お礼対談その3.『相方から見た主人公』。

舞「皆の者、聞け! 今回の対談のお題は、『相方から見た主人公』だ」
ランパート「ていうかさ、俺の場合は俺が主人公なんじゃないかと思うんだけど」
舞「そのような些末事を気にするでない。とにかく普段の対談キャラたちは相方と呼ぶべき存在から見てどんな人間か、ということがお題なのだ」
勝「ではなぜ可憐様たちではなく俺なんだっ。俺は別に兄一の相方でもなんでもないぞっ」
舞「ここに十二人もの人間を呼ぶわけにはいかなかろうが」
ラグ「俺たちは仲間三人全員呼ばれてるけど……」
舞「三人ならば許容範囲とのことだ。……第三回にして番外編的お題に手を出すほどあっさりネタ切れた情けない管理人はともかく、来てくださっている方々のために対談はせねばならん。よいな?」
皆守「………あー、だりィ………」
桃城「了解っス」
風間くん「なんで僕がしんのすけの相方なんだまったくっ……でも来訪者の方々のために呼ばれたんだからちゃんとしなくちゃ駄目だし……(ぶつぶつ)」
ビアンカ「任せて」
ククール「へいへい」
昴「昴は言う……いいだろう、と」
ラグ「……わかった。いいな、二人とも?」
ロン「俺はかまわん」
フォルデ「あーくそ、来てくれる人のことまで持ち出しやがって……わかったよっ!」

舞「では、まずは私からか。滝川の、ことを、言えばいいのだな、うむ」
ククール「おや? 顔が赤いぜお嬢さん? やっぱり恋人のことを話すのは恥ずかしいか?」
舞「た、たわけっ! 我が一族は芝村だ、カダヤのことであろうとなんであろうと照れはせぬ!」
ビアンカ「ふふ、そういう風に意地張っちゃうなんてお年頃ねぇ。私にもこんな頃があったのかしら?」
舞「と、ともかく! 滝川のことを話せばよいのであろう。あやつは……あやつは……(かーっと顔を赤らめ)」
昴「……あやつは?」
舞「…………なんでそのようなことをそなたたちに言わねばならんのだ! 関係ないであろうがーっ!(銃乱射)」
桃城「うわ、危ねぇ!」
ロン「……やれやれ。自分で対談をすると言っておきながら」


ランパート「次俺か。えっと、マスターのことか……見た通りの人だよ」
皆守「……つまり、コスプレ大好きの変態か」
ランパート「……うん、まぁ………」
フォルデ「……はぁ!? なんでそんな奴と一緒にいんだよっ、とっとと逃げだしゃいいじゃねぇかっ!」
ランパート「う……でもさ。マスターはずっと、生まれた時から一緒にいたし……」
ククール「生まれた時から一緒にいたからって愛情が湧くもんでもねぇだろ」
ランパート「でも、でも、あれでいい人なんだぜ?」
勝「ちょっとくらいいい人だからってあの変態っぷりは打ち消せんだろう……」
ランパート「う……だけどさ! だけどマスターは優しいし、俺のことすげぇ大切にしてくれるしっ、俺がコスプレしたらすげぇ喜んでくれるしっ……!」
昴「……要するに、好き、なんだろう?」
ランパート「(顔赤くして)………うん、まぁ………」
ラグ「……甘酸っぱい親子関係だなぁ……」


勝「……兄一のこと? 決まってるだろう、花穂様たちをないがしろにするどうしようもないクズ男だっ!」
ランパート「でも旅行についていったりいろいろ仕えてるらしいじゃん」
勝「それらは全て衛様たちのためっ! 曲がりなりにも咲耶様たちの兄ということで、一応仮に主人としているにすぎんのだっ!」
桃城「……なんか、危ねぇなこの人」
昴「……ほう。では、ここにある資料はなんなのかな?」
勝「………は?」
昴「……『七日。勝に飲みに誘われる。お決まりの妹たちをもっと大切にしろという説教のあと、酔って愚痴り始めた。どうやら恋人に振られたらしい。しょうがないので愚痴を聞いて励ましてやる。勝は泣きながら俺に抱きついて吐いた。……いつものことながら面倒をかける奴だ』」
勝「………………!」
昴「……『九日。勝が顔を真っ赤にしながら俺の部屋を訪ねてきた。詫びだといって食材を大量に買ってきてくれた。こういうところ、こいつは律儀だなと思う。前に家で飲んで面倒をかけた時も飯おごってくれたし。あくまで詫びとか礼とかじゃないとしない辺りは、男同士だけに男のプライドって奴をよく理解してると思える』」
勝「お、おま、おまえ、そ、それは………」
昴「君と仲がいい十二人妹がいる兄の日記だ。……『十五日――』」
勝「うわ――――それ以上読むなていうか忘れろ今すぐ即刻ぅぅぅ!」
フォルデ「……阿呆か」


風間くん「……しんのすけのことですか。あいつは、あいつこそ、本っ当に、どうしようもなく最低の男ですよ! 馬鹿だし自分勝手だしわがままだしスケベだし妙なことばっかりするし!」
皆守「……じゃあなんですぐ縁を切らなかったんだ」
風間くん「……え?」
ロン「そうだな。小学校中学校と別だったんだろう? ただ幼稚園が一緒というだけの最低男なんて、普通にしていれば二度と会うこともないだろうに。ちょくちょく会ったりしてたのはなんでだ?」
風間くん「そ……それは………あいつがしょっちゅう会いに来るから」
舞「会いたくないのなら会わねばすむことであろうが」
風間くん「いや、あいつは強引だから、なんのかんので結局会わざるをえなくって――」
昴「昴は指摘する。君は嘘をついている。会わずに済ませようと思えば会わないでいることもできたはずだ」
風間くん「え、いや、ホントに僕は」
昴「つまり、君は、なんのかんの言いつつ心の底で――」
風間くん「違います違います僕はホントにあんな奴のことなんとも」
皆守「……その台詞、女のことをからかわれた奴の反応にしか見えんぞ」
風間くん「…………ち…………ちが――――うっ!(マジ泣き)」


桃城「天野のこと? そりゃ、ダブルスのパートナーっスよ」
風間くん「……それだけ?」
桃城「あー、あと料理のうまい後輩」
ロン「……ほほう。つまりプライベートではそれほど親しくないと?」
桃城「うーん……なんつーか。あいつと俺の間にあるのは、まずテニスなんスよ」
ビアンカ「うんうん」
桃城「まずテニスありき、で、そっから伸びてくもんはいろいろあるにしろ。部活の先輩後輩って図式は、多分一生変わんないと思うっス」
舞「……ふむ。いわば戦友のようなものか」
桃城「まぁ……そうかな?」
ロン「……爽やかだな。汚れた俺の目には眩しすぎるぞ」
ラグ「……俺たちも年取ったよなぁ……」


ビアンカ「アディムのことね……やっぱり、あえて表現するなら……最愛の夫、っていうのが一番当たってるわね」
桃城「おおっ、言い切った!」
ビアンカ「………凄まじく、尋常じゃなく、異常なまでに親バカだけどね………ふふふふふ」
フォルデ「………(怖ぇ……)」
ビアンカ「結婚する時に『ずっと君と一緒にいたいんだ』って言っておきながらいざ結婚してみたら子供にばっかりかかりっきりで。私のことほっぽらかして子供たちばっかりかまって。父親である以前に私の夫だってこと忘れてるんじゃないのって思うわよ、ふふふふふふふふ…………」
ククール「それなら俺がお相手しようか奥さん? あなたみたいな若く美しい人が一人の男に縛られているのはもったいないよ」
ラグ「おい……こんなところで他人の妻を口説くなよ……」
ビアンカ「え……(ククールを見つめ)……駄目ね。あなたよりうちの旦那の方がずっといい男だから。浮気するなら旦那よりもいい男じゃないとねー」
皆守「……なんのかんの言いつつ好きなんだろうが。馬鹿馬鹿しい」


皆守「……九龍について……か。……史上最悪のお節介焼き、だな」
ランパート「お節介って?」
皆守「困っている人がいればどこにでも飛んでいって助ける。相手が嫌だと言おうがいらないと言おうがそんなこと少しもお構いなしにな。一番はた迷惑なタイプの人間だ。……特に俺みたいな奴にはな」
桃城「……とか言いつつつるんでるんすよね?」
皆守「……ッ、あいつが勝手に俺の周りをうろついてるんだ!」
ビアンカ「まったく、素直じゃない子が多いわねぇ……結局あなたは彼に助けられてお友達になっちゃったわけでしょ?」
皆守「…………なんでそんなことをお前らに言わなきゃならないんだ!(蹴りでテーブルひっくり返し)」
ランパート「うわ、危ねぇ!」
昴「昴は言う……やれやれ、と」


ククール「ユルトについて? そんなん決まってるだろ。天然。そんだけ」
勝「天然……度合いによって面倒さは変わってくると思うが」
ククール「あー、あいつは徹頭徹尾隅から隅まで天然。常識知らねーし場わきまえねーでどんなことでも口に出すし……当然みてぇに人の好意信じてるくせに裏切られても平気な顔してるし。……苦労してるくせにほんっと、すれねー奴なんだよ。俺と違ってな」
昴「……ふむ。反発心と憧れ。自分にはなれないと知っているが故の憧憬と憎悪か。複雑だな?」
舞「……そなた、もう少し明るく生きた方がよいぞ」
ククール「余計なお世話だ」


昴「……大河について、か。そうだな……以前に彼には言ったことだが、僕たちを導くポーラースター、だな」
風間くん「ふ、ふーん。熱烈ですね。そんなにその人のことが好きなんですか?(必死に逆襲)」
昴「(にっこり笑って)ああ。愛しているよ」
風間くん「(ぶはっ)」
勝「よ、よくそんな恥ずかしげもなく……お前はそれでも恥の文化を知る日本人かっ!」
昴「……恥の文化というのはR・ベネディクトが日本という国を理解するために文化様式論によって生み出した見識にすぎない。彼女の見解が斬新なものであったことは論を待たないが、罪の文化との比較対象として産み出された思考のみで日本人の文化を規定してしまうのはどうかと思うが?」
桃城「……なんのこと言ってんのか全然わかんねぇ……」
昴「日本人であろうと誰であろうと、人を愛していることを主張するのに遠慮することはないということさ。時と場所さえ選べばね」
舞「……う……む……しかし……だな。そなたは恥ずかしくは……ないのか?」
昴「(微笑み)もちろんとても恥ずかしいけれど、大河に愛を告げる時ほど緊張はしないさ」
ロン「……ふむ。なかなか言うな、あんた」


ラグ「……セオについて……か。いい子だよ、彼は。甘ちゃんと言ってしまえばそれまでだけど、とても純粋だ」
ロン「そうだな、健気な子だ。すぐ一途に思いつめそうな子だからいじめると面白い。泣き顔可愛いしな」
ラグ「ロン……」
フォルデ「めっちゃくちゃに甘やかされたムカつくボケ勇者だよっ! ったく、なんであんな奴と一緒に旅しなきゃなんねーんだ」
昴「ふむ。ならばなぜ君は彼と旅を続けるんだ?」
フォルデ「借りを返すためだよっ。……魔王を倒すっていう目的に乗ってやろうって気も少しはあるけど」
ランパート「ていうかさー。借りってだけならアリアハン出た時点でもう十分返してんじゃないの? 罠また罠の塔の攻略頑張ったんだろ?」
フォルデ「……へ?」
勝「まぁ……ただ財布を盗んだ時の借りを返すためだっていうなら、別にそこまで意地になる必要もないんじゃないかって気はするな」
フォルデ「……っせぇな! 俺が返してねぇって言うんだから返してねぇんだ! それにっ……そうだっ、最後まで付き合うって約束したからにゃ破るわけにゃいかねぇだろ!」
皆守「………ほう?(馬鹿にしたように見ながらアロマすぱー)」
フォルデ「………るっせぇ黙れボケてめぇにゃ関係ねーだろーっ!(テーブルひっくり返し)」

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