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「魔界転生」 (窪塚版)祝・公開記念

すっかり億劫になってしまって、見たこともはるか彼方の方へ置き去りにしてしまった映画…「魔界転生」しかも、糸さんが、ロードショー終了間際に見に言ったと聞かされて思い出した。(それほど、印象にないのかーっという問題かも)
 しかも、同じ映画を見た(いや、多分同じ映画だ、と思う)はずなのに、鯉さんからは、鋭いつっこみがあった。それは、二人が見た映画のラストの見解…。

■ ごりょんの見た(?)「魔界転生」のラストは…。
天草四郎と柳生十兵衛の一騎打ち。死闘の末、わが身を犠牲にした戦法で天草四郎を打ち破ったが、満身創痍の十兵衛は地面に突っ伏していた。四郎を打ち破ったのも束の間、異様な気配に(四郎が首から提げていたクロスが地面で動き出す)起き上がり振返ると十兵衛はそこにいるモノ(復活した四郎?)に、まだ戦いは終っていないとでもいいたげに笑いかけ、「さぁ、もう一度俺と戦おう」と相手に向かっていく。
続編を期待さすような終わり方になっていると思ったのですよ。

「俺はおれだーっ」「ゴーイング・マイ・ウェイだぜ」の態度で生きてきた十兵衛が、色々な剣士と戦っているうちに己が剣への道に気付き、自分自身の内面で起こりつつある変化へ欲望を剥き出しにした瞬間がラストの十兵衛の「笑い」だと思ったんだがなぁ。 四郎と戦いたいという欲求があの「微笑み」だと思うんですよ。
■ しかし、糸さんの見解は…。
天草四郎と柳生十兵衛の一騎打ち。死闘の末、わが身を犠牲にした戦法で天草四郎を打ち破ったが、十兵衛は自身もその命も落としてしまった。すると、四郎が首から提げていたクロスが地面で動き出して、異変を告げると、死に絶えた筈の十兵衛がむくりと立ち上がり、転生衆として蘇り新たな乱世を呼ぼうとしている。…つづく、続編。



糸さんの感想は…。
「だって…四郎が最後に『また、会おうぞ』って言ってたから」深読みしたんやけど…。
そうだったのかー???? と、思いながらもタダで見てしまった(試写会)私は多少の引け目があったので「試写会やったから、ラストちがった?」と、いったら鯉さんに「そんなわけないやろーっ!」と言われた。(そりゃ、そうよねへへへ)
 でも「フランダースの犬」の映画はラストの違うモノが2本用意されていてアメリカとヨーロッパは同じ「ハッピーエンド・ラスト」の方の上映だったが、日本は原作に忠実な「悲しいラスト」の方の上映がなされた。それじゃないのかなぁ、と思ったんだけど…。(だったら、宣伝しとるって??)

今回の「魔界転生」の感想としては「期待しすぎた私がバカだった」という一言につきますわね。
(〇川映画って事をすっかり忘れていたのも一因かっ?!)

■ まず、キャスティング。
思いのほかよかったと思ったのは「佐藤浩一氏の柳生十兵衛」。千葉ちゃんの十兵衛役がハマリ過ぎたのと、長い間彼の役として定着していた感は歪めない役だったので、他の誰かがしても、千葉ちゃんと比べられてしまうところがあった。他の役者の方がしてもどうもしっくりこなかったが、意外に「佐藤浩一氏」の十兵衛は若さもあってか、なかなかだ。それに、もともと十兵衛が隻眼だったかどうかは不明な点もあり、佐藤浩一氏の十兵衛が両目であっても違和感はなかった。(ストーリーの途中、彼は片目に傷を負ってしまい布で覆うシーンが有りますが…これで、隻眼になた?!ってことは、ありません)

■ 一番の決め所?
映画の中で、一番の良かった「中村嘉津雄氏の柳生但馬守」。中村錦之助に似てるようなぁ〜などと思いつつ、さすが歳も巧い具合にとっていらっしゃるので「時代劇」を見ている感じがしましたね。しかも萬屋錦之助にクリソツ…。(兄弟なんだから当たり前だけど)「柳生一族の陰謀」で柳生但馬守を演じた萬屋錦之助は、ちょぉ〜カッコよかったーっ!兄弟で同じ役をしているなんて見ているほうまで嬉しくなった…監督のキャスティングに感謝 。

■ 旧作の若山富三郎氏の猫化けジャンプは必見?!
ただ、旧作の「魔界転生」で同じ役をした「若山富三郎氏」は凄いの一言…。鬼気迫る演技で、己が息子との戦いを望んで魔界衆になった父親を演じた彼は、よかった〜。父親として愛しながらも息子の剣の実力を一番恐れた剣士としての心の葛藤がよく表現されていたように思いました。(映画を見ながら「十兵衛、負けてやれよ」っと、心の中で呟いておりましたわ)そして、若山富三郎氏の猫化けのような体制で飛んだり刎ねたりする様は、心のなかで「ちょっとこわいかも…」と思わせるし「じゅぅ〜べぇ〜、はよぅ〜こい…」と、戦いに誘うセリフは「ひゃ〜」と声が出そうなぐらい色っぽかった…。(どこに感じてるんだろう??) 宝蔵院胤舜も、旧作の方がよかったです。(胤舜も若い方よりも歳をとっているほうが、彼の抑えつけていた欲望の開放みたいなものがでるようなきがしたんですけどね)

■ 経験が足りないって、感じッすかね?
今回の作品は窪塚くんのセリフ回しの悪さに引きつり、中心人物である天草四郎が、クララお品にお株を奪われてしまった上に色気まで奪われてしまったことがいけなかった。しかも「時代劇」ということをわすれているようなセリフ回しには閉口だ。(まるで、「GO」のような緊張感のないセリフには椅子からずり落ちた…鯉さん曰く「魔界転生GO」っていう映画??)だから「長セリフがなかったのかしら??」やはり、経験がたりなかったか?

■ レベルアップに経験値は大事ッす、ね!
その点、ジュリー(沢田研二)のセリフ回しは安心感があった。難点といえば天草四郎は十代なのに、当時の彼は30歳…。あの妖しい雰囲気で、男も女もタラシこまなければならなっかたとしたら、仕方が無いことなのかな。旧作は「無念であろう?但馬守。十兵衛と思う存分戦いたいのであろう?天下無双はやはり、息子の十兵衛か?」などと、唆してあの世から呼び返す四郎が、魅力的だったのよぉ。

■ ピチピチ、ピーチな、お・し・りっ!
真田弘之のピチピチ若さハチキレんばかりの美貌は今、見ても眩しいーっわ。(もう、演技なんて…というより刹那さ系の表情は持って生まれた天賦の才よ)「妖しく、美しいから …許すッ!」よって、経験値の少ない窪塚くんは経験つんでからねっ。

■ 主役は誰?
今回の「魔界転生」の主役は天草四郎というよりも、クララお品。色んなところに顔をだしては魔界衆に、とさそいまわる。前回の細川ガラシャ夫人の役と天草四郎の役を合わせたような役ですよね。
 主役はやはり天草四郎と柳生十兵衛だと思うのですが、天草の出番の少なさにクラクラしていると、もっと出番の少ない荒木又右衛門で失神しそうだった。(しかも、その役は加藤雅也氏だった)出てきて、十兵衛を襲ったかと思えば捨てセリフでアジトへ逃げ帰り「おめおめと帰ってきたなぁ〜」とばかりに、苛められ即、抹殺…。(お前は、何のために転生したんだよぉ〜?? もう少し、働け〜)
 宮本武蔵にいたっては、既に転生済み…。即、戦いの展開。ただ、宮本武蔵の場合、ススキの原っぱでの決闘は見ごたえがあって、面白かったが、如何せんあの死に様はなん、なんだーっ!! しょうもない女忍者ごときに刺されて終いだなんて、最低だーっ!! (フツフツと怒りが湧き出したわ、多分「女」にやられったってことが私にとって許せんことなのかも…)

■ 破壊クラスは最弱か?!
旧作では、無念を滲ませて政府転覆を狙う四郎がイソイソと実行犯を演じていましたが、新作での四郎はクララお品に「おんぶに抱っこ」で登場していた。(お品が、主役じゃねぇかーっ!! 女は許せんっ!!)新作は、それでなくても時間が短いのに、ちんたらした幕府転覆の展開…。徳川家綱ごときを懐柔するのに時間のかけすぎ。しかも、懐柔役はクララお品…。(つまらんっ)旧作の四郎の復讐は「ウルトラマン」クラスだったが、新作は「仮面ライダー」クラスだった。(近所の園児を人質いして、支配は関東一円の地区限定…ちと、寂しい)

■ ラストの炎上シーン
ラストも個人的には旧作の方がよかった。「耳なし芳一」状態のサニー千葉(耳の後ろにもちゃんと経文が書いてあったような気がする)と妖しく笑う30過ぎの美青年四郎との焼ける本丸での一騎打ちシーンは圧巻です。本物の炎が取り囲み、崩れ落ちる城は妖しくも美しい…。 このシーン、実はかなり有名だった。公開直後、このシーンには、この世に在らざる物が写っているといって、色々な番組で取り上げられた。この落城シーンがかなり怖いらしく、その他にもそれなりにあったらしい。(私は、もう、随分前のことなで完璧と言っていいほど覚えとらんっ! …威張って言う程の事でも…)

■ 堂々、3部作で、ハリウッドへ売り込みに…(ウソ)
新作の上映時間は、短いよなぁ。せめて、最低2時間は欲しいよなぁ。
でも、あのままで、2時間もあったら、見終わった後は「金返せコール」かも知れんけど…。(試写会だったんで…金払ってねぇけどよ)やはり、1時間46分では表現しきれないのはわかっていたことだと思うんですがね。できれば「ロード・オブ・ザ・リング」のように3部作にして頂いて登場人物の書き込みをもう少し、していただきたかったと思いますよ。

もっと、希望を言いますとやはり、旧作のキャスティングで、SFXをふんだんにかつ、繊細に使用して(特に「忍法髪切丸」…前のコンテンツでも言いましたが、「イケてない」のよぉ)3部作構成にしてくれたら、よかったのにぃ。
しかし、旧作のキャスティングはもう、鬼籍に入られた方が数人いらっしゃるので、この案は現実的ではありませんがね。

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