非幻想異端的日常
2006年 11月 1日 (水)
 朝8時に起きて仕事。

 昼、カレーが食いたくなり、今日は週に1度、移動型カレー屋さん「シャンティ」がやってくる日なので、外に出て待っていた。しかしいつもの時間を10分以上過ぎてもトレーラーは現れず、仕方なくパークタワーに降りてペッパーステーキで「霜降りステーキ弁当」を買い、事務所で食った。まずかった。
 シャンティ・カレーとペッパーステーキ、二つの食い物屋に気持ちを裏切られたお昼のひとときだった。

 午後、仕事。夕方頃からやたら眠くなり、机に顔を伏せて眠った。

 夜は蕎麦湯まで美味しい、十割蕎麦を食った。

2006年 11月 2日 (木)
 また映画の感想を書くのを忘れていた。先日、かの西部劇の名作「リオ・ブラボー」を初見。よかったけど思ったよりは普通だった。
 それにしても俺の好きなアノ監督の映画で見たことあるようなシーンや聞いたことあるようなセリフがいっぱい。「Is that what I think it is?」と何度も叫びそうになる。

 昼食を食わないと仕事がはかどる。食事と食休みの時間がセーブできる他、空腹のほうが眠くならず、比較的頭も回る。
 やることアトからアトからアリすぎて、自分が今いったいどれだけ忙しいのかがわからない。把握できない。ひょっとしたら少しは余裕あるのかもしれないし、寝る暇もないのかもしれない。
 こまごまとしたことが多すぎるんだな。

 夕食は豚丼でも食おうと、豚肉と豚丼のタレを買ってきて中華鍋で作って食った。

2006年 11月 3日 (金)
 8時頃起き、仕事。
 夕方頃、時差ぼけのように頭がクラクラと眠くなってきて、仕事を切り上げて寝た。そのまま朝までこんこんと眠る。
 よく考えたら今日は午前中、仕事をしながらちょっとドーナツをつまんだだけで、まったく食事をしなかったな。

2006年 11月 4日 (土)
 連休初日。仕事がドカドカ残ってたので、朝から仕事にあけくれる。
 11時頃、スパイスヘブンでインド料理のバイキングを食う。今日のラインナップはチキンカシミールカレーと玉子カレーといつもの野菜カレーと豆カレーの4種類。早い時間でカレーが作り立てだったからか、スパイスの味が心無しかいつもより引き立っているような気がしてうまかった。
 食後そのままふらりと歌舞伎町へ、招待券があったので映画を見に行く。

父親たちの星条旗 クリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」を見た。
 壮絶な拠点争奪戦となった硫黄島の戦いを、日米ふたつの視点から描いた「硫黄島二部作」の一発目である。こういう趣向はとてもおもしろいな。
 ひたすら退屈でドラマチックなリアリティを追求した作り方で、戦闘シーンなどは非常に迫力があった。
 もう一個のほうも見てみたい。

 家に帰って、仕事の続き。夜10時頃、切りがないので切り上げた。
 明日からは休むぞ(執筆)。

2006年 11月 5日 (日)
 連休二日目。
 執筆して、映画見て、食って、執筆して、ひとりで喫茶店でお茶して、食って、寝た。

ポール・ニューマン コーエン兄弟の映画「未来は今」を見た。なぜか助監督がサム・ライミ(脚本も)。
 物語はよくある企業もののサクセス・コメディ。ポール・ニューマンが味のある悪徳重役を演じていて(画像参照)、なかなかどうして素晴らしい。
 作りは割とシュールで、少なからずオリジナリティは感じるものの、どことなくもたついた印象で、スタイル的には可もなく不可もなく。でもサム・ライミが一枚噛んでいるからか、なつかしのカルト映画「XYZマーダース」のテイストが感じられて、その点はとても嬉しかった。
 中盤恐ろしく退屈だが、最後のほうがかなりおもしろい。

2006年 11月 6日 (月)
 自主映画のオーディション&ミーティング。
 今回の立ち合いは宇井郎さん、姐御さん(脚本家)、ぶらっきぃさん、テツさん、やっさん(初参加)、その他と、大人数。前回(10月28日の日記参照)はドタキャン相次いで二人だけだったのに、この極端さはなんなんだ。
 オーディション参加は浅葱さん(お母さん役候補)、近藤さん(主演候補)、そしてサイトウさん(主演候補)。
 浅葱さんは初期の頃から参加してくれた、というより自主映画活動を始めて一番最初に出会った自主映画関係の人で(2005年8月22日の日記参照)、ミクシィでのニックネームが脚本家の姐御さんと同じなので差別化するために通常“萌え系”姐御さんと呼んでいる。そう、彼女は究極のアニメ・マニアなのである(初対面の時もメイド服だったっけ)。今回、彼女が主人公のお母さん役にイメージがピッタリということで来ていただき、1年ぶりに再会したわけだが、雰囲気も演技もやはりイメージにピッタリで、文句無しに彼女に決まりだった。今まで様々な自主映画やVシネに出演してきたが、オーディションをするのは今回が初めてとのことで、こちらが申し訳なくなるくらい恥ずかしがっていた。そんな様子がまたよい。
 サイトウさんは女性だが、普段舞台で男役をやっており、男の役がやりたいとのことで今回の主演に応募してきたという変わり種。雰囲気はかなりよかったが、演技がもろに舞台臭くて難しいところだった。近藤さんは演技は完璧。少しイメージが俺の想定していたものと違ったが、脚本家の姐御さんがやたら気に入って、他の皆も大体彼で異論はないようだった。
 オーディションが終わり、前回のオーディションの模様のビデオを皆に見せ、脚本の内容や作品のタイトルについて話し合った。ずっと未定だった肝心のタイトルがやっと決まった。「Re」である。「アール・イー」と読む。あと助監督と照明さんも決まった。スタッフではあと編集さんと撮影監督と雑用が二人ばかし欲しい。誰かおらんか。

 配役に関しては、本日でメインキャスト5人のうち、3人が決定した(主人公、お父さん、お母さん)。残るは子役とヒロイン役の女性。子役は候補がいてほぼその子に決まりそうな気がするが、問題はヒロインだ。
 というわけで、我がゼロ映では自主映画に出演してくれるヒロインの女性役の女優さんを募集しております。もし興味がある、またはいい女優さんを知っている、という方がおりましたら、ぜひ連絡してください↓

■資格:20代前半の(またはそれくらいに見える)女性。
■備考:ダンスが踊れる人、ベッドシーンの出来る人、大歓迎。ただし女優さんの都合により脚本や演出を変更できる可能性もありますので、必須ではありません。
■応募:お気軽にメールかお電話を!→piza@po.jah.ne.jp(件名に「自主映画出演」の文字を必ず含めるようにしてください。じゃないとスパムと間違えて削除してしまいメールに気がつかない可能性があります)、090-4027-0840(浅野)

2006年 11月 7日 (火)
 朝5時半に目が覚め、6時に昨日炊いた赤飯の残りを朝食にとった。
 食後、昨日のオーディションのビデオをそこはかとなく眺める。
 居眠り。
 10時頃、仕事を始める。
 昼、いきなりクライアントのTさんから電話があり、金を払うからすぐ南口に来い、といつもながら唐突な呼び出し。そそくさと行ってくる。
 昼過ぎ、今度はクライアントのSさんから電話があり、今ビルの前にいるからすぐ降りて来てくれと、またもや唐突な呼び出し。そそくさと降りて会ってくる。
 午後は食事もせずポテトチップ(コンソメ味)とひとくちドーナツ(正確には3口だった)を食いながら仕事をした。
 夜、クライアントのNさんから「人生に疲れていま公園でたそがれてる」と電話があった。みんな大変そうだ。
 夜8時頃強烈に眠くなってきたので、少し早いが寝た。

2006年 11月 8日 (水)
 仕事してたら腹が減ったので、コンビニでスコーン(スナック)と栗ぜんざいを買ってきて食いながら仕事。暫くするとまた腹が減ってきたので、台所を探したらチキンラーメンがあったので、砕いてボリボリ食いながら仕事。暫くするとまた腹が減ってきて、仕方なくケンちゃんに煙草を貰って煙で腹を満たして仕事した。
 なんでこんなに腹が減るんだろうと思いよく考えてみたら、俺が最後に食事したのは昨日の朝6時。かれこれ35時間ほどまともな食事をしてなかった。腹減るわけだ。
 そんなこんなで夜10時頃仕事を終え、やっとまともな食事にありついた。39時間ぶりの食事はもちろんカレーだった。

2006年 11月 9日 (木)
 昨日だいぶ仕事が進んだので今日は久しぶりに昼食が食えるかなと思ったら、お昼直前にドタバタと細々した仕事や食欲無くなるようなメールがやってきて、結局ポップコーンとドーナツを食いながらめしも食わずに夜まで仕事した。
 夕食はまたレトルトカレー。MCCの「パプリカとチキンのカレー」というのを食ってみたら意外とうまかった。俺は今までの人生でレトルトカレーをうまいと思ったことが一度もなかった。一応、カレーの端くれというだけでたまに食ってきたが、レトルトカレーにもうまいものがあるのだと初めて知った。MCC、覚えておこう。

2006年 11月 10日 (金)
ピストルオペラ 夕食はレトルト・カレー3日目。
 昨日食ったレトルトのカレーがうまかったので、同じMCCの他のやつと、ミクシィのカレーのコミュニティで検索して評判のよかったヤマモリのタイ・カレーというのを買ってきて食ってみた。MCCのカレーはやはりうまい。ヤマモリのほうはうまいが、やたら辛くて、下痢になった。
 食後、DVDで映画を見た。

 鈴木清順の「ピストルオペラ」を見た。
 わかっていたことだが、ヘンな映画だった。ヘンな映画は基本的に好きだが、しかしこれはあまり気持ちよく決まってなかったような。DVDがレターボックスになってなかったのも大きな問題だ。
 それにしてもどこがオペラなんだ。歌えよ。

2006年 11月 11日 (土)
 なぜか珍しく午後起き。昨晩寝る直前にミクシィでメッセージが連続し、長文の返事なんぞを書いてて寝るのが遅くなったためである。終業直前に話しが長い来客もあったし、久しぶりに洗濯にも行った。
ビンスとホーガン
 夕食はレトルト・カレー(4日目)。

 食後、先日TSUTAYAで買った米プロレス・WWEのレッスルマニア(2003年3月30日)を見ていた。この日の目玉は20年来の宿命の対決ビンス・マクマホン対ハルク・ホーガン。両者血まみれの大激闘で、大満足。ビンスとホーガン、二人の豪勇の死にたくなるほどの役者っぷりにしびれた。彼らのように、俺は成りたい(そこ、笑わない)。

2006年 11月 12日 (日)
 自主映画「Re」の子役のオーディションに横浜に行ってきた。
 子供という点と役どころの難しさから当初子役の選出は難航すると思われたが、コミュニティメンバーのともさんの友達にたまたまテレビなどにもセリフつきの役で出ている子役がいて、出てくれることになった。
 山手駅で待ち合わせ、ともさんの車で予約しといた市民センターの会議室へ。
 子役さんは背の高い眉目秀麗、明るく元気な10歳、小学四年生。きっと将来は三国志の周瑜が阿部寛になったような(どういう例えだ)素敵な俳優になるんじゃないかと思うようなよい子で、文句無しにこの子で決まりだった。
 会議室は3時間予約してあったが、30分ほどで終わり、思ったより早く帰れた。

 帰り、京王のデパチカで鳥のもも肉とタマネギを買い、帰ってインドカレーを作った。相変わらず納得のいかない味だったが、なんとなく原因がわかってきた。問題はシナモンスティックとガラムマサラ。シナモンスティックって、使ってるシナモンスティックが悪いからか、煮込みすぎるとネ臭いような変な香りが出るような気がする。こいつがカレーの味を落としていた原因のひとつだったのかもしれない。あとガラムマサラって、スパイスの調合の割合によって同じ「ガラムマサラ」と呼ばれるものでもその中身はメーカーによって千差万別なのだ。インドカレーのレシピに「ガラムマサラ大さじ1杯〜3杯」だの書いてあるが、市販のガラムマサラは仕上げの香りづけにパラパラっとひとふりふたふりするだけのものが多く、大さじウン杯なんて入れてた日には、味がガタガタッと崩れるのも道理ではなかろうか。すべて料理のことなど何もしらない俺の想像なので何とも言えないが、次回の改善点として記憶にとどめておこう。

2006年 11月 13日 (月)
 りくさんの自主映画の撮影で使う高円寺の唐変木というバーで樋口一葉の朗読ライブが行なわれるというので、ロケ地の下見もかねて行ってきた。
 地下の異質な空間にひっそりと存在する妖しいバーで、ここにきて初めて「高円寺」を実感することができたという感じである。
 ちなみに肝心のりくさんはバイクでこけて怪我をして欠席だった。
 ライブは演者の奥山さんが名調子で樋口一葉を朗読し、バイオリンの効果も絶妙で良かったが、途中でまたもや寝てしまった。後で皆に続きどうなったか聞いたら、皆も寝てたり物思いに耽っていたりして聞いてなかったらしく、結局わからずじまいだった。
 ライブ後めしでも食おうということになったが、みんな金欠だったので、女優のねをさんの家に集まり、日本酒やビールを飲みながら鍋をやった。鍋なんて久しぶりだ。こういう形でアーチスト仲間(俺以外ほとんど俳優さん)で鍋をつつくのは初めてなので、楽しかった。なんかいかにも中央線ワールドって感じだね。

2006年 11月 14日 (火)
 忘れた。

2006年 11月 15日 (水)
 朝、目が覚めベッドでまったり考え事をしていたら、突然模様替えを思いたち、部屋の片付け&掃除をはじめた。模様替えと言っても、ただの模様替えではない。俺の生活に大きな変革をもたらすほどの模様替えである。
 いらないものを次から次へと捨て、テレビとビデオとDVDのスペースを空けた。つまりこれまで事務所にあったテレビとビデオとDVDを上に移動させるのだ。
 ソファーの位置を動かし、対角線にきれいに並べた。俺の家には無駄にソファーがたくさんあったが、それを理路整然と縦横に並べてみると、なかなかどうして人を呼べる雰囲気が漂ってくる。ここにテレビとビデオとDVDを置き、テーブルを置けば、会議室にも使えるかもしれない。
 それまで狭い事務所を大幅に占領していたテレビとビデオとDVDが無くなるからには、事務所も自ずと変革せざるを得ない。いい機会なので、ずっと預かってた段ボール5箱分くらいの団鬼六先生の資料を近くのSS社の事務所に運んでおいてくれとだいぶ前に頼まれていて忙しくて先送りにしていたのを、ついでにやってしまうことにした。事務所のラックを漁って団鬼六先生のビデオやら本やら生原稿やら写真やらの段ボール箱をひっぱり出し、ビルの管理人さんに借りた台車に乗せ、さあこれから出発というところでSS社のNさんに電話したら「明日にしてくれ」と言われて折角苦労して運び出した段ボールをまた事務所に戻した。
 お陰で狭い事務所に一時的に段ボールが林立。変革どころではなくなり、模様替えはいったん中止になった。続きは明日だ。

 模様替えと並行して、事務所ではえらい事態が巻き起こっていた。
 昨日いきなり事務所の電気が5〜10分ほど消えた。パソコン等の電源はついていたので停電ではなく、恐らく配線の問題だろうということで、今日になって業者を呼んでチェックしてもらったが、ネジが緩んでいたので恐らくそれが原因でしょう、締め直しておきましたのでもう安心ですよと言って帰っていったその数時間後、また事務所の電気が消え、二度とつくことはなかった。
 昼間のうちガタガタ模様替えをして、団先生の段ボール逆戻りの件で仕事するしかなくなった時、事務所は真っ暗になり、仕事どころではなくなっていた。それでも暫く我慢して仕事をしていたが、暗闇でパソコンの画面を見て仕事するのは酷く目が疲れ、仕方なく蝋燭を灯し、辛うじて点灯する玄関とトイレの電気と、窓から微かに漏れる星と月の明かりで仕事を続けたが、やはりほとんど仕事にならなかった。

2006年 11月 16日 (木)
 整理2日目(妖艶な響きだ)。
 ケンちゃんとコジロウさんの手を借りて団鬼六先生の段ボールをSS社に運び、事務所がスッキリしたところでテレビとビデオとDVDを上に運んだ。その後、俺はせっせとセットアップにあけくれ、夕方にはすっかり片付いた。
 事務所に戻ると、まだ電気の配線が故障したままで、みんな真っ暗闇の中パソコンの画面を見詰め仕事をしている。さぞや目が疲れて大変だろうが、ガタガタと荷物を運び出した後だけに、どれだけ事務所が埃にまみれて汚いか想像に余るものがあり、とりあえず暗いので気にならないのは怪我の功名と言えなくもない。
 夜、ケンちゃんとコジロウさんとでラーメンを食いに行き、食後、俺の部屋で珈琲を飲みながら三人でテレビを見た。ささやかな社長室開設祝いである。

2006年 11月 17日 (金)
 電気屋さんが来るので午前9時に起きた。めでたく電気は直った。
 俺は心に巨大な闇を持つわりには環境的に暗いのが嫌いで、事務所はいつも100ワットの電球を使っていた。ひょっとしたらそれが負担となって電気の故障の原因になっていたのかもしれぬと、60ワットと40ワットの電球を買ってきて入れ替えた。少し暗くなったが完全な暗闇よりはましだ。どうせ120ワットだろうが200ワットだろうが、俺の心まで照らすには至らない。

 昼食はサッポロ一番カップスター醤油味と同カレー味。

 先日TSUTAYAの中古で買ってきたパンクラスでの船木誠勝の自らが選んだベストバウトのビデオを見た。これを買ったのはほとんどが見に行った試合だったからだ。
 ひさしぶりに昔のUWF系の試合を見てみたが、改めて見てみるとベタベタしていて実にじれったく、こそばゆい。やはりグラウンドになると打撃が途端になくなり関節技の決めっこになってしまうのは、結果的にグラウンドでのポジショニングの技術が中途半端になり、ポジショニングがグラウンドでの攻防の基本だとすれば、これでは真のグラウンドの攻防とは言えないという結論になりはしないだろうか。マウントポジションになっても殴れないなんて、まったくただ寝てもみあって関節技を決めるチャンスを模索するだけに終始してしまう。
 見ていてとても懐かしいが、如何せん格闘技の試合としては非常にダルい。それは当時からそう思っていた。この頃、真剣勝負というのはダルい(あるいはあっけない)ものなのだという常識のようなものがあり、みんなこれで納得していたのだ。つまりこの退屈さ詰まらなさが、「真剣勝負」なのだという説得力に繋がっていたわけだ。
 しかし今にしてみると、グレイシー柔術やプライドの到来を目前に控え、闇の向こうに手を伸ばし、つかみ取れそうでまだつかめない最強の方程式のまだ見ぬ姿に身悶えするじれったさを象徴しているかのようだ。

 ちなみにこのビデオには今をときめくセーム・シュルトの日本デビュー戦が収録されている。もともとパンクラスでデビューしたのだな、彼は。

2006年 11月 18日 (土)
 昼頃起床。夕方迄仕事。外出。振込。買物。TSUTAYA。帰宅。仕事。夕食。DVD。夜寝。仕事。

2006年 11月 19日 (日)
 ネット通販で象印の電気ポットとクリンスイの浄水器を購入。また別のネット通飯店でテーブルも購入。土曜日の午前中に届くというので朝から待っていた。テーブルは届いたが、電気ポットと浄水器がなかなか届かない。昼になっても届かず、事務所にも行けず、困ってもう一度通販店からきたメールを確認してみたら、来週の土曜日だった。遅っ! 最初のメールでは4〜5日で届けると書いてあったが、よくあんな大嘘ついて商売ができるもんだ。
リニューアル
 とりあえずテーブルが入ってまた一段と部屋らしくなってきた。
 しかしこうしてテレビの前でゆったりソファーとテーブルが並んだ部屋の光景を見ていると、昔のイースを思い出すな。

 今日は執筆三昧。夕方までキーボードを叩きまくり、スーパーで電子レンジでできるピザと赤飯を買ってきて、エンタの神様を見ながら食い、少し休んでまた執筆。モノを書くのはとても楽しい。

 りくさんの自主映画の脚本第2稿がメールで届いたので、夜中、ぬれせんべいをもそもそ食いながら、読みふけった。デレク・シャーマニズムとでもいおうか。

2006年 11月 20日 (月)
オペレッタ狸御殿 先週に続いて鈴木清順の映画「オペレッタ狸御殿」を見た。本当は人に薦められて「陽炎座」を見よう見ようと思ってるのだが、貸し出し中だったりこっちのほうが面白そうだなと思わず思ってしまったりで、なかなか目的の映画をジャストミートに借りてこれないでいる。
 しかしこの「オペレッタ狸御殿」はなんとも、さらに「気持ちよい度」の低い出来だなあ。これと比べると先週見た「ピストルオペラ」が今にしてみるとそれほど悪くはなかったんじゃないかとさえ思えてくる。
 主演が驚くべきことに中国のチャン・ツィイー。出演者が凝っていて、由紀さおりにラップを歌わせるというセンスがまたすごい。デジタルで美空ひばりも出演している。薬師丸ひろ子が歌もうまいし演技もなかなかで、素晴らしかった。チャン・ツィイーは場の空気を読めない迫真の演技で、浮いていた。
 ミュージカルで、曲はクオリティは非常に高い。しかしこのメンツで鈴木清順の演出で異色ミュージカルで、この出来はあり得ないと思うのだが、やっぱり「失敗作」って言い方もまたあり得ないのだろうか、鈴木清順だけに。

 一日じゅう家で執筆したり映画みたりしてるとからだがなまるので、ひさびさに紀伊国屋まで散歩に出掛けて松尾スズキがスーパーバイザーをつとめた雑誌「hon-nin」とついでにちくま文庫の坂口安吾全集6を買った。帰り、喫茶店で2冊同時に読みふけった。坂口安吾の歴史ものはおもしろい。

2006年 11月 21日 (火)
 目が覚めたら、午後2時だった。またえらくずれてきたな。

 夜9時。
 周囲が騒がしいので、どれどれと、のだめカンタービレを見てみた。
 おもしろかった。

 今日は誕生日。
 深夜0時すぎ、スカイプでたまによく話すリトアニア人の15歳の女の子に「Happy Birthday」と言われた。早朝5時近く、敬愛する占い師のあたる♪大先生に「はっぴぃばぁすでぇ」とメールがあった。朝5時半、悠里くんから誕生日おめでとうと電話があった。朝8時、母から「誕生日おめでとう」とメールがあった。ありがとうございます。
 このようにして、ついに俺は38歳になった。

 朝8時すぎ、寝た。

2006年 11月 22日 (水)
 編集長が仕事で近くに来たついでに事務所を訪問。リニューアルした社長室に招き、自主映画について長々と語り合った。現在執筆中の脚本についていろいろためになる意見を貰い、話しは尽きること無く、夜パトワールにインド料理を食べに行き、さらにその後も社長室に戻って結局23時すぎくらいまで語り合った。

 人間を描くって難しいねえ。そもそも人間を理解することと、人間を理解させることを両立できねば、優れた人間描写なぞ出来るわけもない。

 そういえば社長室で編集長が「ぱにぽにだっしゅ!」のDVDボックスをみつけ、なんだこれは知らないぞというので、なにこのエヴァンゲリオン以来のアニメの名作、天才バカボン以来のナンセンスギャグアニメの金字塔を見たことがないのかと、見せてみた。そしたら見終わってひと言「浅野さん、いい歳してこんなもの見てちゃダメですよ」
 普通の人に言われるのならわかるが、幻文関係の人に、特に編集長に言われると何やら裏切られた感がそこはかとなく心情に漂うのは何故だ。

2006年 11月 23日 (木)
 新橋のクライアントのところへ、編集長とブログ制作の打ち合せに赴いた。インターネットに関してまったく無知なクライアントで、金が無い点を抜かせば、打ち合せはスムーズに運んで話しはキレイにまとまった。ゴーである。
ワンス・アポン・ナ・タイム・イン・ナメリカ
 セルジオ・レオーネのギャング映画「ワンス・アポン・ナ・タイム・イン・ナメリカ」を初見。
 無駄に長い映画の代名詞であったキューブリックの「バリー・リンドン」を遥かに凌駕する、まさに無駄に長い映画史に残る無駄に長い映画の金字塔であった。
 いにしえのアメリカの風景がとても印象的だった。ジェームス・ウッズが意外によくなかったのは残念だった。

2006年 11月 24日 (金)
 若き音楽家のタマゴ、ピロさんが初めて音楽を担当した自主映画が公開されるというので、六本木までさっそうと外出。サプリライズというタイトルの映画で、少し前に似たようなアイデアの漫画を読んだことがあったような気がしたが、とりあえずオリジナルのストーリーの物語である。出演に去年とみき監督の撮影現場をお邪魔した時にヒロインのエセ巨乳ウエイトレスの役をやっていたユカさんという女優さんが出ていて懐かしく思った。ピロさんの音楽は普通によく出来ていた。映画そのものは最初は堤幸彦のドラマみたいな効果音と編集でコミカルなテンポいいんだかわるいんだかわからないような進行。そのまま最後までワンシチュエーションの舞台のようなストーリー展開で、いちおう最後のほうはそれなりに少しはなるほどと思えるようなアイデアもあったりして、しかしこういったシチュエーション劇はやはり演技とセリフが命脈だから、難しいものだよなあと、いや難しいからというだけで片付けられないものも確かに今回ばかりはあると思うのだが、まあ何はともあれまた新たな自主映画らしい自主映画を見てしまったという感じで、映画が終わってピロさんと少し立ち話して、帰った。

 気まぐれで初めてアクセスしたチャットのサイトで中国人の17歳の美少女と知り合う。広東にいて、日本語を勉強しており、日本に来たいのだが貧乏なので夢で終わるに違いないと17歳にして諦めモードな女の子だったが、お父さんの給料が月給1万円という状況では無理もなかろう。
アニタ ブログを見せてもらったら自分の写真が800枚くらいあって、なんでこんな可愛い子がうずもれているのだ中国はと驚いた。ナルシストかと思ったが、謙遜か自分はブスだと言い張る。女優になったらと提案したら、中国では女優になるにはお金がかかると言うので、何やら涙ぐましかった。
 コスプレが大好きとのことで、セーラー服が欲しいというので、ちょうど昔オフ会用に冗談で買ったセーラー服があったので、送ってやろうかと言うと、そんな高価なものはいただけませんと恐縮するので、別に高価じゃないんですけどと言うと、だって送料が千円もするんですよと言うので、千円なんて日本ではそれほど大きなお金でもない、例えば一昨日友人(編集長のことだ)とめしを食ったが、そのとき彼に奢ってもらったお金は3千円だった、つまり日本ではちょっと友達にめしを奢る程度のお金だと言うと、3千円もあればこちらでは相当たくさんいろんなものが買えるわ!と感動していた。なんだか涙ぐましい。セーラー服くらい送ってあげるよ、お嬢さん。
 そしたらセーラー服を送ってくれるなら、ついでに東京の地図が欲しいというので、じゃそれもついでにそれもゲットして送ると言うと、さらに感動していた。東京の地図を何に使うのか知らないが、きっと日本に来れない歯痒さを地図でも眺めてささやかながら想像の上だけでも満たそうとでも言うことかもしれない。ますます涙ぐましい。
 ちなみに俺は中国の本が大好きです、老子と荘子は座右の書ですと言うと、興味ないのか無反応だったので、少林サッカーとかチャン・イーモウとか、中国の映画も大好きですと言うと、今度はやたら驚き出し、じゃあアンディ・ラウって知ってる?と聞いてくるので、もちろん、でも俺は故レスリー・チャンの方が好きだったと言うと、なんだかやたら驚いているので、ミスターBOOのDVDボックスだって持ってるんですぜと自慢したら、オーマイガッド!日本人てなんてインテリジェンスなんでしょう!と驚愕していた。ミスターBOO知っててインテリジェンスと言われるとは、如何なるレベルか、中国の17歳。

2006年 11月 25日 (土)
 恐怖の給料日。世間では嬉しい日でも、払う立場としては恐怖の1日。給料のついでに家賃やらいろいろ払うので、なんだかんだ支払いは100万以上にのぼる。ひと月身を粉にして働いてたまった金が、この1日で一気にすべて失われる。商売とは金を儲けることにあらず、金を右から左に移動させることである。

 周囲がおもしろいぞとうるさいので、木更津キャッツアイのDVDを借りて見てみた。
 まあ普通におもしろいな。クドカンの脚本はいいのだが、演出がベタでうまくホンのおもしろさが引き出されていないような気がするのだが、これはゼブラーマンでもおなじ感想をもったっけ。
 クドカンの笑いは少し高度なので演出を選ぶと思うのだが、それでもじゅうぶんおもしろくなるというのはそれなりにすごいことなのかもしれない。

2006年 11月 26日 (日)
 昨日ケンちゃんからまた映画の招待券を貰ったので、歌舞伎町へとくりだした。この優待券で見れる映画はかの悪魔のいけにえの誕生編とも言えるべきリメイク番外編「テキサス・チェーンソー ビギニング」、そして東野圭吾原作の「手紙」の2本のうちどちらか。
 どう考えても俺の見るべき映画は「テキサス・チェーンソー ビギニング」のほうなのだが、この映画、かなりグロいらしいし、実はホラー映画が恐くて気持ち悪くて最近苦手なので、ちょっとやばいかもしれなかった。しかし「手紙」はやたら混んでて立ち見じゃないと見れそうもない。
 仕方なく覚悟を決め、腹ごしらえして上映時間まで喫茶店で待機してたら、いきなり友達からメールがあり、借りてたものを返したいから今から行くと連絡があった。映画を中止にして家に帰ると、またメールがあり、いきなり急用が出来てこれなくなったと連絡があった。
 そうか、「テキサス・チェーンソー ビギニング」はやっぱり見ちゃいけない映画だったのだな。やはり後日「手紙」のほうを見よう。

 んで、帰ってポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキの映画「デカローグ」の第一話と第二話を見た。これは旧約聖書の十戒をモチーフに、人間の様々な感情や運命を描いた十話の連作短編映画集である。キューブリックがこの20年で最も素晴らしい映画と言っていたので、思わず見てみることにした。
クリスティナ・ヤンダ ポーランド映画はひさしぶりだが、大学の頃よく見たっけな。アンジェイ・ワイダとかズラウスキーの初期作品とか、骨太の人間ドラマが多く、おもしろかった。第二話にそのワイダの「大理石の男」「鉄の男」に出演していたクリスティナ・ヤンダ(画像)が出ていて、酷く懐かしかった。考えてみたら俺は15年間、ポーランド映画を見ていないのだな。
 感想はとりあえず十話すべて見たらで。

2006年 11月 27日 (月)
 印度カラオケ in 埼玉。というわけで、ひさびさの印度カラオケに、埼玉くんだりまで行ってきた。
 八潮駅でレイコさんとパキスタン人2名(また名前忘れた)と合流。あと花乃さんが寝坊で2時間遅刻で到着。
 カラオケ会場は草加市のホットマサラというインド・パキスタン料理屋で、まずは腹ごしらえ。バイキング形式で、チキンカレー、野菜カレー、挽肉カレーの三種類があり、味はなかなか。ご飯が日本米のサフランライスとインディカ米の普通に炊いたやつという究極の選択状態で、比較してみたらやはり普通に炊いたインディカ米のほうがカレーにはうまが合うのかうまかった。あまりにもうまくて腹も減ってたので、カレーをご飯で2杯とナンを10切れくらい食い、チャイを2杯、あとサラダとヨーグルトのデザートと、歌うのも忘れて食いまくった。
 カラオケは花乃さんが妙に歌がうまくて、前半は彼女の独壇場。それにしても19歳の若さで古いインドの歌をようけ知っておる。後半は居合わせたパキスタン人が机を手で叩いてリズムを奏でながらアカペラで歌い出し、これがずっと聴いていたいくらい見事なものだった。
 久しぶりのインドのイベントでおもしろかった。

 一昨日、木更津キャッツアイを初めて見てみたわけだが、本屋に寄ったらクドカンの台本が文庫で発売されていたので、ふと興味があって買ってみて読んでみた。最初はどんな台本だったのか、それをどう映像化してああいう風になるのか。
 読んでみて、実に興味深かった。クドカンが台本のセリフや登場人物のやりとりに込めた微妙な笑いが、驚くべきことに、映像でほとんどと言ってよいほどまったく正確に表現されていない。台本を読んで初めてなるほど、あそこはこういった可笑しさを意図していたのかと、理解できるという塩梅である。これはあくまでも比較して初めて指摘できる問題点だが、演出が台本のおもしろさをほぼ全部ぶち壊していると言っていいレベルに達している。その中で唯二、阿部サダヲと酒井若菜だけがその演技力で台本以上の(または台本に無い)おもしろさを引き出している。
 つまりこの木更津キャッツアイというドラマが成功した要因は、台本からはほぼストーリー的なおもしろさのみと、映像段階で加わった一部の俳優の演技力と、メインキャストのアイドル性や華やかさによって、醸し出されていると分析されるわけだ。
 俺がもし台本を書いて、その台本がこういった形で映像化されたとして、結果的に評判が良かったとしたら、それによって得られる達成感とは如何なるものか。そもそも映像制作とは、良い台本とは、良い作品とは、いろいろ興味深い思考が止まらない。
 こういった思考の中に、目下の重要な命題が隠されていることは確かだ。

2006年 11月 28日 (火)
 午後、仕事の打ち合せで占い師のKさんが事務所を訪問。
 打ち合せの後、スパイスヘブンでインド料理を食べた。

2006年 11月 29日 (水)
 昼食は久々に移動型カレー店シャンティ。
 トマトマリネをまぶしたご飯にココナツ風味のカレーをかけて食った。

 夜、池袋で税理士さんと難しい手続き。
 しかし税金って極悪だ。毛穴から血を噴き出し働いて、儲からないまでも何とかトントンまで事業をもっていっても、税金でドカッとマイナスになる。経営者を虐めるのもいい加減にしてくれ。

 手続きの帰り、税理士さんとカレーでも食おうということになって、南インド料理エーラジに行ったら、閉まっていたので、JR池袋駅内のカレー店スパイスで食事した。五穀米カレー丼(名称はうろ覚え)というのを食ってみた。テーブルに自由にかけられるガーリックチップと酸味の強いトマト・チャツネ(インド料理店でよくある甘いトマト・チャツネとはまったく違うもの)がツボで、なかなかうまし。
 しかしこれで何食連続でカレーだ。

 TSUTAYAで森田芳光の「家族ゲーム」の中古ビデオが800円で売っていたので買って17年ぶりくらいに見てみた。つくづく素晴らしい名画だ。
家族ゲーム これ、まともに作ってたらそのままの脚本でも思い切り普通の学歴社会を風刺した立派なドラマになったであろうが、森田節ともいえるべき不条理な演出がその風刺性をさらに数倍にもふくらませている。不条理とかいって、リアリティが無いわけではなく、むしろリアリティは十二分にあるのだ。そのあたりのさじ加減というか感性が、もう絶妙としか言いようがない。こういう天才的な微妙さをもった日本映画ってのも最近はあまり見当たらないもんだ。
 それにしても字幕みてたら助監督が金子修介だって。

2006年 11月 30日 (木)
画伝 王欣太渾身の作品「画伝 蒼天航路」がついに発売日をむかえ、本日、代引きで届いた。何ヶ月も前から予約しておったのだ。
 これは俺の人生を変えた漫画「蒼天航路」でこれまで使われた絵に加筆・着色し、描きおろしの絵も加え、名ゼリフの数々を差し込みストーリー順に並べたダイジェスト画集である。画集であるが、画集に非ず、「画伝」なのである。
 どのページを開いてもまるで本が生きているかのように、圧倒的な迫力を持った絵が飛び出てきて、ページ毎に視界が、がつん、ずごんという感じである。巻末のインタビューもおもしろい。それにしてもそうか、漫画の中でショウの長老(亀)の言う「疾さのかわり」とは「才」のことであったか?


戻る
wwwnikki ver 0.641(20020410) (c)AuSYSTEM 2002