そして、それから
 ローレシア第十一代国王ロレイソム・オーマ・ローレシアは王位継承後その辣腕を振るい、ローレシアの農地を倍増させ工業を大いに活性化させた。
 サマルトリア第十三代国王サウマリルト・エシュディ・サマルトリアはロレイソム王より王位継承は十年ほど遅れたものの、様々な法改正、制度改正を行いサマルトリアの黄金時代を築き上げた。
 ムーンブルク第九十八代国王マリア・テューラ・ドニア・クスマ・ムーンブルクによるムーンブルクの改革と活性化とも合わせ、この時代はロト三国の最も幸福な時代と後世に言われる。
 ロレイソム王とマリア女王は二人の間に三男二女を作り、普段は子供たちもローレシアとムーンブルクに分かれて生活していたものの、互いに妾も作らず週末ごとに子供を連れお互いの国に行き来する二人は、世界一のおしどり夫婦と呼ばれたという。
 それに対しサウマリルト王は――世界を救うための旅の途中に男性としての機能を失ったということで――生涯独身を貫いたものの、旅の仲間であるロレイソム王とマリア女王とは死が訪れるまで友誼を保ち続けた。ときおり二人の家庭の食卓に同席することもあったと言われている。
 また、ローレシア城には城の外れの塔の先端にサウマリルト王専用の客室が用意され、そこには必要最小限の人間しか立ち入ることを許されなかった、とも。

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