれないときれいにならないからな」
「……っ、兄貴、外、出ててくれよ……」
「え? なんで?」
 きょとんと訊ねると、ライは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「当たり前だろ!? ウンコするとこなんか見せられるわけねーじゃねーか!」
「ああ、そういうことか。いいんじゃないか、別に?」
 ライはぱかっと口を開けて愕然という表情を見せた。
「なに、言って」
「排泄の後始末とか一人よりやりやすいだろうし。俺は別に平気だぞ、ライのウンコ出すとこ見たって」
「俺がヤなんだよ! だから、外にっ」
「いやいやここまできたんだからせっかくだし」
「なにが、せっかくっ……!」
 本気で半泣きになってグラッドを睨むライを、グラッドはにやにやと眺めた。グラッドは別に恋人を苛める性癖なんぞ持ってはいない。だが、好きな相手をちょっと苛めて恥ずかしがらせるというのはかなり燃えるものがある。普段は気丈なライが本気で泣き入るというの珍しくて楽しいし。スカトロの趣味はないが、一回ぐらい恋人の排泄するところを見るというのもプレイとしてはちょっと燃えてしまうものがあったりもするし。
 グラッドはそっと優しくライの腹を撫でる。排泄を必死に我慢しているライは抵抗できない。ほとんど動けないまま、顔を歪めながら必死にグラッドの攻撃に耐える。
「兄貴、本当に、俺、やだから、だから、頼むから」
「まぁまぁ心配しなくても大丈夫だから。そろそろ出してもいいんじゃないか?」
「やだ、やめて、おねが、やだよぉ、おねがい、やだ、やだぁあぁぁ!」
 ぶぴっ、ぶぴゅびちぶりぶりぶりっ。
 大量の大便と腸液、そして小便をかなり長時間にわたってトイレの中に排泄し、ライはがっくりと体から力を抜いた。それを支えてやりながら汚れを拭き、用意しておいたぬるま湯をライの腸内に注ぎ入れてもう一度排泄させる。呆然としているライに苦笑しつつ作業を続けた。
 うん、俺にはスカトロの趣味はないな、とグラッドは実感できた。ライの体から出てきたものでも便は便だ。だがライが排泄する瞬間はやっぱりぞくっとするものがあったりもしちゃったりしたが。
「……う」
「え?」
「う……う、う、うぅ、うぅーっ……」
「え、ちょ、ラ、ライ!?」
 必死に堪えているようだが、それでもライの瞳からぽろぽろとこぼれおちる涙にグラッドはビビった。だってライはああ見えてめったなことじゃ泣かない奴だ。こんな風にぼろぼろ泣くのはグラッドだって告白することになったなんだかんだの時の一回ぐらいしか見たことがない。
 そのライが本気で泣いている。堪えても堪えても堪えきれないというように。
 ……もしかして、俺、すごいひどいことしちまったんじゃないか?
 ざーっと顔から血の気が引き、グラッドはライに抱きついた。必死に頭を撫でながら叫ぶ。
「すまん! ごめん! 悪かった! 俺が悪かった、殴っても蹴ってもいいから許してください! 悪気があったんじゃなかったんだ、反省してますからどうか許して」
「わる、ぎがなかったらいい、ってもんじゃ、ねぇだろ……っバカァ!」
 ぽかぽかとライは拳を振り上げてグラッドを殴る。ちょっと本気の力が入っていて、グラッドはかなり痛かったが当然の報いと声は上げなかった。
「すまん、本当に俺が悪かった。調子に乗りすぎました。本当にごめんなさい。なんでもしますから許してください」
「兄貴のバカ、へんたい、なに考えてんだよ、もう、もう、う……っ」
 泣きじゃくるライを必死に抱きしめキスを落としながらグラッドも泣きそうだった。ライがまだ十五歳の純真な少年だというのを忘れていた。調子に乗りすぎた。どうしよう、こんなことで別れを切り出されたら泣くに泣けない。本気で。
 ひたすらにライを抱きしめ、髪を梳いているとライの泣き声は少しずつ落ち着いてきた。まだしゃくりあげてはいるものの通常時に近い瞳でグラッドを睨む。
「……反省、してんのかよ」
「はいっ、してます」
 ノリとしては直立不動の姿勢になった時のように体を固まらせ、ぴしっと答えるグラッド。ライはぐしっと鼻をこすって言った。
「じゃあ謝る気あんのか」
「はいっ、あります」
「じゃーなんでも俺の言うこと聞くか? さっきなんでもするって言ったよな?」
「う……できる、限りは」
「ほー」
 ライはにーっと、少しばかり意地悪そうに唇の両端を吊り上げた。
「じゃーしてもらおうじゃねーか」

「……えと、ライさん。この状況はいったいどーいうことなんでしょーか?」
「なんでもするんだろ?」
「いやなんでもするけどこれってちょっとこれは違うんじゃないかなーって思ったりするんだが」
「文句言う権利あると思ってんのか」
「いえありませんすいません……」
 というか本気なんですかライさん、とグラッドは手足を縛られベッドの上に固定された状態で思った。縛りプレイなんて俺だってやったことないのに。というかむしろ俺がライにやりたいのにという思考を蹴り飛ばして現在の状況に震える。
 場所はライの部屋。グラッドはライに縄で手足を固定されていた。グラッドがいざという時抵抗するのを防ぐためだそうだ。なにせ。
「いや、けど、あのさ。俺に突っ込むっつーのはやっぱりその、変じゃないか? 俺に突っ込んだって楽しくないだろ」
 つまりはそういうことだ。ライは、グラッドに「俺に突っ込ませてもらおーか」と(悪そうな顔で)宣言したのだ。
 抵抗を防ぐために手足を縛り、とろりと潤滑油を指に出すのを見ながらかなり焦りつつグラッドは言った。ライの本気をかなり疑っていたのだが(だって自分みたいな男に突っ込んだって普通楽しくないだろう)、ライの瞳はかなり本気っぽい。
「んなことないぜ。やってみたことないからどう思うかはわかんないけどさ、俺は俺が兄貴にしたらどうなんだろうとか想像してみたことあるから。少なくとも嫌な気分にはならなかったし、一度くらいやってみたいって好奇心もあるしな」
「いやまぁそれはわかるけど」
「気持ちよかったら二度三度とやらしてもらおっかな。逆らえねぇよなぁ、兄貴?」
 こちらを見つめてにやりと笑うライの瞳の輝きに背筋が一気に冷える。ライは本気だ……!
 グラッドは顔の表情筋を活発に活動させながら必死に思考を回転させた。嫌だ、かなりな勢いで嫌だ、本気で嫌だ。だっておかしいだろどう考えても、俺が挿れられるなんてさぁ! 男なんだし!
 でもライも男じゃん。
 ズビシッと思考に入った突っ込みにグラッドはうぐっと固まる。いや、それはそうなんだけどライの方が可愛い。これは疑いようがない。可愛いものに突っ込みたいのは男としての本能だ。征服する性を持つ者として、抱かれるよりは抱く側に回りたいのは本能で。
 だからライも男じゃん。
 うぐぅぅぅっ! そうだけど! そうだけどぉぉ!
 グラッドは歯の隙間から漏れる呻き声を押し殺して頭をぐるぐるさせた。ライの方が年下なんだし。でも年下の方が男役に回るカップルも多いって聞く。俺の方が経験豊富だ。といっても誇れるほどの経験があるわけでもない。ライの方が突っ込まれるのに慣れてるんだから。でもだからよけいにたまには普段と違う立場に立ってみたいという気持ちもわかる。
 あああ駄目だどう考えてもライの言葉に反論できねぇぇ、と泣きそうになって、いっそ泣き落としで勘弁してもらおうかとまで考えたが、ぶるぶると首を振った。いや駄目だ。だってこれは謝罪の証なんだ。俺が悪かったと思ってることをライに伝えるため必要なことなんだから、俺の都合で勘弁してもらうのは筋違いというものだ!
 ぎゅっと拳を握り覚悟を決めて、グラッドはこちらを見つめるライににっと笑いかけた。
「わかった、ライ。お前がしたいならいつでも来い! どーんと受け止めてやるから!」
 気持ち的にはどんっと胸を叩いてやるくらいの気持ちで。
 ライはそのグラッドの笑顔をしばし見つめ、ぶっと噴き出した。くっくくく、と体を折り曲げてくぐもった笑い声を漏らす。グラッドはぽかんと口を開けた。
「ラ……ライ?」
「兄貴、本気で焦ってん……マジおかしっ……くくっ」
「え」
 笑い声がどういう意味かしばらく考えて思わず頬がカッと熱くなった。
「おま……からかったのか!?」
「いーや。途中までは本気でやっちまおうって思ってたんだけどな」
 くっくっく、と笑いながらライはおかしそうに言う。
「でもさ、兄貴本気でどうしようどうしようって顔してから、ちょっと顔引きつらせながらも笑ったからさ。本当はすっげー嫌なんだろうけど、でも俺がそうしたいって言ったから、俺に悪いって思ったから笑ってくれたんだろーなって思ったら、別にいいかってさ。気ぃ済んだ」
「……うー」
 そういうことを言われると、ライがちゃんと自分を見てくれてるんだという気がして、照れくさくも嬉しい。だがそれを改めて言うのも間が抜けているので、うーあーと呻きつつ感情を発散していると、ライがにっと笑って体を傾け、ちゅっと唇にキスを落としてきた。
 ライが自分からキスをしてくるというめったにない事態に目をぱちくりさせていると、ライは照れくさそうに笑って言った。
「いいから、しようぜ。せっかくあんなことまでしたのにさ、もったいねーじゃん」
「う」
 その言葉に『あんなこと』の詳細を思い出しグラッドの下の足に熱がともる。ライを抱きしめようと手を伸ばそう、として縛られていることに気がついた。
「う……ライ、この縄外してくれないか?」
「外してほしいのか?」
「そりゃ、そうしないとできないし」
「ふーん。どーしよっかなー」
 ライがにやりと笑む。どうやらライは今回かなりいじめっ子気分が盛り上がってしまったらしい。
「ど、どーしよっかなってそんな、せっかくするのに」
 ライを触って弄って感じさせたいのにそれを許してくれないんじゃ、というグラッドが思ったのをたぶんわかっているだろうに、ライは考えるような顔をしてみせる。
「あれだけやられといて仕返しなしってのも腹立つしなー。今回は触るのなしってのもありだよな」
「えぇぇぇ」
 思わず悲痛な声を出してしまうグラッド。ライはそれを見てにやにやと笑っている。それはないだろー、と泣きたくなってしまうグラッドだったが、ふと脳裏にある案が閃いた。
「……じゃあ、自分で尻の孔馴らすんだな?」
「え?」
 きょとんとするライに、グラッドはにっこり笑顔で言ってやる。
「自分で尻の孔馴らして、ライが自分で俺のを挿れてくれるんだよな?」
「そ、れは」
「俺縛られてるからなぁ、自分では動けないし。そうしてくれないとできないよなー」
「う……」
「さぁどうする、ライ?」
 にーっとちょっと意地悪く笑ってやると、ライはカッと顔を赤くした。表情はなにかを睨みつけるように、でも恥ずかしいのかグラッドからは微妙に視線をずらして。けっこう憤然としてるなー、とグラッドはにやにやと思う。
 さぁどう転ぶか、と思っているとライはグラッドから微妙に視線を逸らしたところを睨んだまま、ベッド脇の潤滑油の瓶に手を伸ばした。お! と思っていると、奥歯を噛み締めながら潤滑油を手に取り、ベッドの上にしゃがみこむ格好でずっと勢いよく後孔に指を伸ばしたので慌てて言った。
「こら、そんなに乱暴にするな。俺普段そんな風にしてないだろ? まず周りをそっと撫でるようにしながら潤滑油を馴染ませて、それからそっと挿れるんだよ」
「……っ」
 ぎゅっと唇を噛んで、ライは今度はゆっくりと後孔に指を伸ばした。完全に意地になってるなー、とグラッドは苦笑する。まぁライが自分で自分のを馴らすところとか一度見てみたいと思っていたからかまわないが。
 そう考えてからふと気付いた。これって、一度やってみたいと思ってた騎乗位ができるのみならず、他にもいろんなプレイに発展できる状況じゃないか?
 ドキドキしながらグラッドはそろそろと怒った顔をしながらも少しばかり不安そうに後ろを探るライを見た。そして緊張しながら言ってみる。
「ライ。もうちょっと腰上げて」
「……なんで」
「お前が尻弄ってるところがちゃんと見れないだろ?」
「なっ」
 ライが口を開けて愕然とこちらを見るのに、グラッドは慌てて言った。
「そうしないとお前が後ろを傷つけちゃうかもしれないだろ? 繊細な部分なんだからそっとやらなきゃ」
「…………」
 ライは顔を赤くしながらもそろそろと腰を上げた。よーしよしよし、と拳を握り締めたくなるほど内心白熱しながらあくまで表面上は優しく言う。
「じゃあ、まずは人差し指だ。孔にそっと油塗りつけて。べとべとになったところに、挿れてみな」
「……っ」
 ライは顔を真っ赤にしながらも言われた通りに指を動かす。そのおずおずとした動きからどうすればいいのかよくわかってないのがわかり、うおー物馴れない風情がかわいーっ、とグラッドは内心悶えた。
「そう、ゆっくり指挿れて。まずは第一関節まで挿れてみてみろ」
「っ……っん」
「入り口でそっと前後左右に動かして。広げながら出し入れとかしてみな」
「う……っくっ」
「気持ちいいだろ? 気持ちいい方が孔もちゃんと広がるんだぞ。一回抜いて、また油つけて。今度は第二関節まで」
「っ……うぅ」
「いい子だ。今度は一番奥まで、ゆっくりと。自分で自分の気持ちいいとこ触りながらやってみな。前も触っていいぞ。けっこう元気になってるし。イかないように加減しながらな」
「っ………!」
 きっとベッドを睨みながら指示通りに指を動かすライを、グラッドはうおぉたまんねぇっ! と興奮しつつ眺めていた。一度くらいはやってみたかった、言葉責めプレイ!
 このくらいでは言葉責めとまではいかないかもしれないが、言葉でライをちょっとだけ苛めながら可愛がってやる、というのはかなり燃える。本当なら自分で触りながら可愛がってやりたいところだが、ライが自分を慰めているところも一度は見てみたかったのでこれはこれでいい。内心は思いきり息を荒げつつも、表面上はあくまで冷静を装いつつ(でないとカッコがつかない)言葉を連ねる。
「もうちょっと股広げて。その方がやりやすいぞ。ちゃんと俺に気持ちよく拡げてるとこ見せてみな。うん、いい子。可愛いぞライ。先っぽの方、濡れてきたか?」
「……っ、は」
「二本目、挿れてみ。ゆっくり、たっぷり潤滑油使いながらな。そっとだぞ。優しく抜き差ししながらやった方が気持ちいい。俺にされてること思い出しながらやってみな?」
「う……っ、ふ」
「三本目になってくるとちょっと苦しいか。最初は入り口の方だけちょこちょこ弄ってみ? ちゃんと、見えるように。お、今前の方がぴくんってしたぞ。俺に見られてるって思ったら、感じちゃった? 可愛いよ、ライ。いい子だ。そしたらゆっくり、拡げながら奥の方まで」
「んっ、はぁ―――………」
 ライを傷つけないようにゆっくり丹念に後ろを拡げさせる。じっくり言葉で(必死に落ち着いたふりをしつつ)ライを弄りながら。それはそれでめちゃくちゃ興奮したが、最後の方になるとグラッドには限界が迫ってきていた。
 ヤりたい挿れたい奥まで突っ込んで勢いよく動かしたい。欲望が抑えきれなくてプレイを楽しんでる余裕がない。だけどそれを言うのはさすがに面目が立たないので、もういいかな、というところまで拡げ終わるまで我慢しては、は、と荒く息づいているライにごくりと唾を飲み込みながら言った。
「そろそろ、俺の挿れてみな。俺の上にまたがって」
「………っ」
 ライはわずかに濡れた目尻でき、とこちらを睨んだが、言葉には逆らわなかった。もう言い訳しようのないくらいビンビンに勃っているグラッドの一物を見てごくりと息を呑んでから、のろのろとグラッドにまたがり、そっと腰を下ろしていく。
 が、入らない。なかなか入らない。つるっ、つるっと尻で滑ってしまう。
 もしかしてこいつ俺を焦らしてるんじゃないか、と思うほどじれったいその動きに、グラッドは自然息が荒くなってきてしまった。早く挿れたい、動かしたいのにライはなかなか挿れさせてくれない。
「ライ……っ、もっと、ぐっとつかんで。ちゃんと固定するぐらいの気持ちでいいから。ちゃんと孔のところに合わせて……っ」
 必死に指示をするがそれでもうまくいかない。「や、は」と切なげな吐息を漏らすライに、ライ自身じれったくてしょうがないのだと知った。
「な、ライ、ちょっとでいいからこの縄外して」
「っ」
「………っ!」
 もう取り繕っている余裕もなくなって言いかけた瞬間、ずぬりゅぅっ、とグラッドの一物がライの中に一気に入った。焦らされまくってようやく与えられた快感に、一瞬出しそうになってしまって必死に股間に力を入れる。
 なんとか射精を堪えようとしているグラッドに気付いているのかいないのか、ライは数十秒馴染むのを待ってから腰を動かし始めた。騎乗位なんて言葉すら知らないはずなのにこれも男の本能か。どう動かしていいのかわからないのか、前後左右むちゃくちゃに腰を揺らす。
「や、あ、は、う」
 普段ならもう少し大きくとか勢いよくとか言う余裕もあっただろうが、必死に射精を堪えているグラッドにはこれはもうある意味生き地獄だった。
 気持ちいい。出したい。出そう。でも出しちゃまずい。ああでも出したい。勢いよく動かしたい。気持ちいい。もっと思いきり強く。駄目だ堪えなきゃ。気持ちいい。出ちゃう。駄目だ絶対。出る。
「…………っ!」
 どこにどう力が入ったのだろう。グラッドは勢いよく縄をぶち切って体を起こしていた。
「っ、あに」
「ライっ」
 もう格好とかプレイを楽しむとかそんな余裕はなかった。ほとんど雄叫びを上げながらずっちゅずっちゃずっぷと下から勢いよくライの腰を突き上げる。ライの腰をつかみ、ライの体を力で上下させながら体を打ち付ける音がするほど強く腰を打ちつける。
「ライっ、ライライライライっ、ああ駄目だ、イくっ!」
「っう、は、あ……」
 焦らされまくったあげくの射精は腰が蕩けるようで、はーっ、はーっと荒い息をつきながらしばし呆然としてしまった。
 もちろんすぐにライがイってないことに気付き後ろに挿れながらキスを繰り返しつつ前をしごきイかせてやったけれど。
 そしてそれからしばらくイチャイチャして第二回戦に突入したのだけれど。ちなみに今度は最初から優しくグラッド自身の手でライの体を弄り、気持ちよくイかせてあげました。

 その後。
 ライは健気にする前に毎回自分で浣腸を施して腸内をきれいにしてくれていたのだけれど、それだけで腸内の雑菌はなくなるわけではないらしく、結局グラッドはまた病院へ向かうことになった。
 そして医者の先生に怒られてミントに連れて行かれ(本気で泣きが入りそうなほど必死に拒否したのだが)、女神のような笑顔で強制診察されたのち、不思議そうに首を傾げて言われた。
「あら、でもライくん、状態異常を治療する召喚獣、いくつか召喚できたんじゃないですか?」
 そういうわけで、ライとグラッドの性交のあとには状態治療召喚獣の召喚をするのが決まりになったのだった。
 それはそれとして、浣腸は肛門性交には絶対必要らしいのでやっているけど。

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