苦楽ある昔日の残照

「で、あれ以来二人とは会えずじまいってワケね」
「うん……何度か訪ねてはみたけど、顔を見せてくれないんだ」
「無理もないと思うな。ずっと秘密にしてたことが、あんな結果を招いちゃったんだもん」
「けどよ……連中のやったことは言ってみりゃ、俺らに対する裏切りだぜ? 過ぎたことをどうこう言うのは、俺の性にはあわねえがよ……事情の説明ぐらいはしてもらわねえと、気持ちがおさまらねえ」
 確かに……話は聞かなくちゃならないよな。
 碧の賢帝の様子は特に変化はない。声が聞こえてきたりはしない。
 だけど、この剣が、あるいは遺跡が、俺を取り込もうとしている問題が解決したわけじゃない。そしてその解決には護人たちの協力が不可欠なんだけど――
「あせったってさ、仕方ないじゃん。とにかく、待とうよ。あの二人を信じて」
 ソノラの言葉をしおに、俺たちは散会した。

 そのあともキュウマやヤッファに一人でまた会いに行ったりもしたんだけど、また結局顔を見ることもできなかった。マルルゥもミスミさまも、二人のことを心配してるのに……。
 オウキーニさんにユクレス村の女の子が告白する場面を目撃してしまう、なんて心和むこともあったんだけど、それはさておき。
 俺は気持ちを切り替えて大切なナップとの授業に向かった。こんな時だけど、もしかしたらこんな時だからこそ、ナップと二人きりで(いや、アールもいるけど)向かい合える時間は、俺には何物にも代えがたい。

 今日はナップとアール、二人で協力して戦う練習をすることにした。普段の戦いとはまた違う、他人と連携して戦う技術も軍人には必要だから。特にアールはナップの護衛獣だし、アールとの連携を身につけておけばナップの身を守るのにきっと役に立つ。
「ほらほら、どうした? 二人がかりでも俺を捕まえることができないのかい?」
 俺はナップから十歩ほど離れた場所で挑発した。協力して戦うといっても実際に剣を振り回すわけじゃない。まずは呼吸を合わせる練習からということで、今日は鬼ごっこをやっている。俺をナップとアールで協力して捕まえられたらナップの勝ち。
 ……べ、別に俺はナップと『俺を捕まえてごらん!』『あはは、先生、待て待て〜!』なんてことがやりたかったわけじゃないぞ!? ホントに! そりゃナップと接触できるかな、とかちらっと考えたりはしちゃったけど! 授業は授業で真面目にやってるんだから、これは感覚のつかみ方としては軍学校でもやってるぐらい有効な手法なんだから!
「うう……っ」
「ピピ……ッ」
 ナップとアールの二人は悔しげに俺を睨むと、ばっと分かれて走り出した。右と左、両方から俺に向かってくるところをみると――
「お、挟みうちか……」
 俺は声に出して呟くと、ナップの方を向いた。ナップはたじろぎもせず、まっすぐ俺の方に突進してくる。
「だっしゃああぁっ!!」
「ピピーッ!!」
 だっしゃあぁ、なんてなんか男の子っぽくて可愛いなぁv なんてにやける口元を引き締めて、俺は言った。
「甘い!」
 ギリギリまでひきつけて素早く横に飛び退くと、ナップとアールは予想通り正面衝突してしまった。可哀想かな、とも思ったけどある程度の痛みを知って体で覚えさせるというのも重要だし……。それに、正直言うと……ナップがちょっと(あくまでちょっと、だけど)痛みを感じて涙目になってるところとか想像すると凄まじく燃え上がるものがあって……(すいません……)。
「あいてぇーっ!?」
「ピピプー……」
 痛そうに顔をしかめるナップを(ああそんな顔も可愛いなぁv とか不埒にも思ったりしながらも)見て、俺は微笑んだ。
「うーん……すこし休憩しようか?」
「はい……」
 少ししゅんとしてしまうナップ。そんな顔も可愛いとは思うけど、でも少し妙な気がした。普段の二人ならもっと息があっているはずだ。俺としても、このくらいははっきり言って小手調べのつもりだったのに……。
「あ……」

「いてて……っ、コブになってるよ、ったく……お前なあ……護衛獣だったらもうちょっと、気をつかえって……」
「ピピッ!?」
「な、なんだよ……コワイ目して……なんか、文句でもあるのかよ!?」
「ピピィ……」
「あ……」
「ピピピ〜ッ!!」
「ま、待てよ!? おい、どこ行くんだよ、アールってば!?」
 アールは泣きながら森の中へと走り去ってしまった。二人を見守っていた俺は、苦笑しながら一歩前に出る。
「なるほど……うまくいかない原因は君の方にあったのか」
「なんだよ……先生まで、オレが悪いっていうのかよ!?」
 ちょっと拗ねた感じに頬を膨らませてナップはこちらを睨む。拗ねた声は久しぶりで心をくすぐられてしまうけど睨まれるのは心が痛い。でも俺はここは先生らしくじっとナップを見つめて言う。
「いい、悪いはともかくとして……護衛獣って言葉を都合良く、アールに押しつけるのは好きじゃないかな?」
「!?」
 目を見張るナップに、俺は微笑みながら言い聞かせるように言う。
「あの子と君は、元々友達だったんだろう。だったら……どうするべきか、もうわかってるよな?」
「……っ!」
 ナップは下を向いて、アールを追って走り出した。
 やっぱり……ナップは、素直ないい子だなぁ。

「さあ、これが最後だぞ。二人で力を合わせて俺を捕まえるんだ」
「頼むぜ、アール?」
「ピピッ!」
 俺の言葉に自信たっぷりに笑みを交し合う二人。俺の口も思わずほころんだ。
「……せーのっ!!」
「召喚術!? いや、そうじゃない? これは……っ!?」
 まばゆい光に思わず動きを止めて解説してしまった瞬間、アールが勢いよく俺に向かい飛びこんできた。
「ピピーッ!!」
「うわっ!?」
 そして思わず目をつぶってしまったその時、どんっと俺の体に誰かが抱きつく感触があって――声がした。
「……捕まえたっ!」
 ………ナップ?
 そうだはっきり覚えてる、この感触はナップだ。華奢だけどつくりのしっかりした手、細くてすべすべした腕、一抱きにできそうな小さな体……ああ、ナップが! すごく久しぶりに俺に抱きついてくれている……! う、嬉しい……!
 本能で抱きしめ返そうとわきわきする手を理性で必死に押さえる俺の心中など当然知る由もなく、ナップは俺に抱きついたままこっちの顔を見上げる。その顔には得意そうな笑みが……ああ! ナップ、だからそういうことをされると俺の理性が……!
「ピッピピ〜ッ♪」
「護衛獣の攻撃を目くらましに使ってひるんだ敵を、術者が捕まえる……すごいじゃないか!?」
 とにかく授業中! 今は授業中! と必死に自分に言い聞かせて笑いかけると、ナップは顔をかっと赤らめて俺から離れ、鼻を擦った。
「へへへ……アールのおかげだよ」
「ピーピピッ♪」
「呪文や魔力に頼らずにこれだけの攻撃ができたんだ。ちゃんとした手順を踏めば、きっと前より強い召喚術が使えるぞ」
「ホントに!?」
 すごく嬉しそうに顔を輝かせるナップ。俺も嬉しくなって、笑ってうなずいた。
「ああ、絶対できるよ」
「ピッピピ〜ッ♪」
 ナップは嬉しくてたまらない、というように何度も拳を握り締める。俺はその姿が微笑ましくてならなかった。
「それじゃあ、今日の授業は、ここまでだ」

「なあ、先生。いつまで、待ってるつもりなんだよ」
「え?」
 船に戻ってきて、ナップの部屋に一緒に入ってくると、ナップが言った。
「このまま、ずっと二人が口を聞いてくれるまで、待ってるつもりかよ? 時間なんて、本当は無いってことわかってんだろ!?」
「!」
 震えるぐらい強い瞳で俺を見て、はっきりと。
「おかしいよ!? あんたも、みんなも!」
 いや、強いんじゃない。それはぴんと張った糸に感じるみたいな強さだ。張りつめて、必死で――弱気になりそうな自分を叱りつけている。
「この前みたいなことがまた、起きるかもしれない……そうなってからじゃ遅いって、わかってるくせに、どうして動かないんだよ?」
「ナップ……」
「どうして、仲間同士でビクビクしなくちゃいけないんだよ。……おかしいよ?」
 ナップは最後には悄然として、部屋を出ていった。俺はしばしぼうっとそのあとを見送ってしまい、すぐに慌てて追ったものの、外に出るともうナップの姿はなかった。

 俺は鎮守の社で一人、無言で待っていた。彼を。
「いつまで、そうしているつもりですか?」
 現れたキュウマに、俺は確認した。姿を現したということは話してくれるということだね、と。キュウマはうなずき、喚起の門へ俺を連れて行くと、話し始めた。
 この島での無色の派閥の本当の目的は、人の手で新たな界の意思――エルゴを作り出すことだった。
 この世の全てのものには意思が存在する。なぜなら全ては界の意思によって生じたものなのだからというエルゴ碑文序節。召喚術を学ぶ者が最初に知る心得。
 無色の派閥はそこに目をつけたらしい。それなら界の意思と全ての存在との繋がりを操ることで、万物を支配できはしないか、と。
 彼らはその繋がりを、共界線――クリプス、と呼んでいたらしい。剣の意思が言っていたのと同じ言葉だ。
 この島は共界線を用いた支配を試みるために用意された地。しかしその試みは適わなかった。万物を支配する界の意思となるには、それに匹敵する強固な意志が必要だったから。
 要となる「核識」となろうとした者は心を破壊された。だが――
「例外がいたんだよ。たった一人だけ、な」
「ヤッファ! それに、みんな!?」
 みんなナップに喝を入れられて動く気になったらしい。
「先生ばっかに、全部任せるのも、ずるい気がしてさ……」
 そう言うナップに、俺は「そっか……」と微笑んだ。やっぱりナップはいい子だな、と思った。
 その例外がハイネル・コープス。ヤッファを護衛獣にした召喚師で、キュウマの主君リクトさんの親友だった人……。
 その事実を恐れた派閥の幹部たちは島ごとまとめて始末しようとしたらしい。それと戦うためにハイネルさんは「核識」となって島そのものを武器にしたんだそうだ。
 その後碧の賢帝と紅の暴君によって力を封印され、キュウマたちは戦いに負けた。キュウマは遺言を果たすために遺跡を復活させようとし、ヤッファは過去を知らないみんなを守るためにそれを止めようとしていた。
 遺跡を復活させるか、封印するか……決められるのは、剣の持ち主である、俺一人だ、と二人は言った。

 キュウマは派閥の暗殺者として、ヤッファは遺跡を完成させるための界の意思を利用する技術(呪術)の担い手(剣の力もそっち方面から来るものらしい)として召喚されてきた。
 辛い日々、それを救ってくれたのがハイネルさんと、キュウマの場合はリクトさんだった。だから二人ともそれぞれの相手に恩を返したいと思っている。
 キュウマはミスミさまとスバルをシルターンに返すという遺言を果たすこと、そのために死にたいと思いながらも生き延び、ヤッファはハイネルさんの楽園を創り出す夢を壊させないために戦う。
 護人となった二人は遺跡に残された召喚術を学び、研究成果として残された知識をもとに儀式で心身を強化改造することで、島全体へ構築された共界線から魔力を引き出す能力を手に入れた。
 そのため島にいる限り護人は高い戦闘能力と不老に近い寿命を持つことができるけれど、島の外では無力に等しい存在になってしまう。
 そんな覚悟をもって二人はこれまで生きてきたんだ。それはどんなに――苦しい生だっただろう。
 集いの泉で俺は言った。正しい答えなんてどこにもなかった。
 気持ちは揺れているけれど、俺は結論を出した。封印をしよう、と。遺跡を復活させるのは危険すぎる。
 が、そう言うとキュウマは刀を抜いた。失うものなどなにひとつない、封印するなら自分を殺せ――と。
 そこに現れてキュウマを怒鳴りつけたのはミスミさまだった。スバルにもキュウマが死んじゃいやだと泣かれ、キュウマはようやく、諦めてくれたようだった。

 そのあとまた遺跡の意識に支配されかけるというハプニングはあったものの、とりあえず封印は成功した。
 そこに帝国軍がやってきて、剣を渡せと言うので、剣はもう封印したので手元にはないと言った。するとそれを解き放ってでも剣は奪回してみせる、とアズリアは言い放ち、戦闘に入った……。

 勝てる。そう思った時、声が聞こえた。
『そうかな?』
 そして次の瞬間、突然剣を喚ぶ時の感覚が蘇り、俺の手の中に碧の賢帝が収まっていた。むろん、俺の体も抜剣した状態に変わっている。喚ぶつもりなんか全然なかったのに、どうして……?
『扉はひとつ……されども……鍵は……ふたつ……』
 大地が鳴動し、雷雲が蠢く。船の時とまるっきり同じように。
 遺跡から紅い光の柱が立った。まるで血の色だ、とカイルが言った。
 俺がなんとか剣を収めても、嵐は続く。俺の混乱を助長するように。
 剣は必ず奪回してみせる、次が最後だ――そう言ってアズリアは撤退していった。

 最近、寝る前にナップが俺の部屋に入り込み、話をしていくのはほとんど習慣になっている。そんなことを(もちろんナップと話すのはすごく嬉しいし楽しいんだけど!)俺がお願いするわけもなく、これはナップが始めたことだ。
 ナップはなにを考えて俺と話とかしたがるんだろう。も、もちろん嫌なわけじゃないけど……俺としては、寝る前の、これからベッドに入るところという状況で、湯上りで肌が上気していたり眠そうで目つきがとろんとしていたりするナップと、授業中と言う大義名分もないのに密室で二人きりというのは非常に試練なわけで……!
 うううっ、襟からのぞく鎖骨が、半ズボンから見える太腿が俺を攻撃する……ってそんな不純な目でナップを見るんじゃない俺の馬鹿馬鹿馬鹿! 
 とにかく、今日もナップは俺の部屋で、俺といろいろな話をしていた。今日起きたことももちろん話すけど、それよりもそこから俺の昔の話を聞きたがることの方が多い。
 俺の昔の話なんかなんで聞きたいのかなぁと思いながらも話してやると、なぜか目を輝かせて聞いている。帝都に出てきてからは勉強ばっかりだったし、それ以前も似たようなもので、面白くもなんともないと思うんだけど。
 でもそこから時々ナップの昔の話を聞けることがあるのは嬉しい。ナップは俺の話なんてどうでもいいだろって話したがらないけど、俺はナップが今のナップになるまでどんな人生を過ごしていたかってかなり興味があるけどな。それに……やっぱり、まあ、なんというか……愛しい相手のことはよく知っておきたいと思うのが人情っていうか……べ、別に変な意味じゃないぞ!?
 と、ふいに話題が途切れた。ちょっとドキドキするけど、こういう時は無理に話題を探さない。
 ナップとなら、沈黙も心地いいんだ。黙ったままだとすごくドキドキして苦しかったりもしちゃうけど、それも決して不快じゃない。
 黙っていると、ナップがちょっと俺から目を逸らすようにして口を開いた。
「……今日」
「ん?」
「三人だけで遺跡に行くって言った時はちょっと心配したぜ。前みたいに、また大変なことになるんじゃないかって思ってさ」
 う……心配をかけちゃったかなぁ。そうだったら悪いことしたなぁ、と思いながらも、ナップの口調が明るいので、俺もそれに合わせて冗談めかして言う。
「おいおい、そこまで信用できないのか?」
「だって、アンタは前歴ありまくりだし、オレより、よっぽど危なっかしいもん」
「そこまで言うか……」
 ナップに言われると本気でへこむ……けど、ナップの口の端には笑みが浮かんでいるので、たぶん本気じゃないんだろうなと思うことにしておく。そうじゃなかったら……俺は泣く。本気で泣いてしまうぞ。
 だけどナップはちょっと笑って、俺を見上げて言った。
「ま、でも無事に戻ってきたんだから別にいいや」
 ナップ……!
 ううう、なんて可愛いことを言ってくれるんだ……心配かけちゃったんだね、ごめんよ、ごめんよー!
 そう叫びながら抱きつきたい。でもそんなことできるはずもなく、俺は煩悩を殺して曖昧に微笑む。
「封印が成功したかどうかは、ちょっと微妙みたいだけどな」
「仕方ないって。だって、本当ならふたつの剣が必要なことなんだろ? すくなくとも、今は護人同士のいざこざが消えただけでもよしとしなくちゃ」
「そうだな……ナップのいうとおりだな……」
 そう言うと、俺はナップと顔を見合わせて微笑みあった。なんていうかこういうの、気持ちが通じ合ってるって気がして嬉しいなぁ、なんて俺がほのぼのと考えていると、ナップがふいに笑みを消して言う。
「あのさ、先生」
「なんだい?」
「先生は、誰かを好きになったことってある?」
「―――は!?」
 俺は絶句してしまった。好きって。好きって、ナップ。それってやっぱり、そういう意味だよな。
 ま、まさか。ナップ、君は誰か好きな人ができたのかい!? それで俺に恋の相談をしようと!?
 それは、それはしょうがないけど、先生として君が恋をするようになったのなら祝福してあげなくちゃならないと思うけど! でもでもでもーっ! そんな殺生なー! 俺は……俺は、まだ、ナップに好きだとも伝えていないのに……!
「なんでそんなこと聞くんだい?」
 俺は全身全霊の力を振り絞って冷静を装った。ナップが本当に恋をしたのか? したならそれは誰なのか? 邪魔とかはとてもできないけど知らないではいられん……!
 だけどナップは俺の言葉に、困ったように眉を寄せて、上目遣いで言った。
「……言わなくちゃダメ?」
 うぐぐぐぐぐっ! ナップ、そ、その上目遣いで『ダメ?』は卑怯だっ……! 問答無用で聞かないではおれないじゃないかーっ!
 俺は泣きそうになりながら、それでも表面上は冷静を取り繕って、曖昧な微笑みを浮かべて首を振った。
「いいよ。――あるよ。好きになったこと」
「あるんだ………」
「そんなこと聞くなんて、ナップ、誰か好きな人ができたのかい?」
 俺が決死の思いを込めてそう聞くと――ナップの顔からいきなりすうっと、表情が消えた。
 え? と思う間もなく、ナップはベッドから立ち上がると(俺たちはベッドに腰かけて話をすることが多い。それがまた理性を崩壊させかかる原因になるわけで……)、一言言って部屋を出ていった。
「オレ、帰る」
「え、ナップ……」
 だが俺の言葉など耳に入らないかのように、ナップは足早に部屋を出て行く。なんだか足音が怒ってる感じだ。
 怒ってるのはわかるけど……ナップ……?
 ねぇ、ナップ!? いったいどうしたんだい!? 俺のなにが気に食わなかったんだい!? さっきの質問の意図はなんなんだい!? 誰か――好きな人ができたのかい!?
 ……だが、その質問は一つたりとも口にすることすらできなかった………。
 ……俺の意気地なしーっ!!

 本日の授業結果……近くて遠い。

戻る   次へ
サモンナイト3 topへ