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4)臨戦態勢

大体、男ふたりが宿泊するのだから、狭い部屋をとるのも憚れるものだし、できればバスルームが広い方が何かと便利なので、結局デラックスダブルかスーベリアタイプかセミスイートになってしまう。
凌亮は『そんな、高い部屋でなくてもいい』と主張するが、俺が凌亮の為に予約をするのだから『見栄』も張りたくなるものなのだが、それが理解できないらしい。

今回は直前だったにもかかわらず、空いていた(まぁ、予約をして断られた覚えもないが)ので、納得の部屋だ。今回のセミスイートはさほど広くはないがちょうどいい部屋具合だったが、何よりもバスルームが通常の部屋よりも広く使い勝手がよかった。(男二人では、通常の場合、狭すぎるきらいがある。まぁ、その狭いところっていうのがいい場合もあるのだが……)

ガラス張りのシャワールームにピンクの大理石は凌亮も気に入っている。しかし、今回はそんな些細なところまで見てはいないだろう。
彼の方ときたら、部屋に入る前から鼻息が荒い。
……すでに、臨戦体制に入っているからだ。

凌亮は部屋に入るな否や凌亮が抱きついてきた。
少々強引とも取れる抱きつき方で、俺の顔を両手で抱えるように唇にキスをして、性急に舌を入れてきた。
俺は彼の腰辺りを抱き寄せるように手を回し、くるっと回転して彼の背中をドアに押し付けた。それでも、凌亮は舌を抜こうとはせず、俺の頭をさらに抱え、俺の奥歯のあたりを執拗に舐め、俺の舌を自分の口の中に招きいれようと強く吸っていた。
俺は彼の体を弄り、ジャケットを両肩から脱がして、ズボンからカッターシャツをたくし上げ、素肌の凌亮の背中に両腕を回した。
「はぁぁ……」
凌亮が息をするたびに洩れ出る声が、俺の中心が疼くように熱くなっていった。
凌亮の声が、官能をむさぼるように出しつづけるのとは対照的に、彼の口からは唾液がいやらしく流れていた。

俺の方も、彼の声が引き金となり彼の舌を吸い上げている最中も片手で、彼の形のいい尻を鷲づかみにして持ち上げたりしてもてあそんでいた。その行為に反応してか、絡み合った舌を自ら外すと、俺の肩口に顔を埋めながら
「達ぅ、ここで……ここでしよう」と甘えた声を出してきた。
『又、なんてことを言うんだろう』と思いながらも、
「ここでしたい?」と、言って彼の両方の尻を思いっきり掴み彼のペニスを業と、俺の股間へ触るように持ち上げた。

彼は途端に、返事ともとれれる官能の声を出した。
「はっ、あぁぁぁ」
彼のペニスはもう既に、興奮していると見えて、彼のズボンが窮屈だと主張していた。
「うっ、うん、うん」と、何度も頷き俺のジャケットを肩口の辺りからたくし上げるように握って上へと持ち上げた。
「今日は、君のいいなりだ。さぁ、どうして欲しいか言ってごらん?」
そう囁いても、もうそんな言葉は聞こえないのか、呪文を唱えるように何度も呟いていた。

「はっ、早く、早く」
まるで、何かに急き立てられるかのように、『早くして』と懇願していた。
「だめだよ、まだまだ時間はたっぷりある。順番にしてあげよう」
俺は抱きついてくる凌亮を無理やり引き剥がし、後ろ向けにしてドアに押し付けた。
そして凌亮の後ろから羽交い絞めにするように立ち、
「凌亮、ほら、見えるかい?」と言って、凌亮をドアスコープのところに彼の顔を持っていった。
気も漫ろな凌亮は曖昧の返事をよこした。
「……うっん、廊下が見えるけど?」
「そうだ、廊下が見えるな?誰か、歩いてるか?」
「ううん、誰も……」
「そうか、じゃぁじっとその窓を見てるんだぞ。いいね?」
「うん、でも、あっ」
俺は彼の答えを聞くまでも無く、彼のズボンに両手をかけ、ファスナーを外して床に落とした。
彼の黒色のボクサーパンツに手を差し入れ、彼のペニスをギュッと握り締めた。空いている左手で彼の顎をささえて、片目をドアスコープから外れないように固定した。そして、ゆっくりと彼のペニスを上下にしごき始めた。
彼は徐々に荒い息を吐き出し始め、こちらの手のしごき方とを同調するように肩で息をしていた。

「お、おろして……」
「何を?」
俺は凌亮の口に左手の親指を持っていき、
「ほら、ちゃんと言ってごらん? かわいい口があるだろ?」
といって、彼の口の中に指を掻き入れた。
「うっ、ううぅ……ぱ、うん、つぅ……」
彼のろれつの回らない言葉が妙にいやらしかった。
そのうち、凌亮は俺が差し入れた親指にむしゃぶりつくように、舐め始めちゅるちゅると、いやらしい音をたてだした。
「あっぅう、ふが、せぇ……てぇ」
凌亮の口から指を抜くと、おもちゃを取られた子供のように「あぁ〜」と困ったような声を出して不満を表した。
「さぁ、ちゃんと言ってごらん、何をして欲しい?」
「あ、あっ、パンツを脱がせて」
「そうか……脱ぎたい?」
「うん、うん」
俺は左手を彼の口から外し、彼のパンツに手をかけ下へずりさげ、左足を使って床へ落とした。彼は落とされたのを感じて、両足をパンツから外して先程よりも尻を突き出すような格好をした。
俺は、彼のペニスを持ちながら、彼の足の先から順に眺めていった。
彼の足先はまだ新しい革靴と靴の色に合わせた靴下を履いていた。
しかし、そこからの凌亮の下半身は、ピクピクと弛緩した筋肉が動いている形のいい尻がむき出しにして、彼のペニスはすでに期待で溢れ歓喜の喜びを上げようと準備している感じだった。
ゆっくりと、執拗に、じっくりと彼のペニスを擦り、力を緩めたり、入れたりして、彼の反応が高まるのを待った。
『はぁ、はぁぁぁ』
と、凌亮は息を腹の底から出しながらゆっくりと、こちらの動きに合わせていた。可愛らしい吐息を連続で吐いていた凌亮だったが、急に肩を強張らせ、ドアスコープを凝視しているようだった。

『達っ! ひ、人がいるっ!』
目はドアスコープを見たまま、話していた。
「あたりまえだ、ドア一枚の向こうは、ホテルの廊下だ。誰が歩いてくるかわからないねぇ〜」と、少々、意地悪く言った。
凌亮は自分の体を支えねばなら無かったので、右手でドアを押すようにして手をつき、自由な左手で自分の口を覆った。
『うううっ…』
俺はここぞとばかりに、右手を早く動かして彼のペニスを扱きだした。
『うううんっ、うっ…』
「どれどれ」
と言って、右手で激しく扱きながら、彼の顔の横に自分の顔を並べ、
「あ〜、客室係りさんか〜。向かいの部屋のベットメイクに来たんだな?」
『ううう…うっ』
「当分、立ち去ってくれないなぁ〜」などと、彼に話し掛け、彼の口を塞いでいる左手を無理やりはがした。
「あっ! いっ」
小さな声だったが、俺はかまわず彼の口に自分の左手の指を差し入れた。
「はぁはぁ」
彼の口を指で犯すように弄り、舌を触り喉の奥のほうまで指を出し入れしてやった。
彼の声が洩れるよりも、口の中でビチャビチャといやらしい唾液が音を出してそれに反応して俺の右手も彼のペニスを激しく扱いた。凌亮も下半身の激しい扱きと、口の中で舌をもてあそばれる感覚と、ドアスコープから覗く、人の姿を見て、ドア一枚隔てたこちら側で淫らな行為をしている自分が見つかるのではないかということでさらに興奮し、自ら尻を前後にふりだした。

彼の前後のふり方は段々と激しさを増し、彼のペニスを持っている俺の手がドアに当たるのではないかと思うぐらい、激しく振っていた。その律動は俺の下半身にも充分伝わっていて、ヒクヒクと震え、我慢汁が溢れでて下着をぬらしているのが判った。

「うっ、うっ、ぁっ」
声にもならない声を発し、彼の絶頂が近く訪れようとした途端、小さな音がした。
『コトッ』
凌亮の律動が激しすぎて、彼のペニスを持つ俺の手の甲がドアにあったのた。
『ひっ!』と、短い悲鳴をあげたまま凌亮は固まった。
ドアの前には物音に反応した、中年の客室係りが凌亮が覗いている、小さな窓を反対側から覗き込んでいたるらしくスコープの光が消えた。
俺は少し、笑いながらゆっくりとした動きで又、彼のペニスを扱き始めた。
彼のペニスは彼と同じくらい素直なようで、再開した刺激に敏感に反応し、ペニスの先端からだらだらと我慢汁を流し始めた。

これには流石の凌亮も驚いたようで、自分の意図しない体の動きに困惑していたが客室係りがドアの前にいる以上、声も出せないので、弄ばれてる口から声をなんとか出さないように、自分の左手で塞ごうとやっきになっていた。
ほんの一瞬だったが、客室係りは覗き込んだドアスコープから顔を外したようで、大きな荷物のカートが押されて去っていく音が聞こえ、凝視している凌亮の狭い視界から消えていったようだった。

その途端、凌亮は安心したのか、ドアにすがって大きな声で叫んだ。
「あああぁぁーっ、ううん…」
今まで付き合っていて、一度も聞いた事の無いような叫びだった。
『他人見られる方が興奮するものなのか?』と思い、
彼のペニスの根元をきつく握り締め、精液を出さないように思いっきり力をこめて握った。
「あーっ!!! いやっだ」
「だめだよ、こんなとこでイッちゃぁ。さぁ、もう少しの辛抱だ、場所を変えよう」
きつく締めてるとはいえ、彼のペニスからはダラダラと彼の我慢汁が流れだしていた。

後ろから抱きかかえるように彼を持ち上げ、左手でドアのすぐ左隣にあるスライドのドアをあけた。そのままの体制で彼を押しながら歩かせて、ドレッシングルームを通り、左手の大理石の浴槽の奥手にある硝子で仕切られた、シャワールームの隣の便器へ向かった。

相変わらず、短い吐息を漏らし、おぼつかない足取りでフラフラとしてはいたが、流石は、俺より若いとあってまだまだ余力ある感じがした。俺は彼を後ろから抱きかかえるようにして、便器のところまで歩いてゆき、便器上に座り、彼を自分の太ももの上に座らせた。

遂に、荒い息が平静さを取り戻しつつあるようになったころ「凌亮、シャツは自分で脱いでくれないか?」と、囁いた。
「うん」
36歳の大の大人が、『うん』だとはなんと微笑ましいことか。
二人でいる時はそれほど、歳の差を感じる事は無いが、凌亮はセックスをする時に、どうも『赤ちゃん返り』になるようで、言葉使いが妙に子供っぽい。
それを彼に指摘すると、『甘えちゃいけない?』と、これまた、甘えた声で言う。
 まぁ、こちらとしても甘えた声でそういわれると、悪い気はしないもで、『もっと、苛めて甘えた声で泣かしてやろう』などと、サディスティックな心を揺る動かされる始末だ。

「靴も脱ぐ?」
「靴だけだよ」
「靴下は?」
「履いてるほうが、似合ってると思うよ」
「ふふふ、だと思ったから、今日はトオルの好きな茶色のやつだ」
そういって凌亮は俺に後ろから抱えられたまま、両方の靴を脱いで放り投げた。
俺は凌亮の尾骨をちょうど便座の間に落として斜めに固定した。
まるで、子供が便器で小便をさせるような体制になっていた。
それと、同時に俺は左手で彼の足を干し広げ『彼の中で一番欲しがりな部分』を中指の腹のあたりでさわってやった。
凌亮はそれが合図とみたのか、自分で逝く準備にとりかかり、自らの両足を抱えて、こちらに倒れてきた。まるで、M字開脚を自らしているような形だった。

つい、先ほどまで、厚い空気と彼の白い液体とで熱を帯びたその部分は、急に外気に晒されて、萎縮したようにビクンと震えた。俺は、凌亮のペニスを握りつづけた右手を彼の亀頭の部分に被いかぶせて親指の腹で擦り上げた。
「あ…ああぁっ」
と、大きく声を上げながら凌亮は前のめりに体を倒した。
「凌亮……凌亮、ダメじゃないか? もっと、我慢しないと……」
肩で大きく息をしながら、凌亮は大きくそそり立つ自分のペニスに顔をつけそうになるぐらい屈んでいた。その姿を見ながら俺は、彼のペニスを今度は、右手で根元を確りと環を作るように握り締め、左手で根元から亀頭に向かってゆっくりと、時間をかけて上下させてた。

凌亮はそのゆるい動作に我慢ならないようで、今度は反り返って、俺の両腕を押さえて、声で答えた。
「あっっ……はっ、はっ」
「いい子だね、まだ我慢できるかい?」
開けっぴろげたままの口からはダラダラと止め処なく涎が流れて、声を詰まらせながら、胸を上下に忙しく動かしていた。

そしてゆっくりと、彼のペニスの扱きを再開した。
勿論、自由になった左手で彼の一番敏感な部分を親指で上下になぞってやった。
その途端、もう我慢できなかったのか、「あーっ」と大きな声を上げ、ブルブルと下半身が震えだした。
締め付けの無くなったペニスはサラミソーセージのように硬く彼の胸へとそそり立っていたが、彼の先端部分を親指で擦ってやると、とうとう我慢が出来なくって、大きな喘ぎ声とともに彼の白濁した液を一気に放出した。
「うっ、うっ」と、詰まったような声を出していたが、全てを出し切れるように彼のペニスを根元から亀頭までをゆっくりをまわすようになで上げた。
「はぁー」と、大きく息を吸い、彼は俺の腕をさすって、言葉ではなく態度で『よかった』と言っているようだった。 

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