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クリムゾン・リバー「1」と「2」 〜 おやじと子犬の関係 〜

※ 2001/3/18に『クリムゾン・リバー』のコラムを書きましたが『クリムゾン・リバー2』の公開と、サイトリニューアルのため、加筆修正しました。2004/07/25

                    〜クリムゾン・リバー〜
                CRIMSON RIVERS (Les Rivieres Pourpres)

行ってきましたクリムゾン・リバー。
別にジャン・レノがでているから見たんじゃないのよ。偶々、CMで見たときに『殺された人が男性で裸で縛られていた』から…。だからって、変態プレイが好きなわけでは決してありません。なんか、気になるなって言う、ヤオラーのカンみたいなものだったんです。

 しかしながらこれが佳作だわ! ジャン・レノはスーパー有名刑事の役で、歳40代、これに絡んでくるピチピチ青年が20歳代の 実力はあるんだけど、勤務地がフランスの僻地で、くさってしまっている。しかし、ジャン・レノに憧れを抱く刑事(警部補・若くして警部補になっているので地元の警官にはあこがれのアニキって感じ)なんだな。この刑事がいい!! 実にいい!! 実年齢は32歳のウレウレ状態です。ジャン・レノは実年齢が50代ですが、この青年も青年というわけではなく、30代前半なんです。

世間のしがらみや自分の中にあるモヤモヤっとしたものの、はけ口が見つからない。ある時期の悩める青年の過渡期的な成長の青年役を、ヴァンサン・カッセルが演じている。映画の中では、ジャン・レノは犬が極度に嫌いなのですが、なぜ嫌いなのかは言わない。(ラストではヴァンサンに話していました)ヴァンサンは何でもできるスーパーマンのような人が「犬が怖い」って言うのは府に落ちない。しかし、彼の弱点を知ってしまうと、急に強気になって立場が逆転しそうになる。敵もさる者、ジャン・レノの方はオヤジの寡黙さを武器に彼に隙を与えない。ヴァンサンはそれでも弱みを見つけたうれしさが、子犬のような仕草で応酬してくる。(いや〜ん、小悪魔ね)

ジャン・レノ扮する刑事の事件と彼の追っている事件とが交錯しているんだけど、彼は若いってことで、やたら体を張ったアクションをこなしているところが「太陽にほえろ!」的で良い。(ジーパンが入りたての頃やテキサスが入りたての頃のようにやたら走らされていた感じ、です)彼の憧れの伝わり方が遠慮深げでいいっていやぁ、いいかもしれんが、希望はもっと深くやっちゃて欲しいです。普通の映画ではこの辺が限度かもね。犯人なんかはすぐに判ちゃうんだけど、これは犯人探しの映画ではありませんので、そんなところは深く観察しなくても、よござんす。地元の警官から「アニキ」的な存在でいるのに、ジャン・レノの前では子犬のような喜びを全身で表す彼の微笑ましい人間関係を見るための1本でした。(あたしは、ヴァンサンのケツからシッポが見えました)

               〜クリムゾン・リバー2/黙示録の天使たち〜
             CRIMSON RIVERS / ANGELS OF THE APOCALYPSE
                                    (Les Riveres Pourpres 2 Les Anges De L'Apocalypse)


私的には一作目より、『より犬度が増して』こちらの方が萌え萌えだ。
ニーマンスとレダ(相棒)の年齢的距離がいい。やはり、これぐらい人生の甘いも酸いも嗅ぎ分けたおやじと勢い余ってかわいさ百倍的若さの青年のラブラブ映画をみていると、期待してなかった分、笑えるわ。

この映画が前回の続き(話の続きではなく、設定がながれているというだけなんですが)で、フランス界きっての優秀警視のニーマンスの役をジャン・レノが演じ、今度のお相手は、若手刑事のレダ役でブノワ・マジメル(因みにプライベートの相棒は、
ジュリエット・ビノシュ。1974年生まれなので、現在ピチピチ30歳…かーっ!よすぎじゃ)

レダはかつて、警察学校でニーマンスの生徒であり現在は麻薬捜査をする若い刑事。勿論、ニーマンスに対する尊敬と憧れは尋常じゃございやせん。ニーマンスに久しぶりに遭遇した時の、はにかみようは、かわいさブリブリでした。
前回ではヴァンサン・カッセルが、見たこともない尊敬刑事の遭遇での態度に対して、今回は小さい頃から知っている憧れのおやじとの再会ですから、尚の事『犬』状態なんですよ。

「ああしろ、こうしろ」と色々指図されるのに、嫌気の差しかかっていたヴァンサン・カッセルに対して、ブノワ・マジメルのなんと、従順なこと。「地球の果てまで走ってこいっ!」なんて指図されても「ウィ!」とか言いながら、全力疾走しそうな感じだったです。(笑)あの「王は踊る」のブノワですから、外すとは思えなかったので、今回の映画も『当たり』ってことですかい?! (そう、思っているは私だけかも)

ストーリー的には特に、猟奇的だとか、意外な犯人とか、コミコミの話の筋ではありません(超人的な修道士がアレグリア的動きで見せてくれますが…)ので、話がくだらんとか、カメラワークが暗すぎとか文句はなしです。…この場合の見所は「仔犬的従順さで、ニーマンスを慕うレダの行動と父性愛に満ち溢れる眼差しと親友的言動で他を圧倒するニーマンスの物語」ですから…。(書いてて、意味不明だーっ)

おまけ的に最後になりましたが、ニーマンスとレダの助けをする警察の宗教専門家マリー役カミーユ・ナッタ(女はこの人だけ)この配役もよかったスよ、だって『女』を感じさせない存在感で完全にシカトできる…。(私的にはグッドだが、それでいいのか? カミーユ・ナッタ)ニーマンスにもレダにも、どちらにも絡みなしっ! 久々に男っぷりのいい姐さんです。

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