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賢者の贈り物 ~ マーティンとデイブの場合 ~

とある王国の都会の片隅に、デビッドとマーティンという、若いカップルが住んでいました。
売れないミュージシャンである彼らの生活はつつましく、貧しかったけれど、二人は愛情にあふれていました。

さて、明日はクリスマスです。ここ数日間、マーティンは愛するデビッドのために何を買おうかとわくわくしていました。何か立派で珍しくて値打ちのある物、デビッドが持って誇りに思える物……。しかし、貧乏なマーティンには、デビッドへのプレゼントを買うためのお金がたった1.87ポンドしかありませんでした。

マーティンには金色に輝く美しいアンダーヘアがありました。彼はそれを売ってお金を作ることにしたのです。
長く美しいアンダーヘアは、マニア向けのアンダーヘア用エクステンションの材料になるのです。チャイナタウンにある「マダム・クロードの店」で、アンダーヘアは200ポンドで売ることができました。

マーティンは、街中のアダルトショップをまわってデビッドへの贈り物を見て歩きました。
そしてあるお店でついに見つけたのです。それはソフトレザーとプラチナでできたとても品の良いコック用のハーネスでした。デビッドは、祖父の代から受け継いだ立派な3連のプラチナ製コックリングを持っていました。しかし、SM風ファッションが好きなデビッドにとってはそれだけではシンプル過ぎたので、それによく合うハーネスが欲しかったのです。マーティンはそのハーネスを買うと、喜々として家に急ぎました。

家で鏡の前に立ってみると、マーティンは自分のチンコが情けない姿なのに気がつきました。ばっさりとアンダーヘアを刈り取られてしまった跡は、まるで生え始めの頃の少年みたいでした。
ちょっとばかり短小で仮性包茎のチンコをカバーするためにも、長く美しいアンダーヘアは必要だったのです。
「神様どうか、デイブが今でも僕のチンコを好きだと思ってくれますように」
とマーティンはお祈りをしました。

その夜、ドアが開いて、デビッドがカムデンパレスのギグから帰ってきました。彼は痩せていて、ひどくきまじめな顔をしていました。彼はまだ22才なのです。
デビッドはドアのところで、茫然と立ち止まりました。
茫然として、ただ、サンタ帽と裸エプロン姿のマーティンをじっとみつめているばかりでした。
「デイブ、そんなふうに見るのはやめて。アンダーヘアは切って売ったの。ね、いいでしょ? チン毛なんてすぐにまた伸びるよ。さあ、メリー・クリスマスって言ってちょうだい。僕、デビッドに素敵なプレゼントを買ったんだよ」
「アンダーヘアを切っちゃったの?」
「そう、チン毛を売っちゃったの。でも、毛が短くなっても、今でも僕のチンコを好きって言ってくれるよね?」
「あの長いチン毛はもうないっていうんだね?」
デビッドはポケットから、包みをとりだして、テーブルの上に置きました。
それはマーティンへのプレゼントでした。
贈り物
マーティンはそれを開けてみました。
そこには、彼が以前からあこがれていた、ナイツブリッジの店の飾り窓にあった、タヒチ産黒蝶真珠をあしらった一対の髪飾りがありました。今、それが自分の物になったのです。それはマーティンの美しいアンダーヘアにぴったりでした。しかし、その髪飾りをする長いアンダーヘアはもうなかったのです。彼はそれを胸にしっかりと抱きしめました。そして、涙であふれた目で微笑しながら「デイブ、僕のチン毛は伸びるのが早いんだよ」といいました。

そして、マーティンは、びっくりした子猫のように飛び上がって叫びました。
「そうだ! これが君へのプレゼントだよ、デイブ!」
 彼は思いを込めて、さし色オレンジのソフトレザーと鈍く光るプラチナのコック用ハーネスを手のひらにのせて差し出しました。
「素敵でしょう? 僕、これを探すためにロンドン中のアダルトショップを探し回ったんだよ。これで、もっとかっこいいステージングが期待できるね? さあ、君のコックリングを出してちょうだい。どんなに素敵か見てみようよ」

デビッドはソファーにごろっと横になると、両手を頭の下にまわして、微笑みました。
「マーティン、もうクリスマスプレゼントは、暫くの間、どこかにしまっておこうよ。今すぐに使うのはもったいないから……。 
実は、君のアンダーヘア飾りを買うお金を作るために、コックリングを売っちゃったんだ」

       ☆ ★ ☆ Wish you a Merry Christmas  ☆ ★ ☆


※ 「コック用ハーネス」ってネーミングが変? アンダーヘア用髪飾りってのも無理があるなぁ (~_~;) 
来年はもうちょっとマシなのを書きたいです……。

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