非幻想異端的日常
2007年 1月 1日 (月)
 謹賀新年。2005年は別れと出会いと新境地の年だった。2006年は別れと満たされた孤独と環境の改善と大いなる発展の年だった。ちなみに仕事はずーっと下り坂である。さて2007年はというと、次なる出会いと大いなる飛躍の年にしたい。
 そんなわけで皆様、今年もよろしくお願いいたします。

 俺は初詣は行かない主義だが、何やらお札やら熊手やら矢やら、事務所と社長室に残っていたので、年が変わった深夜12時すぎ、近所の熊野神社のお炊き上げに置いてきた。お参りやおみくじなどは一切しなかった。
 ちなみになぜ初詣に行かないかと言うと、神社は人によって縁のある神社と縁の無い神社があり、縁の無い神様がいる神社でお参りしても効果など無いと思うし、いちいち方角やらご先祖様やらを考慮に入れて縁のある神社を探すのは面倒臭く、また本来神社でお参りしたら途中何処にも寄らず、誰とも話さず、まっすぐ家に帰ってご利益を持ち帰るべきなので、さらにそれは面倒臭く、単なるイベント気分で気休めに行くには混んでるし寒すぎる。だからもう一年の除災・招福は心構えだけで十分じゃないかと思い、ここ数年は初詣に行かなくなった。
 それに俺の場合はその代わりのことをいろいろしてるからいいのだ。

2007年 1月 2日 (火)
 正月くらいはと、実家に帰った。妹もいた。

カニ鍋とイクラ丼 昼食は蕎麦にお餅を入れた、年越し蕎麦とお雑煮が合体したような食い物で、おかずはお節料理っぽい数の子、伊達巻き、栗きんとん、黒豆、くわい、昆布巻き、なラインナップ。うまいうまいと食っていたが、途中ではたと肝心なものが無いことに気がついた。チョロギが無い。
 チョロギのあの黒豆や栗きんとんの甘ったるさをリセットしてくれる、サッパリとした酸っぱさとサクサクこりこりした食感が好きなのだが、正月しか食えないものだけに、押さえておきたかった。

 食後、実家のテレビにはケーブルがあり、映画チャンネルをひねっていたら「幸せの黄色いハンカチ」がやっていたので見ていた。演出が古臭くて今にして見てみるとなんとなくおかしくてところどころ笑える。

 幸せの黄色いハンカチが終わり、ご先祖様の墓参りに行った。

 夜はカニ鍋とイクラ丼を食った(画像)。

 食後、ケーブルで黒澤の「赤ひげ」がやっていたので、見た。
 つくづく黒澤の映画って何十年たっても色あせないところがスゴい。

 「赤ひげ」を見た後、母と黒澤の話をしていて、「隠し砦の三悪人」の上原美佐の話題が出て、そういえば上原美佐は「隠し砦の三悪人」でデビューしてすぐに引退してしまったけど今ごろどうしてるんだろう、などと話してて、ふと興味本位でYouTubeで検索してみたら、なんと23年後の上原美佐と黒澤明の対談のVTRを見つけた。びっくりした。こんな後になってからマスコミに出たことあったとは思わなかった。正月からいいものを見つけた。

http://www.youtube.com/watch?v=wgWVlceP1OY
http://www.youtube.com/watch?v=D1Br1GE6RcU

 ちなみに藤原釜足と千秋実が撮影中、上原美佐演じる姫様のショーツを下から覗いて「見えた♪見えた♪」と喜んで、上原美佐を泣かせたなどと話しているが、ひょっとしてそれが上原美佐引退の原因だったのか。だったりして。

2007年 1月 3日 (水)
 寒いせいか、正月ボケか、午後にならないとベッドに貼り付いたからだが剥がれない。今日も遅くに起きて風呂して着替えた頃には、そろそろ外も暗くなりはじめる時間だった。
 さて今日は何をしようか、暇だけど寒いから家でゆっくり読書したり映画見たりコンビニでうまいもの買ってきて食ったりしていようと思っていたところに、いきなり父から、妹と銀座でめしを食っているので今すぐ来いと電話があり、タダめしを食わせてもらいに銀座へ行くことになった。
 ひさびさに父とワインを飲みながらしゃぶしゃぶや天ぷらを食った。うちの家族は集まるとだいたい映画か本の話題でもりあがる。わりと文化的な一族なのだ。

★★★★ 帰ってケンちゃんに借りたDVDで「ノー・マンズ・ランド」という映画を見た。ボスニア紛争を舞台とした反戦映画で、皮肉たっぷりの物語と演出がとてもおもしろかった。
 ラストは笑劇的なまでに衝撃的。しかも人ごとじゃない。目の前で人間が死のうとしているというのに、ただ仕方が無いというだけの理由ですべてを「無かったことにしちゃってる」人々を笑いながら、自分は果たして同じ状況で無かったことにしちゃわない勇気が持てるか、かといって何が出来るというのか、思わず自問自答してしまう映画。そうか、結局「最初から戦争なんてしなければ万事オッケーなんだ」と結論せざるを得ないところがこの映画の手口なのかもしれない。まさに反戦映画の神髄がここに。
 ちなみに戦争を「傍観してるのは、加勢してるのと同じだ」というセリフは個人的に胸にぐさっとくるものがあった。いや、あの時は別に傍観してたわけじゃないんだが!

2007年 1月 4日 (木)
 神奈川の母方のおじいちゃんおばあちゃん家に行った。
 母は三人姉妹の長女だが、その三人姉妹が勢揃いだった。改めて並んでいるところを見ると、つくづく似ている。ちなみにうちの会社で働いているケンちゃんは次女の息子である。
 おじいちゃんがずいぶん弱っていた。おばあちゃんはなかなか元気だ。
 昼食は近くの料亭で日本料理を食った。味はまずまずだったが、うまいものもあった。てゆうか、この手の日本料理屋って全体的にうまい店だ!と思ったことがあまりない。しかしなにはともあれ、日本酒を飲んで、よい気分になった。
 午後はずっと寝ていた。夜は蕎麦を軽く食った。
 ケンちゃんにまた映画のDVDをたんと借りた。実は彼に前に借りた数枚のDVDを今日絶対に持ってこなければならなかったのだが、テーブルの上に出しておいたにもかかわらず、朝慌てていたので見事に忘れてしまった。にもかかわらず、新たにDVDを貸してくれるなんて、なんて心の広い男なんだ。それにしても会社以外の場所で彼に会うのはなんだか新鮮な気分だ。
 8時すぎ、静香と小田急線に乗って帰った。

2007年 1月 5日 (金)
AG-DVX100B ついに買った、デジタルビデオカメラ、パナソニックのDVX100B。本当はこれのふたつ前の型であるDVX100を中古で買おうと思ってたのだが、衝撃的な低価格に思わず清水の舞台からバンジージャンプする勢いで買ってしまったのだ。これで助監督のテステスさんの同機種と合わせて、2台で自主映画が撮影できる(2006年12月26日の日記参照)。

 いきなり友達のH子さん(39歳、既婚)が遊びに来た。ちょうどいいので、H子さんと買ったばかりのカメラをいじって遊んだ。俺がカメラで遊ぶとなると、やはりセルジオ・レオーネごっこということになる。
 人の顔ってドラマがあって好きだ。人の顔は、それだけで一編の映画に匹敵するドラマを含んでいる。人に顔がある限り、俺のカメラは回り続けることだろう。
 それにしてもDVX100Bは予想以上に素晴らしい。ここまで映画のフィルムに近い画像が撮れるようになっているのだな、最近のデジタルカメラは。

2007年 1月 6日 (土)
 仕事始め。相変わらず事務所は暖房が壊れたままで、皆、上着を着たまま震えて仕事をせねばならず、正月ボケしてる暇もなかった。いいことだ。一種の荒行すか。

 深夜、お得意先のジャンボさんが支払いでやってきた。社長室に招いてお茶してたら、朝の4時半まで話し込んでしまった。たまに彼とはこうしてじっくり話す機会があるが、とても熱い人なのだ。お互い天王星人プラスのA型ということも関係あるかもしれない。

2007年 1月 7日 (日)
★★ 休日。仕事。夜やっと暇になったので、松屋の豚丼を食い、映画を見た。

 ヘンリー・フォンダ主演のマカロニ・ウエスタン「ミスター・ノーボディ」という映画を見た。マカロニ・ウエスタンのレクイエムとも言うべき作品で、年老いたガンマンが若いガンマンにハッパをかけられ一世一代の対決に挑むというお話し。若いガンマンはその勇姿を胸に、新しい時代に羽ばたいて逝ってしまうわけだ。

 夜はずっと朝まで執筆。ガガッと書いては、本をめくったり、ビデオを見たり、テレビを眺めたりして、頭をかきまぜ、またガガッと書く、の繰り返し。密度が濃いんだか薄いんだかよくわからんが、とりあえず楽しい。

2007年 1月 8日 (月)
 鉄コン筋クリートを見に歌舞伎町まで出掛けたら満席で立ち見だったので、モスでハンバーガーを食べただけですぐ家に帰った。
 今日も予定がないので、相変わらず読書と映画鑑賞と執筆。
 映画は2本見た。

 ケンちゃんに借りたDVDで、映画「田園に死す」を見た。寺山修司監督。
 驚いた。俺はこの手の映像世界はアレハンドロ・ホドロフスキーがある種の頂点かな、と思っていたのだが、寺山修司を忘れていた。映像に折り重なる言葉の数々がまた深く悲しく美しい。
 特に八千草薫のモノローグに映画の中盤ながらトドメを刺された。

私は、真夜中にそっと起きだして
売られてしまった夜の冬田に
死んだ母さんの真っ赤な櫛を埋めたわ

夜になると
埋めた真っ赤な櫛が、歌を歌った
畑を返せ、田を返せ
櫛に絡んだ黒髪の
十五の年のお祭りの
お面を返せ
笛かえせ
悲しい私の顔かえせ

私は焼け跡の女巡礼
後ろ指の夜逃げ女
泥まみれの淫売なのです

母さん、どうか生き返って
もう一度、私を妊娠してください
私は、もうやり直しが出来ないのです

夢の中で
私は何度も田舎へ帰ってきたわ
そして、帰ってくるたび
田を掘り起こした
すると、どこを掘っても
真っ赤な櫛が出てきた
村中の田という田から
死んだ母さんの真っ赤な櫛
うらみの真っ赤な櫛
血で染めた真っ赤な櫛が
百も二百も続々と出てきた
そして、どの櫛も口を揃えて私に言った

女なんかに生まれるんじゃなかった
人の母にはなるんじゃなかった



★★★★ 映画「ドールズ」を見た。北野武監督。菅野美穂主演。深田恭子も出ている。
 最近まわりでこの映画が好きな人が増殖中で、およそ20年くらいぶりに、中古ながら見たことも無い映画のビデオを買った。
 やられた。とんでもない映画だ。もう「良い」「悪い」関係なく、映画という名の人生のドラマが怒濤のように押し寄せてきた不可思議な映画体験だった。
 こうしてみると、映画は単なる芸術なのではなく、リアルな人々の人生をブラックホールのように吸い取って、この世から独立してスクリーンの中に浮かび上がる、ひとつの小宇宙なのだとつらつらしみじみ思うのだった。

2007年 1月 9日 (火)
 午後起き。

 鉄コン筋クリートを見に行きたかったのだが、どうせ今日も混んでると思って、洗濯物がたまっていたので洗濯に行った。

 映画「赤死病の仮面」を見た。ヴィンセント・プライス主演。いわずとしれた、AIP制作のロジャー・コーマン監督&ポオ原作のシリーズである。
 実はコーマンのポオ映画を見るのはこれが初めてなので、なるほどこういうレベルのものをたくさん作ってたのだなふんふん、と頷きながらまったり鑑賞した。
 撮影はなんとニコラス・ローグ。だからといって、映像はそれほどたいしたことない。

2007年 1月 10日 (水)
 昼。いつものようにいきなり電話があって、今すぐ新宿南口に来て下さいと言われ、慌てて支度して飛んで行った。クライアントのTさん、相変わらず。

 その足で銀座へ。サイトのサーバ移転、というか前の管理者突然の撤退で焦っているクライアントのSさん。出来るだけのことはやってあげたいが。

 夜。T社のSさんとめしでも食おうという話になり(たまになる)、日暮里へ。駅前で会うなり、近くにタイ料理が出来たんですよというので、じゃあそこに行きましょうかと言ったら、一瞬、うっ、と困った顔をされてしまった。まさかタイ料理が好きだとは思わなかった、まいったな、ということだろうか。空気を読んで、タイ料理じゃなくてもいいですよ、うなぎでも食いましょうかと言ったが(前回はうなぎだった)、いやいやいいですよ、タイ料理にしましょうというので、結局タイ料理になった。申し訳なかった。それほどうまい店でもなかったので、さらに申し訳なかった。

★★☆ 深夜、ケンちゃんに借りたDVDで、ホラー映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」を見た。イギリス人が作った「ゾンビ」のパロディ映画で、わりと話題になったらしい。トーンは完全なコメディである。
 見事なバカ映画だった。20年くらい前によく見たトロマ映画あたりのテイストで、なつかしささえ覚えた。なんて意味の無い映画だと思いつつ、この意味の無さがチャームなだけに、否定するのも大人げない気もするが、まったくもって意味が無い。大人げないオトナになってしまったんだなあ、僕ぁ。
 70年代のロックに合わせてゾンビをやっつけるシーンが一番笑えた。オリジナルの「ゾンビ」のサントラである、ゴブリンの名曲の一部をパクった音楽が、かなりシビれた。
 かなりおもしろいギャグも多々あるが、全体の流れはかなりじれったい。

2007年 1月 11日 (木)
 明け方起床。仕事。銀行。インド料理。スパイダー。昼寝。買物。仕事。妹。スカイプ。カレー。

2007年 1月 12日 (金)
★ 明け方起床。寝不足で仕事。緑のたぬき。昼寝(長時間)。仕事。

 映画「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」を見た。デビッド・クローネンバーグ監督。
 内容を何も知らずに見たら、わけがわからなかった。後半、やっと主人公の妄想の映画だとわかってきて、最後でやっとすべてを理解した。
 映像がググッときたので一応はじれじれではなかったが、かなり退屈だった。

2007年 1月 13日 (土)
 昼起き。仕事。TSUTAYA。天野。レトルトカレー。日本映画。

★★☆ 映画「卍」を見た。増村保造監督。谷崎潤一郎原作。若尾文子・岸田今日子主演。岸田今日子がやたらキレイで萌え。しかしヌードのシーンになると途端に吹き替え臭くなるのは萎え。もう少しうまくやっていただきたい。
 岸田今日子演ずる主人公が作家に告白する形でストーリーが語られる。作家は恐らく谷崎潤一郎のつもりなんだろうが、どうしても団鬼六にしか見えないところがおもしろい。
 それにしてもこの唐突な終わりかたはないよなあ。

2007年 1月 14日 (日)
 自主映画「Re」のロケ地探索で水天宮前駅まで行って、永大橋のあたりを散策。少し狭苦しいが、そこそこの場所が見つかった。
 帰りに西新宿で回転寿司を食った。

 映画「セシルB ザ・シネマ・ウォーズ」を見た。ジョン・ウォーターズ監督(ピンク・フラミンゴ)。メラニー・グリフィス主演。インディー映画団体がテロリストとなり、少し落ちぶれた有名女優(メラニー・グリフィス)を誘拐し、メジャー映画スタジオを蹂躙しながらアングラ映画の撮影をするという物語。
 この映画を一文で語ってみせよう。
 “映画バカの、映画バカによる、しかし映画バカのためではない、単なるバカ映画”
 どうだまいったか。
 アングラ映画テロリスト集団の精神も行動もまったくバカそのもので、必然性も無ければ、意味も無い。映画好きであることを恥ずかしく思わせるほどの下らなさ。
 まあジョン・ウォーターズの映画にメッセージなんてあるわけないんだから、これはハリウッド至上主義を批判してるとか、インディー映画魂を極端な形で見せつけた映画とかいうよりは、単にテロリズムやカルト集団を映画業界になぞらえてパロったコメディと見るほうが正しい。
 だったらこの映画が笑い飛ばそうとしているのはハリウッドだけでなく、主人公たちのバカっぷりにもあるべきで、その辺りの視点の公平さが足りなかったところが、この映画が笑えるより白ける部分が多い最大の原因かと思われる。
★☆ 笑えるところは少しあった。テロリストたちの合い言葉が「MPAA、お前らはどれだけの映画に規制をかければ気が済むんだ」だとか「Fuck the studio system」だとか、「アクションファンよ、助けてくれ!」だとか、そこらへんのいくつかのセリフとか、みんなが身体にとりとめなく好きな監督の刺青をしているところとか。
 それにしても2000年の映画のDVDの癖に画質がやたら汚いのは、40を過ぎたメラニー・グリフィスの老いた肌をごまかすためだろうか。
 あとアメリカのテレビで俺が大好きだったコメディアンのケビン・ニーロンがちらっと出演していて嬉しかった。彼を銀幕で見たのは初めてじゃないだろうか。
 というわけで画像は映画のものではなくケビンの画像にしてやった(映画感想のテロ的行為と言えよう)。

2007年 1月 15日 (月)
 自主映画「Re」のミーティング。

 昼過ぎ、宇井郎監督がひと足先に事務所に来て、カメラのチェック。テステス助監督も同じ頃に来る予定だったが、大幅に遅れてやって来た。仕方の無い男だ。

 夕方、歌舞伎町のルノアールにてミーティング。
 スタッフがほぼ全員そろい、自己紹介と本読みと諸々の打ち合せをした。
 演出ってのは人形に魂を吹き込むような作業で楽しい。また、カメラでスタッフひとりひとりの顔を撮影するのも楽しい。両方同時にできないのが歯がゆいな。
 ミーティング終了後、近くの中華料理で食事。店名は忘れたが、ここの中華は安くてうまい。次は麻婆麺を食おう。

 帰ってお母さん役の萌え系姐御さんに借りたDVDで、彼女の主演しているVシネを見た。萌えた。

2007年 1月 16日 (火)
 寝すぎた。

 中国映画「さらば、わが愛 覇王別姫」を見た。レスリー・チャン主演。チェン・カイコー監督。
★ 映像はキレイで、京劇のシーンなど趣があり、映画としての見応えはあったが、ストーリーが退屈で、ほとんど断片的なエピソードの羅列にすぎず、またそれぞれのエピソードに関連性が薄く、起承転結もなく、極めて流れが悪く、若干破綻してたりもして、そうすると演出の凡庸さも鼻についてきて、途中から退屈で退屈でじれじれになった。
 チェン・カイコーってどんなご大層な監督なのかと思って検索してみたら、あの駄作「プロミス」の人ではないか(2006年2月12日の日記参照)。新作でついに馬脚をあらわしたということか。「始皇帝暗殺」もつまらなかったしな。
 レスリー・チャンとかコン・リーとか、いい俳優使って金もかけて撮ってるのに、この出来は実にもったいない。

2007年 1月 17日 (水)
 寝不足。昼食。シンドラーのリスト。いきなり新宿南口。仕事。

2007年 1月 18日 (木)
 自主映画Reのミーティング。ってゆうか本読み。

 早めに東口のボアで宇井郎監督と会い、カメラマンのドクトルさんという方を紹介してもらう。彼も将来は監督志望で、また頼もしい同志と知り合えた。

 今日に先駆けて脚本の姐御さんから最終稿が上がってきたのだが、一部かなり変更されていた。
 自分以外の方の書いた脚本を演出するのは何と大変な作業なのかと思い知った。人が書いたものに自分のイメージを時間をかけて近づけていっても、それが改稿の度に覆される。そしてまた新たなイメージを一から構築してゆかねばならない。
 俺は芸術において、一部を変えると全体が変わるという持論がある。例えば小説を推敲し、ここの言葉はこちらのほうがよいかな、とひとつ言葉を変えれば、それは物理的にはその部分だけの変化であっても、作品全体の変化と捉えるべきなのである。
 自分で脚本を変えるのはよい。常に自分の頭の中に作品の全体像があり、その全体を踏まえた上での変化しかあり得ないからだ。所が、人が書いた脚本は違う。部分が変われば、自分の頭の中まで全体のイメージの変化を余儀なくされる。セリフや人物像をストーリーを前に進めるための駒として捉えるなら職人技的なやっつけ仕事も出来もしようが、俺にはなかなか出来そうもない。何故なら、俺の作品が俺の作品であり続けながら完成までこぎつけるためには、その部分は不可欠であるからだ。
 そういうわけで、今日の本読みは前回(3日前の日記参照)と比べてその変化に戸惑いつつ、大した演出のアドバイスも出来ずにただ読んだだけで終わった。
 帰ってからも創作の産みの苦しみに少し精神的に混乱した状態が続いた。暫くして、気持ちを切り替えた。脚本が変わったら、その都度、何度も読み込んで、イメージを確立してゆけばよいことではないか。これしきのことで戸惑っててどうする。こういう行程をおもしろいと感じずに映画をやる資格など無いと思い直し、青臭くもモチベーションを回復する俺なのだった。

 でもなるべくなら人の書いた脚本で映画は撮りたくないなあ、将来的に。
 どうしてもあれだったら第一稿までとかね。

2007年 1月 19日 (金)
 午前中起床。仕事。アジフライ。シンドラーのリスト(俺はいったい、いつこの映画を見終わるのだろう)。仕事。チャット。夜ふかし。

2007年 1月 20日 (土)
 ついにケンちゃんに借りたDVDで「シンドラーのリスト」を見終わった。スピルバーグ監督。
★★★★★ 最初のほうを見て、俺の中でこの作品のテーマの一部に偽善というキーワードがまったり貼り付いていた。それだけに流石スピルバーグ、最後のほうでシンドラーがはっと辿り着いた境地は、もうこれじゃなかったら全ては本当に嘘だと思わせられた。久しぶりに映画を見て止めどなく涙が出てきた。このクライマックスに例え100通りのパターンがあり得たとして、このひとつじゃなかったら涙など出るわけもない。ダメ押しのラストはオールキャストの墓参りときた。なんて男だ、スピルバーグ。なんだかんだ言ってこいつはスゴい。
 人間性からホロコーストまで、描写のことごとくすべてが圧倒的。白黒の映像、赤い服着た少女、ユダヤ人たち。3時間以上の尺がまったく長いと感じさせない密度の濃さ(見終わるのに4日間もかかってる癖にというツッコミは却下)。
 とりあえず現代の日本に生まれたことを神に感謝して、この生活を決して当たり前のことと思うことなく、謙虚に明日からも生きてゆきたいと思います。

 眠れず、やっと深夜3時すぎ寝れたが、1時間くらいですぐ目が覚めてしまった。明日は寝不足確定。

2007年 1月 21日 (日)
 ミクシィで新しく自主映画のコミュニティが出来たので、早速参加して本日、ミーティングというかオフ会に行ってきた。現在うちで制作中の「Re」で照明を担当しているやっさんも来ていた。
 場所は高田馬場のミニシアター。まず自主映画の上映会があり、次に同じ場所で参加者の自己紹介、次に自主映画についての情報交換、そして場所を居酒屋に移動して普通の飲み会、という構成だった。
 自主映画は6作品ほど上映されたが、最高!なのはやはり無かったが、どれもそれなりにおもしろかった。ここ数年、自主映画の上映会には結構行ったが、今日が一番クオリティ高かったかもしれない。
 情報交換は制作者側と俳優側に分かれ、俳優が制作者に言いたいこと、制作者が俳優に言いたいことを発言し合うという形で行なわれた。俺は前から本読みというか、脚本の読み合わせについて言いたいことがあったので、最後のほうで発言してみた。
 俺は自主映画を始めるまでは、映画の撮影の前には脚本の読み合わせをやり、演出をある程度までは確立してから臨むのが当たり前だと思っていたのだが、こうして実際に自主映画に携わってみて、まず俳優さんは本読みが嫌いという人が多く、また監督も本読みはやらないのが当たり前、今までやったことが無いという人が九割以上であることに少なからず驚きを覚えていた。そこで本読みは本来はやるべきではないのかということを簡単に発言してみたのだが、とくに反応は得られなかった。
 ところが、その後の飲み会になって、何人かの制作者の方々に、本読みをやらないなんて信じられないという意見が聞けた。その中でひとり監督さんで、自分は本読みに最低2ヶ月はかけるという人がいて、ぜひ制作した作品を拝見したいと申し出たら、その場で彼の演出した自主映画のDVDを貰えた。帰って早速見てみたら、やはり非常にきめ細やかな奥深い演出の作品で、自主映画にもこれだけの演出のクオリティのものがあるのだと知り、嬉しくなった。
 その他、何人かの俳優さんや監督さんと話しができて、いろいろ勉強になった。自主映画のDVDも幾つか貰え、とりあえず充実した自主映画のオフ会であった。

 昨晩は1時間しか眠れなくてもともと寝不足だったところが、今日も朝帰りで、しかも眠れず、結局今夜も一睡も出来なかった。よってこの二日間、ほとんど寝ていない。

2007年 1月 22日 (月)
 自主映画「Re」のコンテ描き。昼食は赤いきつね。寝不足で、新世紀ミスターブーのDVDを見ながら爆睡。夜、「Re」のダンスシーンのダンスの資料でヒロイン女優の小梅さんがインド映画のDVDを借りにやってきた。社長室で3時間ほど映画に関係あること無いこと話す。小梅さんは中国語がしゃべれることが判明。その他、いろいろなことがわかった。やはりこの子とは不思議な縁がありそうだ。

2007年 1月 23日 (火)
 事務所の更新で、保証人の判子を貰いに実家に帰って母に会う。ついでにデニーズで食事。ついでに実家を撮影のロケに使うのでビデオカメラで撮影テストをやった。ついでにテレビで映画「ハチ公物語」(仲代達矢主演)がやっていたので、見た。20年前はかなり評判になった話題作だが、今観るとぜんぜん大した映画じゃない。映画はどんどん風化するのだ。

2007年 1月 24日 (水)
 精神的に疲れる課題や気になることが複数同時に襲っていて、落ち着かない。
 ひとつは人間関係のこと。どう考えてもアレだと思ったことが、実はアレではなかったり、アレではなくソレだったのだが、ソレはソレで悪いことでは無いようなのだが、やっぱりアレがいいと思う自分と、ソレならソレでいいんじゃないかと諦める自分と、で結局すべてはどういうことなんだと混乱する自分の中で、様々な想いが交差し、やっぱりアレもソレも、俺にとって一番大事なものではないんだなあと、いっそ全部すっかり忘れて芸術の道をひた走ればいいんじゃないかと、しかしひとりで歩む道は寂しく、アレにもソレにも永遠を見出すことの出来ない現状に心細さを味わった。
 もうひとつは自主映画「Re」の撮影を目前に控え、やることの多さと、スタッフやキャストの忙しさに思うように詳細を煮詰められないもどかしさに、いきなり現場でどこまでの完成度が追求できるものか、思案に暮れている。
 そして金が無い。仕事は増える。忙しいのに、金は無くなってゆく。これが一番最悪な部分だと思うのだが、一応、俺の頭の中では不穏要素の最後の席なのだ。そんな俺の認識こそ、一番の問題だと思うべきか否か。

 夕食はレトルトカレー。
 レトルトカレーのうまい食いかたを発見した。ココナツミルクをドボドボ入れて、かき混ぜて食うのだ。こうすると安っぽいレトルトカレーの味がほんのりエスニックな雰囲気になって、驚くほどうまさがアップする。
 昔、墨森先生が謂った言葉を思い出す。レトルト食品の類いはひと手間かけろ、と。ってゆうかこれは手間じゃないよな。

2007年 1月 25日 (木)
 銀座。

 新宿東口。クライアントのママさんとジョナサンでお食事しながら新しい仕事の打ち合せ。

 映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を見た。ビョーク主演。やっと見た。
 この映画はいろいろなところで話しを聞いてたので大体どんな映画か知ってたつもりだが、見てみて、びっくりした。なんだこれは。画期的な映画じゃないか。やられた。また映画にしてやられた。
★★★★★ 救いようの無いのはラストじゃなくて、むしろビョークのキャラそのものだ。しかし人間、障害があって移民で貧乏でロクな教育を受けてないと、ここまで卑屈で脆弱で陰気な性格になったりするもんかね。こういう欠陥のある人間には周囲にも人間の悪い部分ばかりが吸い寄せられ、人間関係の悪循環を作り出し、雪だるま式に不幸が増殖していったりするのかもしれない。
 普通ミュージカルというのは主人公が唱ったり踊ったりしながら、がんばったり、人を幸せにしたりしつつ、理想の恋や夢を勝ち取るまでを描いたハッピーなストーリーが一般的だ。ところがこの映画はミュージカルに憧れる主人公が、持ち前のネガティブな性格の赴くままに、不幸街道をまっしぐらに突き進み、頭の中だけは花やかなミュージカル・シーンを妄想しつつ、しかし確実に彼女は唱ったり踊ったりする度に不幸をレベルアップしてゆき、最後は地獄に堕ちるという、ある意味、ブラックでシュールでコンセプチュアルな物語なのだ。
 これのどこが後味の悪い映画なんだ。コンセプト的な視点から眺めたら、むしろ痛快とも言っていいんじゃなかろうか。手錠で鉄格子を鳴らす描写とか、裁判で憧れのミュージカル俳優が出てくるところとか、衝撃のラストとか、細かなところまでアイデアが勝利している。しかしこのタイトルを「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とはよくつけた。憎いね。
 惜しむらくはドキュメンタリー風の効果を出すためか、ミュージカル場面以外のすべてのシーンを手持ちカメラで撮影してて、常に画面がぐらぐら揺れていて、目が疲れること甚だしい。気に入った映画は繰り返し見たいタチだからこういうのは困るのだ。
 あと、カトリーヌ・ドヌーブが出ていて驚いた。ビョーク主演の映画で、脇をこういうしっかりした女優さんが固めてくれるとしまっていいもんだね。

2007年 1月 26日 (金)
 昼頃起きた。今日は地獄の給料日。今年から源泉所得税が変わってたり去年の超過不足分などがあったりで社員の給料を計算してたり、銀行いったら社印忘れてしまったりで、やたらバタバタした。まじで秘書がほしい。

★★ 香港映画「新世紀Mr.BOO! ホイさまカミさまホトケさま」を見た。
 これは70年代にヒットした香港コメディの傑作「Mr.BOO」のリメイクである。主演はホイ三兄弟ではなく、そのモノマネ俳優たち。コメディとしては普通に出来はよかったと思うが、しかしこの企画そのものが詰まらない。
 何より、今さら「Mr.BOO」をリメイクする必然性が無い。制作者の話しによると70年代の古き良き時代を再現したかったそうだが、どうせリメイクするなら現代に置き換えてリメイクしたほうがよほどおもしろかろう。
 しかもリメイクと言っておきながら、ストーリーはまったく新しく構成されたもので、そこに旧作のギャグをコラージュして乗っけてるわけだ。これは逆がいい。ストーリーは旧作のままで、新しいギャグを乗っけるか、グレードアップすべきだ(グレードアップしたつもりみたいなのはあった)。
 セシリア・チャンのバカな魔法少女(画像下)と、最後にちらっと出てきた大御所マイケル・ホイと、久々に復活した広川太一郎の吹き替え(長年のブランクを少ししか感じさせない名調子!)がなかなかの救いだった。

2007年 1月 27日 (土)
 銀行。振込。仕事。ラーメン。

 古い日本映画「黒い十人の女」を見た。市川崑監督。1961年制作。
★★★ 十人の女がひとりの男(船越英二)を取り合い、もう面倒だから殺しちゃえ、という映画である。一応サスペンスにカテゴライズされる作品だが、微妙にサスペンスになってないところはまあともかく。
 十人の女優がまた豪華キャストで、当時の有名女優のパノラマという感じ。
 岸田今日子のカルトな美貌が拝みたくて借りてきたのだが、他の女優もなかなか魅力的だった。やはり昔の女優のほうがクオリティが高い。とくに岸恵子が美しい。中村玉緒も今からは想像もつかない異質な魅力があってよかった。しかしやっぱり登場は少ないものの、底知れぬダークなオーラを放っている岸田今日子の右に出る女優はここにはいない。
 「砂の女」がレンタル中なので仕方なく借りてきたのだが、それなりに見た甲斐はあった。雰囲気だけの映画って感じだったけどね。

2007年 1月 28日 (日)
 第十回幻想異端文学大賞の更新やってて日記を書く暇がなかった(現在29日)。やっと書けた。

 ここ数日、深夜DVDを見ていてそのままソファーで眠り、まだ暗いうちに目が覚め明け方から一日の行動開始というパターンが続いている。お陰で昼間、寝不足で、食後とか仕事中とか居眠りが頻発している。
 今日もそんなパターンだった。

 「鉄コン筋クリート」を見に歌舞伎町まで行ったら、もう公開終わってた。こないだは混んでて観れなくて、少し日を置いて来てみたらもうお仕舞いとは、実に勝手な映画だ。
 仕方なく歌舞伎町のマクドナルドで念願のメガマックを食って家に帰った。

 午後、自主映画「Re」の打ち合せで照明担当のやっさんが来た。
 パークタワーまで来たら電話してくれと言っておいたのだが、なんと俺としたことが、居眠りしていて、彼の電話に気がつかなかった。30分ほどして目が覚め、慌てて着信見てかけ直してパークタワーまで向かえにいった。当然、怒っていた。
 とりあえず事務所で数時間、先日描き上がったコンテを中心に当日の撮影について打ち合せ。
 これでやっさんはオッケー。あと何人か会わねばならぬ人たちがいる。撮影まであと2週間。大変だ。

 夜、DVDを見ているうちに眠くなり、いつものようにソファーで眠った。

2007年 1月 29日 (月)
 昼間、自主映画「Re」のプチ・リハーサルで、お母さん役の浅葱さんが相方さんと一緒にやってきた。
 コンテを参照しながら、カメラの前でセリフをひとつひとつ演技してもらった。浅葱さんはキャラとしてはハマり役だし、ポイント的には良い演技をしてくださるのだが、持続力が極端に薄く、少しでも長いセリフや掛け合いの部分だと、わざとらしい演技がすぐ目立ってしまう。これはカットを細かく割って、テイクを重ねて編集で自然な演技をうまく繋げるのが得策であろう。あたかも蝶をつかまえるかのごとき作業である。そういうのもまた楽しい。

 夜、マイミクのピアニストのあやらさんがなにかのついでに新宿に来たので、西新宿で会ってカラオケに行き、ジンナーでインド料理を食べた。俺は彼女の作るピアノの曲が大好きなので、近いうちにぜひコラボなどを企画したいと思っている。
 ちなみに彼女の曲はこちらで聴ける。
http://www.muzie.co.jp/cgi-bin/artist.cgi?id=a043170

 深夜、中国映画「鬼が来た!」を見た。カンヌ映画祭グランプリ。
★★★ あまりインパクトを感じなかったのはなぜだ。「シンドラーのリスト」を見た直後だからかな? 最後の最後まで、どうも普通の人間たちが理解できる範囲内の行動をとっているだけのドラマに見えてしまった。うん、この時代のこの状況ならここは殺戮にもなるよな、みたいな。
 それにしてもあまり「戦争」というキーワードは関係なかったような気がする。戦争は単なるこの物語の背景であって、描かれているのはそういう特殊な状況で、文化の違いなどで人が人を殺し合ってしまうことだってあるってことの1パターンを描いているだけにしか見えなかった。
 やっぱり「シンドラーのリスト」のせいだな。あのジャーマンたちのキチガイじみた殺戮を見せられた後では、こんなもの当たり前の光景にしか見えない。日本人だって本当は同じくらい酷いことやってるんだから、やっぱり戦争の悲惨さを描いた映画として見たら中途半端でダメかもね。
 戦争抜きで、普通に人間の愚かさを描いたドラマとしては、良いと思うが、それにしても事件の発端となり、ずっと興味をひっぱってきた“私”の正体を結局最後まで明かさないというのは如何なものか。
 あとこのクライマックスやラストは、中国人の立場から見たほうがずっとおもしろかったような気がする。

2007年 1月 30日 (火)
 書くのを忘れていたが、昨日、招待券があったので、歌舞伎町に映画「ディパーテッド」を見に行った。ジャック・ニコルソン、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン主演。マーチン・スコセッシ監督。言わずと知れた香港映画の名作「インフェアナル・アフェア」のハリウッド版リメイクである。
 ほとんど同じストーリーなのに、香港版とは見違えるほど決まるべきところが決まっていない。あの緊張感あふれるシーンが、あの哀愁漂う男たちの姿が、酷く薄っぺらになっている。アンディ・ラウやトニー・レオンに比べたらディカプリオやマット・デイモンでは役者が一枚も二枚も下だと思うが、最大の問題は演出がとりあえず作りました、風なやっつけ仕事であるせいかと思われる。★ジャック・ニコルソンは歳食って若い頃のオーラのメッキが剥げかかり、演技の拙さがだいぶ露見してきてしまった。
 マーチン・スコセッシとジャック・ニコルソン、ふたりの映画界の巨星は、すでに過去という名の地平線に流れ星の如く儚く消え去ってしまっていたのであった。
 香港版も後半の展開に納得がいかなかったのであまりお気に入りの映画ではなかったが、それにしてもこのリメイクは酷い。香港版の不完全燃焼をハリウッドが挽回してくれるかと少しは期待していたのに、冒頭から余分なキャラがいるなと思ったら、案の定、ラストにとってつけたような追加オチの伏線だった。
 これじゃ中途半端だった香港版のほうがまだマシだ。残念。

 書くのを忘れていたが、ついに第十回幻想異端文学大賞のエントリー作品を発表した。今回は7作品と多い。
 今回もっとも注目したいのは、生まれて初めて小説を書いたDさん。その初めてにしては驚きのクオリティの高さと、新鮮な感性は、今回の大賞の台風の目となることは紛れもない。
 レギュラー陣もがんばっている。俺もがんばった。密かに新境地だ。
 みんな、しっかり全部読んで、投票しましょう。

 自主映画Reの打ち合せで、美術のチキンさんと打ち合せに開成に行った。
 開成に来たついでに、懐かしい人(時間的にまだそれほど懐かしくはないが、気持ちはすでに懐かしい)に会って来た。貸してたものとか、借りてたものがいろいろあったのである。
 さて、チキンさんと会い、近くのサイゼリアで打ち合せ。Reの美術について話し合ったが、こちらの求めるものとチキンさんのやりたいこととの意向が合わず、彼女は降りることになった。撮影まであと2週間だというのに、困った。

2007年 1月 31日 (水)
 自主映画Reのロケハンで、渋谷に行った。予定より2時間ほど遅れて助監督のテステスくんがやってきた。助監督だというのに遅刻が本当、多いな。
 彼が来るまでに下見をしていたので、ささっと終わらせた。
 新宿でマイクテストも兼ねて、ふたりで飲みに行った。テステスくんがしゃぶしゃぶが好きだというので、歌舞伎町のしゃぶしゃぶで飲んで食った。
 しゃぶしゃぶの後、テステスくんの趣味につきあって、凡そ5年ぶりくらいにキャバクラに行った。テステスくんは希代のキャバクラ・マニアで、先日も部屋の掃除をしたらキャバクラの名刺が50枚も出てきたそうだ。
 潜入したのはグローブという店で、俺が5年以上前最後に来たのもこの店だったような気がする。フリーで入ると女の子が次から次へと替わって落ち着かないので、三人目くらいに好みの女性が来たので、その子に場内指名というのをしてずっとその子にいてもらった。
 まあたまにはこういう所に来るのも楽しい。

 帰って、今日撮影したVTRをチェック。割とこのひとときが楽しい。


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