途中で思い出して持ち込んで合った毛布を敷いたりとか、多少の不手際はあったが、サンジもゾロも互いに素肌を密着させ、体を押しつけあっていた。 「……て、てめ…っ、ちょっとま、ん、……あっ。」 ゾロの耳元から首や肩にかけてを、唾液まみれにするくらいに舐めまくっていると、ゾロはじたばたしてサンジの頭を押し退けようとした。 「暴れるとー、キスマークつけちゃうぞー?」 「ふざけんな、んあ、てめ、やめろ…っ。」 「やめないもーん。」 何を焦っているのやら、サンジが痕のつかない程度に耳の後ろを吸ったり、胸を撫でていた指の間に乳首を挟み込んだりすると、ゾロは激しくうろたえている。 けれどもゾロのものはふれていないうちからすっかり元気いっぱいだし、乳首もこねているとすぐに芯を持ってきた。 脚も絡めて、きゅっと挟み込んだり、すねを擦りつけたりしていると、ゾロはサンジを上に乗せたまま、ずりずりと移動しようとする。 「毛布からはみだす。」 サンジはめっと叱って、ゾロを引きずり戻した。 頭をずらして、指でとがらせた乳首をちゅうと吸ってやると、ゾロの頭が後ろにかくんと倒れる。 ちらりと見上げて、あとで喉仏も噛もうと思いつつ、サンジは小さな乳首をくちゅくちゅと舐めしゃぶった。 手も少しずつ下に伸ばして、ゾロの腹やら脇腹やら腿やらを、さわさわと撫でくり回す。 「やめろ、んなとこ舐めんな、さわんな…、いつもみてえに、……おい、聞いてんのか、コック…!」 呼吸を乱し、せわしなく全身をもじつかせながら、ゾロの声は段々大きくなっていく。 「何云ってんの、ゾロ。今までみてえなやり方なんて、する訳ねえだろ。もう性欲処理じゃねえんだから。」 もどかしがって苛立っているようなゾロに、サンジは少し強めに、きっぱりと云った。 これまでは性欲処理が名目だったから、ゾロが嫌がればサンジは引き下がるしかなかった。 けれどもサンジは、ゾロを丁寧に愛撫して、全身可愛がってやりたいと思っていたのだ。 こうして恋人同士になった今、これまでのやり方を拒否する権利がサンジにはある。 射精するためだけ、入れるために慣らすだけ、そんなことはもうしない。たとえゾロが望んでもだ。 「あのなー。おまえの計画にひっかかって、かわいいコックさんはおまえへの恋に落ちたの。んで、おれは切ない恋心をおまえに訴え、おまえはおれを愛するあまりに無い脳味噌で一生懸命作戦たててがんばってくれたことを教えてくれたの。それでおれ達は、心から愛し合う熱烈カップルになったの。っつーことだから、おれとおまえがこれからすることは、お互いの愛を心と体で実感して確かめあう、幸せいっぱいの愛情満ちあふれる行為になったんであって、もう性欲処理じゃねえの。OK?」 びっくりした顔のゾロに、ここぞとばかりに、サンジは滔々とまくし立てた。 最初は、そうだっけ? と迷うようだったゾロの顔が、段々、そうなのか、というものに変わってきた。いい感じにサンジに圧倒されているようである。 とにかく、昨日までのえっちは性欲処理だったけど、今日からのえっちは愛の行為なのである。それだけは絶対に、ゾロにも自覚して貰わなくてはならない。 「無言は了承と理解します。つーことで、…………むぐ。」 「うわあああっ、こ、コック!」 サンジがぱくんとゾロのものをくわえてやると、ゾロは盛大な奇声をあげた。 今までサンジがしてやったことはなかったが、ゾロは散々サンジにしてくれた行為だというのに、大げさである。 けれども、コックであるサンジにとって、舌を使って相手の体液だの肌を味わうというのは、とても重要な気持ちがあるからこそだ。 サンジはがっしりとゾロのものを握り、ぺろぺろとそれを舐めた。 「ん、…んっ、ん……。」 ゾロのものはサンジの舌がふれるたびに、びくびくと脈打ち大きさを増す。あっと云う間にがちがちに張りつめたものに口づけ、サンジは、先端ににじみだした透明な蜜を舐め取った。 「あー……、野郎のこんなもん舐めるなんて、マジ惚れしてなきゃできるもんじゃねえなあ。」 何だか妙にしみじみと思ってしまい、呟くと、潤んだゾロの瞳がサンジへと向けられる。 「おまえ、本当におれのこと、大好きなんだなあ、ゾロ。」 サンジがにっこり笑ってやると、ゾロは真っ赤になって腕を振りあげた。 たぶんサンジを殴ろうとしたのだろうが、サンジがすかさずゾロのものをちゅううと吸い上げてやったので、へろへろと力なく、ゾロの手はサンジの頭に落ちた。 「んんっ、あ、あ、あ……。」 びくびくと震え、腹が波打ち、腰が揺れる。 どうやら大変に気持ちがいいらしい。反り返った裏側や、大きく張り出した部分、今まで手でのみ知っていたゾロの感じる部分を、舌と唇で、舐めたり撫でたり挟んで揉んだりと、優しく可愛がってやる。 「あ、や、やめろ…っ、も、でる、でるから……あああっ。」 口でされる興奮が、精神的に快感を高めるのはサンジも身を持って知っている。 ましてや両想いになった愛しいサンジにしてもらっているゾロは、サンジが今までされていた時以上の心の喜びを深く感じている筈だ。 「あ…んっ、コック、あ、ああ…っ。」 ゾロの腰が浮き上がる。 戸惑うようにサンジの髪にふれていた手に、頭を引き寄せられた。 口の奥にたたきつけられる白濁を、サンジはのどを鳴らして飲み込んだ。
「どうだった、ゾロ。よかった? うれしい?」 ぐったりとなって息を切らしているゾロに、サンジはにこにこして聞いた。 とはいっても、聞かなくても判るくらい、ゾロは快感に溶けた表情をしている。 今まで見てきた達した後の顔も気に入ってはいたけれど、それを遙かに凌駕するくらいの、可愛らしくいやらしい顔をしていた。 もう恋人同士なので、遠慮なくゾロを可愛いと思う権利を手に入れたサンジは、うっとりしてゾロの色っぽい姿に見入る。 「……飲んだのか。」 少し落ち着いてきたらしいゾロは、なぜだかいたたまれないような様子で呟いた。 「いつもゾロも飲んでくれるし。……初めての味覚だけどな。」 「お、おれは、てめえの味、嫌いじゃねえから…っ。」 「うん。おれもゾロのこと大好きだから、飲んでやりたかったんだ。」 素直じゃない云い方ばかりだが、サンジは大体判ってきた。 とにかくゾロはサンジが大好き。表層の余分をそぎ落としたら、つまりはそういうことである。 ゾロは拗ねたようなむっとしたような顔をして、体を起こそうとした。 「おれもする。」 「いや、今日はいいです。」 すかさずサンジはゾロの片足をつかみ、目一杯高く引っ張りあげることで、起きかけたゾロをひっくり返した。 がんっとゾロの後頭部あたりで大きな音がしたような気がしたが、気にしてはいけない。 「今度69しようなー。」 遠慮するのはあくまでも今日のみなので、サンジはそうおねだりをしておいて、もう一度ゾロの脚の間に顔を埋めた。 けれども今度唇が狙うのは、今まで舐めていたところよりも、更に奥の双臀の狭間だ。 ゾロはサンジのそこを狙ってはこなかったので、今までゾロがしてくれていたことよりすごいことをしてやれると、御機嫌で舌を指し伸ばした。 「ぎゃあっ。」 なのにゾロがあげるのは、可愛らしい嬌声ではなく、ひっくり返ったビビり声である。 「て、てめ、てめ……、んなとこ…っ、舐めるとこじゃねえだろ、油使えよこの馬鹿、変態っ。」 ゾロにとって余程予想外な愛撫だったのか、サンジの方こそびっくりしてしまうような勢いでうろたえられて、……サンジはなんだか、おもしろくてたまらなくなってきてしまった。 サンジの予想よりも、ゾロの経験値と知識は低いのかもしれない。 「愛し合う二人のいちゃらぶい行為に、しちゃいけないことはありません。」 サンジはきっぱり云うと、真っ赤になって固まったゾロの膝の裏に手を突っ込み、胸の方へと強く押し上げた。 浮いたゾロの尻をさわさわと撫でると、ゾロはぶるぶる震えて全身を緊張させる。 小さく引き絞られたようなそこを、サンジがもう一度ぺろりと舐めると、ゾロは腰を跳ね上げて息を詰めた。 「きもちいいんだろ、ここ。」 指でもそっとくすぐると、ひくついて、収縮する様子を見せる。何度もサンジを受け入れて、そのたびに少しずつ、快感を芽生えさせてきたところだ。 今までこんなにまじまじと見たことは無かったが、サンジは優しくそこを撫で、キスをして愛でてやりたい気持ちでいっぱいになる。 サンジはサンジで、ゾロが好きだと腹をくくった分、一気に気持ちがあふれだして仕方なくなっているのかもしれない。 「確かに舐めるとこじゃねえとは思うけどな。でも、セフレにはしねえけど、恋人にはするの。惚れた相手が感じてくれるんだもん、キスして舐めて、いっぱいいじって気持ちよくしてやりてえんだ。……な、好きだよ、ゾロ。」 「………………。」 愛情たっぷりにささやくと、ゾロは大きく震える息を吐き出し、いきなりへにゃんと力が抜けた。 落ちそうになる脚を、サンジはあわてて持ち上げ直す。 ゾロは全身真っ赤でとても熱くて、前のものもまたすっかり勃ちあがっているのに、すっかり力が抜けてしまった様子でもあった。 どうやらサンジの言葉に感動して、腰が砕けてしまったようだ。 それはそれはもう、可愛らしすぎて嬉しすぎる。 「ゾロってば、すげえ可愛い……。今夜はおれのありったけの愛情とテクニックで、めいっぱい可愛がってやるからな!」 サンジは感動のままに叫んで、ひくひく震えているゾロの下の口に、存分にキスをしまくった。
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